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華麗なる誘拐 (徳間文庫 104-7) 文庫 – 1984/12/1

4.0 5つ星のうち4.0 92個の評価

華麗なる誘拐 (徳間文庫) [Dec 01, 1984] 西村 京太郎
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 徳間書店 (1984/12/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1984/12/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 350ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4195673402
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4195673409
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 92個の評価

著者について

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西村 京太郎
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1930年東京都生まれ。

都立電機工業学校卒業後、人事院に勤務。63年『歪んだ朝』で第2回オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。

65年『天使の傷痕』で第11回江戸川乱歩賞を受賞。78年にはトラベル・ミステリーブームの先駆けとなる『寝台特急殺人事件』を発表、ベストセラーに。2005年第8回日本ミステリー大賞を受賞。

十津川警部シリーズは現在も多くの読者の支持を得ており、現在著作は450冊を超える。

カスタマーレビュー

星5つ中4つ
5つのうち4つ
92グローバルレーティング

この商品をレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2021年1月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「左文字」シりーズ中の一作で、作中の記述を読むと「消えた巨人軍(構想は雄大だがトリックがプア。ただし、昨今の腐ったトラベル物より遥かにマシ)」の次編らしい。冒頭、喫茶店で男女のカップルの無差別(としか思えない)毒殺が起きる。左文字が偶々そこに居合わせたという発端。次いで、"蒼き獅子たち(ブルーライオンズ、以下BL)"を名乗る犯行グループから日本人1億2千万人を"誘拐"したとの電話が首相公邸に入る(身代金は(防衛費相当の)5千億円)。だが、(秘書官を介してとは言え)こんなに簡単に首相と連絡が取れるものなのか?)、左文字は事件解決に協力する事になる。

ただし、"誘拐"とは言っても物理的に誘拐した訳ではなく、BLが1億2千万人の内の誰かを何時でも殺せる立場に居るという状況を指していて新規性を覚えた。BLの意図・要求を防ぐためには、警察が全国で起きる(犯人が明白な場合を除く)全ての事件(が起こったらBLは犯行声明を出せば良い)を阻止する必要があり、事実上、不可能である。上述のカップルはその犠牲者という訳だ。これでは、BLの「言った者勝ち」だが、作者の着眼点が優れている証左でもある。また、5千億円ものお金(宝石なら別だが)は持ち運びが出来る量ではなく、BLの狙いもハッキリとしない(唯一のヒントはBLの連絡役が「IQ=150」と口を滑らせた事(そんな人間は1%未満))。そして、記述に従えば、次に北海道で銃殺事件が起き、続いて、プラスチック爆弾によってジェット機の墜落事故が起きる(これは後述の国民への脅迫)。左文字の発見で、日本では「IQ≧140」の児童はU大学で教育する事になっており、U大学で保管されていたカードから3人の候補者が挙がってしまう。BLは1億2千万人全員に5千円づつワッペン販売の三上名義の口座に振り込みさせる事に依って合計5千億円の達成を狙うが、口座が周知で上手く行くのだろうか......。

その三上の口座にお金が集まる事の"逆説"も良く考えられている。全編に作者が周到な事前調査を行なった跡が窺えるが、何より"誘拐"の<形>に新しい光を当てた秀作だと思った。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2023年1月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2020年初頭に始まった新型コロナウイルス感染症。
初期には「このままならば42万人死ぬ」という学者がいた。
感染しない(重症化しない、死なない)ためには「マスク」「PCR検査」「アビガン」「ワクチン」が必要と政府は言い、自称専門家は言い、自称市民の味方のコメンテーターたちは、大衆を扇動した。
この作品に出てきた「ワッペン」はまさに上記の「感染しない」ためのお守りだった。
作品が世に出て何十年経っても「ワッペン」を利用して私腹を肥やす高みにある人々は健在である。
2023年の現時点で言えば、ここ数年で最も恩恵を受けたのはPCR検査とワクチンによる利権を得た者たちである。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2016年7月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
かなり昔に読み印象に残っていたのでまた読みたくなりました。

この本を読んで実際同じ事を考えるやつが出てきたらどうするんだ?と思わず思ってしまうような素晴らしいストーリーです。誘拐の概念が覆されます。私的には西村先生の作品ではNo.1です。

当時は気にならなかったが、殺人犯をわざと釈放するとか、犯人がインタビューに応じるとか、振り込みをワッペン購入で行うなど、ちょっと無理のある設定もありますが、犯人がまるで本当にいるような臨場感もあり、かなりの傑作です。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2018年9月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
西村京太郎のような多産な推理小説作家がほかにいるのかどうか私は知らない。しかもその一篇一篇が克明な調査とちみつな推論によって、迫真性をもって構築されている。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2004年5月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アリバイ関係が多いと思っていた中で「華麗なる誘拐」は、西村京太郎を代表する作品になるだろう。誰も考えられないような発想だけでなく、それへの理由などが大変上手く書かれている。なぜ5000億円の身代金なのか?そんなことが可能なのか?まったく抜け穴のない作戦を問い詰めることは可能なのか?驚くような展開は、今読んでも古くなく素晴らしい。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2006年8月6日に日本でレビュー済み
比較的スケールのでかい左文字進シリーズのなかでも、もっともスケールが大きく大胆なストーリー展開が気に入った作品

『恋人はスナイパー(劇場版)』の原作にもなった

日本国民一億三千万人を誘拐っていうのは非常に大胆不敵な構想といえる

『誘拐』という定義や常識を逆手にとったとでも言おうか?

一人二人もしくはグループをまとめて誘拐するという話はよくあることだが、日本国民をまとめて誘拐とは…

また、身代金の獲得方法も逸脱している

国が払うわけがないのを見越して、国民それぞれにあるものを購入させる形で払わせるとは……

ただし、犯人が実際に金を受け取るシーンが陳腐…

まぁこの小説が書かれた年を考えれば、今のようにネット銀行などもないだろうから仕方のないことか…
2022年11月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中古品 良との評価でしたが、シミだらけでした。クリーニングの後の発送とありますが、表紙も汚れていました。
2013年3月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 不謹慎ないいかたであるが、作者は犯罪者として生きていたら世を震撼させたのでは。

本作は「一千万人誘拐計画」の長編とも言える。先にこちらを読んでおくのもいいかも。

誘拐、といえば普通人をさらって身代金請求、が王道。今作での誘拐はスケールが違う。

西村氏の非凡を感じる絶対おすすめの一冊。これは、面白い。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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