女の子との会話で「この漫画めっちゃすき」「うんうん、ここがいいよね~」と
盛り上がることはあっても「この漫画の新自由主義的なとこが好きなのよ」とは言わない、いや言ってもいいけど私の身近では言いにくい。
なんか理屈っぽい感じが友達に ウケナサソウ だから。
本書にちりばめられた本格評論っぽい本と カフェで女友達と語りあう漫画論は
かくも遠い存在だった。
それを作者は、カジュアルな縄ばしごをかけて 渡らせてくれたようだ。
取り上げられた作品は、どれもよく知られた大人気作、AKBや坂アイドル、いわゆる大衆文化
だからこそ、その時代の気分を表していることに注目し、時代の変遷を 気軽に語ったり、うすぼんやりと感じていた作品の奥深さを考察し、思わぬ つながりを鋭く指摘する。
消化不良のような章も、あえて相手の突っ込みを待っているかのような 寛容さが垣間見えた。
作者の企みにのって、女子文化がもっと多く論じられてほしい。
ちなみにネットで少女漫画批評は少ないとか多いとかが話題になってるのも面白い!
今までの少女漫画批評は、昭和的価値観(女の幸せは社会的地位の高い金持ちと結婚すること。仕事で成功しても独身じゃあ負け。女は結局母でしょ)の中で語られてきたが、それでは今の!少女、女性漫画の変化は語り尽くせないってこと!
幸せな高齢独身女性の存在やLGBT.シスターフッド、男女共同参画社会の枠組みの中での少女漫画を語ったものをもっと読みたい!
全然足りないよー。
てなわけで「オスカル様みたいな戦うヒロインには、ケアするアンドレ役が必要なんだよ~」といってみた。
あと、表紙も素敵だけど、裏表紙が面白くって、深い。要考察!
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女の子の謎を解く 単行本 – 2021/11/22
三宅香帆
(著)
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小説や漫画、ドラマ、映画、アイドルに描かれる「ヒロイン」を読み解き、今の世の中を考察!!
「なんで男女逆転モノって少女漫画に多いんだろう」「なんで姉妹キャラって基本的にお姉ちゃんのほうが落ち着いているんだろう」「なんで大人数のアイドルって流行ったんだろう」流行りだから…と片付けずその謎を深掘りすると、世間の深層心理も、私たちが抱えている問題も、その描かれ方がすべて伝えてくれる。注目の書評家・三宅香帆が、コンテンツにおける女の子を読み解き、世の中を考察します。
【目 次】
まえがき
第一部 女性キャラクターの謎を解く――ヒロイン論
○ヒロイン像も時代とともに変わっているの?―ヒロイン像の変遷
『源氏物語』『アラジン』『ルパン三世』『サード・ガール』『新世紀エヴァンゲリオン』『失恋ショコラティエ』『風の谷のナウシカ』『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』『風と共に去りぬ』
○人のケアにまわるキャラって、主人公になっているの?―ケアするヒロイン
『カードキャプターさくら』『タッチ』『ノルウェイの森』『逃げるは恥だが役に立つ』『ごちそうさん』『推し、燃ゆ』
○今もシンデレラストーリーって物語で描かれているの?―働くヒロイン
『シンデレラ』『あしながおじさん』『魔女の宅急便』『ブルックリン』『映像研には手を出すな!』
○なんで姉妹キャラクターは姉が落ち着いてて妹が元気なことが多いの?―姉妹ヒロインの比喩
『となりのトトロ』『アナと雪の女王』『分別と多感』『昏き目の暗殺者』
第二部 少女漫画の謎を解く――作品論
○なぜジブリには女の子が主人公の物語が多いの?―『トーマの心臓』論
『トーマの心臓』『魔女の宅急便』
○なぜ少女漫画ではしばしば男女逆転の物語が登場するの?―大奥論
『日出処の天子』『侍女の物語』『大奥』
○なぜ「平成の少女漫画」のヒーローは弱いの?―平成少女漫画論
『美少女戦士セーラームーン』『こどものおもちゃ』
第三部 女性の物語の謎を解く――テーマ論
○なぜ「娘の結婚」はホームドラマの題材になるの?―娘の結婚とホームドラマ
『細雪』『麦秋』『寺内貫太郎一家』
○なぜ2010年代になって大人数のアイドルが流行ったの?―2010年代アイドル論
AKB48、乃木坂46、欅坂46、日向坂46
○最近よく見る女性ふたりの主人公が活躍する物語って、何?―シスターフッドの変遷
『下妻物語』『君に届け』『涼宮ハルヒの憂鬱』『赤毛のアン』『アラ…
「なんで男女逆転モノって少女漫画に多いんだろう」「なんで姉妹キャラって基本的にお姉ちゃんのほうが落ち着いているんだろう」「なんで大人数のアイドルって流行ったんだろう」流行りだから…と片付けずその謎を深掘りすると、世間の深層心理も、私たちが抱えている問題も、その描かれ方がすべて伝えてくれる。注目の書評家・三宅香帆が、コンテンツにおける女の子を読み解き、世の中を考察します。
【目 次】
まえがき
第一部 女性キャラクターの謎を解く――ヒロイン論
○ヒロイン像も時代とともに変わっているの?―ヒロイン像の変遷
『源氏物語』『アラジン』『ルパン三世』『サード・ガール』『新世紀エヴァンゲリオン』『失恋ショコラティエ』『風の谷のナウシカ』『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』『風と共に去りぬ』
○人のケアにまわるキャラって、主人公になっているの?―ケアするヒロイン
『カードキャプターさくら』『タッチ』『ノルウェイの森』『逃げるは恥だが役に立つ』『ごちそうさん』『推し、燃ゆ』
○今もシンデレラストーリーって物語で描かれているの?―働くヒロイン
『シンデレラ』『あしながおじさん』『魔女の宅急便』『ブルックリン』『映像研には手を出すな!』
○なんで姉妹キャラクターは姉が落ち着いてて妹が元気なことが多いの?―姉妹ヒロインの比喩
『となりのトトロ』『アナと雪の女王』『分別と多感』『昏き目の暗殺者』
第二部 少女漫画の謎を解く――作品論
○なぜジブリには女の子が主人公の物語が多いの?―『トーマの心臓』論
『トーマの心臓』『魔女の宅急便』
○なぜ少女漫画ではしばしば男女逆転の物語が登場するの?―大奥論
『日出処の天子』『侍女の物語』『大奥』
○なぜ「平成の少女漫画」のヒーローは弱いの?―平成少女漫画論
『美少女戦士セーラームーン』『こどものおもちゃ』
第三部 女性の物語の謎を解く――テーマ論
○なぜ「娘の結婚」はホームドラマの題材になるの?―娘の結婚とホームドラマ
『細雪』『麦秋』『寺内貫太郎一家』
○なぜ2010年代になって大人数のアイドルが流行ったの?―2010年代アイドル論
AKB48、乃木坂46、欅坂46、日向坂46
○最近よく見る女性ふたりの主人公が活躍する物語って、何?―シスターフッドの変遷
『下妻物語』『君に届け』『涼宮ハルヒの憂鬱』『赤毛のアン』『アラ…
- 本の長さ281ページ
- 言語日本語
- 出版社笠間書院
- 発売日2021/11/22
- ISBN-104305709503
- ISBN-13978-4305709509
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商品の説明
著者について
1994年生まれ。高知県出身。
京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了。大学院時代の専門は萬葉集。大学院在学中に書籍執筆を開始。現在は東京で会社員の傍ら、作家・書評家として活動中。
著書に『人生を狂わす名著50』(ライツ社)、『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』(サンクチュアリ出版)、『副作用あります!? 人生おたすけ処方本』(幻冬舎)、『妄想とツッコミでよむ万葉集』(大和書房)、『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』(笠間書院)。ウェブメディアなどへの出演・連載多数。
京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了。大学院時代の専門は萬葉集。大学院在学中に書籍執筆を開始。現在は東京で会社員の傍ら、作家・書評家として活動中。
著書に『人生を狂わす名著50』(ライツ社)、『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』(サンクチュアリ出版)、『副作用あります!? 人生おたすけ処方本』(幻冬舎)、『妄想とツッコミでよむ万葉集』(大和書房)、『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』(笠間書院)。ウェブメディアなどへの出演・連載多数。
登録情報
- 出版社 : 笠間書院 (2021/11/22)
- 発売日 : 2021/11/22
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 281ページ
- ISBN-10 : 4305709503
- ISBN-13 : 978-4305709509
- Amazon 売れ筋ランキング: - 359,192位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 15,189位評論・文学研究 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2021年11月25日に日本でレビュー済み
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2021年12月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
三宅香帆さんの『女の子の謎を解く』読了。読むのを止められなくて一気に。素晴らしい評論。あまりにいろんなことを思い浮かんだり、考えさせられたりで、めちゃくちゃメモとってしまった。評論を読んでこんなに引き込まれたのは、久しぶり、それこそ10年単位くらいで。素晴らしい若い世代の登場で、めちゃくちゃうれしい。『人生を狂わす名著50』で中島梓の『コミュニケーション不全症候群』を取り上げているセンスで、これは!とずっと思ってってたので。最近のnoteの記事でよしながふみさんの『大奥』の素晴らしい分析で、戦後の少女漫画の根本の謎、動機に迫る構造が読み解かれていて、もっと読みたいと思っていたので、うれしくて、小躍りした。著者の凄いのは、かといって小難しくなく、読者を置いてきぼりにする難解で高踏的な文章にならないのも、ポップで、素晴らしい。自分が、理想とする作品分析の姿勢で、いやはや本当に久しぶりに、いい読書した!って感じ。
僕は自分のブログの分析で、少年の動機の消失、「なぜシンジ君はエヴァに乗らなくなったか?」というのが、2000-20年代までのここ20年ぐらいの大きな批評の視点だと思っていたのだが、この反対側にある「少女の動機」がどう変遷してきたかに対して軸が見つけられずずっと、わからいなぁーと思ってきた。どうも「相手・自分の内面の理解」という軸があるのはわかっていたのだが、もう一つ踏み込んだ奥があるのではと思っていてが、自分が女性でないので、わからなかったのだ。それが、わかった!エウレカ!と感じた瞬間だった。そうか、そう読み解くのか『大奥』!とうなってしまった。少年の動機の消失と対比で、少女がそれにどう対応してきたのかが、ガチっとリンクして、素晴らしく知的スリラーでした。三宅さんのパースペクティブと同時に、宮崎駿さんが「少年を主人公にできなくなった」という同時代の少年側の視点と比較すると、本当に目から鱗。ここに岩井俊二さんらが出てきて、なんでこんなに彼らに日本のクリエイターは少女が好きなの?って語るシーンは、もう、さすがぁ!とうなりました。なるほど、しきりりです。
また中身も読まずに、戦後、「少女漫画の評論が少ない」というのにめちゃくちゃいわれているみたいだが、本当にちゃんと読んでないのがよくわかる。なんでまともに読みもしないで、脊髄反射する人が多いのかなぁと思う。僕自身も「少女・女性を主軸にした視点」で分析されているものが、少ないというのは、いつも感じてきたことです。評論が好きであれば、このあたりの圧倒的な男性優位の批評空間はわかるはず。マッチョイズムという意味では、上野千鶴子さんら巨人の学者であっても、やはり強者の視点だといつも思うので、それでは分析できないとずっと思っていたんですよね。「語るためのツール・キーワード」があって、はじめて、物事って語ったりできるようになるもので、この本で、そういう話が盛り上がれば、うれしい。やっぱりさぁ、物語は、いろんな多角視点の分析があって初めて、面白くなるんだから。批評の醍醐味ってそれだもん。萩尾望都さん『トーマの心臓』など、過去の傑作も、このような軸を提供してもらえたら、また読み返す楽しみが増えそうです。
あと三宅香帆さんの批評スタイルが、素晴らしすぎて感動する。僕は常々、ジャンルにこだわらない「越境の視点」が重要だと思っていて、AKBなどのアイドルから、ハリウッド映画、少女マンガ、少年マンガ、アニメなどを並列で並べて同時代の文脈を考察する姿勢。言い換えればジャンルに固執しない姿勢。そして、アトウッドなどかなり固い小説や古典なども並列に並べる姿勢!これこそが、僕は最も面白い評論のスタイルだと思っている。なぜって、イデオロギーや分析の正しさを証明!するのではなくて、「いかに物語を重しく体験するか」「いかに面白いほかの同じテーマのつながりを見つけ出すか」という物語の面白さを深めるものであるべきだと僕は信じているので。ちなみに、小説や古典は、造詣が深くないと、アニメや漫画の分析はできないと思っている。なぜならば、そもそも小説は、エンターテイメントに数十年先行しているケースが多いから。カナダの作家マーガレット・アトウッド『侍女の物語』(The Handmaid's Tale)などがサラッと出てくる教養センスは、さすが。万葉集など日本の古典に対する造形の深さなど、著者の越境できる「幅の広さ」を感じる。
ちなみに前にも、マライ・メントラインさんと三宅香帆さんが、物語の分析が、素晴らし新世代の人だと思っていて、ぜひとも読み比べてもらえれば、ジャンルにこだわらず、古典からエンタメ、縦横無尽に見る人の柔軟な知的姿勢ってこういうものだってのが味わえると思いますので、ぜひ。こういう方々が語ってくれることで、物語をもっと面白なるので、うれしいです。ジャンルにこだわらいない姿勢こそ、真の知的巨人に至る道だと僕はいつも思います。
僕は自分のブログの分析で、少年の動機の消失、「なぜシンジ君はエヴァに乗らなくなったか?」というのが、2000-20年代までのここ20年ぐらいの大きな批評の視点だと思っていたのだが、この反対側にある「少女の動機」がどう変遷してきたかに対して軸が見つけられずずっと、わからいなぁーと思ってきた。どうも「相手・自分の内面の理解」という軸があるのはわかっていたのだが、もう一つ踏み込んだ奥があるのではと思っていてが、自分が女性でないので、わからなかったのだ。それが、わかった!エウレカ!と感じた瞬間だった。そうか、そう読み解くのか『大奥』!とうなってしまった。少年の動機の消失と対比で、少女がそれにどう対応してきたのかが、ガチっとリンクして、素晴らしく知的スリラーでした。三宅さんのパースペクティブと同時に、宮崎駿さんが「少年を主人公にできなくなった」という同時代の少年側の視点と比較すると、本当に目から鱗。ここに岩井俊二さんらが出てきて、なんでこんなに彼らに日本のクリエイターは少女が好きなの?って語るシーンは、もう、さすがぁ!とうなりました。なるほど、しきりりです。
また中身も読まずに、戦後、「少女漫画の評論が少ない」というのにめちゃくちゃいわれているみたいだが、本当にちゃんと読んでないのがよくわかる。なんでまともに読みもしないで、脊髄反射する人が多いのかなぁと思う。僕自身も「少女・女性を主軸にした視点」で分析されているものが、少ないというのは、いつも感じてきたことです。評論が好きであれば、このあたりの圧倒的な男性優位の批評空間はわかるはず。マッチョイズムという意味では、上野千鶴子さんら巨人の学者であっても、やはり強者の視点だといつも思うので、それでは分析できないとずっと思っていたんですよね。「語るためのツール・キーワード」があって、はじめて、物事って語ったりできるようになるもので、この本で、そういう話が盛り上がれば、うれしい。やっぱりさぁ、物語は、いろんな多角視点の分析があって初めて、面白くなるんだから。批評の醍醐味ってそれだもん。萩尾望都さん『トーマの心臓』など、過去の傑作も、このような軸を提供してもらえたら、また読み返す楽しみが増えそうです。
あと三宅香帆さんの批評スタイルが、素晴らしすぎて感動する。僕は常々、ジャンルにこだわらない「越境の視点」が重要だと思っていて、AKBなどのアイドルから、ハリウッド映画、少女マンガ、少年マンガ、アニメなどを並列で並べて同時代の文脈を考察する姿勢。言い換えればジャンルに固執しない姿勢。そして、アトウッドなどかなり固い小説や古典なども並列に並べる姿勢!これこそが、僕は最も面白い評論のスタイルだと思っている。なぜって、イデオロギーや分析の正しさを証明!するのではなくて、「いかに物語を重しく体験するか」「いかに面白いほかの同じテーマのつながりを見つけ出すか」という物語の面白さを深めるものであるべきだと僕は信じているので。ちなみに、小説や古典は、造詣が深くないと、アニメや漫画の分析はできないと思っている。なぜならば、そもそも小説は、エンターテイメントに数十年先行しているケースが多いから。カナダの作家マーガレット・アトウッド『侍女の物語』(The Handmaid's Tale)などがサラッと出てくる教養センスは、さすが。万葉集など日本の古典に対する造形の深さなど、著者の越境できる「幅の広さ」を感じる。
ちなみに前にも、マライ・メントラインさんと三宅香帆さんが、物語の分析が、素晴らし新世代の人だと思っていて、ぜひとも読み比べてもらえれば、ジャンルにこだわらず、古典からエンタメ、縦横無尽に見る人の柔軟な知的姿勢ってこういうものだってのが味わえると思いますので、ぜひ。こういう方々が語ってくれることで、物語をもっと面白なるので、うれしいです。ジャンルにこだわらいない姿勢こそ、真の知的巨人に至る道だと僕はいつも思います。
2022年3月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
初めて読んだのですがとても面白かったです! 難しい言葉じゃなくて、お友だちから聞いているような、読みやすい表現でキレキレの内容。最高です。
2021年12月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
女性を巡る様々な小説、漫画、ドラマなどの物語が社会情勢とともに解説されていてとても面白い。文章も分かりやすく一章あたりの量もちょうど良いので読み易いです。おススメ。
2023年4月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
江藤淳などが引用されており、かなり勉強家ですが時事ネタを
融通無碍に論じていて、ざっくばらんで暇つぶしや物語論や
創作の取っ掛りには最適な一冊です。論旨を鵜呑みにする訳では
ありませんが、そうだからといって軽んじる訳でも無く楽しい
創作コミック的な本であります。コンセプトにまずやられてしまう
ような趣きがあります。それに加えて物語のキャラクターや関係性の
本質的なところも突いており深い味わいを噛みしめることが出来る良作!
美しく切なげな旋律と詩情で女心を煙(けむ)に巻いたような
ちゃんみなの傑作最新アルバムの『Naked』を聴きながら…
無い物ねだりで申し訳ありませんが、坂道シリーズを始めとしたアイドルグループと
宇野センセイの『母性のディストピア』を接続したらネオリベ論だけより更にDeepな
展開になったりしたかもと勝手に興奮しました。
融通無碍に論じていて、ざっくばらんで暇つぶしや物語論や
創作の取っ掛りには最適な一冊です。論旨を鵜呑みにする訳では
ありませんが、そうだからといって軽んじる訳でも無く楽しい
創作コミック的な本であります。コンセプトにまずやられてしまう
ような趣きがあります。それに加えて物語のキャラクターや関係性の
本質的なところも突いており深い味わいを噛みしめることが出来る良作!
美しく切なげな旋律と詩情で女心を煙(けむ)に巻いたような
ちゃんみなの傑作最新アルバムの『Naked』を聴きながら…
無い物ねだりで申し訳ありませんが、坂道シリーズを始めとしたアイドルグループと
宇野センセイの『母性のディストピア』を接続したらネオリベ論だけより更にDeepな
展開になったりしたかもと勝手に興奮しました。