作者の仕事に対する姿勢と言葉を大切にしてることが本書から
伝わってくる、人生相談で見せる的確なアドバイスとスピード
感のある文章は魅力がある。

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最相葉月仕事の手帳 単行本 – 2014/4/1
最相 葉月
(著)
絶対音感、青いバラ、星新一、セラピスト……。ひとつのテーマを何年も追い続ける徹底した取材で知られるノンフィクションライターによる初の仕事論。
「取材中に相手が黙ってしまったら」「これは書かないでくれと言われたら」「どこまで空気を読むべき?」。取材の依頼から話の聞き方、資料の集め方、執筆まで、編集者時代、ライターとしての体験をもとに、仕事の「心得」を語る。
「この本は、私のライター稼業にまつわる覚え書きである。編集や執筆の話が中心だが、人の話を聞いたり交渉したりといった一般の仕事に通ずるエピソードも盛り込んでいる。ライターだからといって何か特別に心得ておかねばならないことがあるわけではなく、基本は人間関係だ。
追いつめられたり解放されたり、しがみついたり投げ出したり。どんな仕事でも同じだろうが、自分を苦しめるのも救ってくれるのも結局は仕事なのだ」(「はじめに」より)
「取材中に相手が黙ってしまったら」「これは書かないでくれと言われたら」「どこまで空気を読むべき?」。取材の依頼から話の聞き方、資料の集め方、執筆まで、編集者時代、ライターとしての体験をもとに、仕事の「心得」を語る。
「この本は、私のライター稼業にまつわる覚え書きである。編集や執筆の話が中心だが、人の話を聞いたり交渉したりといった一般の仕事に通ずるエピソードも盛り込んでいる。ライターだからといって何か特別に心得ておかねばならないことがあるわけではなく、基本は人間関係だ。
追いつめられたり解放されたり、しがみついたり投げ出したり。どんな仕事でも同じだろうが、自分を苦しめるのも救ってくれるのも結局は仕事なのだ」(「はじめに」より)
- 本の長さ228ページ
- 言語日本語
- 出版社日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
- 発売日2014/4/1
- 寸法13.1 x 1.8 x 19 cm
- ISBN-104532169275
- ISBN-13978-4532169275
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登録情報
- 出版社 : 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版; New版 (2014/4/1)
- 発売日 : 2014/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 228ページ
- ISBN-10 : 4532169275
- ISBN-13 : 978-4532169275
- 寸法 : 13.1 x 1.8 x 19 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 202,167位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4,908位その他のビジネス・経済関連書籍
- カスタマーレビュー:
著者について
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1963年、東京生まれの神戸育ち。関西学院大学法学部卒。科学技術と人間の関係性、スポーツ、近年は精神医療、カウンセリングをテーマに取材。
97年『絶対音感』で小学館ノンフィクション大賞。2007年『星新一 一〇〇一話をつくった人』で大佛次郎賞、講談社ノンフィクション賞、日本SF大賞、08年同書で日本推理作家協会賞、星雲賞。
ほかのノンフィクションに『青いバラ』『セラピスト』『ナグネ 中国朝鮮族の友と日本』『れるられる』『証し 日本のキリスト者』『中井久夫 人と仕事』など、エッセイ集に『なんといふ空』『最相葉月 仕事の手帳』『辛口サイショーの人生案内』『辛口サイショーの人生案内DX』『母の最終講義』、児童書に『調べてみよう、書いてみよう』、共著に『心のケア 阪神・淡路大震災から東北へ』『胎児のはなし』など。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年5月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
言うことはありません。
マークしていた作者の本を安く手に入れられてうれしいです。ゆっくり読ませていただきます。
マークしていた作者の本を安く手に入れられてうれしいです。ゆっくり読ませていただきます。
2015年8月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読●新聞の「人生案内」の回答が好きで、一冊買ってみました。
仕事に対する向かい合い方に悩んでいたので、そのような内容を期待して買ってみたのですが、一般的な「仕事」に対する姿勢というのではなく、ご自身の仕事に対する向き合ってこられた経緯が書かれていました。ライターさんを目指されている方にとっては、貴重な本だと思います。
葉月さんの本職である最終章は、紹介されているどの本も手にとって読みたくなるから、やっぱり「人生案内」同様に、素敵なんだと思います。
仕事に対する向かい合い方に悩んでいたので、そのような内容を期待して買ってみたのですが、一般的な「仕事」に対する姿勢というのではなく、ご自身の仕事に対する向き合ってこられた経緯が書かれていました。ライターさんを目指されている方にとっては、貴重な本だと思います。
葉月さんの本職である最終章は、紹介されているどの本も手にとって読みたくなるから、やっぱり「人生案内」同様に、素敵なんだと思います。
2015年3月4日に日本でレビュー済み
最相葉月には謎があります。
「なぜ、錚々たるビッグネームに取材して、作品を書けるのか?」
です。
出世作「絶対音感」(小学館1998/03/10)第一章「人間音叉」では、先ず絶対音感を持つ人に、その感覚を尋ねているのですが、僕が知っている人だけでも、井上鑑、矢野顕子、渡辺香津美、三善晃など。ポピュラーミュージックの大御所から現代音楽の大家までが答えています。
「星新一」(2007/3/30新潮社)では星新一と親交があったタモリにも取材しています。
考え無しに僕の喉まで来る答えは、下品ですが
「カネ」
です。
無論口にしません。
すこし考えれば直ぐに気が付きます。
「カネ」
を使っても、インタビューはできません。
著名人に
「絶対音感を持っているという感覚は如何なものですか?」
とインタビューしようと思いつき、
「さて、幾らで時間を割いてくれるかな。」
とお値段だけしか思い浮かばないとしたら、その時点でインタビューは不可能であろうと思いあたります。
では、最相葉月は、どのようにして、著名人を含む多種多様なプロフェッショナルに取材して、ノンフィクション作品を書き上げるのでしょうか。
その答えが記されているのがこの本です。
四つに章立てされています。
1 仕事の心得
では、仕事を始めた経緯から筆を起こし、実際の取材現場の様子を含めたノンフィクションライターとしての仕事の内容を詳しく語ります。
2 聞くこと
では、インタビュー番組を担当したFMラジオの番組から、「三浦しをん」「野町和嘉」へのロングインタビューを紹介しています。
3 書くこと
では、理系出身でない最相葉月が自然科学のノンフィクションに取り組む経験を披露した後、2009年早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコースでの講義「私のノンフィクション作法」を紹介しています。主に「星新一」執筆での取材活動を題材に、最終的には人を相手にする仕事であること。誠実さと謙虚さが必要とされることを訴えています。
4 読むこと
では、他者のノンフィクション作品に寄せた書評を紹介しています。
「サンダカン八番娼館」山崎朋子1972年筑摩書房
「唐ゆきさん」を取材したノンフィクションの書評。是非読まねばならぬと思いました。
また、取材、執筆した著者の苦労や工夫、配慮、取材相手の思いや親切心にまで解説が加えられており、ノンフィクションライターが記す書評ならではの視点が得難いものであると感じました。
「田中角栄研究 全記録」立花隆1976年講談社
幼い頃にTVでよく耳にした「ロッキード事件」とは、この人が活躍して暴いたのだな。とようやく立花隆の偉業を理解しました。
他に8作品についての書評が収録されています。
読み終えて最相葉月の謎が解けたように思います。
やはり
「カネ」
ではありませんでした(笑)
丁寧で誠実な仕事。そして、本書では触れられていませんが、星新一がエッセイで述べていた、目先の損得勘定ではなく「サービス精神」での仕事が最相葉月著作を読み応えのあるものにしていると思いました。
サラリーマンの僕は要領の良いだけの人や、嘘も方便と口の上手い人が出世していくのを目の当たりにして、時々「やってらんねぇ。」と思うこともあります。でも、先ずは最相葉月を見習って、誠実に、ごまかしをせず、納得しながら、仕事をしたいと思いました。
「なぜ、錚々たるビッグネームに取材して、作品を書けるのか?」
です。
出世作「絶対音感」(小学館1998/03/10)第一章「人間音叉」では、先ず絶対音感を持つ人に、その感覚を尋ねているのですが、僕が知っている人だけでも、井上鑑、矢野顕子、渡辺香津美、三善晃など。ポピュラーミュージックの大御所から現代音楽の大家までが答えています。
「星新一」(2007/3/30新潮社)では星新一と親交があったタモリにも取材しています。
考え無しに僕の喉まで来る答えは、下品ですが
「カネ」
です。
無論口にしません。
すこし考えれば直ぐに気が付きます。
「カネ」
を使っても、インタビューはできません。
著名人に
「絶対音感を持っているという感覚は如何なものですか?」
とインタビューしようと思いつき、
「さて、幾らで時間を割いてくれるかな。」
とお値段だけしか思い浮かばないとしたら、その時点でインタビューは不可能であろうと思いあたります。
では、最相葉月は、どのようにして、著名人を含む多種多様なプロフェッショナルに取材して、ノンフィクション作品を書き上げるのでしょうか。
その答えが記されているのがこの本です。
四つに章立てされています。
1 仕事の心得
では、仕事を始めた経緯から筆を起こし、実際の取材現場の様子を含めたノンフィクションライターとしての仕事の内容を詳しく語ります。
2 聞くこと
では、インタビュー番組を担当したFMラジオの番組から、「三浦しをん」「野町和嘉」へのロングインタビューを紹介しています。
3 書くこと
では、理系出身でない最相葉月が自然科学のノンフィクションに取り組む経験を披露した後、2009年早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコースでの講義「私のノンフィクション作法」を紹介しています。主に「星新一」執筆での取材活動を題材に、最終的には人を相手にする仕事であること。誠実さと謙虚さが必要とされることを訴えています。
4 読むこと
では、他者のノンフィクション作品に寄せた書評を紹介しています。
「サンダカン八番娼館」山崎朋子1972年筑摩書房
「唐ゆきさん」を取材したノンフィクションの書評。是非読まねばならぬと思いました。
また、取材、執筆した著者の苦労や工夫、配慮、取材相手の思いや親切心にまで解説が加えられており、ノンフィクションライターが記す書評ならではの視点が得難いものであると感じました。
「田中角栄研究 全記録」立花隆1976年講談社
幼い頃にTVでよく耳にした「ロッキード事件」とは、この人が活躍して暴いたのだな。とようやく立花隆の偉業を理解しました。
他に8作品についての書評が収録されています。
読み終えて最相葉月の謎が解けたように思います。
やはり
「カネ」
ではありませんでした(笑)
丁寧で誠実な仕事。そして、本書では触れられていませんが、星新一がエッセイで述べていた、目先の損得勘定ではなく「サービス精神」での仕事が最相葉月著作を読み応えのあるものにしていると思いました。
サラリーマンの僕は要領の良いだけの人や、嘘も方便と口の上手い人が出世していくのを目の当たりにして、時々「やってらんねぇ。」と思うこともあります。でも、先ずは最相葉月を見習って、誠実に、ごまかしをせず、納得しながら、仕事をしたいと思いました。
2020年6月27日に日本でレビュー済み
<各章の概要>
1章.仕事の心得
→編集・ライター業にまつわる25篇の短いエッセイ
2章.聞くこと
→ラジオ番組内でのインタビューを収録したもので、所々に著者自身によるコメントあり
小説家 三浦しをん/写真家 野町和嘉
3章.書くこと
→ふたつのテーマに分けてノンフィクションを書くことについて語る
・科学を書く(主に『青いバラ』について)
・人間を書く(評伝を書くこと(星新一)について)
4章.読むこと
→ノンフィクションの書評
『サンダカン八番娼館』『田中角栄研究 全記録』『この三十年の日本人』『昭 田中角栄と生きた女』『ぼくもいくさに征くのだけれど』『ヤマノミ』『リターンマッチ』『藝人春秋』『桶川ストーカー殺人事件――遺言』『こんな夜更けにバナナかよ』
<印象的なフレーズ>
「ライターだからといって何か特別に心得ておかねばならないことがあるわけではなく、基本は人間関係だ」
「どこの世界に経費がかかりすぎるから作品を書くのを断念する物書きがいるだろう」
「こちらが謙虚であれば、相手がねじれているとすぐにわかります」
<そのほか>
書評で紹介されている『サンダカン八番娼館』『ヤマノミ』『桶川ストーカー殺人事件――遺言』はぜひ読んでみたいと思いました。
1章.仕事の心得
→編集・ライター業にまつわる25篇の短いエッセイ
2章.聞くこと
→ラジオ番組内でのインタビューを収録したもので、所々に著者自身によるコメントあり
小説家 三浦しをん/写真家 野町和嘉
3章.書くこと
→ふたつのテーマに分けてノンフィクションを書くことについて語る
・科学を書く(主に『青いバラ』について)
・人間を書く(評伝を書くこと(星新一)について)
4章.読むこと
→ノンフィクションの書評
『サンダカン八番娼館』『田中角栄研究 全記録』『この三十年の日本人』『昭 田中角栄と生きた女』『ぼくもいくさに征くのだけれど』『ヤマノミ』『リターンマッチ』『藝人春秋』『桶川ストーカー殺人事件――遺言』『こんな夜更けにバナナかよ』
<印象的なフレーズ>
「ライターだからといって何か特別に心得ておかねばならないことがあるわけではなく、基本は人間関係だ」
「どこの世界に経費がかかりすぎるから作品を書くのを断念する物書きがいるだろう」
「こちらが謙虚であれば、相手がねじれているとすぐにわかります」
<そのほか>
書評で紹介されている『サンダカン八番娼館』『ヤマノミ』『桶川ストーカー殺人事件――遺言』はぜひ読んでみたいと思いました。
2014年7月12日に日本でレビュー済み
仕事に飽いたことはないが、何年かぶりに行き詰って手にしたのがこの本である。
就職後しばらく経って「作業ではなく仕事をしろ」と言い聞かせられていた頃
から、現在自分がどれだけ成長を遂げたか、仕事に誇りと責任を感じたくなった
というのが読後の正直な感想である。
構成はノンフィクション作家としての著者の「仕事の心得」「聞くこと」「書くこと」
「読むこと」と4部の視点で成り立っている。何故、書題が「仕事の手帳」に至ったか
は最後の「おわりに」に明かされている。
著者を一級のノンフィクションライターとして素晴らしいと思うのは、無論、対象を
見つめる視点の確かさや、文章の上手さもあるが、地道に継続していく決して楽とは
言えない過程の中でも、常に謙虚さと、他者の人生や仕事に対する尊敬を失わないからだ。
その実例として、文中に出てくる著者自身が影響を受けたノンフィクションに対する書評
のどれもが実に見事で、思わず惹き込まれてしまう。誰かがいてくれるおかげで、自分の
仕事は成り立っていると感じられる人は、生涯仕事に救われるだろうなと思えてしまう。
記憶に残しておきたい箇所はいくらでもあるが、著者の覚悟に、書いた作者の魂を汲み
取れる読者になりたいものだと思った。今後良書に出会うと、必ず「果たして私は良い
読者だろうか?」と確認せずにはいられないだろう。
そして気がつけば、仕事に対する迷いは、そのまま「自分は何かに真剣に対峙しているか?」
といった問いかけになっていた。
就職後しばらく経って「作業ではなく仕事をしろ」と言い聞かせられていた頃
から、現在自分がどれだけ成長を遂げたか、仕事に誇りと責任を感じたくなった
というのが読後の正直な感想である。
構成はノンフィクション作家としての著者の「仕事の心得」「聞くこと」「書くこと」
「読むこと」と4部の視点で成り立っている。何故、書題が「仕事の手帳」に至ったか
は最後の「おわりに」に明かされている。
著者を一級のノンフィクションライターとして素晴らしいと思うのは、無論、対象を
見つめる視点の確かさや、文章の上手さもあるが、地道に継続していく決して楽とは
言えない過程の中でも、常に謙虚さと、他者の人生や仕事に対する尊敬を失わないからだ。
その実例として、文中に出てくる著者自身が影響を受けたノンフィクションに対する書評
のどれもが実に見事で、思わず惹き込まれてしまう。誰かがいてくれるおかげで、自分の
仕事は成り立っていると感じられる人は、生涯仕事に救われるだろうなと思えてしまう。
記憶に残しておきたい箇所はいくらでもあるが、著者の覚悟に、書いた作者の魂を汲み
取れる読者になりたいものだと思った。今後良書に出会うと、必ず「果たして私は良い
読者だろうか?」と確認せずにはいられないだろう。
そして気がつけば、仕事に対する迷いは、そのまま「自分は何かに真剣に対峙しているか?」
といった問いかけになっていた。
2014年6月27日に日本でレビュー済み
本当に恥ずかしながら著者のノンフィクションは一冊も読んだことがなく、本当は順番が逆だろうと思いつつこちらの本から読んでしまいました。
一読しての感想は、ノンフィクションを書く人というのはどうしてこれほどストイックで、タフで、そして魅力的なのか、ということ。どこかのちんけなビジネス本のような感想になってしまい恐縮ですが、この方の仕事にかける情熱と、冷静かつ丁寧な仕事ぶり、自分を取り巻く他人への優しく鋭い眼差し、そしてなんといって自分の物の見方や仕事の姿勢を律する厳しさに触れると、どんな職種についている読者でも何か奮い立たされるものがあると思います。
また本書を読んで確信したのは、優れたノンフィクション作家は例外なく書評が上手いということ。高野秀行さんや内澤旬子さんもそうですが、特にノンフィクションの書評を書かせると抜群に面白い。興味のある方は本書に収録された 『ヤノマミ』 や 『藝人春秋』 の書評だけでも立ち読みをお勧めします。頭がくらっくらするほど興奮してレジに駆け込まざるをえないはずです。
ノンフィクションは高価でも買って読む。その行為が少しでも著者の次の取材につながるのであれば、読者としてはこの上ない本望でしょう。
一読しての感想は、ノンフィクションを書く人というのはどうしてこれほどストイックで、タフで、そして魅力的なのか、ということ。どこかのちんけなビジネス本のような感想になってしまい恐縮ですが、この方の仕事にかける情熱と、冷静かつ丁寧な仕事ぶり、自分を取り巻く他人への優しく鋭い眼差し、そしてなんといって自分の物の見方や仕事の姿勢を律する厳しさに触れると、どんな職種についている読者でも何か奮い立たされるものがあると思います。
また本書を読んで確信したのは、優れたノンフィクション作家は例外なく書評が上手いということ。高野秀行さんや内澤旬子さんもそうですが、特にノンフィクションの書評を書かせると抜群に面白い。興味のある方は本書に収録された 『ヤノマミ』 や 『藝人春秋』 の書評だけでも立ち読みをお勧めします。頭がくらっくらするほど興奮してレジに駆け込まざるをえないはずです。
ノンフィクションは高価でも買って読む。その行為が少しでも著者の次の取材につながるのであれば、読者としてはこの上ない本望でしょう。
2014年7月9日に日本でレビュー済み
ノンフィクションを読むときに感じるゴリゴリした歯ごたえのようなものが、この著者の作品からはそぎ落とされているのが不思議です。言葉にするなら透明感となるのでしょうか。仕事に対する徹底した姿勢を、この透明感をもった文章で伝えられることによって、読む人の仕事観もまた研ぎ澄まされていくような感覚になります。