私たちの境界を広げ、自律性、独立性の概念など、あらゆるカテゴリーを超越する深淵な菌類世界への、やさしく、やはらかく、でも菌類との未来を温かく予感させるような一冊。
三浦しをんの『愛なき世界』を読んだあとに読むと、植物世界との間に愛はないのではなく、愛の発芽はあるのではないか、と見方が変わる。併せて読むことをおススメしたい。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥2,000以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
新品:
¥3,190¥3,190 税込
ポイント: 96pt
(3%)
無料お届け日:
3月30日 土曜日
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
新品:
¥3,190¥3,190 税込
ポイント: 96pt
(3%)
無料お届け日:
3月30日 土曜日
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
中古品: ¥2,730
中古品:
¥2,730

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
菌類が世界を救う ; キノコ・カビ・酵母たちの驚異の能力 単行本 – 2022/1/22
マーリン・シェルドレイク
(著),
鍛原多惠子
(翻訳)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥3,190","priceAmount":3190.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"3,190","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"t3boVVjSwFRG77kEbySxE%2BbaBkmq%2BN90Kf0DfsCaTM7%2Bdv%2BJf0LAMlIrxvV9rIS4U8Poii1om%2Few9yq0bQQd4m8ZLljpOY5tfrf3d5YoWfSEgjQeTGfFtTYw1%2BBgzWFZb%2FazARU8RYU%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥2,730","priceAmount":2730.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"2,730","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"t3boVVjSwFRG77kEbySxE%2BbaBkmq%2BN90oCn0Xiiqm36skYcQPwzYAWpLfm2ywxR6XoJYedPUWym8jLo9eeooeJjEhAif%2BfpwjgqxZvnl77KX1Eex2m38XbN9j7Z190ykSrGgRcmIo8Y3Qkb%2F9Sq5LglBPFSwXxk4G88BA2BgZAH4AH5KZYER3w%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
建築やコンピュータをつくる、
猛毒や放射線を食べる、
地球全体の気候を変える、
宇宙空間でも生き延びる……。
「生命」の常識が覆される!
20か国以上で刊行決定の世界的ベストセラー!
「あなたがこの文を読むあいだにも、菌類は一〇億年以上そうしてきたように生命のありようを変えている。岩石を食べ、土壌をつくり、汚染物質を消化し、植物に養分を与えたり枯らしたりし、宇宙空間で生き、幻覚を起こし、食物になり、薬効成分を産出し、動物の行動を操り、地球の大気組成を変える。菌類は私たちが生きている地球、そして私たちの思考、感覚、行動を理解するためのカギとなる」(本文より)
●2021年 王立協会科学図書賞 受賞
●米国『TIME』誌 2020年の必読書100選
[原題]Entangled Life: How Fungi Make Our Worlds, Change Our Minds & Shape Our Futures(2020年刊)
【目次】
プロローグ
序章 菌類であることはどんな心地なのか
地球は菌類によってつくられた
人間社会に欠かせない菌類たち
菌類と植物のネットワーク
粘菌や細菌が教えてくれること
菌類が生きる世界を想像する
第1章 魅惑
トリュフは語る
化学情報を使った対話
ヒトや動物を引きつける香り
トリュフの香りの秘密
香りの音楽を奏でる
トリュフのパートナー関係
獲物を捕食する菌類
擬人化について
菌類は感知し、解釈する
第2章 生きた迷路
迷路の中の菌糸
菌糸体の問題解決能力
なぜ協調行動ができるのか
自分の形を変える能力
爆発的な成長力
菌糸体は身体を獲得した多声音楽である
光も表面も重力も鋭く感知
遠くの情報をどうやって「知る」のか
菌類コンピュータの夢
生命史上初のネットワーク
「新たな迷路への扉」
第3章 見知らぬ者どうしの親密さ
地衣類と宇宙生物学
「共生」の発見
地表を覆い、変えていく
生命は遺伝的に閉じた系ではない
地衣類のなかで生命たちは巡りあう
群を抜いて奇妙な極限環境生物
共生の条件
「私たちはみな地衣類」
地衣類だらけになって
第4章 菌糸体の心
人の経験を変える化合物
行動を支配するゾンビ菌
変性意識状態をもたらす菌類
宿主支配のさまざまな手法
「アリの服を着た菌類」
神秘的な経験の科学
脳と心の変化
菌類はヒトの心を身にまとうのか
二〇世紀のセンセーション
胞子拡散のために熱心に働かされるヒト
精神と身体の限界を超える
第5章 根ができる前
植物の陸上進出は菌類のおかげ
根と菌糸の親密な交わり
根は菌類のあとに生まれた
寄生ではなく相利共生
菌根菌が地球の気候を変える
菌根菌が植物の味わいを変える
植物と菌類の「為替レート」
菌根研究では何が問題になるのか
生命は「巻き込む」
農業と菌根共生
植物への認識を改める
第6章 ウッド・ワイド・ウェブ
共有菌根ネットワークの世界
植物間を直接結ぶ菌類経路
ネットワーク・サイエンスの時代
菌従属栄養植物の生活
植物はなぜ菌類に利益を与えるのか
菌類中心の視点へ
共有菌根ネットワークは必ずしも利益をもたらすわけではない
多くの問いを投げかける実験
誰が利益を得ているか
ネットワークのスケールフリー性
あるがままに見ることはできるか
第7章 ラディカル菌類学
厄災を生き延びる
菌類が食べなかったものの歴史
草の根からの菌類学
ゴミを宝に変える
環境を除染する
実験室がなくても多くを成し遂げられる
菌類を育てるシロアリ
新素材として利用する
さらなるアイデアへ
新しくかつ古い解決法
第8章 菌類を理解する
酵母と人類
人間の文化の目に見えぬ参加者
「菌類好き」の文化、「菌類嫌い」の文化
共生関係の議論の政治色
菌類学者は菌類らしく振る舞う
熟れた果実からバイオ燃料まで
「ニュートンのリンゴ」の物語
エピローグ この分解者
謝辞
訳者あとがき
参考文献
原註
索引
猛毒や放射線を食べる、
地球全体の気候を変える、
宇宙空間でも生き延びる……。
「生命」の常識が覆される!
20か国以上で刊行決定の世界的ベストセラー!
「あなたがこの文を読むあいだにも、菌類は一〇億年以上そうしてきたように生命のありようを変えている。岩石を食べ、土壌をつくり、汚染物質を消化し、植物に養分を与えたり枯らしたりし、宇宙空間で生き、幻覚を起こし、食物になり、薬効成分を産出し、動物の行動を操り、地球の大気組成を変える。菌類は私たちが生きている地球、そして私たちの思考、感覚、行動を理解するためのカギとなる」(本文より)
●2021年 王立協会科学図書賞 受賞
●米国『TIME』誌 2020年の必読書100選
[原題]Entangled Life: How Fungi Make Our Worlds, Change Our Minds & Shape Our Futures(2020年刊)
【目次】
プロローグ
序章 菌類であることはどんな心地なのか
地球は菌類によってつくられた
人間社会に欠かせない菌類たち
菌類と植物のネットワーク
粘菌や細菌が教えてくれること
菌類が生きる世界を想像する
第1章 魅惑
トリュフは語る
化学情報を使った対話
ヒトや動物を引きつける香り
トリュフの香りの秘密
香りの音楽を奏でる
トリュフのパートナー関係
獲物を捕食する菌類
擬人化について
菌類は感知し、解釈する
第2章 生きた迷路
迷路の中の菌糸
菌糸体の問題解決能力
なぜ協調行動ができるのか
自分の形を変える能力
爆発的な成長力
菌糸体は身体を獲得した多声音楽である
光も表面も重力も鋭く感知
遠くの情報をどうやって「知る」のか
菌類コンピュータの夢
生命史上初のネットワーク
「新たな迷路への扉」
第3章 見知らぬ者どうしの親密さ
地衣類と宇宙生物学
「共生」の発見
地表を覆い、変えていく
生命は遺伝的に閉じた系ではない
地衣類のなかで生命たちは巡りあう
群を抜いて奇妙な極限環境生物
共生の条件
「私たちはみな地衣類」
地衣類だらけになって
第4章 菌糸体の心
人の経験を変える化合物
行動を支配するゾンビ菌
変性意識状態をもたらす菌類
宿主支配のさまざまな手法
「アリの服を着た菌類」
神秘的な経験の科学
脳と心の変化
菌類はヒトの心を身にまとうのか
二〇世紀のセンセーション
胞子拡散のために熱心に働かされるヒト
精神と身体の限界を超える
第5章 根ができる前
植物の陸上進出は菌類のおかげ
根と菌糸の親密な交わり
根は菌類のあとに生まれた
寄生ではなく相利共生
菌根菌が地球の気候を変える
菌根菌が植物の味わいを変える
植物と菌類の「為替レート」
菌根研究では何が問題になるのか
生命は「巻き込む」
農業と菌根共生
植物への認識を改める
第6章 ウッド・ワイド・ウェブ
共有菌根ネットワークの世界
植物間を直接結ぶ菌類経路
ネットワーク・サイエンスの時代
菌従属栄養植物の生活
植物はなぜ菌類に利益を与えるのか
菌類中心の視点へ
共有菌根ネットワークは必ずしも利益をもたらすわけではない
多くの問いを投げかける実験
誰が利益を得ているか
ネットワークのスケールフリー性
あるがままに見ることはできるか
第7章 ラディカル菌類学
厄災を生き延びる
菌類が食べなかったものの歴史
草の根からの菌類学
ゴミを宝に変える
環境を除染する
実験室がなくても多くを成し遂げられる
菌類を育てるシロアリ
新素材として利用する
さらなるアイデアへ
新しくかつ古い解決法
第8章 菌類を理解する
酵母と人類
人間の文化の目に見えぬ参加者
「菌類好き」の文化、「菌類嫌い」の文化
共生関係の議論の政治色
菌類学者は菌類らしく振る舞う
熟れた果実からバイオ燃料まで
「ニュートンのリンゴ」の物語
エピローグ この分解者
謝辞
訳者あとがき
参考文献
原註
索引
- 本の長さ372ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2022/1/22
- 寸法13.7 x 3 x 19.5 cm
- ISBN-10430925439X
- ISBN-13978-4309254395
よく一緒に購入されている商品

対象商品: 菌類が世界を救う ; キノコ・カビ・酵母たちの驚異の能力
¥3,190¥3,190
最短で3月30日 土曜日のお届け予定です
残り9点(入荷予定あり)
¥2,640¥2,640
最短で3月30日 土曜日のお届け予定です
在庫あり。
¥3,080¥3,080
最短で3月30日 土曜日のお届け予定です
残り3点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
マーリン・シェルドレイク
イギリスの生物学者。スミソニアン熱帯研究所のリサーチフェローとして、パナマの熱帯雨林で菌類の地中ネットワークを研究。ケンブリッジ大学の熱帯生態学の博士号を取得する。
鍛原多惠子(かじはら・たえこ)訳
翻訳家。米国フロリダ州ニューカレッジ卒業(哲学・人類学専攻)。訳書に、コルバート『6度目の大絶滅』、ウルフ『フンボルトの冒険』、ソネンバーグ他『腸科学』、ホニグスバウム『パンデミックの世紀』ほか多数。
イギリスの生物学者。スミソニアン熱帯研究所のリサーチフェローとして、パナマの熱帯雨林で菌類の地中ネットワークを研究。ケンブリッジ大学の熱帯生態学の博士号を取得する。
鍛原多惠子(かじはら・たえこ)訳
翻訳家。米国フロリダ州ニューカレッジ卒業(哲学・人類学専攻)。訳書に、コルバート『6度目の大絶滅』、ウルフ『フンボルトの冒険』、ソネンバーグ他『腸科学』、ホニグスバウム『パンデミックの世紀』ほか多数。
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2022/1/22)
- 発売日 : 2022/1/22
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 372ページ
- ISBN-10 : 430925439X
- ISBN-13 : 978-4309254395
- 寸法 : 13.7 x 3 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 154,225位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 254位生物学 (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年1月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2022年6月11日に日本でレビュー済み
「菌類が世界を救う」とは大げさなタイトルだと思ったが、読んでみると多種多様な菌類が地上だけではなく、地下においても展開する広大なネットワーク空間に感嘆し、そして菌類が有する驚くべき能力を知ると、確かに菌類は世界を救うかも知れないと感じさせる一冊であった。
確かに説明が体系だっておらず、話題が拡散するなどの欠点はあるかもしれないが、読んでいると各々のエピソードが面白い内容ばかりなので飽きることはない。
特に以下のような内容には本当に驚いた。
・植物が菌類と密接な共生関係にあり、地上では樹木などの植物が目に付く場所でも、地下空間は菌類がネットワークを築いて植物と共生関係にあること、
・様々なキノコがアリなどの虫だけでなく、人間の心理さえ変えてしまう能力を備えていること、
・菌類は放射能など通常の生物には危険な物質をエネルギーにして、それを無害化することができること、
このような菌類の生態はまだ解明が始まったばかりであり、今後研究が進めば、更に驚くべき事実が明らかになるのではないかと思った。何れにしても実に面白い一冊であった。
確かに説明が体系だっておらず、話題が拡散するなどの欠点はあるかもしれないが、読んでいると各々のエピソードが面白い内容ばかりなので飽きることはない。
特に以下のような内容には本当に驚いた。
・植物が菌類と密接な共生関係にあり、地上では樹木などの植物が目に付く場所でも、地下空間は菌類がネットワークを築いて植物と共生関係にあること、
・様々なキノコがアリなどの虫だけでなく、人間の心理さえ変えてしまう能力を備えていること、
・菌類は放射能など通常の生物には危険な物質をエネルギーにして、それを無害化することができること、
このような菌類の生態はまだ解明が始まったばかりであり、今後研究が進めば、更に驚くべき事実が明らかになるのではないかと思った。何れにしても実に面白い一冊であった。
2022年3月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
彼の顔写真を見ると、かなりのイケメン(笑)であり、彼の父はルパート・シェルドレイクといって、超心理学者であり「
あなたの帰りがわかる犬―人間とペットを結ぶ不思議な力
」、「
生命のニューサイエンス―形態形成場と行動の進化
」、ケイト・バンクスとの共著「
ぼくたちの相棒
」、「
世界を変える七つの実験―身近にひそむ大きな謎
」といった本が日本語で出版されていて、中々「際どい」議論も多々ある人だ。
その息子がこの本を書いたマーリン・シェルドレイクだ。この本が初の著書となるらしい。
この親にしてこの子ありというわけではないが、YouTubeで彼の動画を拝見されたい。
マーリン・シェルドレイクはイギリスの生物学者だ。特に菌類に部類の愛着を持っている。実は菌類無しに植物の繁栄はありえず、菌類との「相利共生」は必須である。根だけでは土壌からの栄養素を吸収出来ず、菌根菌などの菌類の助けがあってそれを植物の根にミネラルや窒素化合物を分け与え、植物は根から菌類に糖分などの栄養素を与えているのだ。
このことは、齋藤雅典「 菌根の世界 菌と植物のきってもきれない関係 」を読んでいたので知っていたが(一読をお勧めしたい本)、欧米でもやはり一般には知られていない事実らしい。著者による菌類学の「布教」活動もさることながら、特に最近SDGsとかリサイクルに着目がさかんである。これを聞きつけ、気鋭な方は速攻で起業している。菌糸体を利用した新たな素材の生成、リサイクル事業、菌類(特にヒラタケ)などを利用した土壌汚染の除染、メキシコでオムツの処理をヒラタケにさせ、食用に販売する事業なども紹介されている。
これを読んで、松本零士「 男おいどん 」を思い出した(笑)。
押し入れに押し込めたサルマタに生えたキノコ「サルマタケ」というキノコが出てくるが、これは松本零士氏の実生活を元にした作品で、実際サルマタにキノコが生えたことがあり、それを料理してちばてつや氏にふるまった事がある(事実)。図鑑で調べたところ、このキノコは食用のヒトヨタケだったそうである。
ヨーロッパやアメリカで、トリュフと言えば現在キロ100万円超えると言われるが、これも菌類であり、数種の菌根菌から地中に生える子実体(キノコ)であり、同様のものに、日本でも希少価値が高いマツタケがある。日本でマツが減少していることが、マツタケの生息域を減少させていることを述べた、菌類学者・小川真氏もマツの再生に一役買っていく内に、菌根菌の存在の重要性に気づき、今後の農業も考えを改める必要があることを述べる。
デイヴィッド・モントゴメリー「 土・牛・微生物ー文明の衰退を食い止める土の話 」では、鍬や鋤は人類最悪の発明とまで言い切る。
それは、土壌にある菌類のネットワークを破壊するからであり、その土壌に生息する菌類の環境を鍬や鋤によってネットワークの回線を断ち切ってしまう(文字通りの意味)ことで、植物同士が菌類のネットワーク回線で栄養分の供給の再配分を菌類が担っているという、非常に示唆に富む研究結果がこの本に書かれている。「 新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く 」を書いたアルバート・ラズロ・バラバシは、マーリン・シェルドレイクのメンターの様で、ネットワークスケールが菌類には存在しているらしく、相利共生、片利共生などによる「複雑系」が土壌の正体ではないかとまで追及する。
マジック・マッシュルームという幻覚性のキノコはシロシビンという成分を含んでいるが、LSDの使用が1960年代のアメリカで大流行したこともあり、シロシビンとLSDは現在使用禁止にされている。ところが、これらの成分が不安神経症や鬱病にも改善される事例が多数あって、一概に完全否定も出来ないし、ある偏狭なパラノイア的な人物もシロシビンの使用で明らかに、性格が変わったケースもある。
菌類の中には寄生することで、アリやハチを脳を支配せずに「ゾンビ」の様に行動を支配し、胞子の発散を有利させるものまでいる。
ちなみに、テレビゲームで「 The Last of Us 」(ザ・ラスト・オブ・アス)に菌類(キノコ)が人類に感染し、感染した人は菌類に脳を支配されたゾンビになり、そのゾンビ集団によって壊滅したアメリカを舞台にしたストーリーのゲームであるが、この本でも引用されている(実際に著者がプレーしたと思われるが(笑))。
地衣類の様に菌類でありながら、藻類と共生することで、光合成する藻類から栄養分を貰い生息することを可能にした菌類もいる。こう考えると、競争原理だけが生態系を表しているのではないことは歴然であるが、明らかにダーウィン的「進化論」の弊害がここにはある様な気がする。ニッチでありながら生息することにかけては、最も図太い存在が菌類なのだ。ミトコンドリアと葉緑体がもともとは自由生活性の細菌だったことは、リン・マーギュリスらの研究で判明している(参照:ニック・レーン「 ミトコンドリアが進化を決めた 」)。ということは、多くは知らないだけで、共生は多々あるのではないかと思われる。
菌類の多くは、消化酵素を休眠しているだけで、学習させると、毒性のある産業廃棄物であろうが、放射能であろうが食料にしてしまう柔軟性がある。現在ウクライナ危機で騒がしいが、そのチェルノブイリ原発事故で廃墟になったところでは、その放射能で生息する菌類が大量にいるという。同様のことは、原子爆弾を投下された広島でも、土壌で最も再生が早かったのはマツタケという事実もある。
ローワン・ジェイコブセン「 ハチはなぜ大量死したのか 」という本があるが、ハチの大量死には未だに決定打がないけれど、この本では「ある程度の因果性」の論述が紹介されている。
ハチの体内に生息する木材腐朽菌の中には、ダニ類が持つ致死性のウイルスに耐性が強いものがいて、本来木材腐朽菌を体内に生息していたハチにはその害が皆無に等しいが、人口で作られた棚の巣で大量死が起こっている様だ。ウイルスに耐性を持つ為に体内に菌類を共生させる方が良い面もある様だ。この本でこの事実を始めて知った。
始めての出版物であるせいで、著者はこの本の論旨を誤解されたくない様でアナロジーに対して慎重な構えを見せている。隠喩やアナロジーには物語や価値観が織り込まれる危険性がある一方で、隠喩を使わず「科学の仕事」をすることは不可能であり、「現代科学全体が人間によって直接経験するとが出来ない現象を探究の対象にしている」以上、ある程度の誤解は仕方がないことも一応理解はしている様だ。
人間は、文化のバイアスは逃れることはどうしても出来ないのだろう。
アランナ・コリン「 あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた 」を読むと、「自己」というものはどこまでのことを指しているかを考えさせらえる。以前紹介した、グレゴリー・ベイトソンも「杖をついた盲目の男性の自己はどこで始まるのか。杖の先?杖の柄?あるいは柄の真ん中あたりだろうか」と述べ、名著「 知覚の現象学 」を書いた哲学者モーリス・メルロ=ポンティは、人が使う杖はすでに物では無くなっていると結論を出している。皮膚や腸内、口腔内、あらゆる細胞の上には多数の常在菌がいて、それらが外部からのウイルスや病気を持ち込む細菌を排除もしている。子宮内に生息するウイルスがいなければ子供を産むことも出来ないとも言われ、微生物を排除して無菌で生物は生きていくことが出来ないのだ。実際に無菌室で生活をしていたあるアメリカ人の人は成人も迎えることなく亡くなっている。
現在の蔓延の状況にしても、インフルエンザの流行の死亡率と実はさほど変わらないか、わずかに少ない位の様で、テレビでも絶対に報道されない。当然ながら、自らの体はあらゆる知見でもって食生活から見直して、菌類やウイルスと「共生」(簡単ではないことは言うまでもないが)を図るのが最も近道かと思われる。
日本は幸い発酵食品の多さは世界随一である。これらも菌類の恩恵であり、乳酸菌や酵母、酢酸菌などの微生物は人類の長い歴史のパートナーの様なものだ。マリ=クレール・フレデリック「 発酵食の歴史 」を読むと非常に奥深い文化があることに気づくだろう。
その息子がこの本を書いたマーリン・シェルドレイクだ。この本が初の著書となるらしい。
この親にしてこの子ありというわけではないが、YouTubeで彼の動画を拝見されたい。
マーリン・シェルドレイクはイギリスの生物学者だ。特に菌類に部類の愛着を持っている。実は菌類無しに植物の繁栄はありえず、菌類との「相利共生」は必須である。根だけでは土壌からの栄養素を吸収出来ず、菌根菌などの菌類の助けがあってそれを植物の根にミネラルや窒素化合物を分け与え、植物は根から菌類に糖分などの栄養素を与えているのだ。
このことは、齋藤雅典「 菌根の世界 菌と植物のきってもきれない関係 」を読んでいたので知っていたが(一読をお勧めしたい本)、欧米でもやはり一般には知られていない事実らしい。著者による菌類学の「布教」活動もさることながら、特に最近SDGsとかリサイクルに着目がさかんである。これを聞きつけ、気鋭な方は速攻で起業している。菌糸体を利用した新たな素材の生成、リサイクル事業、菌類(特にヒラタケ)などを利用した土壌汚染の除染、メキシコでオムツの処理をヒラタケにさせ、食用に販売する事業なども紹介されている。
これを読んで、松本零士「 男おいどん 」を思い出した(笑)。
押し入れに押し込めたサルマタに生えたキノコ「サルマタケ」というキノコが出てくるが、これは松本零士氏の実生活を元にした作品で、実際サルマタにキノコが生えたことがあり、それを料理してちばてつや氏にふるまった事がある(事実)。図鑑で調べたところ、このキノコは食用のヒトヨタケだったそうである。
ヨーロッパやアメリカで、トリュフと言えば現在キロ100万円超えると言われるが、これも菌類であり、数種の菌根菌から地中に生える子実体(キノコ)であり、同様のものに、日本でも希少価値が高いマツタケがある。日本でマツが減少していることが、マツタケの生息域を減少させていることを述べた、菌類学者・小川真氏もマツの再生に一役買っていく内に、菌根菌の存在の重要性に気づき、今後の農業も考えを改める必要があることを述べる。
デイヴィッド・モントゴメリー「 土・牛・微生物ー文明の衰退を食い止める土の話 」では、鍬や鋤は人類最悪の発明とまで言い切る。
それは、土壌にある菌類のネットワークを破壊するからであり、その土壌に生息する菌類の環境を鍬や鋤によってネットワークの回線を断ち切ってしまう(文字通りの意味)ことで、植物同士が菌類のネットワーク回線で栄養分の供給の再配分を菌類が担っているという、非常に示唆に富む研究結果がこの本に書かれている。「 新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く 」を書いたアルバート・ラズロ・バラバシは、マーリン・シェルドレイクのメンターの様で、ネットワークスケールが菌類には存在しているらしく、相利共生、片利共生などによる「複雑系」が土壌の正体ではないかとまで追及する。
マジック・マッシュルームという幻覚性のキノコはシロシビンという成分を含んでいるが、LSDの使用が1960年代のアメリカで大流行したこともあり、シロシビンとLSDは現在使用禁止にされている。ところが、これらの成分が不安神経症や鬱病にも改善される事例が多数あって、一概に完全否定も出来ないし、ある偏狭なパラノイア的な人物もシロシビンの使用で明らかに、性格が変わったケースもある。
菌類の中には寄生することで、アリやハチを脳を支配せずに「ゾンビ」の様に行動を支配し、胞子の発散を有利させるものまでいる。
ちなみに、テレビゲームで「 The Last of Us 」(ザ・ラスト・オブ・アス)に菌類(キノコ)が人類に感染し、感染した人は菌類に脳を支配されたゾンビになり、そのゾンビ集団によって壊滅したアメリカを舞台にしたストーリーのゲームであるが、この本でも引用されている(実際に著者がプレーしたと思われるが(笑))。
地衣類の様に菌類でありながら、藻類と共生することで、光合成する藻類から栄養分を貰い生息することを可能にした菌類もいる。こう考えると、競争原理だけが生態系を表しているのではないことは歴然であるが、明らかにダーウィン的「進化論」の弊害がここにはある様な気がする。ニッチでありながら生息することにかけては、最も図太い存在が菌類なのだ。ミトコンドリアと葉緑体がもともとは自由生活性の細菌だったことは、リン・マーギュリスらの研究で判明している(参照:ニック・レーン「 ミトコンドリアが進化を決めた 」)。ということは、多くは知らないだけで、共生は多々あるのではないかと思われる。
菌類の多くは、消化酵素を休眠しているだけで、学習させると、毒性のある産業廃棄物であろうが、放射能であろうが食料にしてしまう柔軟性がある。現在ウクライナ危機で騒がしいが、そのチェルノブイリ原発事故で廃墟になったところでは、その放射能で生息する菌類が大量にいるという。同様のことは、原子爆弾を投下された広島でも、土壌で最も再生が早かったのはマツタケという事実もある。
ローワン・ジェイコブセン「 ハチはなぜ大量死したのか 」という本があるが、ハチの大量死には未だに決定打がないけれど、この本では「ある程度の因果性」の論述が紹介されている。
ハチの体内に生息する木材腐朽菌の中には、ダニ類が持つ致死性のウイルスに耐性が強いものがいて、本来木材腐朽菌を体内に生息していたハチにはその害が皆無に等しいが、人口で作られた棚の巣で大量死が起こっている様だ。ウイルスに耐性を持つ為に体内に菌類を共生させる方が良い面もある様だ。この本でこの事実を始めて知った。
始めての出版物であるせいで、著者はこの本の論旨を誤解されたくない様でアナロジーに対して慎重な構えを見せている。隠喩やアナロジーには物語や価値観が織り込まれる危険性がある一方で、隠喩を使わず「科学の仕事」をすることは不可能であり、「現代科学全体が人間によって直接経験するとが出来ない現象を探究の対象にしている」以上、ある程度の誤解は仕方がないことも一応理解はしている様だ。
人間は、文化のバイアスは逃れることはどうしても出来ないのだろう。
アランナ・コリン「 あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた 」を読むと、「自己」というものはどこまでのことを指しているかを考えさせらえる。以前紹介した、グレゴリー・ベイトソンも「杖をついた盲目の男性の自己はどこで始まるのか。杖の先?杖の柄?あるいは柄の真ん中あたりだろうか」と述べ、名著「 知覚の現象学 」を書いた哲学者モーリス・メルロ=ポンティは、人が使う杖はすでに物では無くなっていると結論を出している。皮膚や腸内、口腔内、あらゆる細胞の上には多数の常在菌がいて、それらが外部からのウイルスや病気を持ち込む細菌を排除もしている。子宮内に生息するウイルスがいなければ子供を産むことも出来ないとも言われ、微生物を排除して無菌で生物は生きていくことが出来ないのだ。実際に無菌室で生活をしていたあるアメリカ人の人は成人も迎えることなく亡くなっている。
現在の蔓延の状況にしても、インフルエンザの流行の死亡率と実はさほど変わらないか、わずかに少ない位の様で、テレビでも絶対に報道されない。当然ながら、自らの体はあらゆる知見でもって食生活から見直して、菌類やウイルスと「共生」(簡単ではないことは言うまでもないが)を図るのが最も近道かと思われる。
日本は幸い発酵食品の多さは世界随一である。これらも菌類の恩恵であり、乳酸菌や酵母、酢酸菌などの微生物は人類の長い歴史のパートナーの様なものだ。マリ=クレール・フレデリック「 発酵食の歴史 」を読むと非常に奥深い文化があることに気づくだろう。
2022年2月20日に日本でレビュー済み
内容は面白いと思います。
ただ、学術用語の誤訳がそれなりに見受けられます。一部文法も間違っているのではないかと。このような書籍の翻訳には、専門家が少しは携わった方がいいのではないかと感じています。
専門書としてではなく、娯楽の一つとして読めば良いと思います。
ただ、学術用語の誤訳がそれなりに見受けられます。一部文法も間違っているのではないかと。このような書籍の翻訳には、専門家が少しは携わった方がいいのではないかと感じています。
専門書としてではなく、娯楽の一つとして読めば良いと思います。
2022年3月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
科学評論というより2流の随筆
菌類に興味を持っている読者にとって、無駄な記述が多く冗長でイライラする。
科学的事実を述べるならこの本の数分の一のページ数で足りる。
事実と著者の思い込みの境があいまいで、引用も偏っており科学的な文書とは言えない。
意思決定という言葉が多用されているが、菌類に意思があると主張し、さらに幻覚作用による創造性を主張するなど、神秘主義の傾向がある。
文学的な読み物としては文才が無い。
菌類に興味を持っている読者にとって、無駄な記述が多く冗長でイライラする。
科学的事実を述べるならこの本の数分の一のページ数で足りる。
事実と著者の思い込みの境があいまいで、引用も偏っており科学的な文書とは言えない。
意思決定という言葉が多用されているが、菌類に意思があると主張し、さらに幻覚作用による創造性を主張するなど、神秘主義の傾向がある。
文学的な読み物としては文才が無い。