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書籍修繕という仕事: 刻まれた記憶、思い出、物語の守り手として生きる 単行本 – 2022/12/20
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購入オプションとあわせ買い
傷ついた本をその人の思い出ごと修繕する
アメリカの大学院で書籍修繕の魅力に目覚めた女性は、ソウルに帰って書籍修繕店を開いた。お客さんはごく普通の人たち。職人として数多くの依頼に向き合ってきた思いを綴ったノンフィクション。
壊れかけた本をそこに込められた思い出をそのままに修繕する「書籍修繕」。らくがきでいっぱいの絵本、何度もめくってバラバラになった辞書、祖母が何十年もつけてきた日記帳。今までもこれからも、大切にされてきた本が蘇る。
傷ついた本を修繕する職人となった女性の記録
書籍修繕家は技術者だ。同時に観察者であり、収集家でもある。わたしは本に刻まれた時間の痕跡を、思い出の濃度を、破損の形態を丁寧に観察し、収集する。本を修繕するというのは、その本が生きてきた生の物語に耳を傾け、それを尊重することだ。(本文より)
七〇年をゆうに超え、製本の綴じ糸はほぼすべて切れたりほどけたりしていて、一冊の日記帳というより紙の束に近かった。依頼人は日記帳を持ち込んだとき、「また一冊の丈夫な本にしておばあちゃんにプレゼントする予定だ」と言った。こんなに古くて貴重な日記帳を、丈夫で美しい本に変身させられるなんて! わたしとしては非常にワクワクしながらも、また一方では気が引き締まる思いでもあった。(本文より)
もくじ
プロローグ わたしの職業は書籍修繕家だ
1 生き残る本『'89施行 改正ハングル正書法収録国語大辞典(上下)』
2 落書きという記憶装置『ガラスのくつ』
3 「修繕」と「復元」の違い『Great Short Stories of Detection, Mystery and Horror』
■コラム■自転車の乗り方を覚えるように
4 代々受け継がれる本、その思いを込めて『韓英聖教全書 改訳ハングル版』
5 亡きあとに残された本『カット図案集』
6 テーラーになった気持ちで『Breakfast at Tiffany's』
■コラム■今日も無事に書籍修繕家です
7 時間の痕跡を観察する仕事『FOYERS ET COULISSES-OPERA Vol.1-3』
8 バターと小麦粉の跡が増えていきますように『Recipes from Scotland』
9 あなたの破れた一センチはどこですか?『Lego Hidden Side Issue 2』
■コラム■わたしの古い相棒たちを紹介します#1
10 ここはもうすぐサンシュユの花咲く季節です おばあちゃんの日記帳
11 朽ちゆく本の時間を止める『The Sign of Four』
12 わたしたちの日常に溶け込む書籍修繕『ビーチャと学校友だち』『関係者以外立入禁止』
■コラム■わたしの古い相棒たちを紹介します#2
13 一文字一文字書き綴った「思い」が宿る「家」『千字文』
14 破損という勲章『The Manchester United Opus』
15 「伴侶本」とも心を通い合わせることができるだろうか『A Dictionary of Epidemiology』
■コラム■わたしのチョコレートクリームパイ
16 ジェヨン書籍……もとい、紙の修繕! しおり、写真立て
17 消耗品と備品の境目『玉篇』
18 偶然出合って運命になる本『La Tecnica Dei Grandi Pittori』
■コラム■本の進化論
19 三三年間の愛の告白 結婚アルバム
20 古びた本のための子守唄〈キム・スジョン漫画全集〉
21 ある愛の記憶〈ハリー・ポッター〉シリーズ
22 この先の「本生」を共にする方法 旅の日誌
23 「ジェヨン書籍修繕」で修繕を待っている本たち『さむがりやのペンギンパブロ』、グッズ、『赤毛のアン』
訳者あとがき
■著者■
ジェヨン
傷んだ本を修繕する「ジェヨン書籍修繕」作業室代表。書籍修繕家、ブックアート専門家。韓国の美術大学で純粋美術とグラフィックデザインを学ぶ。2014年、アメリカの大学院に進学しブックアートと製紙を専攻する。指導教授の勧めで、大学図書館付属の「書籍保存研究室」で働きながら書籍修繕のノウハウを一から学ぶ。3年半で1800冊の蔵書の修繕を担当した。帰国後、ソウル市内に「ジェヨン書籍修繕」を2018年2月にオープン。書籍修繕家として本だけでなく紙類(しおり、フォトスタンド、ポスター、LPジャケットなど)全般の修繕に携わっている。
■翻訳■
牧野美加(まきの みか)
韓国語翻訳家。訳書に『ショウコの微笑』(共訳)、『オルレ:道をつなぐ』(共訳)、『仕事の喜びと哀しみ』、『希望ではなく欲望:閉じ込められていた世界を飛び出す』(以上クオン)、『サイボーグになる:テクノロジーと障害、わたしたちの不完全さについて』(岩波書店)などがある。
アメリカの大学院で書籍修繕の魅力に目覚めた女性は、ソウルに帰って書籍修繕店を開いた。お客さんはごく普通の人たち。職人として数多くの依頼に向き合ってきた思いを綴ったノンフィクション。
壊れかけた本をそこに込められた思い出をそのままに修繕する「書籍修繕」。らくがきでいっぱいの絵本、何度もめくってバラバラになった辞書、祖母が何十年もつけてきた日記帳。今までもこれからも、大切にされてきた本が蘇る。
傷ついた本を修繕する職人となった女性の記録
書籍修繕家は技術者だ。同時に観察者であり、収集家でもある。わたしは本に刻まれた時間の痕跡を、思い出の濃度を、破損の形態を丁寧に観察し、収集する。本を修繕するというのは、その本が生きてきた生の物語に耳を傾け、それを尊重することだ。(本文より)
七〇年をゆうに超え、製本の綴じ糸はほぼすべて切れたりほどけたりしていて、一冊の日記帳というより紙の束に近かった。依頼人は日記帳を持ち込んだとき、「また一冊の丈夫な本にしておばあちゃんにプレゼントする予定だ」と言った。こんなに古くて貴重な日記帳を、丈夫で美しい本に変身させられるなんて! わたしとしては非常にワクワクしながらも、また一方では気が引き締まる思いでもあった。(本文より)
もくじ
プロローグ わたしの職業は書籍修繕家だ
1 生き残る本『'89施行 改正ハングル正書法収録国語大辞典(上下)』
2 落書きという記憶装置『ガラスのくつ』
3 「修繕」と「復元」の違い『Great Short Stories of Detection, Mystery and Horror』
■コラム■自転車の乗り方を覚えるように
4 代々受け継がれる本、その思いを込めて『韓英聖教全書 改訳ハングル版』
5 亡きあとに残された本『カット図案集』
6 テーラーになった気持ちで『Breakfast at Tiffany's』
■コラム■今日も無事に書籍修繕家です
7 時間の痕跡を観察する仕事『FOYERS ET COULISSES-OPERA Vol.1-3』
8 バターと小麦粉の跡が増えていきますように『Recipes from Scotland』
9 あなたの破れた一センチはどこですか?『Lego Hidden Side Issue 2』
■コラム■わたしの古い相棒たちを紹介します#1
10 ここはもうすぐサンシュユの花咲く季節です おばあちゃんの日記帳
11 朽ちゆく本の時間を止める『The Sign of Four』
12 わたしたちの日常に溶け込む書籍修繕『ビーチャと学校友だち』『関係者以外立入禁止』
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13 一文字一文字書き綴った「思い」が宿る「家」『千字文』
14 破損という勲章『The Manchester United Opus』
15 「伴侶本」とも心を通い合わせることができるだろうか『A Dictionary of Epidemiology』
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16 ジェヨン書籍……もとい、紙の修繕! しおり、写真立て
17 消耗品と備品の境目『玉篇』
18 偶然出合って運命になる本『La Tecnica Dei Grandi Pittori』
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19 三三年間の愛の告白 結婚アルバム
20 古びた本のための子守唄〈キム・スジョン漫画全集〉
21 ある愛の記憶〈ハリー・ポッター〉シリーズ
22 この先の「本生」を共にする方法 旅の日誌
23 「ジェヨン書籍修繕」で修繕を待っている本たち『さむがりやのペンギンパブロ』、グッズ、『赤毛のアン』
訳者あとがき
■著者■
ジェヨン
傷んだ本を修繕する「ジェヨン書籍修繕」作業室代表。書籍修繕家、ブックアート専門家。韓国の美術大学で純粋美術とグラフィックデザインを学ぶ。2014年、アメリカの大学院に進学しブックアートと製紙を専攻する。指導教授の勧めで、大学図書館付属の「書籍保存研究室」で働きながら書籍修繕のノウハウを一から学ぶ。3年半で1800冊の蔵書の修繕を担当した。帰国後、ソウル市内に「ジェヨン書籍修繕」を2018年2月にオープン。書籍修繕家として本だけでなく紙類(しおり、フォトスタンド、ポスター、LPジャケットなど)全般の修繕に携わっている。
■翻訳■
牧野美加(まきの みか)
韓国語翻訳家。訳書に『ショウコの微笑』(共訳)、『オルレ:道をつなぐ』(共訳)、『仕事の喜びと哀しみ』、『希望ではなく欲望:閉じ込められていた世界を飛び出す』(以上クオン)、『サイボーグになる:テクノロジーと障害、わたしたちの不完全さについて』(岩波書店)などがある。
- 本の長さ232ページ
- 言語日本語
- 出版社原書房
- 発売日2022/12/20
- 寸法13.5 x 2.1 x 19.4 cm
- ISBN-104562072431
- ISBN-13978-4562072439
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登録情報
- 出版社 : 原書房 (2022/12/20)
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- 言語 : 日本語
- 単行本 : 232ページ
- ISBN-10 : 4562072431
- ISBN-13 : 978-4562072439
- 寸法 : 13.5 x 2.1 x 19.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 409,498位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,146位外国のエッセー・随筆
- - 63,205位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年4月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書の副題「刻まれた記憶、思い出、物語の守り手として生きる」の通りです。痛んだ本を、きれいに治すことで、思い出が蘇り、長く続いていくことになります。「書籍修繕」とは、修繕を依頼した人の心が温まる仕事です。
2023年4月9日に日本でレビュー済み
いい本でした
毎日を丁寧に生きよう
そう思わせてくれる本でした
毎日を丁寧に生きよう
そう思わせてくれる本でした
2023年5月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
届いた本大きく縦方向に曲がっておりました。
とても新刊の品質ではありませんでした。
とても新刊の品質ではありませんでした。
2023年3月26日に日本でレビュー済み
子供の時、学校の図書室や地域の図書館などで、透明接着フィルムにより補修された本を手に取った記憶がある。
今思えば、そうした本は、学校や図書館の職員らにより修繕されていたのだろう。
本書を手にした時、そんなことを思い出した。
本書は、アメリカの大学院で書籍修繕の魅力に目覚めた韓国人女性による、彼女の書籍修繕店に持ち込まれた本たちと、本や仕事、人生に関するエッセイである。
大学院卒の高学歴な女性が「なぜ書籍の修繕を仕事にしたのだろう?」という素朴な疑問から手に取った本であった。
著者のお店に持ち込まれる本は、辞書、聖書、子供用の絵本、カタログ、家族アルバムなど、実に様々だ。
そんな本たちは、一冊一冊がその本固有の物語や思い出を纏って、著者により素敵な一冊に「修繕」される。
「修繕」とは、原本と全く同じ状態にする「復元」とは違い、原本とは一部変わることもあるが、その分開かれた可能性を自由に活かすことのできる技術なのだ。
そして、本書は、本や仕事、人生についてのエッセイでもある。
紙の本を愛するものとして、共感すること間違いなし、たまらん話が盛り沢山な一冊だ。
ファッション、動画、本など、あらゆるものを大量消費する現代で、なぜわざわざ本を修繕する人たちがいるのか。
本書は、本だけでなく、身の回りのモノ、仕事、友人、家族、はたまた人生まで、モノを大切にすることの価値に気づかせてくれる一冊だ。
今思えば、そうした本は、学校や図書館の職員らにより修繕されていたのだろう。
本書を手にした時、そんなことを思い出した。
本書は、アメリカの大学院で書籍修繕の魅力に目覚めた韓国人女性による、彼女の書籍修繕店に持ち込まれた本たちと、本や仕事、人生に関するエッセイである。
大学院卒の高学歴な女性が「なぜ書籍の修繕を仕事にしたのだろう?」という素朴な疑問から手に取った本であった。
著者のお店に持ち込まれる本は、辞書、聖書、子供用の絵本、カタログ、家族アルバムなど、実に様々だ。
そんな本たちは、一冊一冊がその本固有の物語や思い出を纏って、著者により素敵な一冊に「修繕」される。
「修繕」とは、原本と全く同じ状態にする「復元」とは違い、原本とは一部変わることもあるが、その分開かれた可能性を自由に活かすことのできる技術なのだ。
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本書は、本だけでなく、身の回りのモノ、仕事、友人、家族、はたまた人生まで、モノを大切にすることの価値に気づかせてくれる一冊だ。