こんにちは、古舘健です。
人生の原則はトレードオフです。
選択には痛みが伴います。その痛みを超え、選択を行う考え方を本書が教えてくれます。
本書には、著者が行った研究も引用されており、著者がこの研究の第一人者です。
著者によると、選択を行うためには、選択する能力をもち、影響を与える要因に邪魔されないことが必要です。
選択に影響を与える要因とは何でしょうか。
それは、環境（文化的な特性）という外的要因と経験則という内的要因です。
まだ選択をする能力がなくても心配はいりません。
専門家の知恵と集団の知恵を借りればいいからです。
優柔不断で選ぶのが苦手という方にオススメの一冊です。
本書に引用されていたヘレンケラーの名言が刺さった。
「一つの扉が閉じれば、もう一つの扉が開く」
「しかし閉ざされた扉ばかり、いつまでも未練がましく見つめていると、開かれている扉には気づかないことが多いのだ」
以下はメモのために抜粋します。
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P29
わたしたちが「選択」と呼んでいるものは、自分自身や、置かれた環境を、自分の力で変える能力のことだ。選択するためには、まず「自分の力で変えられる」という認識を持たなくてはならない。」
P62
「制約は必ずしも自己決定感を損なわず、思考と行動の自由は必ずしも自己決定感を高めるわけではない。」
P119
「人が自分の人生にどれだけの自己決定感をもっているかは、環境に依存する。つまり、その人がどれだけ個人主義的または集団主義的な環境に身を置いてきたかによって、認識が変わる。だが、この認識は、選択の分配がどうあるべきかという考えにも、大きな影響を及ぼしているのだ。」
P149
「・・・一方でわたしたちは、一貫性のない行動はとりたくないし、一貫性のない人だと思われたくもない。「あなたのことがわからなくなった」と言われるとき、その言葉には、はっきりと否定的な意味合いが込められている。」
P282-3
「・・・限りなく無限に近い選択肢の中から選ばなくてはならないとき、どうすればノイズに気を取られずに、・・・いられるだろう？
一つの方法として、特定の領域での専門知識を養うことが、多すぎる選択肢に対処する手段になる。専門知識があれば、一つひとつの選択肢をより細かい部分まで認識し、別々の分解できない品目としてではなく、さまざまな特性の総体として理解することができる。
それだけではない。人はアイテム全体よりも、それがもつ属性に選好をもつようになることがある。そしてその選好をもとにして大多数の選択肢をすばやく排除し、残りの少数に集中するのだ。」
P371
「・・・選択が人に与える悪影響を軽減する方法が、徐々にわかってきた。その方法とは、選択の幅をさらに広げることではなく、判断の一端を他者に委ねる、あるいは自分の行動に制約を加えることで、選択のプロセスをを自分に有利に変えることだ。」
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