どのように日本における美術が形成されてきたのかが丁寧に描かれていた。美術を学んだ身として、大変衝撃的な内容だった。
強いて言うならば、西洋における美術のコンセプトとの比較を織り込むべきではなかったか。西洋の美術は時代を経て大きく変化して来たもの。日本の近代以降の美術のコンセプトの成り立ちは明らかになったが、ではそもそも西洋における美術とは何なのだ、という部分が知りたかった。
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眼の神殿 ――「美術」受容史ノート (ちくま学芸文庫) 文庫 – 2020/12/14
北澤 憲昭
(著)
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高橋由一の「螺旋展画閣」構想とは何か――。制度論によって近代日本の「美術」を捉え直し、美術史研究を一変させた衝撃の書。解説 足立元・佐藤道信
- 本の長さ464ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2020/12/14
- 寸法10.6 x 1.8 x 14.8 cm
- ISBN-104480510230
- ISBN-13978-4480510235
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2020/12/14)
- 発売日 : 2020/12/14
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 464ページ
- ISBN-10 : 4480510230
- ISBN-13 : 978-4480510235
- 寸法 : 10.6 x 1.8 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 26,641位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2010年5月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1989年に刊行された本書が、20年経ってブリュッケより定本として刊行された。
「美術」という言葉は、所与のものではなく、近代になって新しく現れた言葉であり―つまり、西洋から移植された言葉であり、またそれが意味するものが近代以前とは異なるということは、よく知られている。
しかし、そのように、美術を「制度」という側面から見直すという研究は、まさにこの本から始まったことであり、日本近代美術の制度論に関心がある人であれば必読の書である。
ずっと絶版になっていたので、手に入れることがやっとできてうれしい。
「美術」という言葉は、所与のものではなく、近代になって新しく現れた言葉であり―つまり、西洋から移植された言葉であり、またそれが意味するものが近代以前とは異なるということは、よく知られている。
しかし、そのように、美術を「制度」という側面から見直すという研究は、まさにこの本から始まったことであり、日本近代美術の制度論に関心がある人であれば必読の書である。
ずっと絶版になっていたので、手に入れることがやっとできてうれしい。
2021年1月26日に日本でレビュー済み
門外漢がなぜ本書に興味をもったのか。それは「美術」が制度として成立する過程を扱っていると聞いたからである。制度が成立するところを目撃できると期待したからである。ただし、門外漢にはあまりにも詳しい内容なので、制度の成立過程が見えず、少々戸惑っている。
「美術」という用語が明治になって西洋から移植されたものであることは良く知られている。本書のひとつのこだわりは、このartの翻訳語「美術」の初出は、ウィーン万国博覧会(1873年)への参加に際して、出品分類をするためのドイツ語からの翻訳(1872年)によると主張することにある(p.163)。
こうして官製翻訳語が作られた後、「美術」という概念がつくられていく。第1章は、鮭の絵で有名な高橋由一が構想した「螺旋展画閣」(1881年 p.29)の考察が中心となる。美術学校が整備され(p.93)、そして国粋主義(p.101)が台頭していく歴史的背景をたどりながら、由一の考えた「美術」について考察される。
第2章では、内国勧業博覧会(1877年 p.188)をケースにして、見るための制度(p.190)の面から、「美術」概念の形成を考察している。
第3章では、日本美術復興の恩人といわれるアーネスト・フェノロサや岡倉天心を取り上げ、国家と美術の関係を考察している。
国家といえば文化人類学のマルセル・モースは、国家と国民(ネーション)を区別した。国家とは、専制君主とか官僚制と捉えておけばよいだろうが、国民とは同一の人種、一つの言語(国語)、同一の伝統のもとにあると説明されることがあるが、それは間違っているとモースはいう。逆に、国民が人種、言語、伝統を作っているのである。この主張は、まるで1983年に著されたボブズボウム『創られた伝統』(紀伊国屋書店)のようである。
この議論は「美術」にも適用できるのではないか。「美術」という概念が翻訳語によってつくられ、「美術」とは西洋絵画と西洋彫刻のこと、いやそんなことはない、日本古来の絵画や仏像などの彫刻も含めるべきだと、「美術」の内実が作られていく。
人々のなかから、ボトムアップ的に概念、つまり言葉が生まれることもあるかもしれないが、国民や「美術」のようにトップダウン的につくられる概念、制度もあるのではないかと考えさせられた。
「美術」という用語が明治になって西洋から移植されたものであることは良く知られている。本書のひとつのこだわりは、このartの翻訳語「美術」の初出は、ウィーン万国博覧会(1873年)への参加に際して、出品分類をするためのドイツ語からの翻訳(1872年)によると主張することにある(p.163)。
こうして官製翻訳語が作られた後、「美術」という概念がつくられていく。第1章は、鮭の絵で有名な高橋由一が構想した「螺旋展画閣」(1881年 p.29)の考察が中心となる。美術学校が整備され(p.93)、そして国粋主義(p.101)が台頭していく歴史的背景をたどりながら、由一の考えた「美術」について考察される。
第2章では、内国勧業博覧会(1877年 p.188)をケースにして、見るための制度(p.190)の面から、「美術」概念の形成を考察している。
第3章では、日本美術復興の恩人といわれるアーネスト・フェノロサや岡倉天心を取り上げ、国家と美術の関係を考察している。
国家といえば文化人類学のマルセル・モースは、国家と国民(ネーション)を区別した。国家とは、専制君主とか官僚制と捉えておけばよいだろうが、国民とは同一の人種、一つの言語(国語)、同一の伝統のもとにあると説明されることがあるが、それは間違っているとモースはいう。逆に、国民が人種、言語、伝統を作っているのである。この主張は、まるで1983年に著されたボブズボウム『創られた伝統』(紀伊国屋書店)のようである。
この議論は「美術」にも適用できるのではないか。「美術」という概念が翻訳語によってつくられ、「美術」とは西洋絵画と西洋彫刻のこと、いやそんなことはない、日本古来の絵画や仏像などの彫刻も含めるべきだと、「美術」の内実が作られていく。
人々のなかから、ボトムアップ的に概念、つまり言葉が生まれることもあるかもしれないが、国民や「美術」のようにトップダウン的につくられる概念、制度もあるのではないかと考えさせられた。
2021年3月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
明治から日本現代美術史の研究として欠かせない書物となっている。入手困難なノートを手に入れることができて幸い