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一朝の夢 (文春文庫 か 54-1) 文庫 – 2011/10/7
梶 よう子
(著)
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- 本の長さ310ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2011/10/7
- 寸法10.7 x 1.2 x 15.2 cm
- ISBN-104167824019
- ISBN-13978-4167824013
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2011/10/7)
- 発売日 : 2011/10/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 310ページ
- ISBN-10 : 4167824019
- ISBN-13 : 978-4167824013
- 寸法 : 10.7 x 1.2 x 15.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 38,648位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 765位文春文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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東京都生まれ。2005年「い草の華」で九州さが大衆文学賞大賞受賞。08年「一朝の夢」で第15回松本清張賞を受賞しデビュー。16年『ヨイ豊』が第154回直木賞候補に。同作で第5回歴史時代作家クラブ賞作品賞受賞。著書に『北斎まんだら』『連鶴』『赤い風』『はしからはしまで みとや・お瑛仕入帖』『お茶壺道中』などがある。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年5月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読んでいてあさがおの花、朝顔其の物が別物の様に思えました。江戸時代の人の物の見方は何やら不思議で楽しくなります。
2011年12月19日に日本でレビュー済み
作品の筋書きは良いと思うが尊皇攘夷と安政の大獄についての説明が不足。
ただ、女性の地位が低く虐げられていた時代だけに、
登場する女性は幸福になった方が読者の読後の余韻が良いと思う。
小学校の理科の時間にしか朝顔を植えたことがない小生の様な読者には、
朝顔の説明が詳細過ぎて読むこと自体に興味を損なう可能性があるのでは?
朝顔の種類の読み方が音読み訓読みさえ分らない。
小生の知識不足とのご批判は甘んじて受けましょう。
冒頭に簡単な朝顔図鑑があれば良かったが....。
時代考証が不十分だが某局大河ドラマも滅茶苦茶なので、
まぁ時代の特性かも知れない。
ただ、女性の地位が低く虐げられていた時代だけに、
登場する女性は幸福になった方が読者の読後の余韻が良いと思う。
小学校の理科の時間にしか朝顔を植えたことがない小生の様な読者には、
朝顔の説明が詳細過ぎて読むこと自体に興味を損なう可能性があるのでは?
朝顔の種類の読み方が音読み訓読みさえ分らない。
小生の知識不足とのご批判は甘んじて受けましょう。
冒頭に簡単な朝顔図鑑があれば良かったが....。
時代考証が不十分だが某局大河ドラマも滅茶苦茶なので、
まぁ時代の特性かも知れない。
2011年11月1日に日本でレビュー済み
全体構想が良く、主人公のキャラクターも魅力的で内面まで好く書けているのだが、およそ「井伊大老」らしくない、著者の創作した井伊直弼が登場したあたりから無理が祟って急にダレて詰らなくなる。
そういう厳しい対立を、何で時代が呼び込む方向に流れたのか、著者が歴史を大きく展望できていないため、後半、いささかストーリーが緊張感に欠けて独りよがりに流れ、安易なこじつけが目立つ。
せっかく面白く出来たプロットなのに、またディテールまで好く書けているのに、著者に「安政の大獄」から「桜田門外の変」にいたる政治史の理解が弱いのと、それと、時代考証が粗っぽくて、だいぶ損をしている。
主人公のキャラを描くことに主眼を置きたいなら、こんな無理な歴史解釈を施す必然はなく、ただ、時代に翻弄された市井の1人の目撃者として主人公を設定すれば十分だったわけだし、もしも、能動的に時代に関わった人間として、これまでにない、著者なりの「井伊大老」像を描きたかったのなら、このような甘っちょろい人間像の「井伊大老」では、読者は納得しないだろう。
まあ、歴史小説というには骨格が細すぎたと言うところ。しかし、時代物ミステリーとしての部分は読み応えのあるものになっている。
そういう厳しい対立を、何で時代が呼び込む方向に流れたのか、著者が歴史を大きく展望できていないため、後半、いささかストーリーが緊張感に欠けて独りよがりに流れ、安易なこじつけが目立つ。
せっかく面白く出来たプロットなのに、またディテールまで好く書けているのに、著者に「安政の大獄」から「桜田門外の変」にいたる政治史の理解が弱いのと、それと、時代考証が粗っぽくて、だいぶ損をしている。
主人公のキャラを描くことに主眼を置きたいなら、こんな無理な歴史解釈を施す必然はなく、ただ、時代に翻弄された市井の1人の目撃者として主人公を設定すれば十分だったわけだし、もしも、能動的に時代に関わった人間として、これまでにない、著者なりの「井伊大老」像を描きたかったのなら、このような甘っちょろい人間像の「井伊大老」では、読者は納得しないだろう。
まあ、歴史小説というには骨格が細すぎたと言うところ。しかし、時代物ミステリーとしての部分は読み応えのあるものになっている。
2008年11月14日に日本でレビュー済み
いけますよ。まず、大老・井伊直弼の桜田門外での暗
殺を山場にし、開国と攘夷の名分をめぐってさまざまな
人々の運命が、明暗を点滅しながら交差する構成が見
事です。また、それぞれの人生をつなぐ仲立ちとして、
朝顔栽培(因みに書名は、白居易の放言詩、槿花一朝
の夢からきています。)の妙味をもってきているのも気が
利いています。
登場人物ひとり一人の陰影も、充分掘り下げられてい
て、井伊(宗観)の奥行きの深さや主人公・興三郎の朝
顔にかける一途さはもちろん、運命に翻弄されたまま果
てる主人公の幼馴染みの里恵の哀れさも印象が深く、
余韻が残りました。
本作は、本年の松本清張賞受賞作となっています。過
去の受賞作をみると、城野隆『一枚摺屋』(2005)、広川
純『一応の推定』(2006)など、秀作が並んでいるではあ
りませんか。こりゃあ、この賞は侮れませんよ。
<付記> 『夢の花、咲く』は3年半ぶりの本書の続編で
す。安政の大地震に朝顔をめぐる賭博など話題が豊富
過ぎて、消化不良の感があります。まさか『赤旗』日曜
版に連載していたせいではないですよね。(2012/03)
殺を山場にし、開国と攘夷の名分をめぐってさまざまな
人々の運命が、明暗を点滅しながら交差する構成が見
事です。また、それぞれの人生をつなぐ仲立ちとして、
朝顔栽培(因みに書名は、白居易の放言詩、槿花一朝
の夢からきています。)の妙味をもってきているのも気が
利いています。
登場人物ひとり一人の陰影も、充分掘り下げられてい
て、井伊(宗観)の奥行きの深さや主人公・興三郎の朝
顔にかける一途さはもちろん、運命に翻弄されたまま果
てる主人公の幼馴染みの里恵の哀れさも印象が深く、
余韻が残りました。
本作は、本年の松本清張賞受賞作となっています。過
去の受賞作をみると、城野隆『一枚摺屋』(2005)、広川
純『一応の推定』(2006)など、秀作が並んでいるではあ
りませんか。こりゃあ、この賞は侮れませんよ。
<付記> 『夢の花、咲く』は3年半ぶりの本書の続編で
す。安政の大地震に朝顔をめぐる賭博など話題が豊富
過ぎて、消化不良の感があります。まさか『赤旗』日曜
版に連載していたせいではないですよね。(2012/03)
2008年8月2日に日本でレビュー済み
一介の同心と大老とのかかわりで多少不自然さは感じるが、アキバ系のユニークな主人公を創造した点は評価ができる。
昔のNHKの大河ドラマ花の生涯のリメークされたもののように感じるが、私だけであろうか!?
今後に期待したい作品である。
昔のNHKの大河ドラマ花の生涯のリメークされたもののように感じるが、私だけであろうか!?
今後に期待したい作品である。
2008年8月10日に日本でレビュー済み
この作品はファンタジーである.黄色の朝顔を作り上げることが一生の夢の北町奉行所同心が主人公で,やはり朝顔狂いの大老井伊直弼と彼の暗殺者が副主人公.長い物語の最後に近く桜田門外の変が起き,副主人公たちは死んでしまう.この暗いクライマックスに続いて黄色の朝顔が生まれるが,この明るいクライマックスについては具体的描写が不足していて,既にエピローグ的な感じである.そして主人公は役を退き失踪してしまう.即ち,終わりがきちんとしていない.一方大老井伊を中心に厖大な史実が投入されるので,読む方は今読んでいる描写が本当の事実か否かが決し切れずやきもきする.読後の感想は朝顔の花に似て,あわれはかない.作者はこれだけの規模の小説の構成法の勉強がいま一つなのではないか.但し,読んでいてつまらないとは思わなかったけれども.