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探究する精神 職業としての基礎科学 (幻冬舎新書) 新書 – 2021/3/25
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- 本の長さ328ページ
- 言語日本語
- 出版社幻冬舎
- 発売日2021/3/25
- ISBN-104344986148
- ISBN-13978-4344986145
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商品の説明
著者について
登録情報
- 出版社 : 幻冬舎 (2021/3/25)
- 発売日 : 2021/3/25
- 言語 : 日本語
- 新書 : 328ページ
- ISBN-10 : 4344986148
- ISBN-13 : 978-4344986145
- Amazon 売れ筋ランキング: - 153,714位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 306位幻冬舎新書
- - 555位科学読み物 (本)
- - 28,061位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について

東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構機構長。カリフォルニア工科大学 フレッド・カブリ冠教授およびウォルター・バーク理論物理学研究所所長。アスペン物理学センター理事長。
京都大学大学院 修士課程卒業後、東京大学理学部助手、プリンストン高等研究所研究員を経て、1989年東京大学理学博士号。シカゴ大学助教授、京都大学 数理解析研究所助教授、カリフォルニア大学バークレイ校教授を歴任。2000年にカリフォルニア工科大学に移籍し、現在に至る。
紫綬褒章、アメリカ数学会アイゼンバッド賞、ドイツ連邦共和国フンボルト賞、ハンブルク賞、サイモンズ賞、グッゲンハイム・フェローシップ、韓国ベンジャミン・リー栄誉教授賞、仁科記念賞、中日文化賞などを受賞。アメリカ芸術科学アカデミーとアメリカ数学会のフェロー。
ブルーバックス『大栗先生の超弦理論入門』ではに対し、講談社科学出版賞を受賞。科学監修を務めた3D映像作品『9次元からきた男』は、国際プラネタリウム協会最優秀作品賞を受賞。
ホームページ:http://ooguri.caltech.edu/japanese
YouTube チャンネル:https://www.youtube.com/@Hirosi.Ooguri
ツィッター:https://twitter.com/PlanckScale
ブログ:http://planck.exblog.jp/
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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(1) 基礎科学研究の意義と価値
基礎科学研究の価値(例えば「社会の役に立つかどうか」)は直ぐには分からない。発見の段階で「価値中立」である研究で、その後に大きな価値が見出されたものが数多くあることを科学の歴史が証明している。基礎科学の研究は(基礎から応用に繋がる幅広い)ポートフォリオとしての知性への先行投資として位置付けるべきである、という著者の見解に非常に共感を覚える。著者は「研究の価値は何で決まるのか」、「その価値は何から生まれるのか」という興味深い問いにも踏み込んでいる。その価値は「普遍性のある法則の発見」にあるというポアンカレの言明(の引用)と「粘り強く考え続ける研究者の探究心」から生まれるという著者の見解に多くの方々が賛同されるであろう。
(2) 「方法の学問」としての物理学
物理学は化学や生物学のような「対象の学問」ではなく、「方法の学問」であるという著者の指摘に感銘を受ける。数学を愛好する評者が物理学(数理物理学)にも興味を感じるのは、ともに「方法の学問」として自然現象の理解や解明に使うことができるからなのだと気付かされる(*1)。
(3) 素粒子論の究極の目標
素粒子論の究極の目標が自然界のすべての素粒子とその間に働く力を一組の原理で説明できる「統一理論」の建設にあることはどなたも認められると思う。その目標に向け「21世紀の宇宙の数学」は量子力学と重力理論の統一理論であり、「超弦理論」(本書では触れられていないが、さらにその発展形である「M理論」)がその最有力候補であるという著者の見解が述べられている。これらの理論を学んでいる、あるいは学ぼうとする方々への心強い励ましになるだろう(*2)。
(4) 科学の歴史への深い造詣、研究者としての謙虚な姿勢
著者が科学の歴史(例えば「理性とキリスト教を両立させ、人間の理性の価値にお墨付きを与えた」トマス・アクィナス(*3)、「教育と研究を統合した大学制度のモデルを考案・実践し国際標準にまで高めた」フンボルト、など)に詳しいことに驚いた。このような見識がある方だから、基礎科学の研究者として「真理の探究に専念できるのは、このような活動に意義を認め、それを支援してくださっている社会のおかげです」と謙虚に感謝の気持ちが表明できるのだと思う。基礎研究では「人にお金をつける」、即ち研究者に研究計画を提出させるのではなく、研究者自身の探究心と能力を評価して投資する、という著者が提言されている研究支援制度がわが国でも広く普及し主流になることを期待したい【これは単なる願望ではなく、MUSTであるべきだ。そうでなければ、日本の基礎科学研究は凋落の一途を辿るおそれがあると思う】。
職業として基礎科学に携わる現役研究者の心情が実に謙虚かつ素直に披露されている(*4)。凋落の影が忍び寄る(あるいは、既にそれが顕在化しているかもしれない)日本を基礎科学の知財の先進国に復活させるには何をなすべきか、研究者だけでなく一人の国民としていろいろと考えさせられる面白い良書である。
【付記】 レビューの記述を補足する事柄や個人的な見解などを記したい。
(*1) 「方法の学問」としての数学と物理学に関し、本書に述べられているニュートンやガウスをはじめ、リーマン、ポアンカレ、ヒルベルトなどの偉大な数学者は数理物理学に強い関心を持っていたという事実を想起したい。最近目を通した森山翔文『M理論と行列模型』(サイエンス社、2020)の「まえがき」に「数学と物理学の棲み分けは、単に歴史的な経緯であり、これからの進展次第で組み換えが起きることは十分に考えられる」という文章があり非常に興味深い。
(*2) 超弦理論やカラビ-ヤウ多様体などにつき、シン=トゥン・ヤウ『宇宙の隠れた形を解き明かした数学者』(日本評論社、2020)にヤウ自身による解説があり面白く参考になる。トポロジカルな弦理論であるBCOV理論発表25周年の夕食会の記念写真が本書199頁に載っている。BCOVの4名の左にヤウが映っており微笑ましい。数学や物理学が好きな方で「チャーン-サイモンズ理論」の数学者ジェームズ・サイモンズの名をご存知の方は少なくないだろう。このサイモンズ氏は株式投資のヘッジファンドで大成功した起業者であり、基礎科学研究の基金設立にも非常に理解がある大富豪であることがヤウの本や本書で述べられている。
(*3) 本書2ページにトマス・アクィナスの『神学大全』から面白い文章が引用されている。本書第4部に至り、山本義隆『磁力と重力の発見』を参考にして、トマスの功績が解説されている。このあたりのことを知ると、今まであまり読んでいなかった山本義隆さんの著書を読んでみたいという気持ちになるのは評者だけではないだろう。【2021.4.10 追記: 山本芳久『世界は善に満ちている トマス・アクィナス哲学講義』(新潮選書。2021)の書評が3月27日付けの朝日新聞に載っており、アマゾンで「ベストセラー1位」の本であることを知った。そこでトマスの情念論(感情論)が常に注目され研究対象になっているという事実を知り、自身の不勉強と知識の狭さを思い知らされた。生涯学習で何とかキャッチ・アップできればと思う…】
(*4) 「研究を真剣に楽しむことこそが、人類の共通財産である科学の知識を進歩させる原動力です。そしてそれがいつかは社会の役にも立つ」という発言(本書pp.310-311)、(生涯学習の必要性を認識する)読者にも大きな希望が与えられている様に感じられ、とても好感が持てる。
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カミオカンデが当初はニュートリノ検出のための施設でなく、陽子崩壊という現象の観測が目的であったという事実を本書で初めて知った。陽子崩壊の理論を棄却した後、直ちにカミオカンデをニュートリノ検出の装置に改造したことがノーベル物理学賞の受賞に繋がったという経緯の説明は実に感動的である【「幸運は準備された心に微笑む」、本書pp.169-173】。
アメリカを中心とする海外大学のシステムの勉強にもなり、とても面白かった。
特に私が印象に残ったのは、p308からの数ページで書かれている、「研究者に対するリソース配分においては、その研究者の探究心や能力を測ることが重要だ」という趣旨の指摘である。
良い人であれば、その人を信頼して投資し、好き勝手に自由にやらせる。
もちろん全部が成功するわけではない。それどころかその時点ではよくわからないアウトプットが出てくることも多い。
とはいえ、長い目で見たら人類の役に立つものが、確率的に必ず産まれてくる。
研究とは本来そういうものだし、真のイノベーションもこのようなプロセスから生まれる。
なので、「役に立たない研究」という言葉はおかしい。
研究は役に立つかどうか分からない。それどころか成功するかどうかすら不明だ。
しかし、それは人類が持つ知性の幅を広げてくれる。ポートフォリオとしての知性という武器をあらかじめ増やしておく行為であるとも言える。
ゆえに、基礎科学への投資は社会の役に立つと言ってよいと思う。
基礎科学は土壌のようなものであり、ここが貧しいと、その上に豊かな応用科学の木は育たないし、その先にある産業化などにもつながらない。
この点について、本書はとてもわかりやすく説明している。
資源のない日本が生き残るためには、基礎科学を含む科学技術にどんどん投資していくべきだとかねてから思っていたが、本書を読みあらためてその思いが強くなった。
また同時に、著者が何度も本書で強調しているように、研究者側の謙虚な自覚も大切である。
研究者は、自分の好奇心を満たすため、社会のリソースを拝借して研究している。
このことに謙虚な自覚を持つ必要があると、著者は何度も強調している。
私が知る限りでも、アカデミアには「自分たち研究者は賢くて偉い」と思い上がっているタイプの人はちらほら散見される。
言うまでもなく、そういう人を見ると非常に鼻白むし、石を投げたり意地悪してやりたくなる。
一方、著者のように謙虚な研究者の方のことは、一人の納税者としても、科学技術政策の末端にいる人間としても、応援したくなる。
アカデミアに近く、研究者に理解があるほうの私ですらこうなのである。
基礎科学に対する社会の支援や理解を増やす上では、研究者側が思い上がらず、謙虚でいることは重要なのだろう。
とにかくいろいろ考えさせらえる良い本だった。
特に科学技術政策に携わる中央省庁の人などは、本書の308ページからだけでもいいから読んでほしい。ここを変えないと日本は終わりだと思う。
研究には目的合理的行為と価値合理的行為がある。短期的に結果が出ると予想される研究や実用化を目指した製品開発は目的合理的であり、何の役に立つかわからない真理の探究は価値合理的である。価値合理的な研究は短期的には何の役に立つかわからないが、50年後100年後に役立つかもしれない。例えば大西洋を横断する無線通信を実現したマルコーニは目的合理の人であり、その基礎となる理論を構築したマクスウェルは価値合理の人である。
科学者が自由な探求心に基づいて行う研究はポアンカレが「科学と方法」で述べている様に、多くの分野の発展につながる普遍的な発見につながる可能性がある。研究者として仕事をする以上、短期的な結果を出す必要もあり、短期的な結果がでる研究と長期的な大きな仕事をバランスよく組み合わせ(株式投資と同じようにポートフォリオをつくる)なければならない。
精神と知性の自由さ、楽しむことを重視している点が印象的だった。大栗先生の読書量と博識さが凄く、ま小さい時に展望ビルの高さから地球の半径を求めたというエピソードは持って生まれた力の差を感じさせてくれた。そんな先生でも粘り強く探求し続ける知の体力の重要性を説いていることは頭に置いておこう。
著者が「はじめに」で書いているとおり、小学生から現在に至るまでを回顧録的にまとめた一冊です。
ただ、一流の学者の回顧録なので、普通に語られているレベルがとても高い。そして、それが小気味良く感じられて読みやすかったです。
また、読んでいると語りかけられているような気分で読み進められたのも楽しく読めた一因でした。
何故かは分かりませんが、書き方なんでしょうか・・・?
所々文章の繋がりが「おや?」というような接続詞の使われ方とかしているのですけど、それが話し言葉に近いせいなのかもしれませんね・・・(よく分かりませんけど・・)。
経験が一流どころばかり。
京大〜東大〜(プリンストン)高等研究所〜シカゴ大〜(京大)数理解析研究所〜カリフォルニア大バークレイ校〜カリフォルニア工科大。筆者の実績が推し量られます。
そして、研究の最中に責任あるポストについて成果を出していることも凄いですね。
いずれの時期においても超弦理論の探究がベースにあり、それを実現するために一番良いと(自分が)考えるところへの異動の履歴のような気もしました。
途中で語られる数学の歴史やヨーロッパでの科学の歴史なども、読書量にも支えられた知識とは思いますが、それでもあらためて調べ直して記述している雰囲気もあり、筆者の「探究する精神」を垣間見れた気もしました。
一流の研究者の回顧録としても面白いですが、何も知らずに読んで見ても楽しめる一冊なのではないかな?と思いました。
それだけ臨場感に溢れています。
科学に興味がある人はもちろん、目的を持って生きている人全てにお薦めできる一冊だと思いました。