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チームの力: 構造構成主義による”新”組織論 (ちくま新書) 新書 – 2015/5/8
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- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2015/5/8
- 寸法10.8 x 1.2 x 17.3 cm
- ISBN-104480068309
- ISBN-13978-4480068309
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2015/5/8)
- 発売日 : 2015/5/8
- 言語 : 日本語
- 新書 : 224ページ
- ISBN-10 : 4480068309
- ISBN-13 : 978-4480068309
- 寸法 : 10.8 x 1.2 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 193,874位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 690位ちくま新書
- - 2,100位社会一般関連書籍
- - 2,877位その他の思想・社会の本
- カスタマーレビュー:
著者について

Essential Management Schoolの代表、本質行動学アカデメイア(代表取締役)を務める。専門は本質行動学。
若手研究者の登竜門といわれる日本学術振興会特別研究員DCおよびPDを経て、最年少で早稲田大学大学院(MBA)専任講師、客員准教授を歴任。
2011年の東日本大震災に際して、構造構成主義(本質行動学)をもとに3000人のボランティアにより運営される50のプロジェクトからなる日本最大級の「総合支援ボランティア組織」に育てあげる。
2014年、哲学に基づいて未曾有の災害に対応した功績が認められ、Prix Ars Electronicaのコミュニティ部門において、ウィキペディア等が受賞した最優秀賞(ゴールデン・ニカ)を日本人として初受賞。「ベストチームオブザイヤー2014」「最優秀グッド減災賞」「NPOの社会課題解決を支えるICTサービス大賞」受賞。
著書に
『クライシスマネジメントの本質: 本質行動学による3.11 大川小学校事故の研究』(山川出版社 )
『構造構成主義とは何か』(北大路書房)、
『質的研究とは何か』(新曜社)、
『人を助けるすんごい仕組み』(ダイヤモンド社)、
『チームの力』(筑摩書房)など。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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組織が解体し尽くされ、諸チームがダイナミックに形成され、使命を達したら、解散する。一人の人も、さまざまなチームで関心に応じて力を発揮し続ける。
そのような変化が、実は進行しているのかもしれない。
一般の事業者ではない学者目線だからこその一冊
【学びのポイント】
1)自由に意見を言いましょうはNG?
・チームでの議論の仕方は、チームの機能を左右する。
・「何でもいいから意見を言ってください」というやり方は、一見オープンに議論できてよさそうにみえるが、意外と機能しないことも多い。
・「自由に意見を言いましょう」となると、否定的な意見がいくらでも出てしまい、物事が進まなくなってしまうためだ。そうではなく〝方法の原理〟に基づいて、「今の状況と目的を踏まえた上で、よりよい代案を出してください」とするとよい。
2)自律的なチーム作りとは?
・人間は把握した本質に沿って行動することが可能になる。
・したがって、物事のキー・ポイントを明晰に理解することで、そのポイントからブレずに、自覚的に実践することができるようになる。
・そして〝本質を包含した目的〟は、どんな状況でもそこに立ち戻ってゼロベースで考え、しなやかに行動することを可能にしてくれる。
・リーダーに頼らない自律的なチーム作りに必要なことは、まずそのチームの目的を明確化し、それをメンバーに常に意識させ、それを基点にそれぞれが判断できるようにすることなのだ。
3)理念の本質
・理念の本質(1):「理念」とは、組織が大切にする価値観を表明したものだ。根本的な価値観が違う夫婦がうまくやっていくことができないように、価値観の違う組織と人はうまくやっていくことはできない。これは合うか合わないかの問題であり、どちらが正しいということではない。したがって、いかに立派なものであっても、本当に思ってもいないことを理念にしても、意味はないどころか、チーム離れ(離婚)を招くだけになる。
・理念の本質(2):「理念」とは、組織が目指すべき方向性や足並みを揃えるための〝組織のコンパス〟というべきものである。したがって、そのコンパスの精度が悪ければ(理念が不明瞭であれば)足並みが揃うことはない。極端な話、真逆の方向を指すコンパス(価値観)を持っている人は、歩けば歩くほどどんどん離れていってしまう。同じ方向を指す精度の高いコンパスを組織の全員が持つことによって、それぞれが自律的に行動しながらも、同じ目的に向かって足並みを揃えることが可能になるのだ。
・理念の本質(3):「理念」とは、それが失われたら存在している意味がない、というほどに最も堅持すべきものであり、それに照らして意思決定をすべき〝組織の憲法〟でもある。人間は言葉より行動の方を信じる。組織の理念に反する意思決定をしていたら、やはり理念に共感して集まってきた人の気持ちは離れていくだろう。
・以上の(1)~(3)から、「理念」とは〝組織を導く本質〟と言える。そのように理念の本質を捉えたならば、理念を言語化し、それに沿ってチームを運営することが、いかに本質的に重要なことかわかるだろう。
4)状況によって良きリーダーは変わる
・リーダーシップが組織の目的達成に導く方法である以上、よいリーダーかどうかはその組織(チーム)の状況と目的を抜きに考えることはできないことになる。アメリカの心理学者マズローも、インディアンのブラックフット族で観察された例を挙げ、たとえば、戦闘部隊のリーダーは誰もが部隊を率いるのに最適と認める人物であり、家畜の飼育においてはそれに最も適任の人物がリーダーを務めたと指摘している。つまり、あるチームでは立派なリーダーが、別のチームではリーダーとして最も不適格とされる場合もありうるのだ。マズローは「狩りに出かけるときなら私は自分より腕の立つ機能的リーダーの命令に喜んで従うだろうが、話が出版のこととなれば、同じ人物の指示に従うことなど考えられない」と言っている。これは至極まっとうな指摘と言うほかない。
・どういう状況で何をしたいのかを抜きに、どういうリーダーがよいリーダーか、あるいは、どういうリーダーシップがよいかを論じることは意味がないのだ。
・リーダーシップをとるのは誰か。それは科学的に一般化されたAさんでも、平均的な振る舞いをすると仮定されたBさんでもなく、「あなた」なのである。常に「状況」の真ん中にはリーダーシップをとる主体となる「自分」がいる。その「あなた」がどういう人かを抜きに、よいリーダーシップのあり方を考えることはできないのだ。
5)リーダーが組織を決める?
・リーダーが口では「社会に役立つことをしましょう」と言っていても、「是が非でも売り上げを上げること」が最も重要な関心であることが透けてみえれば、部下は「その関心に適った行動をしたほうがリーダーに評価される」と考えて、社会に役立つことよりも、売り上げの向上につながる行動をするようになる。あるいは、その考え(関心)に共感できない人は、「口では社会貢献的なことを言っているが、結局のところ利益を上げることがすべての、この会社ではやっていけない」と辞めてしまう。
・このようにリーダーが誠実でないことにより、逆淘汰(リバースセレクション)がかかることで、誠実なスタッフは次々と辞めていき、不誠実なスタッフばかり残る。彼らは組織の内部でも不誠実な行動をするようになり、不誠実な組織文化が醸成され、社会に対しても不誠実に振る舞うようになる。
・このように、不誠実なリーダーが誠実なチームを作ることはできないのだ。たとえ、うまいことやって、一時的に誠実なメンバーを集めたとしても、次第にその本質に気がつき、誠実なスタッフは去ってしまうだろう。その意思決定や動き方から「その人が本当にしたいこと」が浮き彫りになってしまうためだ。したがって、自分がチームを作る場合、自分にはない特質を備えた人が欲しいと思ったからといって、そういう人を集められるというものではないのだ。
・チームを作る際に、リーダーの人格と組織の体質は相関する。つまり、リーダーの人格に応じて組織の体質が決まってしまうのだ
【伊那食品工業に、チームの本質を見た】
トヨタ自動車の豊田社長とも深い親交のある「かんてんぱぱ」の塚越会長が作り上げた伊那食品工業
に「チームの力」を目の当たりにした。詳しくは、本書のあとがきを読んでいただきたい。
しかし、多くの企業にとって理想の会社と、それを再現するための理論が伴っていないのも事実。
私は技術系中小企業の人事総務を担当している立場だが、会社の企業風土を構成する要素が
企業によってことなるのを実感している。
そのためどんなチーム理論も理論だけで空転してしまう可能性を秘めている。
しかし、西條さんの書かれたチーム理論は、理論だけで再現性がないものではなく、理論構築をする
一段上の叡智としての構造構成主義に基づいているという。理論のもととなる原理を定義するところから
始まっているので、メタ方法論になっている。つまり、方法論の根本にまで思考をめぐらした上で、
理論を構築しているので、方法を作成する上での指針として使用できるという。
期待を膨らませて第二章にページを進めた。そこからは一気にメモを取りながら読み進めることとなった。
読後の最初の感想は、
『哲学を実践組織論に持ち込んだ始めての書物!』
という感想だ。
これは今後のチーム論の道標となる書物かもしれない。「哲学と、実践組織論は相容れないもの」
こう考えていた私に、かなりの衝撃だった。
以下、その中でも印象に残り、私自身のアクションプランにつながったところを述べてみよう。
【目的は明確か?行き先は明確か?】
二つの理念(大切にしたい価値観と行き先)をもつことの示唆を本書は行っている。
理念の定義には、正直うなってしまった。理念の定義をここまで具体的にあらわしてくれた
書物に初めてであったからだ。
本書では具体的に理念をあらわすビジョンは、抽象的なビックビジョンと個別ビジョンの二つ必要だという。
第二章、価値の原理の一部だけでも、実際のアクションプランを考えられるように工夫されている。
理論だけでなく、行間に「ふんばろうプロジェクト」で得た実例が見え隠れするのもありがたい。
【どうして組織は暴走してしまうのか】
第三章は方法の原理だ。埋没コストという概念。埋没コストは過去のとらわれだと説く。
以前、元appleの日本CEOである前刀氏の話を聞く機会があったがそこでも「もんだ」をやめる。
という話がでていた。企業の成功体験が増えるほど「そういうもんだ」という踏襲の文化がはびこるというのだ。
本書では、震災時に前例主義に陥る行政などの事例を通して「責任を回避したいという関心」からの解放
という方法を説く。失敗回避バイアスよりも、達成バイアスを強めることで、相手の「責任をとらされたくない」
という関心に響くような提案をするということ。
そう、相手の関心に目をむければ解決策はいくらでもあるということを本書は示唆している。
これは組織を運営するマネジャーとともに、ぜひとも積極的に議論を重ねたい。
【価値は関心に応じて立ち現れる】
次のショックは、「関心」という言葉だ。価値は関心に応じて現れると説く。信念対立は、価値の違い。
価値は関心相関性。すべての価値は、欲望や関心、目的といったことに応じて立ち現れる。だからこそ、
価値が作られた関心や経験にまで遡って理解することが必要だというのだ。
「リーダーはパフォーマンスに直結する「能力」は考慮しても「関心」は見落としやすい」
まさにいい得て妙ではないか。そして自らを振り返ることしきりだ。
相手が何に関心があるかで価値は変わり、その価値にもとづいて行動しているのであれば、
相手の関心を見ることなしに、マネジメントはできない。
相手のベスト関心 ワースト関心を知り、関心を多角的にカバーするように提案者にやってもらってみる
というマネジメント理論。そのために立ち上げるべきだというプロジェクト案が私のメモにも書かれていた。
こんなにも、メモを取りながら読んだ本はない。
本書を通して全体から感じるのは、実践的であり、かつ普遍的な本質への探求と理解だ。
そして「理論=非感情的」と理解していた私に「人へ関心を持つことの哲学」を教わった気がする。
この本を読んで、組織に、上司に、部下に、家族に、チームのメンバーに、
「優しく関心という目をむける」チームリーダーが育ってくれることを確信した。
関心こそが人格を磨く。
哲学を組織論へと実践昇華した生き様あふれる本である。