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緋の収穫祭 (創元推理文庫) 文庫 – 2014/4/12

4.3 5つ星のうち4.3 8個の評価

壊れた幼女の墓から、そこで眠っているはずのない二人の子供の遺体が発見される。「血の収穫祭」という因習的な儀式が残る町で、かつて何があったのか。戦慄の傑作ミステリ。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 東京創元社 (2014/4/12)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2014/4/12
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 605ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4488207073
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4488207076
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 8個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4.3つ
5つのうち4.3つ
8グローバルレーティング

この商品をレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2014年6月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この著者は、陰鬱で閉鎖的な町を描くのが上手い。
本作でもその持ち味がいかんなく発揮されており、終始どんよりとしたムードの中、格調高い文章で狂気の物語が展開される。

序盤は登場人物達の日常生活が語られるばかりで、なかなか物語が進まずヤキモキしたが、
後半につれて、そうして丁寧に描きこまれた人物像が活きてくる。
それぞれ問題を抱えながらも魅力的な登場人物達につい感情移入してしまい、彼等が直面する恐怖体験に怖気をふるい、のちに明らかになる事件の真相には、あまりのおぞましさに背筋が凍った。
ラストも、イギリス流の皮肉が利いていて一筋縄ではいかないところがイイ。

ただ、全体的に物語はスローテンポ。
同じような展開が繰り返される箇所もあり、このじれったさを冗長と捉える人もいるだろう。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年11月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最後主人公の気持ちがこう言う方向に進むのか〜残念!という感じですが、女史の作品はハッピーエンドではないから予想はできました。私は好きですねこういう風合い。相変わらずの秀逸な作品。
2015年1月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 半ばまでは雰囲気が完全にホラー小説。カーや横溝の様な伝奇的要素も絡んでは来るのだけれども、テイストは伝奇小説や怪奇小説と云うよりもモダン・ホラー。まぁ2010と極く最近の作らしいので当たり前と言えば当たり前なんだけれども、ここまでホラー風味を前面に押し出したミステリと云うのは余り読んだことが無かったので珍しかった。後半になって、様々な奇怪な出来事の背後には生身の人間達が存在すると云うことが徐々に明るみに出されて行くにつれてようやっと、ああこれは普通のサスペンスものに含まれる作品なんだなと判るのだけれども、それまではもう息苦しく不気味な雰囲気の描写が圧倒的で、謎解きがどうのこうのと言ってられる状況ではない。重厚な異色作である。

 作者は恐らく映像化されることを前提に小説を書いているのではなかろうか。場面の切り換え方等が非常に効果的で戦慄を呼ぶのだけれども、モンタージュ的想像力を駆使しないと書けないし、また読者の方でも読解も出来ない。それに個々の怪奇的事象もいちいち目に見える様に描かれていて、実際に映画やTVドラマに成った時の様子が容易に想像出来る。それだけに小説独自の切り口と言える部分が少なく、全体的に映像用脚本のノヴェライズみたいな印象が読後に残る。頻繁に文体を変え、独白や内面描写を矢継ぎ早に繰り出す等の工夫は見られるが、似た様な演出法はテレビ映画でも見られるものだ。それでもこの手の作品が陥り易い軽薄さを感じないのは、文体が手堅くて堅実だからだろう。賞を取るのも分かる気がする。

 だが頂けないのはクライマックスの謎解きシーン。事前に間違った謎解きを段階的に用意しておいて、徐々に幾つもの同時進行のシーンをひとつに絡めて行く手腕は見事ではあるが、終盤で解明される真相は、因習に囚われた閉鎖的な地方の村で起こる連続幼女殺害事件の真相としては凡そ紋切り型も甚だしい。真相が明らかになる手法も無性にメロドラマチック。半世紀前のB級サスペンス映画じゃないんだから。犯人の造形も読者の意表を衝くものでは全く無い。折角タイトルにも成った様な不気味な風習を持ち出しておき乍ら、結局雰囲気を盛り上げる為だけに使っただけと云うのも残念。拍子抜けも良い所である。カーや横溝であれば推理ものとしての面白さがそうした点を補完してくれるのだが、本書にはそもそも核となる名探偵役が登場しない。緊張感を盛り上げて行く演出面での技巧が優れているので恐らく大半の読者はそんなことは気にせずラストまで読んでしまうのだろうが、中にはそう云うことを気にしてしまう私の様な読者も居るのである。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年10月22日に日本でレビュー済み
<子供がひとり眠っているはずの墓から、小さな遺体が三体転がりでてきた。>

デビュー作「三つの秘文字」では産科の女医、二作目「毒の目覚め」では女性獣医がまきこまれる恐るべき犯罪を彼女たちの一人称で描き出し、すぐれてミステリアスで恐怖を醸しだす物語の作者、S・J・ボルトンの三作目である。

前作もホラー風味の強い物語であったが、本書は町を覆うような三人称他視点で恐怖感がさらに増している。

舞台となる小さな町。<このあたりは水はけの悪い湿地だらけだ。>

まるでスーザン・ヒルの傑作ホラー「黒衣の女」を思わせる教会と墓地のある小さな町だ。

なぜか長い間閉ざされていた教会に新司祭ハリー・レイコックが赴任してくる。ハリーは年一度の「収穫祭」またの名を「首刈り祭り」を執り行うためにやってきたのだ。

そして彼をとりまく町の女たち。精神科医エヴィ、新しい入居者ジリアン、町を支配しているかのような大地主レンショー一族。

墓地から発見された少女たちは皆、頭部にひどい損傷を受けていた。

過去に行方不明になった少女は誰なのか。
教会は今までなぜ閉鎖されていたのか。
子供たちが見えると言いはる少女の亡霊は何なのか。
ハリーに聞こえる不気味なささやき声。感じる人の気配。

現と幻の中から暴き出されるこの町におきた、過去の異様な犯罪の連鎖と誰も知らない秘密。

濃い暗雲にとざされた町に住む人々の恐るべき過去が暴かれる物語である。

<これまでの三作の中でいちばん怖いかも・・・。(訳者あとがき)>
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2020年6月24日に日本でレビュー済み
イングランドの女流作家シャロン・J・ボルトンの第3作目です。どの作品もじわじわとくる恐怖感に満ちた独特の作風ですが、ここに至って確実にレベルアップしていると感じます。
1作目「三つの秘文字」では、生きたまま心臓を摘出され、背中にルーン文字が刻まれた死体が登場、2作目の「毒の目覚め」では、いるはずのない南方の毒蛇や大量の蛇が出没するようになった村を描いていましたが、今回はイングランド北部の美しい湿地が広がる地方が舞台。いまだに土地のほとんどが旧家の地主によって所有されている村に、幼い3人の子供がいる一家が引っ越してきます。それと前後して、長い間閉鎖されていた古い教会にも新任の司祭がやってきます。どうやら彼ら新参者には伺えない、何か隠されたものがこの村にはあるらしい、昔から伝わる不気味な収穫祭、古い教会に飾られた人形たち、地下に広がっていた広大な礼拝堂と地下通路、血とすりかえられた聖杯のワイン、墓地に出没する異形の者、次々に死んでゆく女の子は事故だったのかそれとも・・・という、これは怪奇ホラー小説か??と見紛うような出だしです。先の2冊が気に入った方や、ディクスン・カーや横溝正史など怪奇色の強いものが好きな方は気に入ると思います。

地主を筆頭にした村ぐるみの犯罪か?それともカルトか、または精神のバランスを崩した人間か、猟奇殺人鬼か・・・?と読んでいる間中、さまざまな可能性が頭をよぎりますが・・・ネタばれするのであまり書けませんが、最後の50ページで意外な真相が明らかになります。ここまで550ページほど、さまざまな人間模様と相まって、さほど長いとは感じず、恐怖にのめりんでしまいました。
最後はハッピーエンドとはいかず、やや後味悪く、個人的には少し希望を持たせる終わり方にした方がよかったような気がします。

3作のヒロインたちは、まるで同一人物ではないかと思うほど共通点があり、生真面目で人づき合いが苦手な産婦人科医、顔に傷のある獣医、そして事故で片足を損傷してしまい杖が手放せない精神科医です。こういった人物を主人公に設定するのは、作者に何か考えがあるのでしょうか。次作は女性刑事のシリーズだそうですが、どのような作品になるのか楽しみです。
2014年5月10日に日本でレビュー済み
面白かった。一気読みしました。中盤までは、ハリウッドの映画スターから小説家に転身したトマス トライオンの傑作ホラー小説「悪魔の収穫祭
」を彷彿させる展開でした。中盤からは、全く別方向に話が流れて最後は、ショッキングな結末で終わりました。犯人は、最後までわからなかった。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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