プラナカンに興味があります。具体的には国を離れて生きる民に興味があると言えます。
最近、若い世代の日本人が日本を飛び出して、東南アジアで職を求めたり、起業するケースが増えて来ました。「和僑会(現在はWAOJE,World Association of Overseas Japanese Entrepreneurs に改称)」という会もあるそうです。
世界的なグローバリゼーションの流れの中で、これから順当に経済成長が期待出来る地域は、中国、インドの巨大経済圏の間に位置する東南アジアであると思っています。中でもこれから約30年間人口ボーナスが起こるマレーシアには期待出来ます。
また、こうした経済成長の原動力として華人の経済パワーが中心になると思っています。映画「Crazy Rich Asians」に出てくるようなリアルなファミリー達です。興味のある方は「ASEAN企業地図」という本が参考になるでしょう。
この本は、古い時代のグローバリゼーションを生き抜いてきた華人たち、「プラナカン」のルーツを辿り、その後継者たちが現代にどのように生きて、その文化をどのように伝えようとしているのかを知る手掛かりになります。
著者は2015年春から3年間、日本経済新聞の記者としてシンガポールに滞在した時の取材を元にこの本を書きました。
上質で流麗な文章が心地好い本です。

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プラナカン 東南アジアを動かす謎の民 単行本(ソフトカバー) – 2018/6/23
太田 泰彦
(著)
【気高い美意識の謎に満ちた氏族】
プラナカンと呼ばれる異色の民が、東南アジアの国々にいる。 ある者は貿易で巨万の富をつかむ夢を抱いて。またある者は凶作と貧困から逃げ出すために。福建や広東の華人たちは、生死をかけてマラッカ海峡の新天地を目指した。男たちはマレー半島やスマトラ島、ジャワ島の妻と所帯を持った。熱帯の日差しを浴びて生まれ育った子孫が、やがて中国でもマレーでもない、万華鏡のように色鮮やかな独自の文化を開花させていった。彼らは、華僑とも異なる存在で、アジア経済界で隠然とした勢力を誇ち、その気高い美意識を誇る氏族の素顔は、いまなお謎に包まれている。19世紀には英国の東インド会社と手を組み、香辛料貿易、スズ鉱山、ゴム栽培で商才を奮った。あるいはアヘン取引、奴隷貿易によって無尽蔵の財をなした。富を現代に継ぐ末裔は、自らの歴史を封印したまま多くを語らない。
欧州の列強国とアジアの狭間で繁栄し、絢爛な文化を築き上げた彼らは、グローバリゼーションの波間を駆け抜ける「通商貴族」とも呼ぶべき存在だった。彼らは経済をどのように牛耳り、歴代の先人が残したその伝統を、誰が未来に渡すのか。栄華の痕跡を残すマラッカ、ペナン、シンガポールの街のほか、東南アジアの各地をめぐり、秘められたプラナカンの物語の扉を開く。
【本書の目次】
プロローグ 謎に包まれた民 第1章 リー・クアンユーの秘密 第2章 色彩とスパイス
第3章 日本が破壊したもの・支えたもの 第4章 通商貴族の地政学 第5章 明日を継ぐ者 エピローグ 消えていく時がきた
プラナカンと呼ばれる異色の民が、東南アジアの国々にいる。 ある者は貿易で巨万の富をつかむ夢を抱いて。またある者は凶作と貧困から逃げ出すために。福建や広東の華人たちは、生死をかけてマラッカ海峡の新天地を目指した。男たちはマレー半島やスマトラ島、ジャワ島の妻と所帯を持った。熱帯の日差しを浴びて生まれ育った子孫が、やがて中国でもマレーでもない、万華鏡のように色鮮やかな独自の文化を開花させていった。彼らは、華僑とも異なる存在で、アジア経済界で隠然とした勢力を誇ち、その気高い美意識を誇る氏族の素顔は、いまなお謎に包まれている。19世紀には英国の東インド会社と手を組み、香辛料貿易、スズ鉱山、ゴム栽培で商才を奮った。あるいはアヘン取引、奴隷貿易によって無尽蔵の財をなした。富を現代に継ぐ末裔は、自らの歴史を封印したまま多くを語らない。
欧州の列強国とアジアの狭間で繁栄し、絢爛な文化を築き上げた彼らは、グローバリゼーションの波間を駆け抜ける「通商貴族」とも呼ぶべき存在だった。彼らは経済をどのように牛耳り、歴代の先人が残したその伝統を、誰が未来に渡すのか。栄華の痕跡を残すマラッカ、ペナン、シンガポールの街のほか、東南アジアの各地をめぐり、秘められたプラナカンの物語の扉を開く。
【本書の目次】
プロローグ 謎に包まれた民 第1章 リー・クアンユーの秘密 第2章 色彩とスパイス
第3章 日本が破壊したもの・支えたもの 第4章 通商貴族の地政学 第5章 明日を継ぐ者 エピローグ 消えていく時がきた
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社日本経済新聞出版
- 発売日2018/6/23
- 寸法12.8 x 2.1 x 19 cm
- ISBN-104532176352
- ISBN-13978-4532176358
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商品の説明
著者について
太田 泰彦
日本経済新聞論説委員兼編集委員
1961年生まれ。北海道大学理学部卒業、85年日本経済新聞社入社。科学技術部、産業部、国際部、ワシントン支局、経済部、フランクフルト支局、論説委員兼国際部編集委員、同アジア総局駐在などを経て現職。2017年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。
日本経済新聞論説委員兼編集委員
1961年生まれ。北海道大学理学部卒業、85年日本経済新聞社入社。科学技術部、産業部、国際部、ワシントン支局、経済部、フランクフルト支局、論説委員兼国際部編集委員、同アジア総局駐在などを経て現職。2017年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。
登録情報
- 出版社 : 日本経済新聞出版 (2018/6/23)
- 発売日 : 2018/6/23
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 256ページ
- ISBN-10 : 4532176352
- ISBN-13 : 978-4532176358
- 寸法 : 12.8 x 2.1 x 19 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 276,183位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 115位アジア・アフリカの地理・地域研究
- カスタマーレビュー:
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5 星
かつてグローバリゼーションを生き抜いた民 ー プラナカン ー
プラナカンに興味があります。具体的には国を離れて生きる民に興味があると言えます。最近、若い世代の日本人が日本を飛び出して、東南アジアで職を求めたり、起業するケースが増えて来ました。「和僑会(現在はWAOJE,World Association of Overseas Japanese Entrepreneurs に改称)」という会もあるそうです。世界的なグローバリゼーションの流れの中で、これから順当に経済成長が期待出来る地域は、中国、インドの巨大経済圏の間に位置する東南アジアであると思っています。中でもこれから約30年間人口ボーナスが起こるマレーシアには期待出来ます。また、こうした経済成長の原動力として華人の経済パワーが中心になると思っています。映画「Crazy Rich Asians」に出てくるようなリアルなファミリー達です。興味のある方は「ASEAN企業地図」という本が参考になるでしょう。この本は、古い時代のグローバリゼーションを生き抜いてきた華人たち、「プラナカン」のルーツを辿り、その後継者たちが現代にどのように生きて、その文化をどのように伝えようとしているのかを知る手掛かりになります。著者は2015年春から3年間、日本経済新聞の記者としてシンガポールに滞在した時の取材を元にこの本を書きました。上質で流麗な文章が心地好い本です。
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2018年11月11日に日本でレビュー済み
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プラナカンに興味があります。具体的には国を離れて生きる民に興味があると言えます。
最近、若い世代の日本人が日本を飛び出して、東南アジアで職を求めたり、起業するケースが増えて来ました。「和僑会(現在はWAOJE,World Association of Overseas Japanese Entrepreneurs に改称)」という会もあるそうです。
世界的なグローバリゼーションの流れの中で、これから順当に経済成長が期待出来る地域は、中国、インドの巨大経済圏の間に位置する東南アジアであると思っています。中でもこれから約30年間人口ボーナスが起こるマレーシアには期待出来ます。
また、こうした経済成長の原動力として華人の経済パワーが中心になると思っています。映画「Crazy Rich Asians」に出てくるようなリアルなファミリー達です。興味のある方は「ASEAN企業地図」という本が参考になるでしょう。
この本は、古い時代のグローバリゼーションを生き抜いてきた華人たち、「プラナカン」のルーツを辿り、その後継者たちが現代にどのように生きて、その文化をどのように伝えようとしているのかを知る手掛かりになります。
著者は2015年春から3年間、日本経済新聞の記者としてシンガポールに滞在した時の取材を元にこの本を書きました。
上質で流麗な文章が心地好い本です。
最近、若い世代の日本人が日本を飛び出して、東南アジアで職を求めたり、起業するケースが増えて来ました。「和僑会(現在はWAOJE,World Association of Overseas Japanese Entrepreneurs に改称)」という会もあるそうです。
世界的なグローバリゼーションの流れの中で、これから順当に経済成長が期待出来る地域は、中国、インドの巨大経済圏の間に位置する東南アジアであると思っています。中でもこれから約30年間人口ボーナスが起こるマレーシアには期待出来ます。
また、こうした経済成長の原動力として華人の経済パワーが中心になると思っています。映画「Crazy Rich Asians」に出てくるようなリアルなファミリー達です。興味のある方は「ASEAN企業地図」という本が参考になるでしょう。
この本は、古い時代のグローバリゼーションを生き抜いてきた華人たち、「プラナカン」のルーツを辿り、その後継者たちが現代にどのように生きて、その文化をどのように伝えようとしているのかを知る手掛かりになります。
著者は2015年春から3年間、日本経済新聞の記者としてシンガポールに滞在した時の取材を元にこの本を書きました。
上質で流麗な文章が心地好い本です。
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2022年3月30日に日本でレビュー済み
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シンガポール赴任が決まり多種多様な民族が集まって出来た国の歴史の勉強になりました。
2019年5月4日に日本でレビュー済み
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リークアンユー初代シンガポール首相のアジア的時間感の話から始まり、大航海時代のマラッカなど胡椒戦争から、大戦前の日本とプラナガン文化の意外なつながり、そして戦中期の数千万ドルの軍資金徴発と、親英・親国民党と見られたプラナガン市民の粛正という名の虐殺の歴史を重層的に辿りながら、今のプラナガン文化、そしてそれを継承するシンガポールの人々に、日本人も共有していくべき未来が見える一冊です。
2018年7月16日に日本でレビュー済み
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まず装丁がすばらしい。「プラナカン」の題字の浅緑色は、ターコイズブルーというのかエメラルドグリーンというのかよくわからないが、初音ミクの髪の色のようで、儚げで繊細でもあり、また優しくて温かい。それは、本書の中で紹介されるプラナカンの文化にも共通する特徴のようで、自らのアイデンティティーやオリジナリティーを強調するのではなく、あくまでも融和的で、またハイブリッドで、国家や民族の壁を越え、時には性差をも越境する。著者は「本書に登場する男性のうち、おそらく半分はゲイだろう」と終わりの方で明かしていさえする。
本書は「プラナカンはいかに見い出されたか」をたどる旅の記録でもある。目覚ましい経済発展を遂げたシンガポールだったが、文化振興は二の次だったことは否めない。2008年のプラナカン博物館の開館式で「アジア最強の文化・芸術の舞台をここシンガポールに置く」と熱弁するリー・シェンロン首相。自らの文化的アイデンティティを模索する中で、プラナカンの「伝統」は見い出され、再定義され、あるいは国家的プロジェクトの一環として「創生」される。(もっとも、このあたり、日本人にとっても既視感があるのではなかろうか...)では、シンガポールとは国情も違う他の国ではどうなのか。著者は東南アジアの各地へ飛んで、数多くの人々に取材しながら、プラナカンの多様性と彼らを結びつける絆を見出していく。このあたりの生き生きとした叙述も本書の読みどころである。
本書は「プラナカンはいかに見い出されたか」をたどる旅の記録でもある。目覚ましい経済発展を遂げたシンガポールだったが、文化振興は二の次だったことは否めない。2008年のプラナカン博物館の開館式で「アジア最強の文化・芸術の舞台をここシンガポールに置く」と熱弁するリー・シェンロン首相。自らの文化的アイデンティティを模索する中で、プラナカンの「伝統」は見い出され、再定義され、あるいは国家的プロジェクトの一環として「創生」される。(もっとも、このあたり、日本人にとっても既視感があるのではなかろうか...)では、シンガポールとは国情も違う他の国ではどうなのか。著者は東南アジアの各地へ飛んで、数多くの人々に取材しながら、プラナカンの多様性と彼らを結びつける絆を見出していく。このあたりの生き生きとした叙述も本書の読みどころである。
2019年1月23日に日本でレビュー済み
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自分の東南アジア生活で感じたペラナカン文化を語ってくださって感激でした。
2020年10月5日に日本でレビュー済み
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東南アジアには様々な歴史があるが、民族の歴史もその一つである。
日本にはない混血の歴史が感じられ、同時に東南アジアの歴史も感じられる。それが上手く一冊にまとまっている本だ。
プラナカンがいたからより東南アジアの歴史は複雑で興味深いものになった。そして私たち日本人がこのプラナカンに対してひどい行いも知れる。
これはより東南アジアを好きになれる本だと思う。
日本にはない混血の歴史が感じられ、同時に東南アジアの歴史も感じられる。それが上手く一冊にまとまっている本だ。
プラナカンがいたからより東南アジアの歴史は複雑で興味深いものになった。そして私たち日本人がこのプラナカンに対してひどい行いも知れる。
これはより東南アジアを好きになれる本だと思う。
2018年8月21日に日本でレビュー済み
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シンガポールと日本の往復で読了。いや〜素敵な本でした。ジャーナリストの視点で鋭く深く、歴史的、政治的、経済的観点からこの地域に息づくプラナカンの大きな流れを描いている素晴らしい著作だと思いました。また、著者の太田さんの人間性も随所に垣間見え、プラナカン同様、フェミニンな空気感が味わえる素敵な物語のように感じました。実は、読後すぐにプラナカン博物館に行き、この本に登場するAsterで日本製のタイルも購入。True Blueっdニョニャ料理も堪能しました。マラッカ、ペナン、プーケットも、プラナカンを感じるべく是非訪ねてみたいと思います。

シンガポールと日本の往復で読了。いや〜素敵な本でした。ジャーナリストの視点で鋭く深く、歴史的、政治的、経済的観点からこの地域に息づくプラナカンの大きな流れを描いている素晴らしい著作だと思いました。また、著者の太田さんの人間性も随所に垣間見え、プラナカン同様、フェミニンな空気感が味わえる素敵な物語のように感じました。実は、読後すぐにプラナカン博物館に行き、この本に登場するAsterで日本製のタイルも購入。True Blueっdニョニャ料理も堪能しました。マラッカ、ペナン、プーケットも、プラナカンを感じるべく是非訪ねてみたいと思います。
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2018年7月8日に日本でレビュー済み
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東南アジア圏には華僑が多い、シンガポールはリー・クアンユーが華人だ、という事実はどこかニュースで耳にした知識だったが、それと本書のテーマであるプラナカンが微妙な結びつきがあるとはこの本を読むまで気づかなかった。「微妙な」と書いたのはプラナカンと華僑・華人は(少なくとも当事者にとっては)似て非なる概念だと知ったからだ。
ときは明の時代、鄭和の遠征に遡るというプラナカンの歴史は、近現代の東南アジア史に大きな足跡を残す。大きな歴史で言えばイギリス植民地としてのシンガポールの発展、小さな歴史で言えば無数の都市に散らばった(本書ではインドネシアの)現地に溶け込んだプラナカンの祭りに名残がある。そして、裏の歴史ではASEANの創設、シンガポールを占領した南洋の日本軍の影にも居たという。
著者は日経新聞の記者ということもあり、こうしたプラナカンのネットワークを縦横無尽にたどりながら足を使い手を使いつつ、ひとつのストーリーに糸を手繰り寄せている。その書き方は読み手を飽きさせず素晴らしいストーリーテリングになっている。
他方、プラナカンの呼称をペラナカン かプラナカンかという議論で「かわいさ」を重視してプラナカンとした、という言及や、今回取材に応じてくれたプラナカン男性の半分くらいはゲイであろう、という不用意としか思えない感想文があり、1点減点とした。もう少し多ければ、それまでの真摯な語り口が台無しになりかねなかった、と思う。
ときは明の時代、鄭和の遠征に遡るというプラナカンの歴史は、近現代の東南アジア史に大きな足跡を残す。大きな歴史で言えばイギリス植民地としてのシンガポールの発展、小さな歴史で言えば無数の都市に散らばった(本書ではインドネシアの)現地に溶け込んだプラナカンの祭りに名残がある。そして、裏の歴史ではASEANの創設、シンガポールを占領した南洋の日本軍の影にも居たという。
著者は日経新聞の記者ということもあり、こうしたプラナカンのネットワークを縦横無尽にたどりながら足を使い手を使いつつ、ひとつのストーリーに糸を手繰り寄せている。その書き方は読み手を飽きさせず素晴らしいストーリーテリングになっている。
他方、プラナカンの呼称をペラナカン かプラナカンかという議論で「かわいさ」を重視してプラナカンとした、という言及や、今回取材に応じてくれたプラナカン男性の半分くらいはゲイであろう、という不用意としか思えない感想文があり、1点減点とした。もう少し多ければ、それまでの真摯な語り口が台無しになりかねなかった、と思う。