創元のオリジナルアンソロジー「時の娘」収録の同名の短編の長編版です。
話の骨子は短編版と同じですが、ヒロインの名前が変わってたりとか、最初と最後は同じですが、途中には少し別の山場もあったり、謎の種族といったSF要素なんかが追加されていたりします。
また長編版は少し前半のヒロインの振舞が違っていて、それによってヒロインの出自や性格が強調されていて、また途中には別の山場も挿入されていて、主人公の子供達に対する愛情の純粋さや深さも強調されてると感じます。ヤングの作品にはハインラインの「夏への扉」がよく引き合いに出されますが、この辺は、もしかしたら、その夏への扉などを意識した差別化もあるのかも。個人的には夏への扉もとても好きな作品ですが、あのヒロインは、あまりにも男にとって都合が良すぎるように感じられて、そこがちょっとネックだと思うのですが(^^;、その点に関しては、この作品は無理がないので、素直に感動できるし、女性にも勧められるかな、と。
ですが、短編と長編とどちらがいいか、というと……やっぱりどちらを先に読んだか、に大きく依存するかな、という気がします。上記の違いの部分でこの作品のユニークさや良い部分も確かに強調されているような気もしますが、それが絶対に必要なものかというと、そうでもないかな、と(^^;
個人的には、自分は先に短編を読んでしまったので(それと短編版で個人的に気に入ってたあるセリフがないのでw)、どちらかを選べと言われればやはり短編版をとるのですが(^^;、どちらも読んだ事がないなら、見せ場が多い長編の方がオススメかなと思います。
ただ、やっぱり難点は、かなり昔の作品なので、やはり設定とか世界が非常に古臭いというか、まあ、ぶっちゃけていうと「ちゃちい」です(笑)。
この辺にはある程度目をつぶる読み方ができないと辛いでしょう。
それから余談ですが、あとがきによれば「真鍮の都」の長編版、Vizier's Second Daughterも近いうちに翻訳される予定らしいです。伊藤典夫氏に酷評された作品ですが、自分もこのPBを読みましたので書かせていただくと、伊藤氏の指摘も的外れだとは思いませんが、ヤングの作品として酷いとは思わないですし、自分はヒロインはこちらの方が好みなので、楽しみにしてます。そちらの期待も込めて、星はちょっぴりオマケします(笑)

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時が新しかったころ (創元SF文庫) 文庫 – 2014/3/21
ロバート・F・ヤング
(著),
中村 融
(翻訳)
七千万年前の恐竜世界で時間エージェントは二人の子どもを保護した! ヤングの長編を初紹介。ボーイ・ミーツ・ガール時間SF!
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日2014/3/21
- ISBN-104488748015
- ISBN-13978-4488748012
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登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (2014/3/21)
- 発売日 : 2014/3/21
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 256ページ
- ISBN-10 : 4488748015
- ISBN-13 : 978-4488748012
- Amazon 売れ筋ランキング: - 773,226位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 386位創元SF文庫
- - 3,741位SF・ホラー・ファンタジー (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年5月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2017年8月11日に日本でレビュー済み
父親目線で読んだ。
主人公カーペンターは、二人の火星人の子供を守るために、八面六臂の大活躍。
自分は、あそこまでは出来ないだろうなあ。
最初は、つっけんどんな未来の王女も、徐々に主人公に惹かれ、
冷厳な司令官の宇宙船で火星に帰還する時、「死ぬまであなたを愛します。」
そして、ハッピーエンドが待っている。
今ではストーリーとしては目新しくは感じないが、心爽やかになる。
人間って、他人のためを思う時、より以上の力が出る。
主人公カーペンターは、二人の火星人の子供を守るために、八面六臂の大活躍。
自分は、あそこまでは出来ないだろうなあ。
最初は、つっけんどんな未来の王女も、徐々に主人公に惹かれ、
冷厳な司令官の宇宙船で火星に帰還する時、「死ぬまであなたを愛します。」
そして、ハッピーエンドが待っている。
今ではストーリーとしては目新しくは感じないが、心爽やかになる。
人間って、他人のためを思う時、より以上の力が出る。
2014年3月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
時間SFアンソロジー『時の娘』に収録されていた「時が新しかったころ」の長編版。
基本的なプロットが短編版と殆ど同一であり、長編版の新要素である火星人の創造主「クー」も物語の本流と関与しないため、短編読者としてはわざわざ長編版を訳す必要があったのかという気も正直する。
だからといって、決してつまらない作品ではない。
ロマンスと時間SFの相性の良さは、例えば『彼らの生涯の最愛の時』や『ある日どこかで』等々の作品からも伺えるものであり、ヤング自身も『たんぽぽ娘』という傑作短編をこのテーマを基に書いている。
良作が多いロマンティック時間SFの中において、本書もその水準に達しているように思う。
火星から誘拐された王女とその弟を助けるため、奮闘する三十路過ぎの主人公には声援を送りたくなるし、態度が柔和になった後の女王様の世話焼きっぷりにヤングの妄想爆発を見た気になるなど、退屈せずにすらすら読める。
なにより、時間SFならではの恋の結実が心地よい余韻を残す。
短編の長編化として見ると焼き直し感は拭えないが、単体としてはそれなりに面白い。
基本的なプロットが短編版と殆ど同一であり、長編版の新要素である火星人の創造主「クー」も物語の本流と関与しないため、短編読者としてはわざわざ長編版を訳す必要があったのかという気も正直する。
だからといって、決してつまらない作品ではない。
ロマンスと時間SFの相性の良さは、例えば『彼らの生涯の最愛の時』や『ある日どこかで』等々の作品からも伺えるものであり、ヤング自身も『たんぽぽ娘』という傑作短編をこのテーマを基に書いている。
良作が多いロマンティック時間SFの中において、本書もその水準に達しているように思う。
火星から誘拐された王女とその弟を助けるため、奮闘する三十路過ぎの主人公には声援を送りたくなるし、態度が柔和になった後の女王様の世話焼きっぷりにヤングの妄想爆発を見た気になるなど、退屈せずにすらすら読める。
なにより、時間SFならではの恋の結実が心地よい余韻を残す。
短編の長編化として見ると焼き直し感は拭えないが、単体としてはそれなりに面白い。
2015年1月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み終わったあと、思わず、口元がにっこりとしてしまいます。
とても可愛らしい、素敵な物語でした。
全然話の内容は違うのですが、なんとなく星の王子様を思い出しました。
とても可愛らしい、素敵な物語でした。
全然話の内容は違うのですが、なんとなく星の王子様を思い出しました。
2015年4月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
もとが中編だったのものを長編化したため、なにがおかしいかはっきりとは指摘できないけど、
ちょっとぎくしゃくしたというかバランスが悪いかなというのはありました。せっかく長編にした
んだから、創造主に対するプロローグや、主人公達のエピローグあたりがあればよかったかな。
ちょっとぎくしゃくしたというかバランスが悪いかなというのはありました。せっかく長編にした
んだから、創造主に対するプロローグや、主人公達のエピローグあたりがあればよかったかな。
2017年5月5日に日本でレビュー済み
「時が新しかったころ」は、本当に楽しめるSFタイムとラベル・ロマンスだ。ヒーローの性格が最高で、ヒロインの設定がとても魅力的に構成してある。何度も読み直したくなるような、爽やかな作品だ。竹宮惠子のマンガ「私を月まで連れてって」を連想させる。こちらがマンガより15年ほど前に書かれたが。
2015年1月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「夏への扉」や広瀬正さんを好きなあなたなら、きっと気に入ります。
2014年4月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
評判ほどではないなと言うのが読み終えての感想。ハッピーエンドならオールOKという人にはいいのかも知れないが、私はあまり芳しい出来の小説とは思えなかった。
タイムマシン、火星人、脳改造、火星人・恐竜・地球人を作り出した造物主の存在等、色々要素が詰め込まれているが、それらの要素がうまくマッチングされていない消化不良の作品。
結局の処、恋愛の部分しか印象に残らない作品だった。
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