無人島に持っていく本の中にカラマーゾフの兄弟、百年の孤独、村上春樹の遠い太鼓なんてもんがあるが、この作品も持って行きたい。
ウエルベックの地図と領土を同時進行に読んでいたので、いくつか小話が混合しているところではあるが印象的な話がたくさんあって飽きなかった。
実を言うと読めるか微妙なところだったので三章までは図書館で借りて読んだんですよ。一章の恋愛小説は途中まで辛かった!五章の手記の辺りは流して読んだ節もある。
文章的には難しくなく、失われた時を求めてを読むより全然読みやすいです。
ただ、7000円するので購入には覚悟がいると思います。先ずは図書館で借りて見ることをお勧めします。
電車と会社で読んだんですけど重いし、かさばるし、湿気にやられて欲しくないし、家でじっくり読みたい所ですが切れることなく読むことをオススメします。
そんなに読書家ではないし、遅読の私で一ヶ月半くらで読めました。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
新品:
¥7,700¥7,700 税込
ポイント: 462pt
(6%)
無料お届け日:
4月4日 木曜日
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
新品:
¥7,700¥7,700 税込
ポイント: 462pt
(6%)
無料お届け日:
4月4日 木曜日
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
中古品: ¥6,500
中古品:
¥6,500

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
2666 単行本 – 2012/9/26
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥7,700","priceAmount":7700.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"7,700","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"NF0XSFlo%2BrEffoXWJcvvsSMnQY1y87qKVyfQpflIhY%2FG%2FOAAGeVasDwHkCNz7OTwGeayGCFo%2FENgqZhMds0%2BU1V0OANYX8Sh6qLJPuHFqMcLHyMqR1ZEC21nVXgVh3XqpNFLHqNnMus%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥6,500","priceAmount":6500.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"6,500","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"NF0XSFlo%2BrEffoXWJcvvsSMnQY1y87qKuyMgAnDqWIH%2B4uTCa6lwIutp5QGDhMx%2F544rrOKoTPioGG8YNRkTl%2FOEpwFrUnB0sQ9ekgE8GKGJAGS5KjVEfPf%2B8ngLTE04M6gN1P87CUAZV4DKBXyUUZrHxBY7oUIbSQchMPHWYlyA86YuDvxz7g%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
文学の新たな地平を切り拓く、遺作にして最高傑作──
二〇〇三年、チリ出身の作家ロベルト・ボラーニョは、世界的に名声が高まるなか、五十歳の若さで死去した。遺作となった本書は、作家の文学的遺書ともいえる傑出した作品である。
全五部からなる本書は、謎のドイツ人作家アルチンボルディの作品に魅せられた四人の研究者の物語から始まる。彼らはある目撃情報を頼りに作家の足跡を辿り、メキシコ北部の街サンタテレサに向かうが、そこでチリ人哲学教授アマルフィターノに出会う。数年後、ボクシングの試合を取材するためこの地を訪れたアフリカ系アメリカ人記者フェイトは、国境地帯で頻発する女性連続殺人事件のことを偶然耳にする。一九九三年から続くとされる事件の多くは迷宮入りとなっていた。そして最後に、作家の知られざる人生と、彼がメキシコに赴いた理由が、想像を絶するスケールで明かされる……。
あたかもアルチンボルドのだまし絵のように、大小さまざまな物語がちりばめられながら最後に驚くべき全体像が浮かび上がる仕掛け、第二次世界大戦を含むおよそ一世紀にわたる悪と暴力の歴史を織り込みながら、今なお続くメキシコ北部での女性連続殺人事件というアクチュアルな問題をあぶり出す本書は、まさにボラーニョ文学の集大成である。本書によって世界文学の地図は大きく塗りかえられるに違いない。
二〇〇三年、チリ出身の作家ロベルト・ボラーニョは、世界的に名声が高まるなか、五十歳の若さで死去した。遺作となった本書は、作家の文学的遺書ともいえる傑出した作品である。
全五部からなる本書は、謎のドイツ人作家アルチンボルディの作品に魅せられた四人の研究者の物語から始まる。彼らはある目撃情報を頼りに作家の足跡を辿り、メキシコ北部の街サンタテレサに向かうが、そこでチリ人哲学教授アマルフィターノに出会う。数年後、ボクシングの試合を取材するためこの地を訪れたアフリカ系アメリカ人記者フェイトは、国境地帯で頻発する女性連続殺人事件のことを偶然耳にする。一九九三年から続くとされる事件の多くは迷宮入りとなっていた。そして最後に、作家の知られざる人生と、彼がメキシコに赴いた理由が、想像を絶するスケールで明かされる……。
あたかもアルチンボルドのだまし絵のように、大小さまざまな物語がちりばめられながら最後に驚くべき全体像が浮かび上がる仕掛け、第二次世界大戦を含むおよそ一世紀にわたる悪と暴力の歴史を織り込みながら、今なお続くメキシコ北部での女性連続殺人事件というアクチュアルな問題をあぶり出す本書は、まさにボラーニョ文学の集大成である。本書によって世界文学の地図は大きく塗りかえられるに違いない。
- 本の長さ880ページ
- 言語日本語
- 出版社白水社
- 発売日2012/9/26
- 寸法15.8 x 4.8 x 21.8 cm
- ISBN-104560092613
- ISBN-13978-4560092613
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
ロベルト・ボラーニョ (1953-2003)
チリの詩人、小説家。1953年、サンティアゴ生まれ。1968年、一家でメキシコに移住。1973年、20歳のときチリに一時帰国し、ピノチェトによる軍事クーデターに遭遇したとされる。投獄経験を経て、翌74年にメキシコへ戻る。その後、エルサルバドル、フランス、スペインなどを放浪。77年以降、およそ四半世紀にわたってスペインに居を定めた。2003年死去。代表作に短篇集『通話』(1997)、『野生の探偵たち』(1998)。2004年に刊行された遺作の大長篇『2666』は、10 以上の言語に翻訳され、世界各国で高い評価を受けている。
訳者:野谷文昭(のや・ふみあき)
1948年生まれ。東京大学大学院教授。主要訳書にガルシア=マルケス『予告された殺人の記録』、プイグ『蜘蛛女のキス』、パス『苺とチョコレート』、リバス『蝶の舌』、ガルシア=モラレス『エル・スール』など多数。
訳者:内田兆史(うちだ・あきふみ)
1968年生まれ。東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程単位取得退学。明治大学専任講師。共訳書にボルヘス『序文つき序文集』(国書刊行会)。
訳者:久野量一(くの・りょういち)
1967年生まれ。東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程単位取得退学。法政大学経済学部教授。訳書にフェルナンド・バジェホ『崖っぷち』(松籟社)、共訳書にボルヘス『序文つき序文集』(国書刊行会)。
チリの詩人、小説家。1953年、サンティアゴ生まれ。1968年、一家でメキシコに移住。1973年、20歳のときチリに一時帰国し、ピノチェトによる軍事クーデターに遭遇したとされる。投獄経験を経て、翌74年にメキシコへ戻る。その後、エルサルバドル、フランス、スペインなどを放浪。77年以降、およそ四半世紀にわたってスペインに居を定めた。2003年死去。代表作に短篇集『通話』(1997)、『野生の探偵たち』(1998)。2004年に刊行された遺作の大長篇『2666』は、10 以上の言語に翻訳され、世界各国で高い評価を受けている。
訳者:野谷文昭(のや・ふみあき)
1948年生まれ。東京大学大学院教授。主要訳書にガルシア=マルケス『予告された殺人の記録』、プイグ『蜘蛛女のキス』、パス『苺とチョコレート』、リバス『蝶の舌』、ガルシア=モラレス『エル・スール』など多数。
訳者:内田兆史(うちだ・あきふみ)
1968年生まれ。東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程単位取得退学。明治大学専任講師。共訳書にボルヘス『序文つき序文集』(国書刊行会)。
訳者:久野量一(くの・りょういち)
1967年生まれ。東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程単位取得退学。法政大学経済学部教授。訳書にフェルナンド・バジェホ『崖っぷち』(松籟社)、共訳書にボルヘス『序文つき序文集』(国書刊行会)。
登録情報
- 出版社 : 白水社 (2012/9/26)
- 発売日 : 2012/9/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 880ページ
- ISBN-10 : 4560092613
- ISBN-13 : 978-4560092613
- 寸法 : 15.8 x 4.8 x 21.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 157,555位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 58位スペイン文学
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2014年6月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2020年2月24日に日本でレビュー済み
謎に包まれた作家アルチンボンディを研究する、ヨーロッパ各国在住の4人の文学批評家。
メキシコ在住の哲学教授とその娘の日々。
メキシコの事件に興味を持つアメリカの新聞記者。
メキシコで起こる女性連続殺人の中心の動乱。
そして、ドイツ人作家、アルチンボンディの人生。
本書はこれら5つの章から構成される物語であるが、この物語の真骨頂はこれらのそれぞれに独立して重層的(章に応じて複数の視点から描かれる横軸の意味でもあり、3世代、5世代といった一族の因果といった縦軸の意味でも、あるいは最終章にみられる回想の中の手記の中の物語という、小説そのものについても)構造を持つ各章がそれぞれの次章に続く引き金となっており、またそれらがすべての読了後に全体を俯瞰した際に円環を形成しているという物語の構成の巧みさにあるのではないかと思う。
劇中のアルチンボンディの名の由来でもある画家アルチンボンドの騙し絵が花弁や果実などといった「部分」と、人物という「全体」として描く方法を小説において実験したものではないか。読了後に過ぎたページを捲り直すこと必至の名作です。構成上やはり個々の物語としては5章が最も面白く、ページをめくる手が止まらないところ。
ただし、純粋に物語という意味では各章で描かれる符号がすべて合致する、、、といったものでもなく、行方知れずの作家の行方と連続殺人という物語の主題からも、感情移入を求める種類の小説でもない。ただ、これだけの技巧を以てこれだけ文学で広大な世界を描くことができるのかという意味では読後感は保証された名作かと。非常に
高額な小説ですので小説に求めるものを考えて検討してみてください。
※ちなみに、4章のレイプ殺人の詳細な記述はなかなか読み進めるのが辛いところ、、、。苦手な方は読み飛ばし気味でも問題はないのではないかと。
メキシコ在住の哲学教授とその娘の日々。
メキシコの事件に興味を持つアメリカの新聞記者。
メキシコで起こる女性連続殺人の中心の動乱。
そして、ドイツ人作家、アルチンボンディの人生。
本書はこれら5つの章から構成される物語であるが、この物語の真骨頂はこれらのそれぞれに独立して重層的(章に応じて複数の視点から描かれる横軸の意味でもあり、3世代、5世代といった一族の因果といった縦軸の意味でも、あるいは最終章にみられる回想の中の手記の中の物語という、小説そのものについても)構造を持つ各章がそれぞれの次章に続く引き金となっており、またそれらがすべての読了後に全体を俯瞰した際に円環を形成しているという物語の構成の巧みさにあるのではないかと思う。
劇中のアルチンボンディの名の由来でもある画家アルチンボンドの騙し絵が花弁や果実などといった「部分」と、人物という「全体」として描く方法を小説において実験したものではないか。読了後に過ぎたページを捲り直すこと必至の名作です。構成上やはり個々の物語としては5章が最も面白く、ページをめくる手が止まらないところ。
ただし、純粋に物語という意味では各章で描かれる符号がすべて合致する、、、といったものでもなく、行方知れずの作家の行方と連続殺人という物語の主題からも、感情移入を求める種類の小説でもない。ただ、これだけの技巧を以てこれだけ文学で広大な世界を描くことができるのかという意味では読後感は保証された名作かと。非常に
高額な小説ですので小説に求めるものを考えて検討してみてください。
※ちなみに、4章のレイプ殺人の詳細な記述はなかなか読み進めるのが辛いところ、、、。苦手な方は読み飛ばし気味でも問題はないのではないかと。
2016年12月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
苦労することはなく本当に舌なめずりしながら読める訳である。少しずつ読み進めようと思ったが、2章からやめられなくなり、思ったより早く読み終えてしまった。そして読了時にまた最初から読みたいという欲求を覚えた。こんな本はそうそうあるものではない。
2013年3月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
分厚いよう…重たいよう…ぜんぜんページ減らないよう…
苦悶にさいなまれながら読んだが、最後の一文字を読み切ったときの恍惚感は
大著を読破したからだけではない。
シウダードファレスの実在事件をモデルにした第四章の殺人描写の凄烈さ
謎の作家アルチンボルディをめぐる群像劇。そのジョイスのような豊かさ。
細部にわたる「本」や「読書」や「作家」というキーワードの掘り下げと
偏愛。
感無量です。
しばらく読書はいいかも、と思える圧倒的な文芸作品。
苦悶にさいなまれながら読んだが、最後の一文字を読み切ったときの恍惚感は
大著を読破したからだけではない。
シウダードファレスの実在事件をモデルにした第四章の殺人描写の凄烈さ
謎の作家アルチンボルディをめぐる群像劇。そのジョイスのような豊かさ。
細部にわたる「本」や「読書」や「作家」というキーワードの掘り下げと
偏愛。
感無量です。
しばらく読書はいいかも、と思える圧倒的な文芸作品。
2014年1月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本語版は世界一高価だ。
まずは英語版を買って、日本語でも読みたいならば、気長に中古価格が下がるのを待て。
自分は日本語版の1/10の価格で英語版を入手した。
この本は、おそらく、そこいらの公共図書館には置いてない。本屋で立ち読みできる長さでもない。
まずは英語版を買って、日本語でも読みたいならば、気長に中古価格が下がるのを待て。
自分は日本語版の1/10の価格で英語版を入手した。
この本は、おそらく、そこいらの公共図書館には置いてない。本屋で立ち読みできる長さでもない。
2015年4月13日に日本でレビュー済み
850頁超あるので、本そのものが物理的に重いし、個人的に二段組がやや苦手ということもあって、
読むのにはいささか苦労した。
全体が五部構成になっているうち、とくに「4 犯罪の部」は270頁ほどあって最も長いが、ここでは
メキシコ北部の架空の都市サンタテレサにおける女性連続殺人事件について語られ、紙数の多くが
被害者の殺害状況やプロフィールについての無味乾燥とも言える記述で占められているので、数十頁
ずつ読んでは少し休むということの繰り返しで、なかなか集中を保って読み続けられなかった。
(読み終えてから知ったのだが、サンタテレサのモデルになった都市シウダー・フアレスは、数年前まで
「世界一治安の悪い都市」として知られ、実際に十数年の間に数千人単位の女性が殺されているらしい。)
ところが、最後の「5 アルチンボルディの部」は物語的に最も波乱万丈で面白く、それまで宙吊りのまま
延々と焦らされてきた謎の作家アルチンボルディの素性が明かされることもあって、この部だけはむしろ
終わるのが惜しいように感じながら順調に読み進み、結末に至って不覚にも滂沱の涙を流していた。
ボラーニョ作品を読むのはこれが初めてなのに、遺作から読んでしまったなんて悲し過ぎる。もう一度
読み返せば、この作品をより深く味わえることだろうが、果たしてその日は来るのだろうか。
読むのにはいささか苦労した。
全体が五部構成になっているうち、とくに「4 犯罪の部」は270頁ほどあって最も長いが、ここでは
メキシコ北部の架空の都市サンタテレサにおける女性連続殺人事件について語られ、紙数の多くが
被害者の殺害状況やプロフィールについての無味乾燥とも言える記述で占められているので、数十頁
ずつ読んでは少し休むということの繰り返しで、なかなか集中を保って読み続けられなかった。
(読み終えてから知ったのだが、サンタテレサのモデルになった都市シウダー・フアレスは、数年前まで
「世界一治安の悪い都市」として知られ、実際に十数年の間に数千人単位の女性が殺されているらしい。)
ところが、最後の「5 アルチンボルディの部」は物語的に最も波乱万丈で面白く、それまで宙吊りのまま
延々と焦らされてきた謎の作家アルチンボルディの素性が明かされることもあって、この部だけはむしろ
終わるのが惜しいように感じながら順調に読み進み、結末に至って不覚にも滂沱の涙を流していた。
ボラーニョ作品を読むのはこれが初めてなのに、遺作から読んでしまったなんて悲し過ぎる。もう一度
読み返せば、この作品をより深く味わえることだろうが、果たしてその日は来るのだろうか。
2019年3月15日に日本でレビュー済み
やたら評判のいい本作だが過大評価だと思う。
理由は以下3点。
1.テーマが陳腐で古臭い
2.技法が過去作家の模倣ばかり
3.プロットが弱く、冗長で散漫なエピソード群が効果を上げてない
1.のテーマが陳腐で古臭いだが、本作のテーマは性と暴力が主なものだろう。だが言うまでもなくそれは文学ならフォークナー以降、映画でも本作以前に散々扱われたものである。そして本作で性や暴力に関する新しい何かなど何も提起されないのであって、それはやはりテーマの選定や扱いに失敗したのだと思う。
2.の技法についてであるが、これはアマルフィターノの部で見えるラテンアメリカ文学らしいシュルレアリスムに根をもつ詩的な文章やビートニク以降の酩酊感のあるエピソード、犯罪の部でのボルヘス風の辞書的犯罪列挙やフェイトの部でのハードボイルドやアルチンボルディの部でのSF風の挿話など、様々な技法を用いていることが挙げられる。ただどれも既視感のあるものでああそれなかったねというのが一つもない。で、それらの既存技法を様々使って文学的咸興が大きくなっているかと言われればそれもない。総合力に欠ける。特にSF風の挿話は1SFファンとして言わせてもらえれば絶対書かなかった方がマシという出来の悪さ。
そのまま3.のプロットが弱いにもつながるが、800ページも読んできて最後に、批評家の部で謎であった、アルチンボルディがなぜメキシコに行ったか、なんてどうでもいい部分を、いまさらアルチンボルディの甥が犯罪の部の重要な容疑者で、甥の母である老いた妹を助けるためにサンタテレサに来た、などと強引につなげられても全く感動出来ない。作中人物である批評家の部の文学者達にはアルチンボルディのメキシコ訪問の動機が気掛かりだったかもしれないが、そんなの読者にはどうでもいいし、なんの引きもない。プルーストかボルヘス風の物語の円環構造も既視感あり。各部の繋がりも弱く、あってないようなもの。まして800ページ散々エピソード積み上げたが殆ど本筋に本当に関係ないし、何も浮かび上がらない。散漫な話の塊はピンチョンの得意とするところだが、ピンチョンにはエントロピーという文学的意図があるが本作にはそんなものはないのだ。
凡作とは言わないが全てが古臭いし、やはり傑作ではない。これ読んで感動って具体的にどこでするの?
理由は以下3点。
1.テーマが陳腐で古臭い
2.技法が過去作家の模倣ばかり
3.プロットが弱く、冗長で散漫なエピソード群が効果を上げてない
1.のテーマが陳腐で古臭いだが、本作のテーマは性と暴力が主なものだろう。だが言うまでもなくそれは文学ならフォークナー以降、映画でも本作以前に散々扱われたものである。そして本作で性や暴力に関する新しい何かなど何も提起されないのであって、それはやはりテーマの選定や扱いに失敗したのだと思う。
2.の技法についてであるが、これはアマルフィターノの部で見えるラテンアメリカ文学らしいシュルレアリスムに根をもつ詩的な文章やビートニク以降の酩酊感のあるエピソード、犯罪の部でのボルヘス風の辞書的犯罪列挙やフェイトの部でのハードボイルドやアルチンボルディの部でのSF風の挿話など、様々な技法を用いていることが挙げられる。ただどれも既視感のあるものでああそれなかったねというのが一つもない。で、それらの既存技法を様々使って文学的咸興が大きくなっているかと言われればそれもない。総合力に欠ける。特にSF風の挿話は1SFファンとして言わせてもらえれば絶対書かなかった方がマシという出来の悪さ。
そのまま3.のプロットが弱いにもつながるが、800ページも読んできて最後に、批評家の部で謎であった、アルチンボルディがなぜメキシコに行ったか、なんてどうでもいい部分を、いまさらアルチンボルディの甥が犯罪の部の重要な容疑者で、甥の母である老いた妹を助けるためにサンタテレサに来た、などと強引につなげられても全く感動出来ない。作中人物である批評家の部の文学者達にはアルチンボルディのメキシコ訪問の動機が気掛かりだったかもしれないが、そんなの読者にはどうでもいいし、なんの引きもない。プルーストかボルヘス風の物語の円環構造も既視感あり。各部の繋がりも弱く、あってないようなもの。まして800ページ散々エピソード積み上げたが殆ど本筋に本当に関係ないし、何も浮かび上がらない。散漫な話の塊はピンチョンの得意とするところだが、ピンチョンにはエントロピーという文学的意図があるが本作にはそんなものはないのだ。
凡作とは言わないが全てが古臭いし、やはり傑作ではない。これ読んで感動って具体的にどこでするの?
2014年8月6日に日本でレビュー済み
活字を読むということに楽しみが見いだせ、かつ、長大な物語が好き、という方にとっては必読の書。
本書の長さは特筆ものだが、文章は難解なものではなく、5部構成なので、意外なほど長さは感じない。
物語はあくまで淡々とした筆致で描かれているが、そのスケール感は圧倒的。
途中で放り出したくなるようなことはなく、毎日読むのが楽しみになり、また読んでも読んでも終わらないボリュームが嬉しくなる、といった類の小説。
読書は好きだけど、なんだか小説というものに飽きてきてしまった、、と思っている方にお勧めです。
本書の長さは特筆ものだが、文章は難解なものではなく、5部構成なので、意外なほど長さは感じない。
物語はあくまで淡々とした筆致で描かれているが、そのスケール感は圧倒的。
途中で放り出したくなるようなことはなく、毎日読むのが楽しみになり、また読んでも読んでも終わらないボリュームが嬉しくなる、といった類の小説。
読書は好きだけど、なんだか小説というものに飽きてきてしまった、、と思っている方にお勧めです。