「デフ・ヴォイス」を書いた著者の
第二作。前作に続いてこれも
深く良質な小説。
’
テーマは、「居所不明児童」。
住民票などには記載されているのに
居場所が分からず、就学が確認できない
小中学生のことだ。
親が多額債務を抱えて一緒に逃げている、
母が夫のDVから逃れ、身を隠すなどが
要因のひとつとして挙げられる。
いずれにしろ、親の犠牲になった子どもたちだ。
’
この小説を読んで僕は初めて知ったが、
そんな子が全国に1500人以上もいるらしい。
’
物語は、一人の少女が失踪したことを知り、
主人公二村直(32歳・カメラマン)が、
彼女を探すはめになったところから始まる。
直に捜索を頼んだのは恋人の祥子(35歳・教師)。
失踪した少女は祥子の教え子だった。
捜索の途中でどんどん明らかになっていく、
虐待や棄児、援助交際などの社会の闇。
’
果たして教え子は見つかるのか。
家族とは、親になるとはどういうことかを、
何度も問いかけてくる物語だ。
’
主人公の直のキャラクターがあまりにも
自分に近いので、僕はお尻がむずむずし
落ち着かなくった。
彼は子どもを持つことはひどく恐れている。
’
「自分の子供をー自分が作り出した分身の
ような存在を、この世に生み出すっていう
ことが怖いんだ。
本当にそんなことをしていいのかって、
そんな神様みたいなことを俺なんかが
してもいいのかってー」
’
結婚を、子供を持つことを選ばなかった
僕としては、彼のこの台詞が誰よりもよくわかる、
気がする。
いくつになっても大人になれない、バカな自分を
突き付けられたが、この小説は最後の最後に
少しだけ希望の光を魅せてくれる。
’
丸山正樹。
いやー、素晴らしい作家です。
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漂う子 (文春文庫 ま 34-2) 文庫 – 2019/11/7
丸山 正樹
(著)
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「デフ・ヴォイス」シリーズで話題の著者による傑作長篇!
「居所不明児童」――親などに連れられ所在が分からなくなってしまう子どもたち。
近年社会問題となっている「闇」を通して、「親と子」の在り方を問う物語。
ある日、一人の少女が失踪した。
恋人・祥子の教え子で、父親に連れられて姿を消した小学4年生の紗智。
彼女を探すことになった二村直は、少女の背後に広がる「居所不明児童」、
虐待や棄児、援助交際など、社会の闇を知ることになる――。
自分自身の結婚への迷いや、親になることへの不安、そしてそれまで目を背けていた過去に対峙し、やがて直はある決断を迫られる。
家族とは何か、親になるとはどういうことか、を問う物語。
解説:大塚真祐子(書店員)
「居所不明児童」――親などに連れられ所在が分からなくなってしまう子どもたち。
近年社会問題となっている「闇」を通して、「親と子」の在り方を問う物語。
ある日、一人の少女が失踪した。
恋人・祥子の教え子で、父親に連れられて姿を消した小学4年生の紗智。
彼女を探すことになった二村直は、少女の背後に広がる「居所不明児童」、
虐待や棄児、援助交際など、社会の闇を知ることになる――。
自分自身の結婚への迷いや、親になることへの不安、そしてそれまで目を背けていた過去に対峙し、やがて直はある決断を迫られる。
家族とは何か、親になるとはどういうことか、を問う物語。
解説:大塚真祐子(書店員)
- 本の長さ296ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2019/11/7
- 寸法10.7 x 1.3 x 15.2 cm
- ISBN-104167913844
- ISBN-13978-4167913847
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2019/11/7)
- 発売日 : 2019/11/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 296ページ
- ISBN-10 : 4167913844
- ISBN-13 : 978-4167913847
- 寸法 : 10.7 x 1.3 x 15.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 31,227位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 397位文春文庫
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2023年10月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ミステリー的な要素もあり、ドキドキしながら読みました。そして、自問自答しながら、現実を考える機会となりました。巡り会えた本の一冊です。
2020年1月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最近で1番ヒット
一気に読みました
一気に読みました
2019年1月23日に日本でレビュー済み
児童虐待の真実の一端を見事に問題提起している作品です。
まず『居所不明児童』とは、『住民票はあるのに自治体が居住実態を把握できない「所在不明の子ども」』であり、
作中のデータでは全国に1491人の居所不明児童が実在していて、そんな悲惨な事態の原因の一端としては、
『家庭が多重債務等により、住民票を移さずに転居を繰り返している』
『父親からの暴力から逃れるために、母親が子供を連れて住民票を移さずに家を出た』等があります。
そして『居所不明児童』の中には親から様々な虐待を受けている子たちも多く、
それでもそんな子供たちを救う役目の児童相談所も法律の縛りで緊急時に動けない場合もあり、
作中では法律に縛られずに、逆に法を犯してでも虐待児童を守るために懸命にNPO団体として活動している男性・河原と、
かつて『居所不明児童』でありながら、現在は同じ『居所不明児童』出身の女子たちが安全に売春出来るようにガードしている男子のシバリが活躍していました。
物語として読んだ場合、主人公が恋人との間に子供が産まれる事を恐れる理由が明確な虐待ではなく、あやふやなものであり、主人公に感情移入しにくい一面があったり、
主人公が河原やシバリと関わって良い変化を遂げるものの、もう一段上の変化があればベストだったなと思ったり、
ラストの希望が本当に微々たるものだったのが惜しいと思う部分がありますが、
それでも河原とシバリの戦いだけで個人的には満足出来ましたし、
出来れば、主人公が再び今度はきちんと河原を手伝ったり、若しくは河原やシバリが主人公の続編を是非とも読みたい限りです!
そして、作中の児童への虐待としてメインに扱われていたのは、親が斡旋する児童売春・並びに児童ポルノでして、
様々な性犯罪被害の実情を知る僕としても、児童性犯罪被害が最も地獄に感じており、『親が加害者でも、加害者ではない傍観者や斡旋者でも、児童に性行為させる・性の対象として画像や動画や衣服を販売する等の全ての行為』を、性犯罪と考えており、
『性や性行為』が分からない児童を、欲望のみの誤った性や性行為に参加させる事は、児童が歩む当たり前の人生や価値観を根底から破壊したり歪ませる鬼畜な所業であり、児童が負う傷や後遺症は計り知れない程に致命的なものとなります。
故に作中で、『居所不明児童』時代に親から売春させられていた女子たちが、親から離れても生活費等のために売春する事に対して、
主人公は理解出来ませんし、多くの読者も理解出来ないでしょうが、
性犯罪被害者が売春に至るケースは珍しい事ではなく、
『自身の性を売る環境で育てば、その歪んだ価値観が当たり前となり、当たり前の価値観から抜け出すのは困難』という要因や、
『性犯罪被害に遭うと自分がカラッポの脱け殻となり、無価値でどうでも良くなる。そんな自分の唯一の価値が性であり、性行為にしか自分の価値を感じられないから』という要因もあります。
欲望のみの自身が望まない性行為によって壊された日常や価値観を、私たちが正常に感じる日常や価値観に戻す事は、私たちが思うよりも遥かに困難な事であり、
故に、そのような問題提起をした今作品を、それだけで僕は高評価しますし、
個人的には高校生以下の子供に対して、あらゆる性行為を行う・性商品を購入や保持する全ての大人を死刑にすべきと思う程に憎んで止みません。
日常生活では決して見えないものの、あなたの住む地域の何処かでも行われている見過ごせない悪行を知る機会が得られる作品として、個人的にはオススメしたい作品です。
まず『居所不明児童』とは、『住民票はあるのに自治体が居住実態を把握できない「所在不明の子ども」』であり、
作中のデータでは全国に1491人の居所不明児童が実在していて、そんな悲惨な事態の原因の一端としては、
『家庭が多重債務等により、住民票を移さずに転居を繰り返している』
『父親からの暴力から逃れるために、母親が子供を連れて住民票を移さずに家を出た』等があります。
そして『居所不明児童』の中には親から様々な虐待を受けている子たちも多く、
それでもそんな子供たちを救う役目の児童相談所も法律の縛りで緊急時に動けない場合もあり、
作中では法律に縛られずに、逆に法を犯してでも虐待児童を守るために懸命にNPO団体として活動している男性・河原と、
かつて『居所不明児童』でありながら、現在は同じ『居所不明児童』出身の女子たちが安全に売春出来るようにガードしている男子のシバリが活躍していました。
物語として読んだ場合、主人公が恋人との間に子供が産まれる事を恐れる理由が明確な虐待ではなく、あやふやなものであり、主人公に感情移入しにくい一面があったり、
主人公が河原やシバリと関わって良い変化を遂げるものの、もう一段上の変化があればベストだったなと思ったり、
ラストの希望が本当に微々たるものだったのが惜しいと思う部分がありますが、
それでも河原とシバリの戦いだけで個人的には満足出来ましたし、
出来れば、主人公が再び今度はきちんと河原を手伝ったり、若しくは河原やシバリが主人公の続編を是非とも読みたい限りです!
そして、作中の児童への虐待としてメインに扱われていたのは、親が斡旋する児童売春・並びに児童ポルノでして、
様々な性犯罪被害の実情を知る僕としても、児童性犯罪被害が最も地獄に感じており、『親が加害者でも、加害者ではない傍観者や斡旋者でも、児童に性行為させる・性の対象として画像や動画や衣服を販売する等の全ての行為』を、性犯罪と考えており、
『性や性行為』が分からない児童を、欲望のみの誤った性や性行為に参加させる事は、児童が歩む当たり前の人生や価値観を根底から破壊したり歪ませる鬼畜な所業であり、児童が負う傷や後遺症は計り知れない程に致命的なものとなります。
故に作中で、『居所不明児童』時代に親から売春させられていた女子たちが、親から離れても生活費等のために売春する事に対して、
主人公は理解出来ませんし、多くの読者も理解出来ないでしょうが、
性犯罪被害者が売春に至るケースは珍しい事ではなく、
『自身の性を売る環境で育てば、その歪んだ価値観が当たり前となり、当たり前の価値観から抜け出すのは困難』という要因や、
『性犯罪被害に遭うと自分がカラッポの脱け殻となり、無価値でどうでも良くなる。そんな自分の唯一の価値が性であり、性行為にしか自分の価値を感じられないから』という要因もあります。
欲望のみの自身が望まない性行為によって壊された日常や価値観を、私たちが正常に感じる日常や価値観に戻す事は、私たちが思うよりも遥かに困難な事であり、
故に、そのような問題提起をした今作品を、それだけで僕は高評価しますし、
個人的には高校生以下の子供に対して、あらゆる性行為を行う・性商品を購入や保持する全ての大人を死刑にすべきと思う程に憎んで止みません。
日常生活では決して見えないものの、あなたの住む地域の何処かでも行われている見過ごせない悪行を知る機会が得られる作品として、個人的にはオススメしたい作品です。
2016年10月28日に日本でレビュー済み
この本は居所不明児童、虐待や棄児、援助交際など信じられない現実が描かれている。行方不明の少女探しと平行して進んでいく主人公の結婚への迷いや親になることへの不安がとても上手く絡まっている。
私自身も子供が生まれた直後は本当に育てていけるのだろうかと次々に不安に襲われたことを思い出した。こんなに親になるのは大変なことだったのかと痛感したころから一歩一歩子供の成長とともに覚悟も固まってきたのだと思う。経験しなければ家族になるということがどういうことか本当にはわからない。という一文が全てを表している。
おそらく居所不明児童は昔からあったのだと思う。しかし今この時代に闇に葬られてしまう子供がいるとは悲しい。第三者が関わることが難しいのは分かりきったことであり、何もしてあげられないと思うのも当たり前の感情である。しかし、多くの人が実態を知り一緒に考えていくことで何かが変わるのでないかと思う。
最近は報道でも取り上げられている問題ではあるが、やはりストーリーがあり感動と涙があるから心に残る。関心を持つこともできる。という良さがあるなと読み終えて感じた。
私自身も子供が生まれた直後は本当に育てていけるのだろうかと次々に不安に襲われたことを思い出した。こんなに親になるのは大変なことだったのかと痛感したころから一歩一歩子供の成長とともに覚悟も固まってきたのだと思う。経験しなければ家族になるということがどういうことか本当にはわからない。という一文が全てを表している。
おそらく居所不明児童は昔からあったのだと思う。しかし今この時代に闇に葬られてしまう子供がいるとは悲しい。第三者が関わることが難しいのは分かりきったことであり、何もしてあげられないと思うのも当たり前の感情である。しかし、多くの人が実態を知り一緒に考えていくことで何かが変わるのでないかと思う。
最近は報道でも取り上げられている問題ではあるが、やはりストーリーがあり感動と涙があるから心に残る。関心を持つこともできる。という良さがあるなと読み終えて感じた。
2020年3月23日に日本でレビュー済み
参考文献の「居所不在児童」と「子どもの無縁社会」も読んでいた私の感想は他の方のレビューとはだいぶ異なったものでした。解説では、社会の深層部としての「居所不在児童」を丸山氏がえぐり出し、社会に衝撃を与えたように書かれていました。しかし、これらの深刻な問題を社会に訴えたのはルポを書いた石川結貴氏の方ですね。丸山氏はこれらのルポを参考というレベルではなくデータや内容を丸々拝借して、主人公の直は祥恋人の祥子に子どもが先に出来ちゃったけど結婚は嫌だという、よくある駄目男のプロットに絡めてドラマチックな作品に作り上げただけのように感じました。ルポを先に読んでいない読者は丸山氏が一人ですべてを執筆した素晴らしい作品に映ると思います。私は援交の女子高生についてのルポは読んでいないので、想像の域を超えませんが、恐らく作品中の少女たちの援交についての下りもこれらのルポから丸々内容やデータを抜き出して、書いているのではないかなと考えています。物語自体はよくある話でひねりがありませんし、また参考文献もそのまま借りてるという域を超えません。私は星1つかな。