最近また脂が乗ってきたルイスの新刊。
まぁ読めば分かるけど読後の嘔吐感とそれに続く終末感が何ともすごい。
もっともルイスのシニカルな視点は「ライアーズ・ポーカー」の頃より磨きがかかっていて
行間からは寧ろ諦観めいた雰囲気さえ漂わせている。
さて日本の破綻も今回の東日本大震災で確実に早まったわけだが、破綻後の荒涼とした風景は
本書に活写されたギリシャやアイスランド以上のものとなるだろう。
第五章「あなたの中の内なるギリシャ」は必読だろう。
ちなみに「現在われわれが最も多くの金を破綻の側にかけているのが、日本とフランスです」とのこと
らしいので、消費税増税が政治的に失敗に終われば彼らは一斉攻撃に出てくるだろう。
自分としてはむしろ日本はさっさと破綻して、この救いがたい役人帝国主義を「ご破算に願いましては」と
したほうが民族精神のためにも良いのではなかろうか、と思う今日この頃である。
なお巻末の解説はまさに蛇足であろう。

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ブーメラン 欧州から恐慌が返ってくる (文春文庫 ル 5-2) 文庫 – 2014/9/2
『マネーボール』『世紀の空売り』に続く痛快金融ノンフィクション
サブプライム危機で大儲けした男たちが次に狙うのは「国家の破綻」。アイスランド、アイルランド、ギリシャ、ドイツ、そして日本。
サブプライム危機で大儲けした男たちが次に狙うのは「国家の破綻」。アイスランド、アイルランド、ギリシャ、ドイツ、そして日本。
- 本の長さ287ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2014/9/2
- ISBN-104167901951
- ISBN-13978-4167901950
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2014/9/2)
- 発売日 : 2014/9/2
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 287ページ
- ISBN-10 : 4167901951
- ISBN-13 : 978-4167901950
- Amazon 売れ筋ランキング: - 110,114位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,654位文春文庫
- - 6,259位投資・金融・会社経営 (本)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2012年2月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み物としては面白く楽しめた。
ツイッターで識者の方々が「必読書」として推しておられたので、
サブプライムローン問題、ギリシア危機、その他欧州の債務問題が
どういう経緯で発生し、深刻化していったのかが、この本で
理解できるのかと期待したのだが、どうもそういう本ではなかった様だ。
どちらかというと小説を読んでいるような感じだった。
取材時の具体例を交えてながら、アイスランド人、アイルランド人、
ギリシア人の国民性を描き出し、その国民性こそが、それぞれの国の
債務問題を深刻化させた土壌だと著者は主張しているようである。
また、各国の債務やサブプライムローン問題のつけを何故ドイツが
背負うことになったのかについても、やはりドイツ人の国民性という
観点から説明を試みている。
そうした国民性の描写自体は読んでいて楽しいのだが、この本が
本当に債務問題を引き起こした背景を正しく説明している
のかについては、疑問を抱かざるを得ない。
「国民性」をもって何かを説明しようとする言説は、大抵の場合
疑わしいように思う。
ギリシアの章では、公務員がいかにいい加減で、国民の納税意識の
欠如がどれほど酷いものかが詳細に描かれている。
「なんて酷い人達なんだ、ギリシア人は」という気持ちで読み進めるが、
ふと冷静になると、日本もほとんど同じなのではと気づき、暗澹たる気持ちになる。
最後に読んだ巻末の藤沢数希氏のあとがきが、本全体の理解を助けてくれた。
ツイッターで識者の方々が「必読書」として推しておられたので、
サブプライムローン問題、ギリシア危機、その他欧州の債務問題が
どういう経緯で発生し、深刻化していったのかが、この本で
理解できるのかと期待したのだが、どうもそういう本ではなかった様だ。
どちらかというと小説を読んでいるような感じだった。
取材時の具体例を交えてながら、アイスランド人、アイルランド人、
ギリシア人の国民性を描き出し、その国民性こそが、それぞれの国の
債務問題を深刻化させた土壌だと著者は主張しているようである。
また、各国の債務やサブプライムローン問題のつけを何故ドイツが
背負うことになったのかについても、やはりドイツ人の国民性という
観点から説明を試みている。
そうした国民性の描写自体は読んでいて楽しいのだが、この本が
本当に債務問題を引き起こした背景を正しく説明している
のかについては、疑問を抱かざるを得ない。
「国民性」をもって何かを説明しようとする言説は、大抵の場合
疑わしいように思う。
ギリシアの章では、公務員がいかにいい加減で、国民の納税意識の
欠如がどれほど酷いものかが詳細に描かれている。
「なんて酷い人達なんだ、ギリシア人は」という気持ちで読み進めるが、
ふと冷静になると、日本もほとんど同じなのではと気づき、暗澹たる気持ちになる。
最後に読んだ巻末の藤沢数希氏のあとがきが、本全体の理解を助けてくれた。
2017年5月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
膨大な債務への無責任なギリシャ政府の対応、国民の納税意識の低さは
ユーロ加入に於ける審査の杜撰さと合わせ今日のユーロ崩壊が単なる予兆では
済まないと思われます。この本は
今日の各国の財政状況を実体験として
訪問し面談した結果をまとめたもの。
ユーロ加入に於ける審査の杜撰さと合わせ今日のユーロ崩壊が単なる予兆では
済まないと思われます。この本は
今日の各国の財政状況を実体験として
訪問し面談した結果をまとめたもの。
2012年3月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
笑いながら読みました。喜劇です。
欧州の債務危機を、詳細に解説した著書なのかと思いましたが、実際は、欧州の債務危機が、ヨーロッパ各国(アイスランド、アイルランド、ドイツ、ギリシャ)で、どのような影響を及ぼしているか、もしくは、各国がそれぞれの国民性や文化的な背景から、どのような経緯で悲劇が起こり、また悲劇が継続しようとしているのかが読み物として理解できる著書です。
私たちは、現在の欧州危機を、欧州全体+ギリシャの問題として捉えがちですが、現実的には、欧州は一枚岩ではなく、同じ債務危機でも各国によってその様相は全く異なっています。日本国内のソースに接する限り、金融の観点からヨーロッパ各国を個別に見る視点は皆無に等しく、それだけでもこの著書に目を通す価値があります。
アイスランドの漁師たちがこぞって投資銀行家になった(!)後に、何が起きたのか。また今なにが起きているのか。国民の多くが、公務員という形で生産を放棄し、デモと暴動で都市機能が麻痺しかねない状態に陥っているギリシャと、一部の投資銀行家たちが、暴走して大量の借金を追わせたにもかかわらず、黙々と文句もい合わず、国民全体で負担を分かち合おうとしているアイルランド。
同じ経済危機でも、その責任の所在から、最終的なツケをだれに回そうとするのかまで、面白いほどに国民性が発揮されています。私たちの住む日本も、将来的には債務危機とは無縁で居続けるのは難しいかもしれません。実際に、本書に出てくるヘッジファンドは、フランスと日本をショートポジションで仕込みに入っています。
欧州の焼け野原を、本書で見てまわるのは、将来の可能性を見越す上でも興味深いものですし、「破綻後」私達一人ひとりの身の振り方や、主張で、その先がまったく違った結果を引き起こすということを私たちは学ぶ必要があるでしょう。
著者の文章力と取材力の高さから、単純に読み物として非常に面白い作品に仕上がっています。解説ばかりのクソ真面目な金融本に飽きてきた方には、お勧めです。
欧州の債務危機を、詳細に解説した著書なのかと思いましたが、実際は、欧州の債務危機が、ヨーロッパ各国(アイスランド、アイルランド、ドイツ、ギリシャ)で、どのような影響を及ぼしているか、もしくは、各国がそれぞれの国民性や文化的な背景から、どのような経緯で悲劇が起こり、また悲劇が継続しようとしているのかが読み物として理解できる著書です。
私たちは、現在の欧州危機を、欧州全体+ギリシャの問題として捉えがちですが、現実的には、欧州は一枚岩ではなく、同じ債務危機でも各国によってその様相は全く異なっています。日本国内のソースに接する限り、金融の観点からヨーロッパ各国を個別に見る視点は皆無に等しく、それだけでもこの著書に目を通す価値があります。
アイスランドの漁師たちがこぞって投資銀行家になった(!)後に、何が起きたのか。また今なにが起きているのか。国民の多くが、公務員という形で生産を放棄し、デモと暴動で都市機能が麻痺しかねない状態に陥っているギリシャと、一部の投資銀行家たちが、暴走して大量の借金を追わせたにもかかわらず、黙々と文句もい合わず、国民全体で負担を分かち合おうとしているアイルランド。
同じ経済危機でも、その責任の所在から、最終的なツケをだれに回そうとするのかまで、面白いほどに国民性が発揮されています。私たちの住む日本も、将来的には債務危機とは無縁で居続けるのは難しいかもしれません。実際に、本書に出てくるヘッジファンドは、フランスと日本をショートポジションで仕込みに入っています。
欧州の焼け野原を、本書で見てまわるのは、将来の可能性を見越す上でも興味深いものですし、「破綻後」私達一人ひとりの身の振り方や、主張で、その先がまったく違った結果を引き起こすということを私たちは学ぶ必要があるでしょう。
著者の文章力と取材力の高さから、単純に読み物として非常に面白い作品に仕上がっています。解説ばかりのクソ真面目な金融本に飽きてきた方には、お勧めです。
2014年1月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この著者は、『世紀の空売り』(原著2010)、『ライアーズ・ポーカー』(原著1989)に続いて、本書を読んでみた。
今さらこんな説明は不要かとも思うけど、原著は2011年、翻訳が2012年初めの刊行で、テーマとしては『空売り』の延長線上にあり、リーマン・ショック以降の金融危機波及を扱っている。舞台はアイスランド、アイルランド、ギリシャ、ドイツ、そして米国。
上記の本に比べていかがなものか、みたいなご意見も散見されるが、読みやすいし、十分面白い。どなたかも言及していたが、そのままNHKスペシャルに使えそうな構成ですね。ま、内容的にはすでに紹介されているので、遅ればせの私は自分の気になったところだけ。
まずドイツ人の国民性について、人類学者アラン・ダンデスの本を引用しながら辛辣な批評を加えるところが面白かった(p157)。『鳥屋の梯子と人生はそも短くて糞まみれ』、早速注文してしまいましたよ。モーツァルトが書き残した文章なんかにスカトロな表現が多いことは聞き知っていて、それは天才モーツァルトの秘めたる個人的資質として理解していましたが、こういう文化的背景があったんですね。またルターについても「過激なスカトロジスト」と形容されており、勉強になりましたw
この件りに限らず、扱われている国々や人々を描写するルイスの筆には遠慮がなく、PCのコーナーぎりぎりか、もしかするとアウト? みたいな記述が多いが、これは十分計算されていると思う。日本人ジャーナリストはもっと臆病で、こういうスリリングな描写は期待できないんだけど、それが意識的な計算に基づいてないから、ときどき無自覚に大ポカをやるんじゃないだろうか。
しかしどの国でも、政府やメディアの隠蔽体質には、本当にガッカリさせられる。
今さらこんな説明は不要かとも思うけど、原著は2011年、翻訳が2012年初めの刊行で、テーマとしては『空売り』の延長線上にあり、リーマン・ショック以降の金融危機波及を扱っている。舞台はアイスランド、アイルランド、ギリシャ、ドイツ、そして米国。
上記の本に比べていかがなものか、みたいなご意見も散見されるが、読みやすいし、十分面白い。どなたかも言及していたが、そのままNHKスペシャルに使えそうな構成ですね。ま、内容的にはすでに紹介されているので、遅ればせの私は自分の気になったところだけ。
まずドイツ人の国民性について、人類学者アラン・ダンデスの本を引用しながら辛辣な批評を加えるところが面白かった(p157)。『鳥屋の梯子と人生はそも短くて糞まみれ』、早速注文してしまいましたよ。モーツァルトが書き残した文章なんかにスカトロな表現が多いことは聞き知っていて、それは天才モーツァルトの秘めたる個人的資質として理解していましたが、こういう文化的背景があったんですね。またルターについても「過激なスカトロジスト」と形容されており、勉強になりましたw
この件りに限らず、扱われている国々や人々を描写するルイスの筆には遠慮がなく、PCのコーナーぎりぎりか、もしかするとアウト? みたいな記述が多いが、これは十分計算されていると思う。日本人ジャーナリストはもっと臆病で、こういうスリリングな描写は期待できないんだけど、それが意識的な計算に基づいてないから、ときどき無自覚に大ポカをやるんじゃないだろうか。
しかしどの国でも、政府やメディアの隠蔽体質には、本当にガッカリさせられる。
2016年6月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
イギリスがEUを離脱するむねの国民投票の結果を踏まえて、興味本位で購入しました。まだ、本が届いてないので読んでいませんが、この本からEU離脱のヒントがあるかなと?考えています。その為星を付ける事ができません。
見出しだけで考えてほし2つ!
見出しだけで考えてほし2つ!
2012年9月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
悪くはないけど、読み返そうとは思わないって感想です。
あの名著「マネー・ボール」を知っているだけに、期待値が高いから余計にそう思うのかもしれませんが。
良い点としては、読みやすい事です。注釈付きの難解な金融機関用語の洪水で、ストーリーが分からなくなることはありません。
展開は(実質)デフォルトした欧州の小さな3国を訪れ、最後にその借金を肩代わりしたドイツを訪れるという、NHKスペシャル的な構成は非常にいいと思いますが、ただ一つ問題が。それは筆者自身が金融の世界のプロと言ってもいい存在なので、旅する前から既に分かりきっていることを、ただ現地に確認しに行きましたという印象だからです。特に新たな大きな発見や驚きもなく。マネー・ボールは筆者自身が知らない世界で見て聞いたワクワク感が読者にも伝わってきました。それをカバーする為なのか、出会った人物の特徴や各国の国民性を強調し過ぎていた感じです。
TVでもレポーターがつまらなそうでは、番組になりませんし。
あの名著「マネー・ボール」を知っているだけに、期待値が高いから余計にそう思うのかもしれませんが。
良い点としては、読みやすい事です。注釈付きの難解な金融機関用語の洪水で、ストーリーが分からなくなることはありません。
展開は(実質)デフォルトした欧州の小さな3国を訪れ、最後にその借金を肩代わりしたドイツを訪れるという、NHKスペシャル的な構成は非常にいいと思いますが、ただ一つ問題が。それは筆者自身が金融の世界のプロと言ってもいい存在なので、旅する前から既に分かりきっていることを、ただ現地に確認しに行きましたという印象だからです。特に新たな大きな発見や驚きもなく。マネー・ボールは筆者自身が知らない世界で見て聞いたワクワク感が読者にも伝わってきました。それをカバーする為なのか、出会った人物の特徴や各国の国民性を強調し過ぎていた感じです。
TVでもレポーターがつまらなそうでは、番組になりませんし。
2014年11月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
サブプライムローン破綻の前から、まるで庶民がサラ金に誘われるように、
弱小諸国がIMFや欧米金融マフィアから腹いっぱいの借金漬けにされていたことがよーくわかりました。
逆手にとって、払えねえものは払えねえと、けつをまくればいちばんあの連中には応えるでしょう。
弱小諸国がIMFや欧米金融マフィアから腹いっぱいの借金漬けにされていたことがよーくわかりました。
逆手にとって、払えねえものは払えねえと、けつをまくればいちばんあの連中には応えるでしょう。