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彼女は頭が悪いから (文春文庫 ひ 14-4) 文庫 – 2021/4/6

4.1 5つ星のうち4.1 849個の評価

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2019年に上野千鶴子さんの東大入学祝辞や様々な媒体で取り上げられた話題作が文庫で登場!
横浜市青葉区で三人きょうだいの長女として育ち、県立高校を経て中堅の女子大学に入った美咲と、渋谷区広尾の国家公 務員宿舎で育ち東大に入ったつばさ。偶然に出会って恋に落ちた境遇の違う二人だったが、別の女の子へと気持ち が移ってしまったつばさは、大学の友人らが立ち上げたサークル「星座研究会」(いわゆるヤリサー)の飲み会に美咲を呼ぶ。そ して酒を飲ませ、仲間と一緒に辱めるのだ…。美咲が部屋から逃げ110番通報したことで事件が明るみに出る。 頭脳優秀でプライドが高い彼らにあったのは『東大ではない人間を馬鹿にしたい欲』だけ だったのだ。さらに、事件のニュースを知った人たちが、SNSで美咲を「東大生狙いの勘違い女」扱いするのだ。
読み手の無意識下にあるブランド意識、優越感や劣等感、学歴による序列や格差の実態をあぶり出し、自分は加害者と何が違うのだと問いかけ、気づきを促す社会派小説の傑作!

柴田錬三郎賞選考委員絶賛!
無知な若者を生み出した社会構造と、優越、業といった人間の醜さが、本作には鮮烈に描いてある。――伊集院静
どちらか一方を悪者に仕立て、もう一方を被害者に仕立てがちだが、本作はそんな単純な構図では描かれていない。――逢坂剛
女たちの憂鬱と絶望を、優れたフィクションで明確に表した才能と心意気は称賛されるべきである。――桐野夏生
テーマ性とメッセージ性の際立つ作品、批判をおそれず書かれた力作だ。――篠田節子
平成における最も重要な本の一冊だと私は考える。――林真理子
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出版社より

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書店員さん激賞!傑作社会派小説

帯2

柴錬賞選考委員絶賛!

帯1

東大でも話題沸騰!

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋 (2021/4/6)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2021/4/6
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 557ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4167916703
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4167916701
  • 寸法 ‏ : ‎ 10.6 x 2.1 x 15.2 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.1 5つ星のうち4.1 849個の評価

著者について

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姫野 カオルコ
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姫野/カオルコ

姫野嘉兵衛。1958年滋賀県出身。97年『受難』(文春文庫)が第一一七回直木賞候補、04年『ツ、イ、ラ、ク』(角川文庫)が第一三〇回直木賞候補、06年『ハルカ・エイティ』(文春文庫)が第一三四回直木賞候補、10年『リアル・シンデレラ』(光文社文庫)が第一四三回直木賞候補になった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

カスタマーレビュー

星5つ中4.1つ
5つのうち4.1つ
849グローバルレーティング

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美咲ちゃんへ
5 星
美咲ちゃんへ
美咲ちゃん。あなたは悪くない。1ミクロンも悪くない。悪いのは東大生。あいつらは馬鹿。本当に頭が悪いよね。本著は東大生強制わいせつ事件が契機となっていますが、その詳細を描いたものではありません。むしろそこに至る過程、加害者東大生の家庭環境、両親のプライド、歪み、本人の浅薄で低俗で下品な思考と実は貧しい頭みそが小説という形で描かれています。被害者女子大生は善き家庭のおっとりしたお嬢さんです。今時こんな純な子がいるのかと思うほどにピュアな心の持ち主です。冒頭にも書きました通り、彼女は露ほども責められるべきではありません。彼女の恋心、痛いほどにわかります。(だからこそ竹内は断罪されるべきだと思います。)もうひとり気になったのが優香。わたしはあなたを責めはしないけれど、残念な人だったね。きっと自分に自信がない人だったのね。美咲ちゃんが強姦致死とかにならなくて良かったね。そんな風になったらあなた責任感じるでしょ?それから理系の学生さん。本を読みましょうね。マニュアル本じゃなくて小説を読みましょうね。本を読んで感動して泣きましょうね。そういう心が育っていないと、こういう事件は繰り返される気がします。リビューというよりも美咲ちゃんへのメッセージになってしまいましたが、どうか美咲ちゃん、幸せになってください。あなたは何も悪くない。もちろん頭も悪くない。そのことを伝えたかったのです。
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上位レビュー、対象国: 日本

2024年3月5日に日本でレビュー済み
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後半からの、東大生が自分では理解できない犯罪行為に至った結果と周囲の反応。最後まで胸糞悪いままで読了致しました。半世紀以上小説を読んで来た中で最高の胸糞悪さでした。
ヒエラルキーの下側を低空飛行して来た私には、今までに上目遣いに見て取れた加害者側への嫌悪感を思い出させる作品でした。
数多くのレビューの中にも階級差を感じます。
現代社会の縮図みたいな小説で、一気に読み終わりました。
お腹いっぱいです。
最後の後書きと書評で救われた気がします。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年6月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
老若男女問わず、是非一読して欲しいと思う作品です。本作で取り上げられたような事件は
後を絶ちません。保身のためだけでなく賢明な他者理解、他者への配慮、謙虚さを知るためにも一読すべき作品と思います。
17人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年3月29日に日本でレビュー済み
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渾身のチカラを込めた、世の中に直球ストレートの剛球を投げた作者を讃えたい。
作中は淡々と進んで行くが、作者が涙を流しながら強烈な痛みをともないながら、怒りのパワーでよく最後まで描き切った。その勇気に脱帽です。

どんなに苦しかったか。命を削ってでも書きたい!!という想いが私には伝わって来ました。
小説が与える人生の影響力をしみじみ感じております。

この小説は事実を元にしたフィクションですが、たくさんの事を考えさせられました。
でも最後には「美咲は私であり、つばさは私である」という思いに至りました。
事件のあった描写が近づくにつれ、緊張しました。そしてその場面を電車内で読んでる間、息をするのを忘れてしまうぐらい痛かったです。
水中の中でもがいているような感覚でした。

世界中の人に読んで欲しい1冊です。
そして人生かけて一緒に考えて行きたい1冊です。

出会えてよかった。
NHKの「100分で名著」フェミニズム編からここに辿り着きました。
本はやっぱり素晴らしい。
36人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2024年3月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こんなに人として終わった人が続々と出て来る話は初めてでした。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年12月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
なんとも気分の悪い小説だ、と思いながら
読むのをやめられず一気に読んでしまった。
2016年に起きた東大生東大院生5人組による集団強制わいせつ事件がモチーフ。
加害者の1人は「彼女は頭が悪いから」と言い訳したそうで、この発言を軸に物語が編み出される。

相手は東大ではなく、東大の自分より頭が悪いから…
相手は女であり、男の自分より頭が悪いから…
バカにしてもよい、何をしてもよい、
被害者もそのヒエラルキーを受け入れてるから大丈夫、という考え。
ものすごくおぞましいが、東大に限らず世の中に勝手な序列が作られているのは真実である。
そして、序列を崩そうとすると、崩そうとしてるように見えると、ものすごいハレーションがおきるのが今の世の現実だ。
この事件の被害者に
東大狙い?
ついていくほうが悪い
勘違い女
という批判が堂々とされたように。

ヒエラルキーからふわっと浮き上がっている
作中の山岸遥という存在が光っている。
加害者目線からは「変な人」に見えているが
実に冷静。
彼女のように一歩ひいて
世の中の当たり前を考え直してみたい。
36人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2022年12月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
美咲ちゃん。あなたは悪くない。1ミクロンも悪くない。
悪いのは東大生。あいつらは馬鹿。本当に頭が悪いよね。

本著は東大生強制わいせつ事件が契機となっていますが、その詳細を描いたものではありません。むしろそこに至る過程、加害者東大生の家庭環境、両親のプライド、歪み、本人の浅薄で低俗で下品な思考と実は貧しい頭みそが小説という形で描かれています。

被害者女子大生は善き家庭のおっとりしたお嬢さんです。今時こんな純な子がいるのかと思うほどにピュアな心の持ち主です。冒頭にも書きました通り、彼女は露ほども責められるべきではありません。彼女の恋心、痛いほどにわかります。(だからこそ竹内は断罪されるべきだと思います。)

もうひとり気になったのが優香。わたしはあなたを責めはしないけれど、残念な人だったね。きっと自分に自信がない人だったのね。美咲ちゃんが強姦致死とかにならなくて良かったね。そんな風になったらあなた責任感じるでしょ?

それから理系の学生さん。本を読みましょうね。マニュアル本じゃなくて小説を読みましょうね。本を読んで感動して泣きましょうね。そういう心が育っていないと、こういう事件は繰り返される気がします。

リビューというよりも美咲ちゃんへのメッセージになってしまいましたが、どうか美咲ちゃん、幸せになってください。あなたは何も悪くない。もちろん頭も悪くない。そのことを伝えたかったのです。
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5つ星のうち5.0 美咲ちゃんへ
2022年12月7日に日本でレビュー済み
美咲ちゃん。あなたは悪くない。1ミクロンも悪くない。
悪いのは東大生。あいつらは馬鹿。本当に頭が悪いよね。

本著は東大生強制わいせつ事件が契機となっていますが、その詳細を描いたものではありません。むしろそこに至る過程、加害者東大生の家庭環境、両親のプライド、歪み、本人の浅薄で低俗で下品な思考と実は貧しい頭みそが小説という形で描かれています。

被害者女子大生は善き家庭のおっとりしたお嬢さんです。今時こんな純な子がいるのかと思うほどにピュアな心の持ち主です。冒頭にも書きました通り、彼女は露ほども責められるべきではありません。彼女の恋心、痛いほどにわかります。(だからこそ竹内は断罪されるべきだと思います。)

もうひとり気になったのが優香。わたしはあなたを責めはしないけれど、残念な人だったね。きっと自分に自信がない人だったのね。美咲ちゃんが強姦致死とかにならなくて良かったね。そんな風になったらあなた責任感じるでしょ?

それから理系の学生さん。本を読みましょうね。マニュアル本じゃなくて小説を読みましょうね。本を読んで感動して泣きましょうね。そういう心が育っていないと、こういう事件は繰り返される気がします。

リビューというよりも美咲ちゃんへのメッセージになってしまいましたが、どうか美咲ちゃん、幸せになってください。あなたは何も悪くない。もちろん頭も悪くない。そのことを伝えたかったのです。
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43人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2022年11月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
姫野ワールド全開。ツイラクとは異なるが、同じくらいディープ。主人公が可愛そうで完読まで時間がかかった。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2022年2月13日に日本でレビュー済み
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非常に楽しみにしてただけに残念。被害者を"普通のいい子"、加害者を"自称エリートの東大生"と単純化することでしかこの犯罪の異常さを訴えることができなかったのだろうか。そうしないと読者に伝わらないからか。たとえ被害者が東大狙いだったとしても、たとえ体を使って迫ったとしても、していいことと悪いことがあるのではないのか。自称フェミニストとしてこの本のそれが一番許せない。なぜ被害者を何の落ち度もない子にしたのか。落ち度なんてみんなあるのに。あったって人間としての尊厳は変わらないのに。
また、加害者のコンプレックスの裏返しである間違ったエリート意識も、もうちょっとかわいそうな人として優しい視線で描けなかったのだろうか。こちらは実際、加害者はそのまま反省せずに生きているのだとすると仕方ないが、救いがない。この人、心底東大きらいなんだろうな。好きの反対は無関心で無関心なら設定を東大から外せばよかったのに。または元カレを日藝ではなくトーダイにすればよかったのに。
問題は学歴でも格差社会でもないはずなのに、執拗な東大という単語が不必要にザラザラさせる。レッテル張りが問題という問題提起?
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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