経済問題は世界の今日的課題の一つの大きな柱だと思っています。
新自由主義的グローバリズムの進展により、世界的な経済成長が見られる一方で、その内実は「格差」が拡大し、庶民の生活は不安定で先行きの不安を予感させる状況に置かれています。
富裕層と低所得層の身分的隔絶と分断は顕著になり、マルクスが指摘した「2つの階級」は固定化の一途を辿りつつあります。
私は自由競争一辺倒ではない「分配」が経済政策の中心に据えられるべき時機に至っていると考える者です。
近年、新自由主義的価値観を根幹とする経済政策として「トリクルダウン」が提示され、それに沿った政治的判断と政策選択がなされてきています。
規制撤廃(新自由主義者への利益誘導のため)、官から民へ(国民の共通資産である公共インフラの新自由主義者への売り渡しという民営化)というスローガン(プロパガンダ)の下、蓋を開けてみれば”格差拡大”。
これは果たして多くの庶民にとって利益と幸福をもたらしてきたのでしょうか?
上から下へ(中抜きあり)の予算分配よりむしろ、経済主体を消費者に委ねることにより、経済を活性化させ、格差を解消する方がより多くの人々の幸福につながるのではないか?
私は、その手立てとしての「ベーシック・インカム」に関心を抱いているところです。
※そのためにMMTを適用する経済政策が重要と考えています。
それではベーシック・インカムとは何か?
本書はAIの進化とその普及による経済への影響、主に雇用状況の変化を分析し、それへの方略の一手段としてのBI(ベーシック・インカム)を提唱しています。
構成としては、以下の3章が本書の柱となります。
1.AI(人工知能とは)
2.BI(ベーシック・インカム)の仕組みと効力
3.AI+BIの社会の中で人間はどう生き残るのか
端的に言えば、AI(本書においては人間的機能を持つ人口知能が達成されることについては否定的、しかしシステム化による経済活動の効率化は進行)により労働の効率化は進み、結果として雇用形態が激変する可能性はある(雇用の縮小)。その際、BIが有効な経済対策になるという趣旨で論を展開させているのが本書であると理解すれば分かりやすいと思います。
本書の発売日は2018年2月27日。このレビュー書き込み時からおよそ3年ほど前のことです。
この頃は世界中でBIに関する議論が目立つようになった時機でもありました。実際に実験検証する国や地域が散見されるようになると同時に、その報道を見聞きすることがあったと記憶しています。
当時としては「財源問題」のため経済政策としては徒花(あだばな)的な認識しか持たれなかったような気はします・・・。
BIの基本概念自体、決して最近になって登場したアイディアではありません。
本書によれば200年程度時代を遡れるほどの経済学史的経歴を持つ財政分配政策論であり、そのルーツを辿れば、ある意味共産主義的ユートピア論に親和性を持つ思想体系に組み込まれる素性を持つと見なすこともできます。
カール・マルクスによって『資本論』が上梓されたのが1867年。
ヘーゲルの思想体系を大元とした「弁証的唯物論」、すわわち量的変化が質的変化をもたらすという「弁証法」の一面の定義を、「カネ」が蓄積すること(量的変化)によって、経済構造も変わる(質的変化)という学術的視点に置き換えたのがこの『資本論』。
資本主義の構造的性質として資本が一部の階層に集中し、”富の格差”が顕著になり、同時に「資本家」と「労働者」という支配と被搾取という対立的階級が生まれる(だろう)というのがマルクスの資本主義に対する分析であり解説の骨子となっているのは常識的な認識です。
マルクス、そして『資本論』に対する評価は、それに対する主体の価値観や立ち位置によって大きな違いがあると思います。ただ、イデオロギー問題の対立的側面に焦点を当てるだけでは現在の問題は1ミリも先に進みません。現代においても現行の社会・経済システムを分析し、生活する人々にとってどういう社会が望ましいか考えることが、ことさらに重要になっていると思わざるを得ません。
そういう問題意識を共有できる方であれば、本書は有用な解決法を示す”道標”となると確信しています。
※著者は共産主義者では”全く”ありません。
ちなみに、私見ですが、共産主義と分配主義?は同義ではありません。
共産主義:国家が国民から資産(生産手段)を取り上げる。
分配主義:資産は国民の所有権を認めるが、徴税による調整によって分配し、格差是正を行う。
という明らかな違いがあると思っています。
そういう意味において、私が考える分配政策は観念的な意味合いも含むものであり、大いに儲けて結構。ただし儲ける手段を持つ者は、共同体維持への義務を果たすべきという立場に立ちます。
これは『ノーブレスオブリージュ』が中心に据えられたものと自認しています。
※(仏: noblesse oblige フランス語: [nɔblɛs ɔbliʒ])とは、直訳すると「高貴さは(義務を)強制する」を意味し、一般的に財産、権力、社会的地位の保持には義務が伴うことを指す。(=ウイキ)
本書はこのような立ち位置で書かれている提言書とみなせる本だと考えます。
【雑感:本書の項別】
1.AI(人工知能とは)
全文量の約4割がAI(人工知能)の説明に割かれています。
専門的な解説がなされていますが、マニアックな用語は極力使用されておらず、文系の方でも十分に理解できる丁寧な表現になっています。AIの定義や開発の歴史と現状。長所や短所、社会における適用の可能性などが緻密に解説されています。
2.BI(ベーシック・インカム)の仕組みと効力
一般的に理解されているようなベーシック・インカムの概念として説明がなされています。
財源に対して、その計算の背景と根拠を示しつつ解説してあり、説得力があります。
個人的にはMMT的観点から財源問題はクリアすると思う立場であるので、興味がある方はMMTを調べることをお勧めします。税は財源ではないということが理解できるとベーシック・インカムの実現性に確信が持てるはず!と思っています。
3.AI+BIの社会の中で人間はどう生き残るのか
ベーシック・インカムが実施されれば人間が働かなくなり、社会が崩壊すると警鐘を鳴らす言論人は多くいます。
彼らの背後にどういう勢力が動いており、支援されているのか想像することができれば、そのわけは分かるのですが、ベーシック・インカムがもたらす個々人の生活の変化について予測的な将来像が提示されています。
私も自分なりにベーシック・インカムについて拙考し、ここのレビューでも他の”ベーシック・インカム本”にその内容を書き込んだりした覚えがあります😁。
ベーシック・インカムについては概念はともかく、財源論がその本筋としての課題になると思っています。
BIをするためにどこかの予算を削るというやり方では問題は解決しませんし、誰も幸せになりません。
根本的な問題解決としてはMMT的経済思想が必要ではないかと思っています。
本書は分析論として学ぶべき、必要で基本的な内容が漏れなく論じられていると思います。
多くの方に目を通して頂きたい一冊です。
【追記】
アメリカのバイデン政権が発表している経済政策は
・法人税率引き上げ
・所得税の累進性強化
・分離課税廃止の方向性
だそうです。
これは私が以前から主張している政策と被るところが大きいと思います。
その理念の先にあるのは
『格差是正』
だということが分かります。
ついでにもう一つ言えば、民営化の制限(全く無しにしろとは言わない)があげられると思います。
・公営住宅の増設
※不労所得による格差拡大を阻止。労働者の所得の多くの部分を家賃に支払い、購買力を減じることはデフレに繋がります。富裕層は消費はしないわけで、貯蓄や投資に回します。低所得層は欲しい物があってもカネがないから消費できません。
公営住宅を安く、希望すれば誰にでも、所得によっては無料にすれば、これも一つの格差是正の政策になります。
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AIとBIはいかに人間を変えるのか (NewsPicks Book) 単行本 – 2018/2/28
波頭 亮
(著)
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経営コンサルタント・波頭亮によるAI(人工知能)・BI(ベーシックインカム)論の決定版!
産業革命以来の社会変化に対応するために読むべき必読書。
【人類史上初、我々はついに「労働」から解放される。この歴史的大転換をどう生きるか! 】
すべての生産活動をAIが行い、生きていくためのお金はBIで賄われる。
働く必要ない世界はユートピアか、深い苦悩の始まりか―。
本書は「AIとBIは世の中をどう変えるのか」について分析し、予測し、メッセージを提起したものである。
単なる未来予想の一つの寓話になってしまわないように、まず簡潔に、しかし総括的にAIとBIについて紹介・解説して、それぞれが持つ現代社会を根底から覆してしまう可能性を分析した上で、AIが更に発達し、BIの導入が実現すると、世の中がどう変わっていくのかを明らかにしていく。
本書を手に取ってくださった方々が、AIとBIが社会にもたらすであろう変化とインパクトを知り、AIとBIによる豊かな社会と良き人生を実現するために少しでも参考になれば幸いである(「まえがき」より)
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本書を手に取ってくださった方々が、AIとBIが社会にもたらすであろう変化とインパクトを知り、AIとBIによる豊かな社会と良き人生を実現するために少しでも参考になれば幸いである(「まえがき」より)
- 本の長さ262ページ
- 言語日本語
- 出版社幻冬舎
- 発売日2018/2/28
- 寸法18.8 x 12.8 x 1.7 cm
- ISBN-104344032608
- ISBN-13978-4344032606
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著者について
東京大学経済学部(マクロ経済理論及び経営戦略論専攻)を卒業後、マッキンゼー&カンパニー入社。
1988年独立、経営コンサルティング会社(株)XEEDを設立。
幅広い分野における戦略系コンサルティングの第一人者として活躍を続ける一方、明快で斬新なビジョンを提起するソシオエコノミストとしても注目されている。
1988年独立、経営コンサルティング会社(株)XEEDを設立。
幅広い分野における戦略系コンサルティングの第一人者として活躍を続ける一方、明快で斬新なビジョンを提起するソシオエコノミストとしても注目されている。
登録情報
- 出版社 : 幻冬舎 (2018/2/28)
- 発売日 : 2018/2/28
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 262ページ
- ISBN-10 : 4344032608
- ISBN-13 : 978-4344032606
- 寸法 : 18.8 x 12.8 x 1.7 cm
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上位レビュー、対象国: 日本
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2021年6月30日に日本でレビュー済み
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2021年8月24日に日本でレビュー済み
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AIとBIとい一見全く違ったテーマを扱っていると思ったが、読んでみるとこの二つの関連性の高さに驚いた。AIとBIについて統括的に勉強したい方にお薦め!
2021年2月23日に日本でレビュー済み
働かなくてもよくなると、まず、人間は退屈する。
やりたいことを見つけてやる、ということが、今よりも一層、重要になる。
やりたいことを見つけてやる、ということが、今よりも一層、重要になる。
2018年3月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これまで、組織論や経営論といった波頭氏の著書を拝読してきましたが、「AIとBI」というトレンドなテーマについて、波頭氏がどのような切り口で捉えているのかに関心を持ち、本著を手に取りました。
恐らく、多くの人は、AIの進化については否定はしないものの、BIの導入については懐疑的なのではないでしょうか。
または、BIという概念がイーロンマスクやマークザッカーバーグなどの、いわゆるイノベーターの先駆者が賛同する概念であるから、その方向性自体には賛同するものの、なぜそれが正しいのかを説明するのが難しいのではないでしょうか。
本著は、「AIやBI」を軸にして、どのような未来が訪れるのかを、筆者のポジションを明確にして、説明が展開されています。
特に、財政面での実現性と、人間本来の生きる価値定義、そして実現するうえでの現実的な障害、といった観点から丁寧に述べられており、とても理解しやすいです。
一方、BIの章で記載されている、
・「働かない人を増やす(フリーライダー問題)」には本当に繋がらないのか?
・「働かざる者、食うべからず」という社会通念、は受け入れられるのか?
・導入に必要な莫大な個人的な経済的負担(社会保険料、貯蓄への課税)を受け入れることはできるか?
といった問いかけを、著者の主張を前提に議論をすることで、自分自身の考察を深めるだけでなく、
個人の人生観や仕事観が浮き彫りになり、より多くの考え方を知ることができるのではないかと思いました。
また、新しい価値観を提起し、理解を進めていくうえでの、ファクトの捉え方や反証の方法学ぶ上でも、
会社の研修や、新人育成等に利用するにも、とても良い本です!
恐らく、多くの人は、AIの進化については否定はしないものの、BIの導入については懐疑的なのではないでしょうか。
または、BIという概念がイーロンマスクやマークザッカーバーグなどの、いわゆるイノベーターの先駆者が賛同する概念であるから、その方向性自体には賛同するものの、なぜそれが正しいのかを説明するのが難しいのではないでしょうか。
本著は、「AIやBI」を軸にして、どのような未来が訪れるのかを、筆者のポジションを明確にして、説明が展開されています。
特に、財政面での実現性と、人間本来の生きる価値定義、そして実現するうえでの現実的な障害、といった観点から丁寧に述べられており、とても理解しやすいです。
一方、BIの章で記載されている、
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・「働かざる者、食うべからず」という社会通念、は受け入れられるのか?
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2018年6月17日に日本でレビュー済み
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最近特にホットなAIと、まだ話題に乗り切れていないBIの話(個人的な印象)
AIが完全に人間を超えるというのはまだまだ先のことだし、そもそも超えるかは分からない。
だが、間違いなく人の仕事は減っていく。
結果、人間が生活できなくなるのではないか。
そのマイナス印象を打ち消すのがBIだ。(そもそも人口が減っていく日本では、AIで不足する労働力を補う必要がある)
人間は生きるための労働から解放され、自己実現やさらなる豊かさの獲得のために、能動的に働くことのできる時代。
最低限の経済格差がなくなり、機会平等が実現する。
どちらか一方では反発がありそうだが、両方揃えば確かな未来を想像できる。
本書はそのことについて、根拠を示しながら説明してくれる。
また、手放しに賞賛するだけでなく、導入前、導入後の問題点も論じている。
一番の問題は官僚かな。国を牛耳っている人が、その益を簡単に手放すとは思えない。
けれど、国民の一人一人が考えた結果、AI+BIに未来を期待できると思うなら変わるはず。
この本は日本の未来を考える上で外せない一冊だと思う。
AIが完全に人間を超えるというのはまだまだ先のことだし、そもそも超えるかは分からない。
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この本は日本の未来を考える上で外せない一冊だと思う。
2019年6月16日に日本でレビュー済み
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私の素朴な疑問は、BIを導入すると労働者が多少なりとも減るはずで、すると需要と供給の関係から物価が上昇し、BIの増額が必要となっても、財源は大丈夫なのか、という点。
BIを導入するための財源は足りるというのだが、そこの説明が無かったのが残念。
BIを導入するための財源は足りるというのだが、そこの説明が無かったのが残念。
2022年8月28日に日本でレビュー済み
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これから起こりそうな技術革新と、それによって起こりそうな生活の変化などを知りつつ、こんな世界になったらいいなと妄想出来ます。
20年後には現実になるかは不明(支配層が高齢化している等)
20年後には現実になるかは不明(支配層が高齢化している等)
2019年4月13日に日本でレビュー済み
よくまとめたとは思うけど「子ども手当が廃止されたのは、官僚が裁量・差配の余地を侵食されることを嫌ったから」とか誤解が散見される(子ども手当は児童手当に名前が変わって実質的には存続している)。あるいはミーンズテストの有無について述べたかったのかもしれないが、それにしても誤解を招いて読者を誘導する書き方はいただけない。BIの実証実験の成果を宣伝しているが、恣意的に肯定面だけを取り上げてはいないか検証が必要。あとがきにもあるように「BI推進のための本」なので、その点には留意が必要。