悲しいかな、日本では戦後大学でマルクス経済学の講座の力が強かったせいか、現在論壇で「知識人」と言われるような人でも、
・大恐慌は戦争による軍需によって解消された
・もう、日本は経済成長できない(もしくは、しないほうがいい)
・アベノミクスの金融緩和でハイパーインフレが起こる
といった俗流経済学の知識を真顔で論じている人も少なくありません。
そんな経済学音痴の私たちに、基礎からやさしく経済学入門を講じてくれているのが本書です。
本書を読むために必要な経済学の予備知識は、まったくありません。
しかし、本書を通読した頃には、どんな経済学初心者でも、現代の経済を理解するための最低限のリテラシーを身につけることができるでしょう。
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もうダマされないための経済学講義 (光文社新書) 新書 – 2012/9/14
若田部 昌澄
(著)
◎トンデモ経済学、俗流経済学にはもうダマされない! 気鋭の経済学者が、歴史と絡めて経済学の基本を解説。「難しい」「わからない」という人のために「見えざる手」を見える化する! 【内容紹介】 デフレ、円高、財政破綻、消費税増税、TPP、自給率、ドル崩壊、グローバリゼーション、新自由主義、規制緩和、構造改革、経済成長、日本銀行の国債引受、インフレ目標――。日々、これらのトピックについて様々に議論されています。でも、人によって言うことが違い、何が正解なのかよくわかりません。 本書では、「経済学的な考え方」に基づいて、これらのトピックをどう考えればいいのか解説します。経済学といっても数式は出てきません。四つのキーワードと歴史の実話によって説明していきます。 本書によって、皆さんが経済に関する怪しい話にダマされることがなくなれば、これに勝る喜びはありません。 【著者紹介】 若田部昌澄(わかたべまさずみ) 一九六五年神奈川県生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業、同大学院経済学研究科、トロント大学経済学大学院博士課程満期退学。現在は早稲田大学政治経済学術院教授。専門は経済学史。著書に『経済学者たちの闘い』(東洋経済新報社)、『改革の経済学』(ダイヤモンド社)、『危機の経済政策』(日本評論社、石橋湛山賞受賞)がある。近著は『本当の経済の話をしよう』(共著、ちくま新書)。
- 本の長さ275ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2012/9/14
- 寸法10.8 x 1.2 x 17.2 cm
- ISBN-104334037046
- ISBN-13978-4334037048
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2012/9/14)
- 発売日 : 2012/9/14
- 言語 : 日本語
- 新書 : 275ページ
- ISBN-10 : 4334037046
- ISBN-13 : 978-4334037048
- 寸法 : 10.8 x 1.2 x 17.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 599,375位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,919位光文社新書
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トップレビュー
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2014年8月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2013年2月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
インセンティブ、トレードなど4つの条件や今はやりのインフレターゲットについて、分かりやすく説明されております。
2012年12月20日に日本でレビュー済み
専門向けの書籍ではないので、議論が粗っぽいこともあり、また参考文献(内容や水準はバラバラ)は紹介されていても、どのページなのかもわからず、著者の議論の確認ができないです。著者のしゃべった事を文書に起こしただけなので,じっくり読む本ではありませんでした.
議論の流れで、城山三郎(一つも読んだことがありません)の作品が、何度も紹介されているので、わずらわしかったです。
とは言うものの, 戦後世界経済史―自由と平等の視点から (中公新書) という本を知ることができた。つづけて、 経済学に何ができるか - 文明社会の制度的枠組み (中公新書) を読もう.
議論の流れで、城山三郎(一つも読んだことがありません)の作品が、何度も紹介されているので、わずらわしかったです。
とは言うものの, 戦後世界経済史―自由と平等の視点から (中公新書) という本を知ることができた。つづけて、 経済学に何ができるか - 文明社会の制度的枠組み (中公新書) を読もう.
2012年11月26日に日本でレビュー済み
本書は、「経済学講義」というタイトルのとおり、いくつもの歴史的な事象や経済理論を紹介しつつ、著者の考え方を示した本です。
たとえば、(a) アダム・スミスの「神の見えざる手」のような基本的な概念、(b) 貿易や自由市場の重要性、(c) 1929年の大恐慌において各国の金融政策のスタンスの違いによって経済回復の時期が異なっていたこと(金本位制に固執して、マネーフローを増大させなかった国は回復しなかった)、(d) 城山三郎が描いた通産官僚の産業政策は(多くの人のイメージに反して)実効が上がらなかったこと、等々です。
近頃は、根拠の薄弱な「この人ほんとに経済学がわかってるの?」という新書が多いですが、本書は、きちんと論旨展開しながら、いくつもの事柄を主張しています。
あっさり単純化できるほどシンプルには書いてないのですが、あえて著者の立場を言うと、「市場重視」、「貿易重視」、「貨幣数量説に基づく金融政策」という感じであり、「恣意的な経済介入や産業政策には否定的」ということだと思います。
本書は、「結論だけを決めつけで書いている」という本ではなく、示唆に富んだ「考えさせられる」というタイプの本です。
こんな真面目で高度な本を新書で出すのかと思わせるような内容のある本ですので、経済政策や経済学に興味を持っている人には、考える出発点として、とても参考になる本と思います。
(その一方、著者はわかりやすさにとても配慮して書いているものの、全くの経済学の門外漢にはちょっとキツイ内容かもしれません。「神の見えざる手」とか、「ブレトンウッズ体制」とかいような用語を全く知らないような人は、読んでも理解できないと思います。)
たとえば、(a) アダム・スミスの「神の見えざる手」のような基本的な概念、(b) 貿易や自由市場の重要性、(c) 1929年の大恐慌において各国の金融政策のスタンスの違いによって経済回復の時期が異なっていたこと(金本位制に固執して、マネーフローを増大させなかった国は回復しなかった)、(d) 城山三郎が描いた通産官僚の産業政策は(多くの人のイメージに反して)実効が上がらなかったこと、等々です。
近頃は、根拠の薄弱な「この人ほんとに経済学がわかってるの?」という新書が多いですが、本書は、きちんと論旨展開しながら、いくつもの事柄を主張しています。
あっさり単純化できるほどシンプルには書いてないのですが、あえて著者の立場を言うと、「市場重視」、「貿易重視」、「貨幣数量説に基づく金融政策」という感じであり、「恣意的な経済介入や産業政策には否定的」ということだと思います。
本書は、「結論だけを決めつけで書いている」という本ではなく、示唆に富んだ「考えさせられる」というタイプの本です。
こんな真面目で高度な本を新書で出すのかと思わせるような内容のある本ですので、経済政策や経済学に興味を持っている人には、考える出発点として、とても参考になる本と思います。
(その一方、著者はわかりやすさにとても配慮して書いているものの、全くの経済学の門外漢にはちょっとキツイ内容かもしれません。「神の見えざる手」とか、「ブレトンウッズ体制」とかいような用語を全く知らないような人は、読んでも理解できないと思います。)
2012年10月15日に日本でレビュー済み
経済とは?経済学とは?ということをややこしい数式を使わずに、「インセンティブ」、「トレードオフ」、「トレード」、「マネー」のキーワードと歴史上の事件を用い、読み解いています。
しかし、その裏には
国民が幸せになるためには経済発展が必要 → 経済発展のためには制度をそれに向けて整えることが必要 → が、日本の官僚・政治家にはそのインセンティブはない → みなさんどうします?
という問いかけが入っているのを感じます。
デフレ下でも動きの鈍い日銀や省益を優先する官僚、票・金集めに夢中な政治家を、個人的道徳の欠如と断罪する向きはTVニュースの評論家も含め多いのですが、著者は彼らのインセンティブはそれだから仕方がないという冷厳な見方を持っています。
逆に言えば、思うように動かしたければそういうインセンティブを『我々』が与えなければいけないということになるのですが…。さて、どうしましょう?
しかし、その裏には
国民が幸せになるためには経済発展が必要 → 経済発展のためには制度をそれに向けて整えることが必要 → が、日本の官僚・政治家にはそのインセンティブはない → みなさんどうします?
という問いかけが入っているのを感じます。
デフレ下でも動きの鈍い日銀や省益を優先する官僚、票・金集めに夢中な政治家を、個人的道徳の欠如と断罪する向きはTVニュースの評論家も含め多いのですが、著者は彼らのインセンティブはそれだから仕方がないという冷厳な見方を持っています。
逆に言えば、思うように動かしたければそういうインセンティブを『我々』が与えなければいけないということになるのですが…。さて、どうしましょう?
2018年2月10日に日本でレビュー済み
内容はとても勉強になりましたが・・・
文章が読みづらかったです。話が脇道に逸れていって「あれ?いまなんの話だったっけ?」となって、本のページに戻ったり、目次に戻って俯瞰したりすることが多かった。
経済に明るい人はそんなことないのかもしれませんが、そうでない私は、話の本筋と枝葉がわからなることが多く、混乱しました。
文章が読みづらかったです。話が脇道に逸れていって「あれ?いまなんの話だったっけ?」となって、本のページに戻ったり、目次に戻って俯瞰したりすることが多かった。
経済に明るい人はそんなことないのかもしれませんが、そうでない私は、話の本筋と枝葉がわからなることが多く、混乱しました。
2012年11月24日に日本でレビュー済み
評者は、どのような経済学もしょせんイデオロギーであり、「科学」などではないと考えている。その証拠に、現在日本が陥っている長期間のデフレ不況について、原因と対処策を100人の経済学者に聞けば、100通りの答えが返ってくるに違いない。違いがあるとすれば、誰の声が大きく(マスコミへの露出が多く)、誰が権力者に近いか(もっともらしいか)、だけではなかろうか。その意味で、残念ながら本書はタイトルからしていかがわしい。「ダマさない経済学」なんてあるはずがないからである。しかし、内容はそれほどひどくなく、内容を表す適切なタイトルは、「マネーで経済史を読み解く」だろうか。
科学からほど遠い経済学の中で、比較的マシなのは経済史である。なぜなら、現在と未来への確実なヒントは、過去の経済政策の失敗と成功の原因をつぶさに分析して、教訓とする以外にないからである。本書は、4つの概念(インセンティブ、トレード・オフ、トレード、マネー)に絞り込み、主に昭和戦前期と戦後の経済史に題材を取りながら、経済政策とその帰結の分析を行っている。特に著者は、マネーに関する「貨幣数量説」と「国際通貨制度」をキー概念として、戦前における金本位制の役割や昭和恐慌からの脱出策を論じている。経済史家の面目躍如である。
評者は、本書の言説が正しいかどうか判断できないが、著者に「ダマされないように」、注意深く読むことも面白い。また、内容を消化分析し、類書と比較検討することで、大いに教育的な役割を果たすと考えられる。
科学からほど遠い経済学の中で、比較的マシなのは経済史である。なぜなら、現在と未来への確実なヒントは、過去の経済政策の失敗と成功の原因をつぶさに分析して、教訓とする以外にないからである。本書は、4つの概念(インセンティブ、トレード・オフ、トレード、マネー)に絞り込み、主に昭和戦前期と戦後の経済史に題材を取りながら、経済政策とその帰結の分析を行っている。特に著者は、マネーに関する「貨幣数量説」と「国際通貨制度」をキー概念として、戦前における金本位制の役割や昭和恐慌からの脱出策を論じている。経済史家の面目躍如である。
評者は、本書の言説が正しいかどうか判断できないが、著者に「ダマされないように」、注意深く読むことも面白い。また、内容を消化分析し、類書と比較検討することで、大いに教育的な役割を果たすと考えられる。