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医療探偵「総合診療医」 原因不明の症状を読み解く (光文社新書) 新書 – 2016/7/14
山中 克郎
(著)
痛い、だるい、苦しい。
でも、異常が見つからず、
つらい思いをしていませんか?
専門化した医療の垣根を越え、トータルに診断して患者を救う!
全国の「信頼できる総合診療医」のいる病院リスト付き
NHK「総合診療医 ドクターG」に出演!
【内容紹介】
胸が痛いからといって心臓が悪いとは限りませんし、
おなかが痛いからといって胃や腸が悪いとも限りません。
たとえば「胸が痛い」場合でも、狭心症や心筋梗塞のこともあれば、
肺塞栓や気胸のことも、胸膜炎や急性膵炎、胆石などのこともあります。
診断が容易につかないこともあります。
正確な原因がわからなければ、適切な治療はできないのです。
私たち総合診療医の仕事は、まさにここにあります。
患者さんの症状から原因を突き止め、適切な治療を行うこと。
そして、複数の病気がある人に対しては、
個々の病気を切り離して診るのではなく、
病気の相互作用を考えながら全体を診ることです。(まえがきより)
【目 次】
まえがき 医療探偵「総合診療医」とは?
第1章 やってくる患者は全員「病名不明」
1 [症例1] 1か月前から突如暴言、当日は会話が支離滅裂に……。
2 [症例2] 2日前に頭痛、夜には腹痛と下痢、昨日から熱も……。
3 私が「問診」を重視するわけ
4 1分で心をつかみ、3分聞き、「攻める問診」で謎を解く
第2章 診療の成否は、問診にかかっている
1 診療は顔を合わせた瞬間から始まっている
2 攻める問診で、まずは「現病歴」をはっきりさせる
3 その人ならではのバックグラウンド「空間軸」を知る
4 「診察」と「検査」で問診を補う
5 プロブレムリスト作成から鑑別診断へ
第3章 病気になったとき、総合診療をどう活用するか
1 治る認知症かどうかを、症状から見分ける
2 的確な診療を受けるために、患者ができること
3 信頼できる総合診療医はどこにいる?
第4章 医師も初めから上手な問診ができるわけではない
1 「ベッドサイド教育」で若手を育てる
2 私はこうして「総合診療医」になった
3 総合診療医と専門医はどう違う?
4 これからの日本と総合診療
【著者紹介】
山中克郎(やまなかかつお)
1959年三重県生まれ。85年名古屋大学医学部卒業後、名古屋掖済会病院、
名古屋大学病院免疫内科、バージニア・メイソン研究所、名城病院、
名古屋医療センター、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)、
藤田保健衛生大学救急総合内科教授・救命救急センター副センター長などを経て、
現在は諏訪中央病院総合内科院長補佐。笑顔を絶やさない診察は評判で、
いつしか「スマイリー山中」と呼ばれるようになった。
「総合診療医 ドクターG」(NHK)などにも出演。
共編書に『UCSFに学ぶ できる内科医への近道』(南山堂)、
著書に『症状から80%の病気は分かる 逆引き みんなの医学書』(祥伝社黄金文庫)、
共著に『ERの哲人――救急研修マニュアル』(シービーアール)
などがある。
でも、異常が見つからず、
つらい思いをしていませんか?
専門化した医療の垣根を越え、トータルに診断して患者を救う!
全国の「信頼できる総合診療医」のいる病院リスト付き
NHK「総合診療医 ドクターG」に出演!
【内容紹介】
胸が痛いからといって心臓が悪いとは限りませんし、
おなかが痛いからといって胃や腸が悪いとも限りません。
たとえば「胸が痛い」場合でも、狭心症や心筋梗塞のこともあれば、
肺塞栓や気胸のことも、胸膜炎や急性膵炎、胆石などのこともあります。
診断が容易につかないこともあります。
正確な原因がわからなければ、適切な治療はできないのです。
私たち総合診療医の仕事は、まさにここにあります。
患者さんの症状から原因を突き止め、適切な治療を行うこと。
そして、複数の病気がある人に対しては、
個々の病気を切り離して診るのではなく、
病気の相互作用を考えながら全体を診ることです。(まえがきより)
【目 次】
まえがき 医療探偵「総合診療医」とは?
第1章 やってくる患者は全員「病名不明」
1 [症例1] 1か月前から突如暴言、当日は会話が支離滅裂に……。
2 [症例2] 2日前に頭痛、夜には腹痛と下痢、昨日から熱も……。
3 私が「問診」を重視するわけ
4 1分で心をつかみ、3分聞き、「攻める問診」で謎を解く
第2章 診療の成否は、問診にかかっている
1 診療は顔を合わせた瞬間から始まっている
2 攻める問診で、まずは「現病歴」をはっきりさせる
3 その人ならではのバックグラウンド「空間軸」を知る
4 「診察」と「検査」で問診を補う
5 プロブレムリスト作成から鑑別診断へ
第3章 病気になったとき、総合診療をどう活用するか
1 治る認知症かどうかを、症状から見分ける
2 的確な診療を受けるために、患者ができること
3 信頼できる総合診療医はどこにいる?
第4章 医師も初めから上手な問診ができるわけではない
1 「ベッドサイド教育」で若手を育てる
2 私はこうして「総合診療医」になった
3 総合診療医と専門医はどう違う?
4 これからの日本と総合診療
【著者紹介】
山中克郎(やまなかかつお)
1959年三重県生まれ。85年名古屋大学医学部卒業後、名古屋掖済会病院、
名古屋大学病院免疫内科、バージニア・メイソン研究所、名城病院、
名古屋医療センター、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)、
藤田保健衛生大学救急総合内科教授・救命救急センター副センター長などを経て、
現在は諏訪中央病院総合内科院長補佐。笑顔を絶やさない診察は評判で、
いつしか「スマイリー山中」と呼ばれるようになった。
「総合診療医 ドクターG」(NHK)などにも出演。
共編書に『UCSFに学ぶ できる内科医への近道』(南山堂)、
著書に『症状から80%の病気は分かる 逆引き みんなの医学書』(祥伝社黄金文庫)、
共著に『ERの哲人――救急研修マニュアル』(シービーアール)
などがある。
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2016/7/14
- 寸法10.9 x 1.2 x 17.3 cm
- ISBN-104334039332
- ISBN-13978-4334039332
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2016/7/14)
- 発売日 : 2016/7/14
- 言語 : 日本語
- 新書 : 224ページ
- ISBN-10 : 4334039332
- ISBN-13 : 978-4334039332
- 寸法 : 10.9 x 1.2 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 292,241位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 265位総合診療・プライマリケア
- - 1,221位光文社新書
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2018年10月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「総合 診療 医 とは、 ニーズ に 応じ て 自分 を 変え られる 医師」という言葉み含蓄を感じた。置かれた立場で、全力を尽くすことの大事さ。特に、真摯に患者に向き合う姿勢と努力を続けることの大事さに満ち溢れて居た。
2017年7月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
診察で全て分かるとは思いませんが、診察の重要性は理解できました。ついつい、検査結果や画像診断に頼りがちですが、患者の診察から見えることも多くあるのだなと思いました。
2023年4月28日に日本でレビュー済み
特に最後の方に心打たれました。アメリカでの学習、すごい! 読んでてこちらもウキウキする!
と思っていた矢先の失敗談。
それでもお医者さんを続けられた勇気に尊敬します。
と思っていた矢先の失敗談。
それでもお医者さんを続けられた勇気に尊敬します。
2021年3月21日に日本でレビュー済み
問診の基本、診察の基本はとうぜんあるとして、プロブレム・リストを正しくつくり、候補疾患リストを正しくつくり、候補疾患の蓋然性・重篤性・緊急性を意識しながら、確定診断への検査を実施し、正しい診断にたどり着く。そして治療につなげる。
文章にすると簡単だが、この流れの過程で、途中経過から再び問診・診察にもどったり、リストを修正したりと、行きつ戻りつしながらだんだん正解に近づいていく。やはりそれには該博な知識が必要。
正解にたどり着かずに、的外れな病名つけられる。例えば、高齢であれば「認知症」で片付けられる。あるいはあれよあれよという間に死んでしまう。そんなことはザラにあるのだろう。
こういう本に出てくるのは「うまくいった例」で、「うまくいかなかった例」は書かれないし、医師の記憶からも消えていく。そのバイアスも認識しながら読むべき。世に言うスーパー・ドクターは診断がついていて治療が難しい疾患を治療する手技が優れているということであり、いわばテクニシャンにすぎない。劇的な治療成功の裏には正しい診断もなされないまま死亡にいたる例も多い。
この本でとりあげられている診断成功例は、① (認知症として片付けられかねなかった)クロイツフェルト・ヤコブ病、② (認知症として片付けられかねなかった)橋本脳症、③ 結局確定診断がついたころには治ってしまっていたデング熱。医療探偵「総合診療医」が役に立てたのは②くらいか。
難病・奇病・希少疾患はこれまで診断もつかず亡くなっていたのでしょうが、検査法(主に染色体・遺伝子検査、免疫学的検査)の発達で、早期診断つけて治療につなげられれば治癒あるいは延命できるものが増えてきたのも事実。ただし、主治医が「病名」さえ知らなければそこでアウト。
医学知識のダブリング・タイムは数カ月なのでキャッチアップしつつ、古典的な疾患にも備えておく、それにはやはり電話帳より厚いハリソン内科学あたりを愛読書として穴が開くほど読む、という態度が必要ですね。すべての医師に。
後半は著者のお薦めの全国の総合診療医療機関のリストと総合診療の専門医制度の話。十分な知識と総合診療マインドを持っているかどうかは医療機関というよりも医師個人レベルの問題のような気がする。リストに挙がっている医療機関といえど核となる医師が異動でいなくなればどうなるかわからない。・・そんなことも知っておいたほうがいい。
わたしが診断医としてすぐに頭に浮かぶのはアメリカの医療ドラマ「Dr. House」(全8シーズン、177話)。このドラマをメモ取りながら見ている。ご都合主義な部分もあるが、勉強になります。
文章にすると簡単だが、この流れの過程で、途中経過から再び問診・診察にもどったり、リストを修正したりと、行きつ戻りつしながらだんだん正解に近づいていく。やはりそれには該博な知識が必要。
正解にたどり着かずに、的外れな病名つけられる。例えば、高齢であれば「認知症」で片付けられる。あるいはあれよあれよという間に死んでしまう。そんなことはザラにあるのだろう。
こういう本に出てくるのは「うまくいった例」で、「うまくいかなかった例」は書かれないし、医師の記憶からも消えていく。そのバイアスも認識しながら読むべき。世に言うスーパー・ドクターは診断がついていて治療が難しい疾患を治療する手技が優れているということであり、いわばテクニシャンにすぎない。劇的な治療成功の裏には正しい診断もなされないまま死亡にいたる例も多い。
この本でとりあげられている診断成功例は、① (認知症として片付けられかねなかった)クロイツフェルト・ヤコブ病、② (認知症として片付けられかねなかった)橋本脳症、③ 結局確定診断がついたころには治ってしまっていたデング熱。医療探偵「総合診療医」が役に立てたのは②くらいか。
難病・奇病・希少疾患はこれまで診断もつかず亡くなっていたのでしょうが、検査法(主に染色体・遺伝子検査、免疫学的検査)の発達で、早期診断つけて治療につなげられれば治癒あるいは延命できるものが増えてきたのも事実。ただし、主治医が「病名」さえ知らなければそこでアウト。
医学知識のダブリング・タイムは数カ月なのでキャッチアップしつつ、古典的な疾患にも備えておく、それにはやはり電話帳より厚いハリソン内科学あたりを愛読書として穴が開くほど読む、という態度が必要ですね。すべての医師に。
後半は著者のお薦めの全国の総合診療医療機関のリストと総合診療の専門医制度の話。十分な知識と総合診療マインドを持っているかどうかは医療機関というよりも医師個人レベルの問題のような気がする。リストに挙がっている医療機関といえど核となる医師が異動でいなくなればどうなるかわからない。・・そんなことも知っておいたほうがいい。
わたしが診断医としてすぐに頭に浮かぶのはアメリカの医療ドラマ「Dr. House」(全8シーズン、177話)。このドラマをメモ取りながら見ている。ご都合主義な部分もあるが、勉強になります。
2016年11月21日に日本でレビュー済み
著者は名古屋大学を卒業した医師で、「総合診療科」を専門としています。
本書は、まだ新しい「総合診療科」というものがどのような科であるのかを、日々の臨床や著者自身の来歴を元に解説していました。
著者は大学卒業後は血液内科を専攻し、研究者としての道を歩みました。
アメリカに留学して順調な研究者人生を踏み出しましたが、超一流の研究者たちを目にして自分はこの道に向いていないことを悟ります。
失意の中で自らの道を振り返ったとき、研修医時代の患者との触れ合いを思い出して臨床医として歩むことを決意しました。
数年後に今度は「臨床医」としてアメリカで学ぶ機会があり、そこで出会った「総合診療科」に魅了されました。
帰国後にそこで得た知見を伝えるために啓蒙に励み、本書はその一環として一般向けに執筆されたものです。
本書は具体的な症例を引用しながら、総合診療医がどのように診断を下していくかを説明していました。
総合診療科は専門分化しすぎた医療の反省から生まれたもので、多角的に診断をつけていく、というものです。
全科に通じた内科医が主に担当し、疾病の原因を的確に見出し、鮮やかに診断していく姿が描かれていました。
「優秀な内科医は診断の8割を問診でつける」
と著者が語るように、小さな徴候を捉えて「探偵」さながらに診断を下していく様には引き込まれました。
合間には問診で注目する事柄についても、詳細な解説を加えていました。
たとえば急性感染腸炎が疑われる時には、食材や原因菌との関係、発症の機序、予防対策などが記されていました。
レッドフラッグと呼ばれる重篤な疾患については、バイタルサインという脈拍や血圧などの基本的なデータや、悪化のスピードから原因を推測する流れなどが説明されていました。
こういったものは教科書でも学べますが、著者が現場で使う際のコツなども加えられていて興味深いと思いました。
終章では致命的な誤診についての悔恨が述べられていました。
帰国後に意気揚々と腕を振るっていた頃、深夜の救急外来で「腹痛」の患者を診察します。
危険な徴候が見られなかったので一旦帰宅させましたが、翌日に心停止で死亡してしまいました。
心筋梗塞の関連痛を見落としたことが原因で、訴訟となって心身ともに打ちのめされることとなりました。
著者にとってこの経験を語ることはかなりの苦痛だったと想像しますが、その十字架を背負いながらも謙虚に、前向きに進もうとする心意気が感じられました。
所々で専門分野にも踏み込んでいますが、前後に詳細な解説が加えられているので読みやすいものでした。
ライターとの共同作業で執筆した本で、著者の思いが込められた良本だと思います。
本書は、まだ新しい「総合診療科」というものがどのような科であるのかを、日々の臨床や著者自身の来歴を元に解説していました。
著者は大学卒業後は血液内科を専攻し、研究者としての道を歩みました。
アメリカに留学して順調な研究者人生を踏み出しましたが、超一流の研究者たちを目にして自分はこの道に向いていないことを悟ります。
失意の中で自らの道を振り返ったとき、研修医時代の患者との触れ合いを思い出して臨床医として歩むことを決意しました。
数年後に今度は「臨床医」としてアメリカで学ぶ機会があり、そこで出会った「総合診療科」に魅了されました。
帰国後にそこで得た知見を伝えるために啓蒙に励み、本書はその一環として一般向けに執筆されたものです。
本書は具体的な症例を引用しながら、総合診療医がどのように診断を下していくかを説明していました。
総合診療科は専門分化しすぎた医療の反省から生まれたもので、多角的に診断をつけていく、というものです。
全科に通じた内科医が主に担当し、疾病の原因を的確に見出し、鮮やかに診断していく姿が描かれていました。
「優秀な内科医は診断の8割を問診でつける」
と著者が語るように、小さな徴候を捉えて「探偵」さながらに診断を下していく様には引き込まれました。
合間には問診で注目する事柄についても、詳細な解説を加えていました。
たとえば急性感染腸炎が疑われる時には、食材や原因菌との関係、発症の機序、予防対策などが記されていました。
レッドフラッグと呼ばれる重篤な疾患については、バイタルサインという脈拍や血圧などの基本的なデータや、悪化のスピードから原因を推測する流れなどが説明されていました。
こういったものは教科書でも学べますが、著者が現場で使う際のコツなども加えられていて興味深いと思いました。
終章では致命的な誤診についての悔恨が述べられていました。
帰国後に意気揚々と腕を振るっていた頃、深夜の救急外来で「腹痛」の患者を診察します。
危険な徴候が見られなかったので一旦帰宅させましたが、翌日に心停止で死亡してしまいました。
心筋梗塞の関連痛を見落としたことが原因で、訴訟となって心身ともに打ちのめされることとなりました。
著者にとってこの経験を語ることはかなりの苦痛だったと想像しますが、その十字架を背負いながらも謙虚に、前向きに進もうとする心意気が感じられました。
所々で専門分野にも踏み込んでいますが、前後に詳細な解説が加えられているので読みやすいものでした。
ライターとの共同作業で執筆した本で、著者の思いが込められた良本だと思います。
2016年8月30日に日本でレビュー済み
医療が複雑化して専門化が進んできた中、総合診療医の必要性を実例を示しながら解説した良書。
前半は具体的な問診方法や症例の紹介を中心とした医療従事者向け、後半は総合診療医の活用方法や、これからの医療のあり方を中心として一般の患者向けの内容となっている。
高齢化が進む現代医療において、複数の病気を抱える患者は決して少なくない。その中で、多剤併用や医療費増加を減らし、かつ、患者さんの病気をまとめて相談できる総合診療医の存在は今後必ず必要になってくると思う。
著者の以下の言葉が印象に残っている。
「循環器や呼吸器など何科の専門医を目指すのも素晴らしいことだと思う。けれども、循環器しか診ない、呼吸器しか診ないというのではなく、患者さんにお腹が痛いといわれたら、それも診てあげてほしい。自分の手に負えなければ、ほかの人の力を借りればいいんだから。ジェネラルマインドをもった医師になってほしい」
総合診療医になるには、臨床現場で多くの経験を積む必要があるし、一筋縄ではいかないと思う。それでも、今後の日本の医療を考えると一人でも多くのジェネラルマインドをもった医師が増えてほしいと思う。
前半は具体的な問診方法や症例の紹介を中心とした医療従事者向け、後半は総合診療医の活用方法や、これからの医療のあり方を中心として一般の患者向けの内容となっている。
高齢化が進む現代医療において、複数の病気を抱える患者は決して少なくない。その中で、多剤併用や医療費増加を減らし、かつ、患者さんの病気をまとめて相談できる総合診療医の存在は今後必ず必要になってくると思う。
著者の以下の言葉が印象に残っている。
「循環器や呼吸器など何科の専門医を目指すのも素晴らしいことだと思う。けれども、循環器しか診ない、呼吸器しか診ないというのではなく、患者さんにお腹が痛いといわれたら、それも診てあげてほしい。自分の手に負えなければ、ほかの人の力を借りればいいんだから。ジェネラルマインドをもった医師になってほしい」
総合診療医になるには、臨床現場で多くの経験を積む必要があるし、一筋縄ではいかないと思う。それでも、今後の日本の医療を考えると一人でも多くのジェネラルマインドをもった医師が増えてほしいと思う。
2016年9月5日に日本でレビュー済み
偉大な先輩医師.最近はNHKのドクターGなど,メディアへの露出や全国区での知名度もうなぎ上りの山中先生.
「総合診療医」(といっても色々な方がいるが)がどのような思考回路やスタンスで取り組んでいるか,丁寧に
解説されている.
ご本人の実直な人柄のにじみ出た内容で自分の振る舞いを反省させられました.
いわゆる「病気」がない体調不良の方はとても増えており,一生懸命問診や診察をしても「原因がない」ことも多く,
なかなか納得してもらえず,現場はつらいのですが「名ばかり」にならないよう精進したい.
「総合診療医」(といっても色々な方がいるが)がどのような思考回路やスタンスで取り組んでいるか,丁寧に
解説されている.
ご本人の実直な人柄のにじみ出た内容で自分の振る舞いを反省させられました.
いわゆる「病気」がない体調不良の方はとても増えており,一生懸命問診や診察をしても「原因がない」ことも多く,
なかなか納得してもらえず,現場はつらいのですが「名ばかり」にならないよう精進したい.
2016年10月13日に日本でレビュー済み
18年度から専門医として新設される「総合診療科」医師が、所見から診断をつけるまでの過程を紙上で再現している本。「頭が痛い」「腹が痛い」だけで、市中の医師ではさっぱり見当がつかないことがある。だが、できる内科医師は問診で8割の診断がつく。むしろ、きちんと診断して病気のあたりをつけず、いきなり検査すると、くも膜下出血や虫垂炎のような、放置すれば確実に死ぬのに見逃しがちな病気を見つけられないという。本書では患者に質問を繰り返し、複数の症状を示している場合、複数の病気が併存しているのはなく、1つで説明がつけられる病気をまず考えるべきだという。
検査や投薬についても、「必要最小限に」と主張する。日本はCTなどX線検査の頻度が、主要国の3倍と突出して多く、発がん要因の3%が医療被曝だという(p121)。薬の4剤併用も、「高齢者では転倒リスクが飛躍的に上がるため危険」と警告している。
本書に共感したのは、最後に著者が自らの誤診を語っているところ。稀なケースを見落とし最悪の結果を招いた。重大な仕事のミスは思い出したくもないほどつらい。まして命にかかわることでは……と思う。誤診もそうだがミスは必ず起こる。重い十字架だ。それも経験として「後輩に同じ轍を踏ませない」という著者の決意に誠実さを感じた。
検査や投薬についても、「必要最小限に」と主張する。日本はCTなどX線検査の頻度が、主要国の3倍と突出して多く、発がん要因の3%が医療被曝だという(p121)。薬の4剤併用も、「高齢者では転倒リスクが飛躍的に上がるため危険」と警告している。
本書に共感したのは、最後に著者が自らの誤診を語っているところ。稀なケースを見落とし最悪の結果を招いた。重大な仕事のミスは思い出したくもないほどつらい。まして命にかかわることでは……と思う。誤診もそうだがミスは必ず起こる。重い十字架だ。それも経験として「後輩に同じ轍を踏ませない」という著者の決意に誠実さを感じた。