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百年と一日 (単行本) 単行本 – 2020/7/14
購入オプションとあわせ買い
学校、島、家、映画館、喫茶店、地下街の噴水広場、空港……
さまざまな場所で、人と人は人生のひとコマを共有し、別れ、別々の時間を生きる。
大根のない町で大根を育て大根の物語を考える人、屋上にある部屋ばかり探して住む男、
周囲の開発がつづいても残り続ける「未来軒」というラーメン屋、
大型フェリーの発着がなくなり打ち捨てられた後リゾートホテルが建った埠頭で宇宙へ行く新型航空機を眺める人々……
この星にあった、だれも知らない、だれかの物語33篇。作家生活20周年の新境地物語集。
遠くの見知らぬ誰かの生が、ふいに自分の生になる。
そのぞくりとするような瞬間。
――岸本佐知子(翻訳家)
言葉によって、ありありと時空がゆがんでいた。
これは文学にしかできないことだ。
――後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)
【各メディアでぞくぞく紹介!】
TBS系列「王様のブランチ」ブックコーナーで特集 2020.8.1
「ダ・ヴィンチ」にインタビュー掲載 2020.8.6
「日経新聞」にインタビュー掲載 2020.8.8
「読売新聞」に橋本倫史さん評掲載 2020.8.30付
NHKラジオ「ラジオ深夜便」でロバート・キャンベルさんが紹介 2020.8.31
FMヨコハマ「あの小説の中で集まろう」で燃え殻さんが紹介 2020.8.31
「東京新聞」に佐野史郎さん評掲載 2020.9.5付
【目次】
一年一組一番と二組一番は、長雨の夏に渡り廊下のそばの植え込みできのこを発見し、卒業して二年後に再会したあと、十年経って、二十年経って、まだ会えていない話
角のたばこ屋は藤に覆われていて毎年見事な花が咲いたが、よく見るとそれは二本の藤が絡まり合っていて、一つはある日家の前に置かれていたということを、今は誰も知らない
逃げて入り江にたどり着いた男は少年と老人に助けられ、戦争が終わってからもその集落に住み続けたが、ほとんど少年としか話さなかった
〈娘の話 1〉
駅のコンコースに噴水があったころ、男は一日中そこにいて、パーカと呼ばれていて、知らない女にいきなり怒られた
大根の穫れない町で暮らす大根が好きなわたしは大根の栽培を試み、近所の人たちに大根料理をふるまうようになって、大根の物語を考えた
たまたま降りた駅で引っ越し先を決め、商店街の酒屋で働き、配達先の女と知り合い、女がいなくなって引っ越し、別の町に住み着いた男の話
小さな駅の近くの小さな家の前で、学校をさぼった中学生が三人、駅のほうを眺めていて、十年が経った
〈ファミリーツリー 1〉
ラーメン屋「未来軒」は、長い間そこにあって、その間に周囲の店がなくなったり、マンションが建ったりして、人が去り、人がやってきた
戦争が始まった報せをラジオで知った女のところに、親戚の女と子どもが避難してきていっしょに暮らし、戦争が終わって街へ帰っていき、内戦が始まった
埠頭からいくつも行き交っていた大型フェリーはすべて廃止になり、ターミナルは放置されて長い時間が経ったが、一人の裕福な投資家がリゾートホテルを建て、たくさんの人たちが宇宙へ行く新型航空機を眺めた
銭湯を営む家の男たちは皆「正」という漢字が名前につけられていてそれを誰がいつ決めたのか誰も知らなかった
〈娘の話 2〉
二人は毎月名画座に通い、映画館に行く前には必ず近くのラーメン屋でラーメンと餃子とチャーハンを食べ、あるとき映画の中に一人とそっくりな人物が映っているのを観た
二階の窓から土手が眺められた川は台風の影響で増水して決壊しそうになったが、その家ができたころにはあたりには田畑しかなく、もっと昔には人間も来なかった
「セカンドハンド」というストレートな名前の中古品店で、アビーは日本語の漫画と小説を見つけ、日本語が読める同級生に見せたら小説の最後のページにあるメモ書きはラブレターだと言われた
アパート一階の住人は暮らし始めて二年経って毎日同じ時間に路地を通る猫に気がつき、行く先を追ってみると、猫が入っていった空き家は、住人が引っ越して来た頃にはまだ空き家ではなかった
〈ファミリーツリー 2〉
水島は交通事故に遭い、しばらく入院していたが後遺症もなく、事故の記憶も薄れかけてきた七年後に出張先の東京で、事故を起こした車を運転していた横田を見かけた
商店街のメニュー図解を並べた古びた喫茶店は、店主が学生時代に通ったジャズ喫茶を理想として開店し、三十年近く営業して閉店した
兄弟は仲がいいと言われて育ち、兄は勉強をするために街を出て、弟はギターを弾き始めて有名になり、兄は居酒屋のテレビで弟を見た
屋上にある部屋を探して住んだ山本は、また別の屋上やバルコニーの広い部屋に移り住み、また別の部屋に移り、女がいたこともあったし、隣人と話したこともあった
〈娘の話 3〉
国際空港には出発を待つ女学生たちがいて、子供を連れた夫婦がいて、父親に見送られる娘がいて、国際空港になる前にもそこから飛行機で飛び立った男がいた
バスに乗って砂漠に行った姉は携帯が通じたので砂漠の写真を妹に送り、妹は以前訪れた砂漠のことを考えた
雪が積もらない町にある日大雪が降り続き、家を抜け出した子供は公園で黒い犬を見かけ、その直後に同級生から名前を呼ばれた
地下街にはたいてい噴水が数多くあり、その地下の噴水広場は待ち合わせ場所で、何十年前も、数年後も、誰かが誰かを待っていた
〈ファミリーツリー 3〉
近藤はテレビばかり見ていて、テレビで宇宙飛行士を見て宇宙飛行士になることにして、月へ行った
初めて列車が走ったとき、祖母の祖父は羊を飼っていて、彼の妻は毛糸を紡いでいて、ある日からようやく話をするようになった
雑居ビルの一階には小さな店がいくつも入っていて、いちばん奥でカフェを始めた女は占い師に輝かしい未来を予言された
解体する建物の奥に何十年も手つかずのままの部屋があり、そこに残されていた誰かの原稿を売りに行ったが金にはならなかった
装丁:名久井直子
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2020/7/14
- 寸法13.7 x 1.8 x 19.5 cm
- ISBN-104480815562
- ISBN-13978-4480815569
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出版社より





柴崎友香
1973年大阪生まれ。2000年に第一作『きょうのできごと』を上梓(2004年に映画化)。2007年に『その街の今は』で藝術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、2010年に『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞(2018年に映画化)、2014年『春の庭』で芥川賞を受賞。他の小説作品に『待ち遠しい』『千の扉』『公園へ行かないか? 火曜日に』『パノララ』『わたしがいなかった街で』『ビリジアン』『虹色と幸運』、エッセイに『よう知らんけど日記』『よそ見津々』など著書多数。
写真:船寄剛
商品の説明
出版社からのコメント
著者について
登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2020/7/14)
- 発売日 : 2020/7/14
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 192ページ
- ISBN-10 : 4480815562
- ISBN-13 : 978-4480815569
- 寸法 : 13.7 x 1.8 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 254,650位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 6,302位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について

1973年、大阪府生まれ。大阪府立大学卒業。
99年「レッド、イエロー、オレンジ、オレンジ、ブルー」(文藝別冊)でデビュー。
2007年『その街の今は』で芸術選奨文部科学大臣新人賞・織田作之助賞大賞、10年『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞、14年『春の庭』で芥川龍之介賞を受賞。
著書に『きょうのできごと』(行定勲監督により映画化)、『次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?』、『主題歌』、『星のしるし』、『週末カミング』、『ビリジアン』、『わたしがいなかった街で』、『千の扉』『公園へ行かないか? 火曜日に』『よう知らんけど日記』など。『寝ても覚めても』が映画化され、2018年9月1日公開、カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式招待作品。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
一話が短く、また一話ずつのつながりもないので、いつでも、どこからでも読み始められるところも気楽で好き。移動中とか、気分を変えたいときとか、ちょっとずつ読んでました。
どこかにありそうな日常的な空気感と時間の経過による変化、その描写や表現を楽しでいたが、途中から何か壮大さを感じるようになっていた。
どんな場所にも必ず現在に至るまでの物語があり、自分もどこか誰かの物語の一部になってることを感じさせた。
けど、これは、お手上げ
自分向きじゃない
読み進むのが辛かった
色々な事情が一人一人にあり、その世界の中に一人一人が生きている、みんな同じ世界にいるのかもちれないなと感動します。
内容も気に入りました。
一編、一編が、澄んだ絵のようで清々しい。
本作は人と時の流れをめぐる、33の短い物語からなります。各話タイトルは概略を兼ねています。
舞台としては現実の日本を中心に海外も扱っており、具体的な地名が思い浮かぶものから架空と思しきもの、なかには近未来も含むなど、さまざまです。最大の特色と考えられるのは物語のなかにおける時間の使い方で、それぞれが短い物語でありながらも書き手によって時間が大胆に操られ、ときに百年にも及ぶであろう経過や、時間の遡行も用いられます。また、文章のスタイルからは、老若男女からなる数多くの登場人物たちを静かに見守るような、淡々としながらも冷たさを感じさせない印象を受け、書籍の帯にもあるように「小説」よりは「物語」という言葉を冠するのに相応しい作品だと感じます。
全体の分量としても多いほうではありませんが、各エピソードに延長や詳細化を施せば、それぞれが中篇以上の物語とすることも可能な作品の集まりであり、ひととおり読み終えての感想として、広大なスペースに敷き詰められた、どこまでも精巧なミニチュアのひとつひとつを、ためつすがめつ眺め歩いたような感慨を抱きました。一息に読むよりは、少しずつ読み進めるのに適した作品です。