ブルーズ、ジャズ、カントリーなど、言葉は知っていても説明せよと言われるとできない。そんな音楽がどこで生まれ、どんな歴史的背景や特徴を持っているのか、分かりやすく説明されています。とても勉強になりましたし、南部、そしてシカゴに旅をしたくなりました。
ところでこの本、対話で構成されていますが、それぞれが知ってることを好きに喋ってるだけなのでどちらが何を話しているのかはそのうちどうでもよくなりますし、文体も全然会話してる感じがしません。
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はじめてのアメリカ音楽史 (ちくま新書) 新書 – 2018/12/6
ジェームス・M・バーダマン
(著),
里中 哲彦
(著)
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ブルーズ、ジャズ、ソウル、カントリー、ロックンロール、ヒップホップ…
ルーツから現在のアーティストまで、その歴史を徹底的に対談で語りつくす!
ブルーズ、ジャズ、ゴスペル、ソウル、ロックンロール、ヒップホップ……
アメリカの様々な音楽はいつどのように生まれたのか。どんな人たちにより演奏されてきたのか。
200年以上の歴史を誇るアメリカ音楽について、その始まりから現在のアーティストまで、
アメリカ南部からやってきた研究者とポップカルチャーに通じる評論家が徹底的に語りつくす。
この一冊でアメリカン・ルーツ・ミュージックがバッチリわかる。全ジャンルのアルバム紹介・詳細な年表つき。
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- 本の長さ318ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2018/12/6
- 寸法10.8 x 1.6 x 17.4 cm
- ISBN-104480071938
- ISBN-13978-4480071934
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商品の説明
著者について
早稲田大学名誉教授。テネシー州メンフィス生まれ。著書に『ロックを生んだアメリカ南部』『アメリカ黒人の歴史』(以上、NHKブックス)、『アメリカ南部』(講談社現代新書)、『黒人差別とアメリカ公民権運動』(集英社新書)、『わが心のディープサウス』(河出書房新社)、『ミシシッピ=アメリカを生んだ大河』(講談社選書メチエ)など多数。
登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2018/12/6)
- 発売日 : 2018/12/6
- 言語 : 日本語
- 新書 : 318ページ
- ISBN-10 : 4480071938
- ISBN-13 : 978-4480071934
- 寸法 : 10.8 x 1.6 x 17.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 157,450位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 152位海外のロック・ポップス
- - 570位ちくま新書
- - 3,113位音楽一般の本
- カスタマーレビュー:
著者について
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James M Vardaman is Professor Emeritus of American Cultural History at Waseda University. He has written extensively on Japanese history, culture and religion and on the American South, including the history and music of African Americans. His website is www.jmvardaman.com.
イメージ付きのレビュー

5 星
"The Last Waltz", The Band
本書は、日本人の音楽研究家の里中哲彦氏と、アメリカ白人で南部研究家のJM.バーダマン氏の2名によるアメリカ合衆国の民衆音楽の歴史についての対談を編集したものである。アフリカ各地から奴隷として連れてこられ、アメリカで生まれ、”英語を母語とするアメリカ黒人”がアメリカ音楽に果たした役割は大なるものがあった。また古くからアパラチア山系に住み着いた”アングロセルティックの白人”が果たした役割も無視できない。両者の出会たところがテネシー州メンフィスでありそこで育ったのが黒人のように歌って踊れるエルヴィス・プレスリーであった。それにしても、著者ご両人の口から飛び出すおびただしい数のアーティストの名前、その博識ぶりは"半端ない"。各章末の推奨CDのリストもうれしい。ただ、RECORD JUNGLEさんが御指摘するように誤りも多いようだ(私はまったく気付かなかったが)。対談なのである程度それは致し方ないが、成書として世に出す以上は編集の段階できちんと検証すべきだったと思う。尚、本書の具体的内容・評価については他評者たちの優れたレビューにお任せしたい。それらに異論はない。私としては、ひとつだけ申し上げたい。両著者は現代のアメリカ音楽を具現したアーティストとして(皮肉なことにリヴォン・ヘルム以外は全員カナダ人の)「ザ・バンド」を挙げている。同感だ。マーティン・スコセッシ監督による彼らのドキュメンタリー映画『ラストワルツ』は、アメリカ音楽の歴史が詰まった一大絵巻であった。ゲストはブルーズギタリスト&シンガーのマディ・ウォターズ、ゴスペル界の大御所ステーブル・シンガーズ(以上黒人)、白人ブルーズマンのドクター・ジョン、ブルースハープの名手ポール・バターフィールド、英国人ブルーズギタリストのエリック・クラプトン(以上白人)、アパラチア山系を原住地とするチェロキーインディアンの血を引く女性カントリーシンガーのエミル―・ハリスなどの錚々たる顔ぶれ。ザ・バンドはバックをつとめるだけではなく、ステープルズとはゴスペル色の強い持ち歌"The Weight"を歌い、自身は”The Night They Drove Old Dixie Down"などのアメリカ南部をモティーフとした土臭いオリジナルを演奏し歌う。そして満を持してフォーク、ロックといったジャンルを超えたアメリカ音楽史上の最重要人物の一人にして彼らの良き共演者でもあるボブ・ディランが登場。出演者全員で"I Shall be Released"を歌う。もう言うことはない。(追伸)欲を言えば、ネイティヴ・アメリカンと東欧系ユダヤ人の果たした役割についても語っていただきたかった。先のエミルー・ハリスをはじめ思いつくままに挙げると、リタ・クーリッジ、バフィ・セントメリー、エルヴィス・プレスリー、チャック・ベリー、ジミ・ヘンドリックス、ジェームズ・ブラウン、ロビー・ロバートソン(カナダ人)、スティーヴン・タイラー(エアロ・スミス)、シェール、ダイアナ・ロス、ビヨンセなどネイティブ・アメリカンの血を引くアーティストは結構多いからだ。またユダヤ人については、初期のミンストレル・ショーの役者はユダヤ系が多かったと言うし、レコード会社、劇場経営者、著作権管理業、プロデューサーなどアメリカの音楽産業を牛耳っているのはユダヤ人である。アーチストとしても、ジョージ・ガーシュイン、ベニー・グッドマン、キャロル・キング、ボブ・ディラン、ルー・リード、カーリー・サイモン、サイモン&ガーファンクル、レニー・クラヴィッツなどユダヤ人は多い。グッドマンのクラリネットにクレズマーの影響はあっただろうか(私は世代的にグッドマンの演奏は聞いたことがない)。アメリカ民衆音楽に対する東欧ユダヤ人の音楽が与えたものはどうだったのろう?ポール・サイモンの"The Boxer"はかなりクレズマーっぽいと思うが・・・・・・。
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2019年1月27日に日本でレビュー済み
対談形式による包括的なアメリカ音楽の通史です。
ただ、200数十年に及ぶ歴史を新書でまとめているのでかなりの駆け足になっていて、通時的な流れについては把握できますが、そのつなぎ目であったり、共時的な影響関係であったりの記述が曖昧といいますか、断絶しているといいますか、少しもの足りなかったりもします。したがって、特定のジャンルに強い愛着や関心のある方には読後、大きな不満が残ると思われ、個人的にはジャズの、ボサノバをはじめとする他ジャンルとの融合と、電化からのクロスオーバーへの展開、また、フィリーとディスコといった部分については研究者の方の見解を伺いたかったです。
あと、蛇足かもしれませんが、247ページの「青い目のジュディ」はイーグルスではなく、CSNだと思います。
ただ、200数十年に及ぶ歴史を新書でまとめているのでかなりの駆け足になっていて、通時的な流れについては把握できますが、そのつなぎ目であったり、共時的な影響関係であったりの記述が曖昧といいますか、断絶しているといいますか、少しもの足りなかったりもします。したがって、特定のジャンルに強い愛着や関心のある方には読後、大きな不満が残ると思われ、個人的にはジャズの、ボサノバをはじめとする他ジャンルとの融合と、電化からのクロスオーバーへの展開、また、フィリーとディスコといった部分については研究者の方の見解を伺いたかったです。
あと、蛇足かもしれませんが、247ページの「青い目のジュディ」はイーグルスではなく、CSNだと思います。
2021年2月2日に日本でレビュー済み
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各ジャンルの成立や流れや誕生の背景もわかりやすく二人の話が盛り上がって止まらない感じが伝わってきます。
文中、ミュージシャンの名前がただ登場するだけで自分の時間が巻き戻り曲を聴いているような気がします。
ジム・クロウチは?なんて出てこないミュージシャンにも思いを馳せられるのもまた一興です。知らない曲やアルバム、映画などこれから楽しもうと思っています。
文中、ミュージシャンの名前がただ登場するだけで自分の時間が巻き戻り曲を聴いているような気がします。
ジム・クロウチは?なんて出てこないミュージシャンにも思いを馳せられるのもまた一興です。知らない曲やアルバム、映画などこれから楽しもうと思っています。
2021年7月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
第1章「アメリカン・ルーツ・ミュージックの誕生」から始まり「ゴスペルは希望の歌」「ブルーズ街道」「ジャズとニューオリンズ」「ソウル、ファンク、ヒップホップの熱狂」「カントリーとフォークの慰安」「ロックンロールの時代」と、章立てはジャンル別、章内は年代順。
対談の形を取っているが「加筆および訂正をしてある(p.15)」せいか、文章があまり対談っぽくない。
圧倒的な数の人名・グループ名と曲名が紹介される。それゆえ、それらをある程度知っている読者ならば、それぞれの人や曲のアメリカ音楽史上の位置や評価が示されることで「なるほどそういうことか」と納得するのかもしれない。けれど、このジャンルの音楽を聴いてみようかな、どんな曲がいいのかなと思って読み出した私にとっては、ほぼ人名・曲名の羅列に過ぎなかった。
また、例えば、ジャズについて「遅れて拍子を打つバック・ビートをリズムにもち、即興演奏を生命とする音楽(p.133)」とあるが、こういう「音楽的観点から」の説明がもう少し多いとありがたい(聴けばわかる/聴かなきゃわからないと言われてしまうのかもしれないが)。
対談の形を取っているが「加筆および訂正をしてある(p.15)」せいか、文章があまり対談っぽくない。
圧倒的な数の人名・グループ名と曲名が紹介される。それゆえ、それらをある程度知っている読者ならば、それぞれの人や曲のアメリカ音楽史上の位置や評価が示されることで「なるほどそういうことか」と納得するのかもしれない。けれど、このジャンルの音楽を聴いてみようかな、どんな曲がいいのかなと思って読み出した私にとっては、ほぼ人名・曲名の羅列に過ぎなかった。
また、例えば、ジャズについて「遅れて拍子を打つバック・ビートをリズムにもち、即興演奏を生命とする音楽(p.133)」とあるが、こういう「音楽的観点から」の説明がもう少し多いとありがたい(聴けばわかる/聴かなきゃわからないと言われてしまうのかもしれないが)。
2021年2月24日に日本でレビュー済み
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メモしながら読みました。youtubeで実際の音楽を聞いて確かめたり。
2019年1月25日に日本でレビュー済み
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『ビートルズの真実』(2014)で新しいビートルズ論を開拓した里中哲彦氏が、アメリカのルーツ・ミュージックに再び「対談」というスタイルで向き合った、意欲的な著作である。今回の対談相手は、アメリカの黒人音楽の歴史に詳しいジェームズ・バーダマン氏。音楽史の精緻な体系確立よりもむしろ音楽を軸とした米国の歴史・文化の啓蒙を試みている。
だれもが一度は耳にしたことのあるポピュラーな楽曲を入口に、17世紀以降のアフリカ系アメリカ人の歴史や文化を知ることができるのが、本書の魅力の一つである。彼らが米国に根付いてゆく道程とその音楽の普及の歴史はシンクロしているからだ。彼らは、英国から移民した人々の音楽からも少なからず影響を受けて、米国の歴史の一部を形成していった。
アメリカをルーツとする音楽の全体像は、ゴスペル、ブルーズ、ジャズ、ソウル、カントリーなど各ジャンルの聖地を自ら訪ね歩いたバーダマン氏がその宗教的背景を、他方、人権運動に詳しい里中氏がその社会的背景を語るプロセスの中で明らかにされる。「土曜の夜の安酒場の音楽」と「日曜の朝の教会の音楽」に連続性を見出すバーダマン氏と、ルーツ・ミュージックの「混血性」に人権運動の希望を見出す里中氏は、アメリカ南部への限りない愛情をベースに美しい二重奏を奏でている。ザ・バンドについていみじくも里中氏が言った「世間知らずの若者を歴史と伝統の世界へ導く年老いた賢者」という比喩は、そのまま本書の著者たちにもあてはまるだろう。
本書を読めば、たとえばマイケル・ジャクソンの”Thriller”のプロモーション・ビデオへ挿入されたゾンビ・ダンスにヴ―ドー教、ひいては西アフリカ土着宗教へのオマージュが込められていることに気づくだろう。
また、ゴスペルとキリスト教の関係を知れば、ザ・バンドの"The Weight"にちりばめられた固有名詞の数々が、聖書と深い関係にあることも知るだろう。映画『イージー・ライダー』(1969)に挿入されたこの曲は、聖書のユダヤ民族解放やキリストの救済とアメリカの奴隷解放の歴史をリンクさせた先人たちの精神に敬意を払いながら、公民権運動やフラワー・ムーブメントへ繋げていった60年代の若者文化を象徴している。
あるいは、ブライアン・フェリーとトーキング・ヘッズが1970年代の同時期にカバーしたアル・グリーンの"Take Me To The River" が、バプテスマのヨハネ(=悔改の洗礼)を暗喩していることも想像できるだろう。一見モダンにみえるアート志向のニューウェーブ・ロックバンドが、実はゴスペルやソウル・ミュージックへのリスペクトと熱い南部志向を内に秘めていることがわかる。
本書に紹介されている楽曲や章末のCDリストには、各ジャンルのエッセンスといえる作品が揃っている。このような広範なリストの編纂は、著者たちが常に大衆に寄り添うスタンスで音楽に接しているからこそ可能だったと思う。彼らは本書を以て、里中氏が尊敬するという故中村とうよう氏の音楽評論に一歩近づいたのではないだろうか。
各章の終わりに女性シンガーの紹介を加えていることも注目に値する。それぞれのフィールドで女性の地位向上に寄与した彼女たちの存在は、自信と誇りに満ちた歌声とともに長くアメリカの音楽史に記憶されるだろう。
21世紀に入り分断化が加速する米国だが、大衆音楽の「混血性」の歴史をいま一度ふり返ることは、今の時代に必要な作業である。本書をきっかけにアフリカ系アメリカ人の歴史や文化へ興味を持つ人々が増えることを願う。
追記:
1.エリック・クラプトンが1975年にカバーした黒人霊歌"Swing Low, Sweet Chariot"は、1991年イングランド・ラグビー・ワールドカップのテーマソングとなった。それは、この歌が1988年のチャンピオンシップでイングランド・チームの勝利に大きく貢献した黒人選手を称える応援歌であったことに由来する、という。英国人の意外な寛容さに驚くが、本書ではこの歌を米国で普及させたナッシュビルのフィスク大学ジュビリー・シンガーズが、1870年代の欧州巡業でグラッドストン首相やヴィクトリア女王など英国上流階級の人々に謁見して人気を博した事実が語られていて、興味深かった。
なお、"Chariot"が旧約聖書の列王記下に登場する預言者エリヤの乗った天を駆ける馬車を意味することは、一般によく知られている。このたび本書を読み、”Chariot”には祖国アフリカへの帰還や米国北部の自由州への脱出の意味もある、ということを知った。
2.デニス・ホッパー監督の映画『ホット・スポット』(1990)のサントラには、ブルーズのジョン・リー・フッカーとジャズのマイルス・デイビスが参加している。オリジナルスコアの作曲は、『愛と青春の旅だち』(1982)の主題歌など、数々の映画音楽を手がけたジャック・ニッチェ。本書で上記二人のアーチストに興味を持たれた方にはおすすめしたい。アマゾンからダウンロード販売もされている。
“The Hot Spot: Original Motion Picture Soundtrack”(1990)
だれもが一度は耳にしたことのあるポピュラーな楽曲を入口に、17世紀以降のアフリカ系アメリカ人の歴史や文化を知ることができるのが、本書の魅力の一つである。彼らが米国に根付いてゆく道程とその音楽の普及の歴史はシンクロしているからだ。彼らは、英国から移民した人々の音楽からも少なからず影響を受けて、米国の歴史の一部を形成していった。
アメリカをルーツとする音楽の全体像は、ゴスペル、ブルーズ、ジャズ、ソウル、カントリーなど各ジャンルの聖地を自ら訪ね歩いたバーダマン氏がその宗教的背景を、他方、人権運動に詳しい里中氏がその社会的背景を語るプロセスの中で明らかにされる。「土曜の夜の安酒場の音楽」と「日曜の朝の教会の音楽」に連続性を見出すバーダマン氏と、ルーツ・ミュージックの「混血性」に人権運動の希望を見出す里中氏は、アメリカ南部への限りない愛情をベースに美しい二重奏を奏でている。ザ・バンドについていみじくも里中氏が言った「世間知らずの若者を歴史と伝統の世界へ導く年老いた賢者」という比喩は、そのまま本書の著者たちにもあてはまるだろう。
本書を読めば、たとえばマイケル・ジャクソンの”Thriller”のプロモーション・ビデオへ挿入されたゾンビ・ダンスにヴ―ドー教、ひいては西アフリカ土着宗教へのオマージュが込められていることに気づくだろう。
また、ゴスペルとキリスト教の関係を知れば、ザ・バンドの"The Weight"にちりばめられた固有名詞の数々が、聖書と深い関係にあることも知るだろう。映画『イージー・ライダー』(1969)に挿入されたこの曲は、聖書のユダヤ民族解放やキリストの救済とアメリカの奴隷解放の歴史をリンクさせた先人たちの精神に敬意を払いながら、公民権運動やフラワー・ムーブメントへ繋げていった60年代の若者文化を象徴している。
あるいは、ブライアン・フェリーとトーキング・ヘッズが1970年代の同時期にカバーしたアル・グリーンの"Take Me To The River" が、バプテスマのヨハネ(=悔改の洗礼)を暗喩していることも想像できるだろう。一見モダンにみえるアート志向のニューウェーブ・ロックバンドが、実はゴスペルやソウル・ミュージックへのリスペクトと熱い南部志向を内に秘めていることがわかる。
本書に紹介されている楽曲や章末のCDリストには、各ジャンルのエッセンスといえる作品が揃っている。このような広範なリストの編纂は、著者たちが常に大衆に寄り添うスタンスで音楽に接しているからこそ可能だったと思う。彼らは本書を以て、里中氏が尊敬するという故中村とうよう氏の音楽評論に一歩近づいたのではないだろうか。
各章の終わりに女性シンガーの紹介を加えていることも注目に値する。それぞれのフィールドで女性の地位向上に寄与した彼女たちの存在は、自信と誇りに満ちた歌声とともに長くアメリカの音楽史に記憶されるだろう。
21世紀に入り分断化が加速する米国だが、大衆音楽の「混血性」の歴史をいま一度ふり返ることは、今の時代に必要な作業である。本書をきっかけにアフリカ系アメリカ人の歴史や文化へ興味を持つ人々が増えることを願う。
追記:
1.エリック・クラプトンが1975年にカバーした黒人霊歌"Swing Low, Sweet Chariot"は、1991年イングランド・ラグビー・ワールドカップのテーマソングとなった。それは、この歌が1988年のチャンピオンシップでイングランド・チームの勝利に大きく貢献した黒人選手を称える応援歌であったことに由来する、という。英国人の意外な寛容さに驚くが、本書ではこの歌を米国で普及させたナッシュビルのフィスク大学ジュビリー・シンガーズが、1870年代の欧州巡業でグラッドストン首相やヴィクトリア女王など英国上流階級の人々に謁見して人気を博した事実が語られていて、興味深かった。
なお、"Chariot"が旧約聖書の列王記下に登場する預言者エリヤの乗った天を駆ける馬車を意味することは、一般によく知られている。このたび本書を読み、”Chariot”には祖国アフリカへの帰還や米国北部の自由州への脱出の意味もある、ということを知った。
2.デニス・ホッパー監督の映画『ホット・スポット』(1990)のサントラには、ブルーズのジョン・リー・フッカーとジャズのマイルス・デイビスが参加している。オリジナルスコアの作曲は、『愛と青春の旅だち』(1982)の主題歌など、数々の映画音楽を手がけたジャック・ニッチェ。本書で上記二人のアーチストに興味を持たれた方にはおすすめしたい。アマゾンからダウンロード販売もされている。
“The Hot Spot: Original Motion Picture Soundtrack”(1990)
2020年3月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アメリカ音楽に造詣の深いアメリカ人と日本人の対話形式の本。
学術本の堅苦しさがなく、かといって、対話本にありがちな中身の浅さ、読みにくさがない。
カントリーが好きで、沢山のアルバム・音楽やアーチストにはずいぶん触れてきたが、歴史と音楽のつながりを系統立てて知ることができて興味深い。
図書館でCDを借りているような人には、絶好の本と思います。
学術本の堅苦しさがなく、かといって、対話本にありがちな中身の浅さ、読みにくさがない。
カントリーが好きで、沢山のアルバム・音楽やアーチストにはずいぶん触れてきたが、歴史と音楽のつながりを系統立てて知ることができて興味深い。
図書館でCDを借りているような人には、絶好の本と思います。
2018年12月13日に日本でレビュー済み
序章で里中氏は編集担当に「カリブ海の音楽にもくわしく、それがアメリカのポピュラー音楽に与えた影響についての話を聞くのがこの一年の楽しみであった」と謝辞を述べている。なら、なぜこの音楽史にラテン音楽に関する記述が無いのだろうか?
30年代のルンバ、40年代のサンバ、50年代のマンボそして60年代のボッサノーヴァがこの国の主流音楽に与えた影響は単なる彩と言うレベルでなく米国大衆音楽全体に地殻変動を及ぼすものであったと思われるが、その記述が一切ない。1960年代にはニューヨークを拠点にサルサ音楽が隆盛を極めるが、まさしく米国生まれの米国音楽そのものであるサルサの記述が一切ないことにも驚きを禁じ得ない。サルサはプエルトリコからの移民が中心となりキューバ音楽を基にニューヨークで成立した混血音楽である。いまやジャズの起源すらラテン音楽発展の系譜のなかでとらえる研究者も多いというのに、これはどうしたことか。
それどころか、ハワイ音楽もケイジャン音楽もテックスメックスやチカーノ音楽もポルカやクレズマーもこの音楽史からは無視(排除)されているのに唖然とする。
あたかもアフリカから直行してきた(?)黒人たちと英国から逃れてきたアングロ・サクソンの人々だけが米国の音楽史を形成してきたかのような乱暴な音楽史は1970年代に出されていても通用することはなかっただろう。
事実誤認や定説とはあまりにもかけ離れた思い込みが多いのも気になる。再版、重版の折には訂正されることを願って明らかに間違いだと思われる個所を以下に列記する。
42ページ:ケイクウォークをはじめとするいまのダンス(いまでも19世紀に流行したケイクウォークが親しまれているのだろうか)
79ページ:マヘリアの音楽を聴いていると、一世紀も前の音楽なのに(マリア・ジャクソンの初録音は1939年であり、全米的な人気を誇ったのは1950年代からである)
113ページ:レモンは電気ギターの先駆者のひとりで(ブラインドレモン・ジェファーソンは電気ギターが発明される2年前の1929年に死亡している)
161ページ:ハード・バップは第二次大戦後の黒人たちの人権意識が生み出したもの(ビ・バップとの取り違えではないのか)
187ページ:ノーザン・ソウル(北部のソウル)とサザン・ソウル(南部のソウル)(いまやノーザン・ソウルは英国北部で人気ある60年代のダンス音楽としてのソウル音楽というのが定義となっているはず)
191ページ:モータウンには(中略)ジャッキー・ウィルソンがいました(ベリー・ゴーディが制作にかかわったジャッキー・ウィルソンだが、モータウンに所属したことはない)
193ページ:「ファンク」というのは(中略)16ビートの音楽のこと(16ビートではないファンクはいくらでもある)
194ページ:(ジェームズ・ブラウンは)ナイジェリアのシンガー・ソングライターにして黒人解放運動家のフェラ・クティの「アフロ・ビート」に刺激をうけたばかりか、その思想にも啓発されている(ロンドン留学中の若きフェラがJBを見てアフロ・ビートを始めたのではなかったか)
197ページ:ファンクというのは、キング牧師暗殺以降の音楽(フランスの研究者ブルーノ・ブルムによれば戦前からファンクはあるし、1950年代にはファンキージャズの流行があり、JBがファンクを始めたのも1964年であり、キング暗殺の1968年以前)
もちろん、流行ポピュラーの音楽の通史としてのこの書の価値を否定するものではないが、あまりにも言いっぱなしの乱暴さが気になったので、読者には批判眼をもってこの書に接してほしいと思う。
30年代のルンバ、40年代のサンバ、50年代のマンボそして60年代のボッサノーヴァがこの国の主流音楽に与えた影響は単なる彩と言うレベルでなく米国大衆音楽全体に地殻変動を及ぼすものであったと思われるが、その記述が一切ない。1960年代にはニューヨークを拠点にサルサ音楽が隆盛を極めるが、まさしく米国生まれの米国音楽そのものであるサルサの記述が一切ないことにも驚きを禁じ得ない。サルサはプエルトリコからの移民が中心となりキューバ音楽を基にニューヨークで成立した混血音楽である。いまやジャズの起源すらラテン音楽発展の系譜のなかでとらえる研究者も多いというのに、これはどうしたことか。
それどころか、ハワイ音楽もケイジャン音楽もテックスメックスやチカーノ音楽もポルカやクレズマーもこの音楽史からは無視(排除)されているのに唖然とする。
あたかもアフリカから直行してきた(?)黒人たちと英国から逃れてきたアングロ・サクソンの人々だけが米国の音楽史を形成してきたかのような乱暴な音楽史は1970年代に出されていても通用することはなかっただろう。
事実誤認や定説とはあまりにもかけ離れた思い込みが多いのも気になる。再版、重版の折には訂正されることを願って明らかに間違いだと思われる個所を以下に列記する。
42ページ:ケイクウォークをはじめとするいまのダンス(いまでも19世紀に流行したケイクウォークが親しまれているのだろうか)
79ページ:マヘリアの音楽を聴いていると、一世紀も前の音楽なのに(マリア・ジャクソンの初録音は1939年であり、全米的な人気を誇ったのは1950年代からである)
113ページ:レモンは電気ギターの先駆者のひとりで(ブラインドレモン・ジェファーソンは電気ギターが発明される2年前の1929年に死亡している)
161ページ:ハード・バップは第二次大戦後の黒人たちの人権意識が生み出したもの(ビ・バップとの取り違えではないのか)
187ページ:ノーザン・ソウル(北部のソウル)とサザン・ソウル(南部のソウル)(いまやノーザン・ソウルは英国北部で人気ある60年代のダンス音楽としてのソウル音楽というのが定義となっているはず)
191ページ:モータウンには(中略)ジャッキー・ウィルソンがいました(ベリー・ゴーディが制作にかかわったジャッキー・ウィルソンだが、モータウンに所属したことはない)
193ページ:「ファンク」というのは(中略)16ビートの音楽のこと(16ビートではないファンクはいくらでもある)
194ページ:(ジェームズ・ブラウンは)ナイジェリアのシンガー・ソングライターにして黒人解放運動家のフェラ・クティの「アフロ・ビート」に刺激をうけたばかりか、その思想にも啓発されている(ロンドン留学中の若きフェラがJBを見てアフロ・ビートを始めたのではなかったか)
197ページ:ファンクというのは、キング牧師暗殺以降の音楽(フランスの研究者ブルーノ・ブルムによれば戦前からファンクはあるし、1950年代にはファンキージャズの流行があり、JBがファンクを始めたのも1964年であり、キング暗殺の1968年以前)
もちろん、流行ポピュラーの音楽の通史としてのこの書の価値を否定するものではないが、あまりにも言いっぱなしの乱暴さが気になったので、読者には批判眼をもってこの書に接してほしいと思う。