筆者いわく、
▽ものごとの深い「背景分析」
▽それまで知られていなかった情報を与える「驚き」
▽取材相手に媚びない、おもねらない「批評精神」
▽読者を引き込む記者の「個性」、文体、問題意識
▽紋切り型に陥らない独自の「思考」、切り口
▽取材相手を人間として捉え、単純化しないこと。複雑な心のひだを掬い取る「物語」
これらの組み合わせで良いニュースかどうかは決まる。
対立相手を単純化しない報道が左右のメディアに求められる。口をきわめて相手を批判しても、相手は折伏されず、さらに分断が深まるだけ。
一見何が言いたいかわからないような、複雑な現実を提示する。物事の両面を常に提示する報道こそが分断を煽らない報道(スローニュースと私は名付けたい)が求められている。もちろんそれと同時に従来の単純な速報ニュースも併存させ、両方を使い分けることを筆者は提案する。
特ダネ(速報)、プラス、深い分析記事、賛成派と反対派、被害者と加害者のように世界観の異なる双方に深く取材したルポの両方が求められるということか。こう考えると、いい記者の条件というのは昔からそれほど変わっていないのかもしれない。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥2,000以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
新品:
¥946¥946 税込
ポイント: 29pt
(3%)
無料お届け日:
3月31日 日曜日
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
新品:
¥946¥946 税込
ポイント: 29pt
(3%)
無料お届け日:
3月31日 日曜日
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
中古品: ¥393
中古品:
¥393

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
ニュースの未来 (光文社新書) 新書 – 2021/8/17
石戸 諭
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥946","priceAmount":946.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"946","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"TBsET13gbcQYWSqg7bLhmaAWmzRtO2IGusLSRS8M3lgXdGzKXTHjYmgROgdEAbgw%2F4IXr1vFoMw9B%2F0MRt76e07uGjkEobeSvInugqtOaN69JG6KVuilHHIRh07xltbt7C0AHt03fsQ%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥393","priceAmount":393.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"393","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"TBsET13gbcQYWSqg7bLhmaAWmzRtO2IGQ%2FB9LThMeKF23%2B3tADjUIWMd7g6AGcK3h2ozWeX5XkcQxvK%2FWfHyyGo63v5ISc87Nwq%2BCwWnYn7j5xFXHz94XCwdOIt1o6yL%2Bj4e51jSEsrjelaZuSOj8dcgwnqHkXVFs0Wt2o7n6fgNK3PHcl6aUw%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
◎内容
新聞は若い世代に読まれず、テレビは視聴者離れを憂い、綺羅星のような
ライターを生み出してきたいくつもの雑誌の休刊が相次いでいる。
コストがかかる、という理由で十分な取材費も出せず、ニュースを巡る環境は
悪くなっていくばかり……と誰もが思っているなか、本当に希望はないのか。
これらのメディアの未来とは? インターネットメディアの功罪を踏まえながら、
気鋭のノンフィクションライターがニュースの本質を問う。
*******************
◎目次
はじめに
第1章 ノーベル文学賞作家とフェイクニュース
第2章 インターネット時代のニュースとは何か
第3章 「良いニュース」の五大要素
第4章 新しい記者になるための条件
第5章 インターネットメディアの新しさと難しさ
第6章 ニュースと出版文化の相性
第7章 「良いニュース」を創るために
終章 ニュースの未来
おわりに
主要参考文献
*******************
◎著者プロフィール
石戸諭(いしどさとる)
1984年、東京都生まれ。ノンフィクションライター。立命館大学法学部卒業後、
2006年に毎日新聞社に入社し、2016年にBuzzFeed Japanに移籍。
2018年に独立してフリーランスのライターに。2020年に「ニューズウィーク日本版」
の特集「百田尚樹現象」で「第26回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞」、
2021年に「文藝春秋」掲載のレポートで「PEPジャーナリズム大賞」を受賞。
週刊誌から文芸誌、インターネットまで多彩なメディアへの寄稿に加え、
フジテレビ、朝日放送などへのテレビ出演と幅広く活躍中。
著書に、『リスクと生きる、死者と生きる』(亜紀書房)、
『ルポ 百田尚樹現象 愛国ポピュリズムの現在地』(小学館)。
新聞は若い世代に読まれず、テレビは視聴者離れを憂い、綺羅星のような
ライターを生み出してきたいくつもの雑誌の休刊が相次いでいる。
コストがかかる、という理由で十分な取材費も出せず、ニュースを巡る環境は
悪くなっていくばかり……と誰もが思っているなか、本当に希望はないのか。
これらのメディアの未来とは? インターネットメディアの功罪を踏まえながら、
気鋭のノンフィクションライターがニュースの本質を問う。
*******************
◎目次
はじめに
第1章 ノーベル文学賞作家とフェイクニュース
第2章 インターネット時代のニュースとは何か
第3章 「良いニュース」の五大要素
第4章 新しい記者になるための条件
第5章 インターネットメディアの新しさと難しさ
第6章 ニュースと出版文化の相性
第7章 「良いニュース」を創るために
終章 ニュースの未来
おわりに
主要参考文献
*******************
◎著者プロフィール
石戸諭(いしどさとる)
1984年、東京都生まれ。ノンフィクションライター。立命館大学法学部卒業後、
2006年に毎日新聞社に入社し、2016年にBuzzFeed Japanに移籍。
2018年に独立してフリーランスのライターに。2020年に「ニューズウィーク日本版」
の特集「百田尚樹現象」で「第26回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞」、
2021年に「文藝春秋」掲載のレポートで「PEPジャーナリズム大賞」を受賞。
週刊誌から文芸誌、インターネットまで多彩なメディアへの寄稿に加え、
フジテレビ、朝日放送などへのテレビ出演と幅広く活躍中。
著書に、『リスクと生きる、死者と生きる』(亜紀書房)、
『ルポ 百田尚樹現象 愛国ポピュリズムの現在地』(小学館)。
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2021/8/17
- ISBN-104334045596
- ISBN-13978-4334045593
よく一緒に購入されている商品

対象商品: ニュースの未来 (光文社新書)
¥946¥946
最短で3月31日 日曜日のお届け予定です
残り3点(入荷予定あり)
¥968¥968
最短で3月31日 日曜日のお届け予定です
在庫あり。
¥3,630¥3,630
最短で3月31日 日曜日のお届け予定です
残り4点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 光文社 (2021/8/17)
- 発売日 : 2021/8/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 288ページ
- ISBN-10 : 4334045596
- ISBN-13 : 978-4334045593
- Amazon 売れ筋ランキング: - 71,757位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

1984年、東京都生まれ。記者、ノンフィクションライター。2006年に立命館大学法学部卒業後、毎日新聞社に入社。岡山支局、大阪社会部、デジタル報道センターを経て、2016年にBuzzFeed Japanに入社。2018年からフリーランスに。2019年、ニューズウィーク日本版の特集「百田尚樹現象」にて第26回「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」作品賞を受賞。著書に『リスクと生きる、死者と生きる』(亜紀書房)
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2021年12月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2021年10月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「人は事実であるかどうかよりも、自分の世界観、考えに沿った情報を好む」。
隆盛をきわめるSNSが分断、政治的分極化の舞台となっている背景にこうした性向があることは著者の分析のとおりだろう。「対立陣営を言い負かすコミュニケーション」に時間を費やしたところで、溝は深まるばかりだ。「現場を知り、描く」ことができるジャーナリスト(ニュースの発信者)の育成が不可欠の所以だ。
問題は日本における事実上のジャーリスト育成機関でもある新聞社の経営が悪化し、ニュースの未来が不透明なことである。しかし意外にも著者は「ニュースの未来は魅力的で可能性に満ちている」と楽観的だ。いま組織に属する若いジャーナリストが会社の経営問題ばかり語る現状を嘆き、「自分のキャリアを描く」ことでニュースの未来を築けというのが著者の主張だ。新聞社やネットニュースで経験を積み、独立後も実績を積み重ねているだけあって説得力はある。
石戸諭はいわば「ブランド化」に成功したフリーランスだ。最近はテレビでもよく見かけるが、本書では映像ジャーナリズムへの言及がほとんどないのが残念である。
隆盛をきわめるSNSが分断、政治的分極化の舞台となっている背景にこうした性向があることは著者の分析のとおりだろう。「対立陣営を言い負かすコミュニケーション」に時間を費やしたところで、溝は深まるばかりだ。「現場を知り、描く」ことができるジャーナリスト(ニュースの発信者)の育成が不可欠の所以だ。
問題は日本における事実上のジャーリスト育成機関でもある新聞社の経営が悪化し、ニュースの未来が不透明なことである。しかし意外にも著者は「ニュースの未来は魅力的で可能性に満ちている」と楽観的だ。いま組織に属する若いジャーナリストが会社の経営問題ばかり語る現状を嘆き、「自分のキャリアを描く」ことでニュースの未来を築けというのが著者の主張だ。新聞社やネットニュースで経験を積み、独立後も実績を積み重ねているだけあって説得力はある。
石戸諭はいわば「ブランド化」に成功したフリーランスだ。最近はテレビでもよく見かけるが、本書では映像ジャーナリズムへの言及がほとんどないのが残念である。
2021年8月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本に限らず、石戸諭さんの本は読者にとって耳あたりのよい安直な結論、誰かを絶対悪にしてバッサリ切り捨てたり、ストレス発散やガス抜きのような読後感はまったくありません。
けれど、問題や疑問と真っ向から向き合って思考を続けること、新しい視点、ときには考え方や行動を変えるキッカケを与えてくれると思います。
こうした姿勢は久しくテレビでも活字でも目にしないので、とても新鮮で清々しく感じます。20世紀に高く評価されたジャーナリストやノンフィクションライターに近いです。アメリカ発祥のニュー・ジャーナリズム、日本人では沢木耕太郎、山際淳司、猪瀬直樹、後藤正治から大きく影響を受けたとのことで、納得です。
第一にメディア、情報発信に携わる人に読んでほしい一冊ですが、マスコミに幻滅したり憂いているような人にとっても現状を知ることができます。
それ以上に単純な話、読み物としても非常に優れていると思います。
けれど、問題や疑問と真っ向から向き合って思考を続けること、新しい視点、ときには考え方や行動を変えるキッカケを与えてくれると思います。
こうした姿勢は久しくテレビでも活字でも目にしないので、とても新鮮で清々しく感じます。20世紀に高く評価されたジャーナリストやノンフィクションライターに近いです。アメリカ発祥のニュー・ジャーナリズム、日本人では沢木耕太郎、山際淳司、猪瀬直樹、後藤正治から大きく影響を受けたとのことで、納得です。
第一にメディア、情報発信に携わる人に読んでほしい一冊ですが、マスコミに幻滅したり憂いているような人にとっても現状を知ることができます。
それ以上に単純な話、読み物としても非常に優れていると思います。
2021年8月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
論旨は概ね賛成。著者の志や理念も良いと思う。
ただ、たとえばNew York Timesや週刊文春のように、真面目な調査報道をやりながら、デジタル課金やそこからのマネタイズに成功しつつあるメディアに関する議論が、もう少しあればいいなとも思った。
ただ、たとえばNew York Timesや週刊文春のように、真面目な調査報道をやりながら、デジタル課金やそこからのマネタイズに成功しつつあるメディアに関する議論が、もう少しあればいいなとも思った。
2021年8月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『ニュースの未来』という本が、ノーベル文学賞作家の、言葉とリアリティをめぐる考察から始まるとは、誰が予想できるだろうか。一見ニュースとは最も遠く思える文学の言葉に、ニュースの未来があると著者は書く。最近のニュース論はテクノロジーが気になりすぎて、ニュースをプラットフォームやビジネスモデルの話として語りすぎかもしれない。そんな中で「良いニュースは、クリエイティブだ。」という著者がニュースを「人の行為」として語る言葉に心を動かされる読者は多いと思う。誰もがノンフィクションライターやジャーナリストをめざせるわけではないが、特に言葉に関わる仕事をしている人は、手にとって損はない。広報やPRの仕事をしている人にも、示唆がある本だと思う。ディティールとニュアンスを大切にしないものはいずれしっぺ返しをくらう、と先輩におこられたような(厳しくも、優しい)読後感の本。読み終わると、コム・デ・ギャルソンの服を着たくなるのも、ニュースをクリエイティブな行為ととらえる著者からしかもらえない刺激の一つだろう。
2021年10月13日に日本でレビュー済み
本書『ニュースの未来 』の著者「石戸 論」さんは、ノンフィクション・ライター。
今日、ニュースは全部フェイクだ、などと大声で叫ぶひとがいます。
グレートな人までが<全部が全部>フェイク・ニュースと言うのだから、ほんとかな?
<全部が全部>フェイク・ニュースだと言い切ってしまったら、
自分が投稿したインターネット・ニュースもフェイクということになりますね。
何がファクト? 何がフェイク? なにが本当で、なにがウソか?
などと、ぐずぐず考えていると、
誰か(マーク・トウェイン?)が言ったように、
靴の紐を結ばぬうちに、虚偽のニュースは世界を一周してしまいます。
とにかくニュースは日々、速くなるいっぽう。フェイクだろうと、なかろうと。
そして人々は、見たいものを見、信じたいことを信じる。
ウソのニュース、デマだって、なんでも自分が信じたいことを信じる。
そんなの、エゴイズムなんでは?
と思う読者。
でも、こころの闇の中で
フェイク・ニュースをリアルと感じ、ホントのことのように思えてくることもあります。
困ったもんだ。
ニュースの未来は、暗い、希望が持てないのでは、となんとなく感じていました。
この本『ニュースの未来 』を読むまでは。
しかし、著者の石戸さんは、本書の「はじめに」と「おわりに」
同じ言葉を、確信を持って繰り返しています。
「ニュースの未来は魅力的で可能性に満ちている、と」
毎朝、一番に開く新聞のニュースは古い。
新聞は日々、どんどん全面広告が多くなっています。
読むのは社説くらい。
こんな新聞の現状なんですから。
ニュースの未来についても暗くなってしまうのも無理ありませんよね。
ニュースは、新聞よりも、テレビやインターネットで見るほうが、断然速い。
新聞は紙に印刷してから配達までするのですから、時間がかかります。
ニュースの速さという点では、新聞というメディアにはもはや、勝ち目はありません。
でも、ニュース・ライターの育成という見地から見ると、
これまで新聞社という組織が行ってきた、新聞記者の人材教育方法は、
ニュースの未来においてもまだまだ使えると著者は評価しています。
この本の、特に前半部のベースは、
「東京大学大学院情報学環教育部で非常勤講師として2年間担当した講義」。
ニュースの仕事はおもしろい。
講義を通して学生にそのおもしろさを伝えたいと著者は熱く語っています。
ニュースの未来についての講義では、学生と議論をたたかわせたようです。
そのなかから、著者自身も学んだそうです。
「この本は学生なくしては存在しませんでした」(281頁)
いいですね。講義は、学生だけでなく、同時に、教師自身も学べる場所。
ライターというキャリアの未来をどう描くか。
著者は自分の経験を通じて「良いニュース」とは何かを考えながら、
ニュースの未来を語っています。
ライターという仕事の魅力と可能性を、若い人たちに伝えたい。
そんな著者の熱き想いが伝わってくる本です。エンジョイ。
今日、ニュースは全部フェイクだ、などと大声で叫ぶひとがいます。
グレートな人までが<全部が全部>フェイク・ニュースと言うのだから、ほんとかな?
<全部が全部>フェイク・ニュースだと言い切ってしまったら、
自分が投稿したインターネット・ニュースもフェイクということになりますね。
何がファクト? 何がフェイク? なにが本当で、なにがウソか?
などと、ぐずぐず考えていると、
誰か(マーク・トウェイン?)が言ったように、
靴の紐を結ばぬうちに、虚偽のニュースは世界を一周してしまいます。
とにかくニュースは日々、速くなるいっぽう。フェイクだろうと、なかろうと。
そして人々は、見たいものを見、信じたいことを信じる。
ウソのニュース、デマだって、なんでも自分が信じたいことを信じる。
そんなの、エゴイズムなんでは?
と思う読者。
でも、こころの闇の中で
フェイク・ニュースをリアルと感じ、ホントのことのように思えてくることもあります。
困ったもんだ。
ニュースの未来は、暗い、希望が持てないのでは、となんとなく感じていました。
この本『ニュースの未来 』を読むまでは。
しかし、著者の石戸さんは、本書の「はじめに」と「おわりに」
同じ言葉を、確信を持って繰り返しています。
「ニュースの未来は魅力的で可能性に満ちている、と」
毎朝、一番に開く新聞のニュースは古い。
新聞は日々、どんどん全面広告が多くなっています。
読むのは社説くらい。
こんな新聞の現状なんですから。
ニュースの未来についても暗くなってしまうのも無理ありませんよね。
ニュースは、新聞よりも、テレビやインターネットで見るほうが、断然速い。
新聞は紙に印刷してから配達までするのですから、時間がかかります。
ニュースの速さという点では、新聞というメディアにはもはや、勝ち目はありません。
でも、ニュース・ライターの育成という見地から見ると、
これまで新聞社という組織が行ってきた、新聞記者の人材教育方法は、
ニュースの未来においてもまだまだ使えると著者は評価しています。
この本の、特に前半部のベースは、
「東京大学大学院情報学環教育部で非常勤講師として2年間担当した講義」。
ニュースの仕事はおもしろい。
講義を通して学生にそのおもしろさを伝えたいと著者は熱く語っています。
ニュースの未来についての講義では、学生と議論をたたかわせたようです。
そのなかから、著者自身も学んだそうです。
「この本は学生なくしては存在しませんでした」(281頁)
いいですね。講義は、学生だけでなく、同時に、教師自身も学べる場所。
ライターというキャリアの未来をどう描くか。
著者は自分の経験を通じて「良いニュース」とは何かを考えながら、
ニュースの未来を語っています。
ライターという仕事の魅力と可能性を、若い人たちに伝えたい。
そんな著者の熱き想いが伝わってくる本です。エンジョイ。
2022年5月15日に日本でレビュー済み
フェイクニュースや粗製乱造のネットニュースに辟易していましたので、関心を持って読みました。
冒頭の章の「取材のときに新人の頃から必ず言われたのはディティール、細かな情報を取ってくることの重要さ(19p)」に強く惹かれました。ネットニュースの適当さを読まされていると、新聞媒体の取材力の確かさを感じます。新聞はオワコンだという論調もありますが、記者の取材力や編集力、総合的な価値が違うので、今も2紙を購読しています。質の確かさからはお金を取れるのです。
その意味で「オールドメディアには意味がある(116p)」を読み、我が意を得たり、という心境になっています。新聞記者と落語家の比較、芸事の上達のようにお師匠さんがいて初めて質の高い内容の文章が書けるはずですので。読者はそこに価値を見出しているのです。
164pに書かれているように、「新聞文体は文章力というより、『事実を誰でも効率良く伝えることに特化したスタイル』」は確かでしょう。均質化にはそれが一番ですから。書き手の文体を揃えることで、読み手は安心して読み進めることが出来ます。
「インターネットでPVが求められる構図(168p)」がネットニュースの諸悪の根源でしょう。フェイクニュースがはびこるのもここに要因があるのです。ある意味、読者はニュースの真贋を測るものさしを持っていないのに等しいです。コンテンツを信頼できるかどうかが、今後のニュースの未来を決めると思っています。
一方で、フリーライターとしての筆者の未来予想図も描いて欲しかった気がします。未来を見通しながら、歩むべき道筋を知りたいと思っていますので。
「五大要素と三大基本型をおさらいする(243p)」で再掲載されていることこそ、ニュースの質の普遍性でしょうし、価値の担保になるものでしょう。
若干の不満はありますが、ニュースを知る必要性を十分理解できた内容でした。
冒頭の章の「取材のときに新人の頃から必ず言われたのはディティール、細かな情報を取ってくることの重要さ(19p)」に強く惹かれました。ネットニュースの適当さを読まされていると、新聞媒体の取材力の確かさを感じます。新聞はオワコンだという論調もありますが、記者の取材力や編集力、総合的な価値が違うので、今も2紙を購読しています。質の確かさからはお金を取れるのです。
その意味で「オールドメディアには意味がある(116p)」を読み、我が意を得たり、という心境になっています。新聞記者と落語家の比較、芸事の上達のようにお師匠さんがいて初めて質の高い内容の文章が書けるはずですので。読者はそこに価値を見出しているのです。
164pに書かれているように、「新聞文体は文章力というより、『事実を誰でも効率良く伝えることに特化したスタイル』」は確かでしょう。均質化にはそれが一番ですから。書き手の文体を揃えることで、読み手は安心して読み進めることが出来ます。
「インターネットでPVが求められる構図(168p)」がネットニュースの諸悪の根源でしょう。フェイクニュースがはびこるのもここに要因があるのです。ある意味、読者はニュースの真贋を測るものさしを持っていないのに等しいです。コンテンツを信頼できるかどうかが、今後のニュースの未来を決めると思っています。
一方で、フリーライターとしての筆者の未来予想図も描いて欲しかった気がします。未来を見通しながら、歩むべき道筋を知りたいと思っていますので。
「五大要素と三大基本型をおさらいする(243p)」で再掲載されていることこそ、ニュースの質の普遍性でしょうし、価値の担保になるものでしょう。
若干の不満はありますが、ニュースを知る必要性を十分理解できた内容でした。
2022年4月30日に日本でレビュー済み
謎と、驚きと、批評と、個性と、思考がなかった。