日本語の語感からはわかりにくいのですが、この本で扱う「スタッフエンジニア」「スタッフプラス」とはシニアエンジニアより上位のテクニカルリーダーシップを担うエンジニアの総称です。
近年は日本でも「IC」(individual contributor/個人貢献者/管理職でない上級専門職)という存在が認知されはじめました。マネージャー以外にも「テックリード」などの役職を置く会社も増えてきましたが、最近でも会社によって「マネージャーのような役職につかないエンジニアを評価する制度がない」「社内の給与テーブルの制度上、昇給するためにはマネージャーを目指すしかない」といったことはまだ聞く話です。
前半ではエンジニアとして経験を積んできた人がその先のキャリアを考えたり、よりよいプロフェッショナルとして振る舞うための有用な考えかた、自分を成長させたり、よりよいポジションを得るためのプラクティス(転職を含む)について非常に具体的に言語化されています。特に、会社で自らの価値を確立してスタッフエンジニアに挑戦するだけでなく、転職して活躍の場所を外に見出すことでキャリアの選択肢を持つことにも紙面が割かれています。
後半は「スタッフの実像」として実際にスタッフプラス相当の役割で働くエンジニアたち(原著14人+日本語版で4人追加)のインタビューが掲載されています。同じスタッフエンジニアといっても役割や就任経緯は個人ごとにさまざまです。スタッフエンジニアに求められる職責や、スタッフがICに属するか管理職に属するかなどは会社組織によることもわかります。インタビューへの返答も実例を伴った具体的なプラクティスから示唆に富んだもの、やや凡庸に感じられるものまで多彩で、非管理者のエンジニアキャリアが直ちにスーパーエンジニアや天才ハッカーのような人間像でないことも読み解けるでしょう。
本文中のインタビューにおいても専門職エンジニアの役割や業績評価が管理職ほど明確化されていないことについても言及されており、本書が広く読まれることで日本においてもスタッフエンジニアについての認知やキャリアについての議論が活発化することを期待しています。
そのような期待は別として、本書はインタビュー対象になっているような有名企業の卓越したリーダーを目指す本というだけではありません。
むしろ役職を持たずにアーキテクトやチームリーダー的な振る舞いをして実質的にスタッフプラスに近い振る舞いをしている人が自分の立ち位置を再確認することで、自分の価値を確立したり、転職して新たなキャリアに挑むために非常に有用な一冊だといえます。
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スタッフエンジニア マネジメントを超えるリーダーシップ 単行本 – 2023/5/3
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ソフトウェアエンジニアが、マネジャーやCTOといったマネジメント職に進むのではなく、技術力を武器にテクニカルリーダーシップを発揮して、エンジニアリング職のキャリアパスを登っていくための「指針」と「あり方」を示します。
「スタッフエンジニア(超上級エンジニア)」になるには
どんなスキルを身につければいいのだろうか?
技術的な能力さえあればいいのだろうか?
なった人は、具体的に何をしたのだろう?
その仕事を楽しむには、どうしたらいいのだろうか?
これらの疑問に答えるのが本書の目的だ。
■「解説」から
本書は2部構成になっており、第1部でスタッフエンジニアの役割とあり方を解説。第2部(おもに第5章)で現役のスタッフエンジニアのインタビューを通してその実像を掘り下げています。
私のおすすめの読み方は、まず第5章のインタビューを2~3人分読んでから、第1部を読み進めることです。とくにある程度経験を積まれたエンジニアの方は、第5章に登場するスタッフエンジニアの具体的なエピソードに大いに共感されることと思います。その共感を胸に第1部を読むことで、スタッフエンジニアに求められる役割が自然と腑に落ちるのではないでしょうか。
原書では14人のスタッフエンジニアのインタビューが掲載されています。いずれも個人的な経験にもとづいた具体的な内容で、これからスタッフエンジニアを目指す人にとって大いに参考になるでしょう。ただし、これらは米国での話であり、日本周辺での現状も気になるところです。そこで日本語版では、原著のインタビューに加えて、日本人のスタッフエンジニア4人に新たにインタビューし、貴重な経験とそれを支える志を明かしてもらいました。
【目次】
■第1部 スタッフとして活躍するために
・第1章 全体像
・第2章 スタッフとしての役割
・第3章 スタッフプラスの肩書を得る
・第4章 転職を決断する
■第2部 スタッフたちの実像
・第5章 スタッフエンジニアのストーリー
・第6章 最後に
・補章 スタッフになるための情報源
・解説 by 増井雄一郎
「スタッフエンジニア(超上級エンジニア)」になるには
どんなスキルを身につければいいのだろうか?
技術的な能力さえあればいいのだろうか?
なった人は、具体的に何をしたのだろう?
その仕事を楽しむには、どうしたらいいのだろうか?
これらの疑問に答えるのが本書の目的だ。
■「解説」から
本書は2部構成になっており、第1部でスタッフエンジニアの役割とあり方を解説。第2部(おもに第5章)で現役のスタッフエンジニアのインタビューを通してその実像を掘り下げています。
私のおすすめの読み方は、まず第5章のインタビューを2~3人分読んでから、第1部を読み進めることです。とくにある程度経験を積まれたエンジニアの方は、第5章に登場するスタッフエンジニアの具体的なエピソードに大いに共感されることと思います。その共感を胸に第1部を読むことで、スタッフエンジニアに求められる役割が自然と腑に落ちるのではないでしょうか。
原書では14人のスタッフエンジニアのインタビューが掲載されています。いずれも個人的な経験にもとづいた具体的な内容で、これからスタッフエンジニアを目指す人にとって大いに参考になるでしょう。ただし、これらは米国での話であり、日本周辺での現状も気になるところです。そこで日本語版では、原著のインタビューに加えて、日本人のスタッフエンジニア4人に新たにインタビューし、貴重な経験とそれを支える志を明かしてもらいました。
【目次】
■第1部 スタッフとして活躍するために
・第1章 全体像
・第2章 スタッフとしての役割
・第3章 スタッフプラスの肩書を得る
・第4章 転職を決断する
■第2部 スタッフたちの実像
・第5章 スタッフエンジニアのストーリー
・第6章 最後に
・補章 スタッフになるための情報源
・解説 by 増井雄一郎
- 本の長さ356ページ
- 出版社日経BP
- 発売日2023/5/3
- 寸法21 x 14.8 x 2.5 cm
- ISBN-10429607055X
- ISBN-13978-4296070558
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商品の説明
著者について
■著者
ウィル・ラーソン(Will Larson)
米Calm、米Stripe、米Uberなど、さまざまなテック企業でエンジニアリングリーダーあるいはソフトウェアエンジニアとして働いてきた。著述家でもあり、著書『An Elegant Puzzle』は3万部超を誇る。ノースカロライナ州出身。ケンタッキー州のセンター・カレッジでコンピューターサイエンスを学び、JETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)を通じて1年間日本で英語を教えた経験もある。2009年からはサンフランシスコ在住。
■監修・解説
増井 雄一郎(ますい・ゆういちろう)
札幌大学経営学部卒。大学在学中の1999年にウェブ制作会社を起業。2008年に渡米、iPhoneアプリを開発する会社を設立。2011年に米Appceleratorのプラットフォーム・エバンジェリストに就任。2012年に株式会社ミイル、2013年に株式会社トレタを立ち上げ、CTOとして開発組織機構とアプリ開発をリード。2019年にマーケティング支援の株式会社Bloom&Co.に入社、CTOに就任。
■訳者
長谷川 圭(はせがわ・けい)
高知大学卒業後、ドイツのイエナ大学でドイツ語と英語の文法理論を専攻し、修士号取得。同大学で講師を務めたあと、翻訳家および日本語教師として独立。訳書に、『10%起業』、『邪悪に堕ちたGAFA』(以上、日経BP)、『GEのリーダーシップ ジェフ・イメルト回顧録』(光文社)、『ポール・ゲティの大富豪になる方法』(パンローリング)、『ラディカル・プロダクト・シンキング』(翔泳社)などがある。
ウィル・ラーソン(Will Larson)
米Calm、米Stripe、米Uberなど、さまざまなテック企業でエンジニアリングリーダーあるいはソフトウェアエンジニアとして働いてきた。著述家でもあり、著書『An Elegant Puzzle』は3万部超を誇る。ノースカロライナ州出身。ケンタッキー州のセンター・カレッジでコンピューターサイエンスを学び、JETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)を通じて1年間日本で英語を教えた経験もある。2009年からはサンフランシスコ在住。
■監修・解説
増井 雄一郎(ますい・ゆういちろう)
札幌大学経営学部卒。大学在学中の1999年にウェブ制作会社を起業。2008年に渡米、iPhoneアプリを開発する会社を設立。2011年に米Appceleratorのプラットフォーム・エバンジェリストに就任。2012年に株式会社ミイル、2013年に株式会社トレタを立ち上げ、CTOとして開発組織機構とアプリ開発をリード。2019年にマーケティング支援の株式会社Bloom&Co.に入社、CTOに就任。
■訳者
長谷川 圭(はせがわ・けい)
高知大学卒業後、ドイツのイエナ大学でドイツ語と英語の文法理論を専攻し、修士号取得。同大学で講師を務めたあと、翻訳家および日本語教師として独立。訳書に、『10%起業』、『邪悪に堕ちたGAFA』(以上、日経BP)、『GEのリーダーシップ ジェフ・イメルト回顧録』(光文社)、『ポール・ゲティの大富豪になる方法』(パンローリング)、『ラディカル・プロダクト・シンキング』(翔泳社)などがある。
登録情報
- 出版社 : 日経BP (2023/5/3)
- 発売日 : 2023/5/3
- 単行本 : 356ページ
- ISBN-10 : 429607055X
- ISBN-13 : 978-4296070558
- 寸法 : 21 x 14.8 x 2.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 11,355位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 60位ソフトウェア開発・言語
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著者について
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