世界文化遺産になっているバングラデシュのバウルを追った
12日間の旅のノンフィクション。
どこを目指せばよいかもはっきりしないままスタートした旅が、
いろんな人、偶然に導かれて、どんどん深いところへ踏み込んでいく様子は、
たった12日間の旅とは思えないくらい、濃密である。
バングラデシュに旅したくなってしまった。
タゴールのギタンジャリも、読むといいかもしれません。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
バウルを探して 地球の片隅に伝わる秘密の歌 単行本 – 2013/2/14
川内 有緒
(著)
第33回新田次郎文学賞受賞!!
世界遺産? 芸? 宗教? 哲学?
その歌には、
今を生きるヒントが
詰まっていた。
アジア最貧国バングラデシュに飛び込み、追いかけた12日間の濃密な旅の記録。
18世紀終りに生を享けた伝説の男ラロン・フォキル。彼が作った千以上の“バウルの歌"は、譜面に遺されることなく、脈々と口頭伝承され、今日もベンガル地方のどこかで誰かが口ずさむ。教えが暗号のように隠された歌は、何のために、数百年もの間、彼の地で歌い継がれているのか。
バウルの歌とは、一体何なのか。
世界遺産? 芸? 宗教? 哲学?
その歌には、
今を生きるヒントが
詰まっていた。
アジア最貧国バングラデシュに飛び込み、追いかけた12日間の濃密な旅の記録。
18世紀終りに生を享けた伝説の男ラロン・フォキル。彼が作った千以上の“バウルの歌"は、譜面に遺されることなく、脈々と口頭伝承され、今日もベンガル地方のどこかで誰かが口ずさむ。教えが暗号のように隠された歌は、何のために、数百年もの間、彼の地で歌い継がれているのか。
バウルの歌とは、一体何なのか。
- 本の長さ294ページ
- 言語日本語
- 出版社幻冬舎
- 発売日2013/2/14
- ISBN-104344023307
- ISBN-13978-4344023307
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
東京生まれ。日本大学芸術学部卒、ジョージタウン大学にて修士号を取得。コンサルティング会社やシンクタンクに勤務し、その合間に少数民族や辺境の地を訪ねた旅の記録を雑誌に発表。2004年に渡仏し、国際機関に勤務した後、フリーランスに。著書に『パリでメシを食う。』(幻冬舎文庫)がある。
登録情報
- 出版社 : 幻冬舎 (2013/2/14)
- 発売日 : 2013/2/14
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 294ページ
- ISBN-10 : 4344023307
- ISBN-13 : 978-4344023307
- Amazon 売れ筋ランキング: - 612,800位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 7,490位海外旅行ガイド (本)
- - 82,419位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2014年5月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
表紙やテーマから重厚な物語を想像していると物足りないかもしれないけど、旅行記としては非常に質が高いです。
歌探しが一人の女性の「自分探し」に重なっていて、非常に読みやすく、気持ちの良い後味になっている。文章も癖がない。
何より好感を持ったのは、インドの旅行本が
「インドはどれだけひどくて、自分がどれだけきつい目にあったか」を書くことが多いのに対して、この本はずっと
「バングラディシュがどれだけ豊かな文化を持って、現地の人が自分にどれだけ親切にしてくれたか」を書いているところです。
バウルを探す日本人にみんなが好意的なのは、演歌好きな欧米人に日本人が優しくなる、あの感じと同じかな。おすすめの一冊です。
歌探しが一人の女性の「自分探し」に重なっていて、非常に読みやすく、気持ちの良い後味になっている。文章も癖がない。
何より好感を持ったのは、インドの旅行本が
「インドはどれだけひどくて、自分がどれだけきつい目にあったか」を書くことが多いのに対して、この本はずっと
「バングラディシュがどれだけ豊かな文化を持って、現地の人が自分にどれだけ親切にしてくれたか」を書いているところです。
バウルを探す日本人にみんなが好意的なのは、演歌好きな欧米人に日本人が優しくなる、あの感じと同じかな。おすすめの一冊です。
2015年5月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
なかなか 味深い 内容です。バングラデシュという国に まったく興味がありませんでしたが、とても惹かれる魅力ある国である事を知り 親近感を持ちました。1度は行ってみたいと思いました。
2013年8月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
バングラデシュに住んでたこともあるのですが、そんな私よりも詳しくバウルについて書かれています。
単に旅行記以上の読み応えがありました。
この本を読んで、またバングラデシュに行きたくなりました。
そんな魅力的な本です。
単に旅行記以上の読み応えがありました。
この本を読んで、またバングラデシュに行きたくなりました。
そんな魅力的な本です。
2015年2月2日に日本でレビュー済み
著者の川内氏は元国連職員です。
本書はバングラデッシュ赴任時に耳にした「旅する吟遊詩人『バウル』」を追いかけたノンフィクションです。
バウルとは、「伝説の人物ラロンとその教えを引き継いだ歌い手たち」を意味しています。
カーストに属さず、自由に歌い続ける人々。
彼らは1人なのか、彼らが歌うメロディはどんなのか。
著者は好奇心を抑えられず、国連を退職して、バングラデッシュを目指しました。
バングラデッシュの人々もよく知らないバウルという存在、日本人がそれに近づくのは雲を掴むようなものでした。
しかし様々な偶然から縁を手繰り寄せ、バウルたちとの邂逅を果します。
「バウルの老人の漆黒の瞳はまっすぐに私を見た。
それは遠くの空を見るような優しいまなざしだった。
しばらくすると妙なことが起こった。
脈絡もなく、私の目から涙が溢れてきたのだ。」
そして2週間程度の短い滞在時間でしたが、歌詞に隠された謎や暗喩の一部を解き明かしました。
バウルは宗教のようで宗教でなく、ある種の哲学で、人の生きる道を歌で示したものでした。
その歌が著者に示した謎の答えは意外なことに「自分の中にある」というものでした。
バウルは次のように語ります。
「答えは人間の中にある。
そう、人間の中にこそメッカ(聖なる場所)はあるのだよ。
私たちはそれを探し続けているのだ」
最終的に著者たちはバウルの歌の核心そのものへは到達できませんでしたが、バウルでない外国人としては驚異的な接近を果しました。
本書を手に取ったのは元々前著の「パリでメシをくう」が抜群に面白かったためですが、本書も期待に違わない作品でした。
また著者は人の心に寄り添う共感力が強く、取材者としての稀有な才能の一端を改めて実感した本でもありました。
おすすめです。
本書はバングラデッシュ赴任時に耳にした「旅する吟遊詩人『バウル』」を追いかけたノンフィクションです。
バウルとは、「伝説の人物ラロンとその教えを引き継いだ歌い手たち」を意味しています。
カーストに属さず、自由に歌い続ける人々。
彼らは1人なのか、彼らが歌うメロディはどんなのか。
著者は好奇心を抑えられず、国連を退職して、バングラデッシュを目指しました。
バングラデッシュの人々もよく知らないバウルという存在、日本人がそれに近づくのは雲を掴むようなものでした。
しかし様々な偶然から縁を手繰り寄せ、バウルたちとの邂逅を果します。
「バウルの老人の漆黒の瞳はまっすぐに私を見た。
それは遠くの空を見るような優しいまなざしだった。
しばらくすると妙なことが起こった。
脈絡もなく、私の目から涙が溢れてきたのだ。」
そして2週間程度の短い滞在時間でしたが、歌詞に隠された謎や暗喩の一部を解き明かしました。
バウルは宗教のようで宗教でなく、ある種の哲学で、人の生きる道を歌で示したものでした。
その歌が著者に示した謎の答えは意外なことに「自分の中にある」というものでした。
バウルは次のように語ります。
「答えは人間の中にある。
そう、人間の中にこそメッカ(聖なる場所)はあるのだよ。
私たちはそれを探し続けているのだ」
最終的に著者たちはバウルの歌の核心そのものへは到達できませんでしたが、バウルでない外国人としては驚異的な接近を果しました。
本書を手に取ったのは元々前著の「パリでメシをくう」が抜群に面白かったためですが、本書も期待に違わない作品でした。
また著者は人の心に寄り添う共感力が強く、取材者としての稀有な才能の一端を改めて実感した本でもありました。
おすすめです。
2013年8月5日に日本でレビュー済み
バングラデシュで、「バウルの歌」を探す旅ということには、興味を惹かれました。様々な条件付きの中で、いくつかのハードルをクリアしていく著者の探究心には敬意を表しますが、全体として、物足りないです。
似たような本に、ブルース・チャトウィンの『ソングライン』がありますが、その出来は、かなりの差があると思います。まあ、死を予感しながら書いたチャトウィンと比較するのは酷かもしれませんが、奥深さが感じられません。
バングラデシュに興味のある方、旅好きの方には悪くない本ですが、「深い」旅行記を読みたい方には“微妙”です。
似たような本に、ブルース・チャトウィンの『ソングライン』がありますが、その出来は、かなりの差があると思います。まあ、死を予感しながら書いたチャトウィンと比較するのは酷かもしれませんが、奥深さが感じられません。
バングラデシュに興味のある方、旅好きの方には悪くない本ですが、「深い」旅行記を読みたい方には“微妙”です。
2013年3月29日に日本でレビュー済み
ユネスコの無形文化遺産に登録されていながら、尚謎の多い吟遊詩人・バウル。ラロン・フォキルという人物が千以上の歌を遺しているが、楽譜は存在しない。しかしその歌は、弟子から弟子へと現在でも脈々と受け継がれている…。
著者は元国連職員の女性。カメラマンと現地の通訳ガイドと共に、バングラデシュを12日間旅した模様が描かれている。
ラロンソングは「ベンガル地方の無形文化財」なので、文化人類学に近い面もあるけれども、内容としては旅行記と言った方がしっくりくるかもしれない。ラロン廟やタゴールの家などを除き、あまり観光スポットが出て来ないので、「秘境への旅行記」と言うと近い感じ。堅苦しくなく読める。
バウルを探す過程で、実に多彩な面々と著者は出会う。バングラデュの美醜入り混じったありのままの風景と共に、幾つもの人生が語られる。
彼らはそれぞれの立場でラロンソングと関わり、その為に大きく人生が変わった。そして、作中でも触れられるが、バングラデュは建国してまだ40年と非常に若い国であり、独立戦争は遠い教科書の出来事ではない。不意に著者の前に「フリーダムファイター」を名乗る男性が現れ、独立に大きく貢献したタゴールの家にはもう行ったか聞いてきたりする。通訳ガイドを務めたアラムさんも、祖国の歴史に翻弄されてきた一人だ。
この本の魅力は、ラロンソングを巡る著者の旅であると同時に、そんな、普通に日本で生活していたらきっと出会えない沢山の人々の、等身大の幾つもの人生に触れられる点にもあると思う。そしてその無数の人生は、バウル同士の意外なつながり等、思わぬ重なりをみせ、著者自身のこれまでを振り返らせ、ラロンソングへの著者の見解を導き出す。
バングラデシュに興味のある方、観光名所ではない旅の物語が好きな方、文化人類学が好きな方、特にオススメです。
著者は元国連職員の女性。カメラマンと現地の通訳ガイドと共に、バングラデシュを12日間旅した模様が描かれている。
ラロンソングは「ベンガル地方の無形文化財」なので、文化人類学に近い面もあるけれども、内容としては旅行記と言った方がしっくりくるかもしれない。ラロン廟やタゴールの家などを除き、あまり観光スポットが出て来ないので、「秘境への旅行記」と言うと近い感じ。堅苦しくなく読める。
バウルを探す過程で、実に多彩な面々と著者は出会う。バングラデュの美醜入り混じったありのままの風景と共に、幾つもの人生が語られる。
彼らはそれぞれの立場でラロンソングと関わり、その為に大きく人生が変わった。そして、作中でも触れられるが、バングラデュは建国してまだ40年と非常に若い国であり、独立戦争は遠い教科書の出来事ではない。不意に著者の前に「フリーダムファイター」を名乗る男性が現れ、独立に大きく貢献したタゴールの家にはもう行ったか聞いてきたりする。通訳ガイドを務めたアラムさんも、祖国の歴史に翻弄されてきた一人だ。
この本の魅力は、ラロンソングを巡る著者の旅であると同時に、そんな、普通に日本で生活していたらきっと出会えない沢山の人々の、等身大の幾つもの人生に触れられる点にもあると思う。そしてその無数の人生は、バウル同士の意外なつながり等、思わぬ重なりをみせ、著者自身のこれまでを振り返らせ、ラロンソングへの著者の見解を導き出す。
バングラデシュに興味のある方、観光名所ではない旅の物語が好きな方、文化人類学が好きな方、特にオススメです。