いったいどこからどうやってこの膨大な資料を集めたのか。
その労力に敬意です。
歴史本、という括りで見ると たしかにうまく表現できなくて恐縮ですが、時系列や当時の背景など不透明な部分はあります。
しかし、そもそもは歴史上では隠されてきたジャンル。こうした本が出るだけでも時代の進歩かも。
以前出版されたものの文庫版です。
文庫にしては1000円と少々お値段がしますが、 内容はよくまとめられており、
インターネットで延々と調べるより 時間を節約できることでしょう。
また、今となっては貴重な少年美を追求した写真も掲載されています。
性別とは何か、どう分別するのかから始まり、 偏ったスタートでないことも評価できます。
あくまで男と女に二分した際に同性愛と異性愛が生まれること。
Human、Man、Womanと表されるようにManがそもそもの人種としてのホモセクシュアリティであったことなど、冷静に書かれています。
お遊びで書かれているものではありません。 こちらの世界に興味のある方は一読されて損は無いです。
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ホモセクシャルの世界史 (文春文庫 う 18-3) 文庫 – 2008/8/5
海野 弘
(著)
アレクサンドロス大王、カエサル、ランボーも!? ギリシア・ローマ時代から現代まで、世界史の闇に隠されたホモ・コネクションの姿
- 本の長さ623ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2008/8/5
- ISBN-104167751011
- ISBN-13978-4167751012
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2008/8/5)
- 発売日 : 2008/8/5
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 623ページ
- ISBN-10 : 4167751011
- ISBN-13 : 978-4167751012
- Amazon 売れ筋ランキング: - 388,640位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2007年7月31日に日本でレビュー済み
「世界史」と題された本にもかかわらず、西欧と現代北米のことしか書いていません。(ディアギレフのところで少しだけロシアについて言及しています。)
他からの引用がとても多く、出典が明らかでいいのですが、単なるウケウリ本という気もしなくはありません。
「アメリカのクローゼット・システム」という章に関して言えば、ただのハリウッド・ゴシップです。
他からの引用がとても多く、出典が明らかでいいのですが、単なるウケウリ本という気もしなくはありません。
「アメリカのクローゼット・システム」という章に関して言えば、ただのハリウッド・ゴシップです。
2005年12月15日に日本でレビュー済み
“英雄列伝”を読む感じで、“ホモセクシャル列伝”を読んでいるようなノリの本。
遥か古代ギリシアから、現代にいたるまで、ホモセクシャルと目されたあらゆる有名人が、次々と列挙されていきます。
英雄アキレウス、アレクサンドロス大王、カエサル、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ…。
誰もが一度は耳にしたことのある超有名人が、ことごとくホモセクシャルだったとは、驚くやら呆れるやら。(笑)
おもしろいのは、古代ではホモセクシャルが、当然のこととして受け入れられていたことです。それが宗教や政治的配慮から、迫害の対象となり、中世ではホモセクシャルであることが罪とされ、虐殺に近い処刑まで行われていたというのは、衝撃的でした。
ただ、残念なことに、この本では、その辺りのことについて、あまり深くまで掘り下げて書かれてはいません。ホモセクシャルが世界史で、どういう扱われ方をしていったのか、だいたいの流れをつかむことはできますが、その原因までこの本から読み取るのは難しいです。
“英雄列伝”を読む感じで、“ホモセクシャル列伝”を読むなら、おもしろい読み物だとは思います。
ですが、歴史の“何故”の部分にこだわり、その原因を究明することに魅力を感じる人にとっては、物足りなさを感じることでしょう。
あと、読んでいて困るのは、アレクサンドロス大王やダ・ヴィンチのように教科書級の超有名人だけでなく、英国史やアメリカ史に暗い読者にとっては、「誰これ?」という人が、続々と登場することです。
筆者にとっては当たり前の有名人でも、こっちにとっては知らない人達ばかりで、しかも同時代にいっせいに出てきて、あれこれ動き回るものだから、読んでいるうちに名前がごっちゃになって、誰がどの人かわからなくなることが多々あります。
研究書ではなく一般向けの本なのだから、もう少し歴史に詳しくない人にも読みやすくできていれば良かったです。
遥か古代ギリシアから、現代にいたるまで、ホモセクシャルと目されたあらゆる有名人が、次々と列挙されていきます。
英雄アキレウス、アレクサンドロス大王、カエサル、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ…。
誰もが一度は耳にしたことのある超有名人が、ことごとくホモセクシャルだったとは、驚くやら呆れるやら。(笑)
おもしろいのは、古代ではホモセクシャルが、当然のこととして受け入れられていたことです。それが宗教や政治的配慮から、迫害の対象となり、中世ではホモセクシャルであることが罪とされ、虐殺に近い処刑まで行われていたというのは、衝撃的でした。
ただ、残念なことに、この本では、その辺りのことについて、あまり深くまで掘り下げて書かれてはいません。ホモセクシャルが世界史で、どういう扱われ方をしていったのか、だいたいの流れをつかむことはできますが、その原因までこの本から読み取るのは難しいです。
“英雄列伝”を読む感じで、“ホモセクシャル列伝”を読むなら、おもしろい読み物だとは思います。
ですが、歴史の“何故”の部分にこだわり、その原因を究明することに魅力を感じる人にとっては、物足りなさを感じることでしょう。
あと、読んでいて困るのは、アレクサンドロス大王やダ・ヴィンチのように教科書級の超有名人だけでなく、英国史やアメリカ史に暗い読者にとっては、「誰これ?」という人が、続々と登場することです。
筆者にとっては当たり前の有名人でも、こっちにとっては知らない人達ばかりで、しかも同時代にいっせいに出てきて、あれこれ動き回るものだから、読んでいるうちに名前がごっちゃになって、誰がどの人かわからなくなることが多々あります。
研究書ではなく一般向けの本なのだから、もう少し歴史に詳しくない人にも読みやすくできていれば良かったです。
2013年2月6日に日本でレビュー済み
断片的なホモ史(今作った言葉)の知識がつながっていく感じで、とても面白かった。
しかし、面白い→知った気になってしまうのは怖いので、あんまり信じ込まないように気を付けないと・・・。
丁度プラトンを読み始めた頃に並行してこちらも読み始めたのですが「いかん!海野さんを先に読まないと、
プラトンがわからない!」と思ってこちらを優先しました。やはり、当時の男男事情を少しでも知ってるのと
知ってないのでは、「入り方」が違います。知らないでプラトンを読むと、明らかにホモセクシュアルっぽいのに
訳者や解説者のホモセクシュアルに否定的な言論に引っ張られて、どうも頭の中で収まりが悪いのです。
バレエ・リュスについての言及が多かったのも嬉しい。
著者の圧倒的な知識に圧倒される(なんか馬から落ちて落馬するみたいな文ですが)本です。
しかし・・・。
339ページのニジンスキーの写真、キャプションが「薔薇の精」になってますが、黄金の奴隷ですよ〜。
ということはもう散々言われているであろう。
まさか海野さんが間違えるのか?と手元のバレエ資料さんざんひっくり返しちゃったよ。
しかし、面白い→知った気になってしまうのは怖いので、あんまり信じ込まないように気を付けないと・・・。
丁度プラトンを読み始めた頃に並行してこちらも読み始めたのですが「いかん!海野さんを先に読まないと、
プラトンがわからない!」と思ってこちらを優先しました。やはり、当時の男男事情を少しでも知ってるのと
知ってないのでは、「入り方」が違います。知らないでプラトンを読むと、明らかにホモセクシュアルっぽいのに
訳者や解説者のホモセクシュアルに否定的な言論に引っ張られて、どうも頭の中で収まりが悪いのです。
バレエ・リュスについての言及が多かったのも嬉しい。
著者の圧倒的な知識に圧倒される(なんか馬から落ちて落馬するみたいな文ですが)本です。
しかし・・・。
339ページのニジンスキーの写真、キャプションが「薔薇の精」になってますが、黄金の奴隷ですよ〜。
ということはもう散々言われているであろう。
まさか海野さんが間違えるのか?と手元のバレエ資料さんざんひっくり返しちゃったよ。
2006年6月16日に日本でレビュー済み
ホモセクシャルの世界史(海野弘著 文芸春秋 2005年)という本を一応読破した!
500ページもある本で実に興味深く、読み応えのあるものだったです。
なんか凄いお腹いっぱいって気分になるよ。
古代から現代まで欧米の有名人たちのゲイ資質?ゲイ行動?を
それはもう博学に書いてあるですよ。
アキレウス、ソクラテス、テンプル騎士団、ダヴィンチ、ミケランジェロ、カラヴァッジオ、ルイ13世、シェイクスピア、バイロン、オスカーワイルド、ランボー、コクトー、クラークゲーブル、ケーリーグラント・・・・
俺は少年のころボーイスカウトに入隊してたのだけどね、
その創始者ベーデンパウエル卿は少年好きで、その延長線上に
ボーイスカウトを作ってた。
ボーイスカウトにあるゲイイメージの発信?を納得!!??
その他、次々と・・
そして20世紀の迫害と虐殺の歴史、1970年ころからのゲイリブ運動と読み応えあります。
いい勉強になりました。
興味深い記述に
「なぜ、男は1対1の友情を避けるか?
ホモと思われたくないから、同性愛を恐れるあまり親友も作れない・・・」
やはり、ヘテロだと思っている人にもそれぞれの割合でゲイ性ってものはあるでしょうから、自分の奥底にあるゲイ性に恐れおののいているみたいです。
著者の博覧強記にもびっくりですが、ゲイに向けられた視線がとても優しいです。
500ページもある本で実に興味深く、読み応えのあるものだったです。
なんか凄いお腹いっぱいって気分になるよ。
古代から現代まで欧米の有名人たちのゲイ資質?ゲイ行動?を
それはもう博学に書いてあるですよ。
アキレウス、ソクラテス、テンプル騎士団、ダヴィンチ、ミケランジェロ、カラヴァッジオ、ルイ13世、シェイクスピア、バイロン、オスカーワイルド、ランボー、コクトー、クラークゲーブル、ケーリーグラント・・・・
俺は少年のころボーイスカウトに入隊してたのだけどね、
その創始者ベーデンパウエル卿は少年好きで、その延長線上に
ボーイスカウトを作ってた。
ボーイスカウトにあるゲイイメージの発信?を納得!!??
その他、次々と・・
そして20世紀の迫害と虐殺の歴史、1970年ころからのゲイリブ運動と読み応えあります。
いい勉強になりました。
興味深い記述に
「なぜ、男は1対1の友情を避けるか?
ホモと思われたくないから、同性愛を恐れるあまり親友も作れない・・・」
やはり、ヘテロだと思っている人にもそれぞれの割合でゲイ性ってものはあるでしょうから、自分の奥底にあるゲイ性に恐れおののいているみたいです。
著者の博覧強記にもびっくりですが、ゲイに向けられた視線がとても優しいです。
2007年4月21日に日本でレビュー済み
よくここまで調べ上げたものです。
作者のこのテーマにかける思いが伝わってきます。
読んでいて、「まあこの人もそうだったの」という名前がたくさんでてきて驚きました。
日本の歴史のなかで、同性愛はいわば文化ー衆道ーであり、半モラルという意識がないので、外国人(特にキリスト教徒)に比べ同性愛文化を冷静に分析することができるのかもしれません。海外の人がこういうテーマにとりくんだら、絶対同性愛者だと思われる事でしょう。
「恋人が同性と浮気するのと、異性と浮気するの、どちらが許せない?」と聞いたら、日本人だったら異性と答える人が、外国人だったら圧倒的に同性という人が多いと思います。
日本人の場合「性癖だったら仕方がない」、と引き下がって身をひきますが、外国人の場合「相手の許されざる罪の片鱗を担ぐと事になる、私を裏切った」と相手をののしり、許さないでしょう。そういう点、日本では同性愛に対してかなり寛容だと感じます。
今はカミングアウトする同性愛者も多いですが、弾圧中から今世紀にいたるまで、隠れた文化として社会根付いてきたところを見ると、本人が自覚していなくても同性愛者またはバイセクシャルな人、深層心理の中で同性に惹かれている人は多いでしょうね。
できれば、この本のなかで、何故、同性愛というのがここまで裏文化として根付いていたのかをもっと分析してほしかったように思うのですが。(そうじゃなきゃ女性の立場がないので)
作者のこのテーマにかける思いが伝わってきます。
読んでいて、「まあこの人もそうだったの」という名前がたくさんでてきて驚きました。
日本の歴史のなかで、同性愛はいわば文化ー衆道ーであり、半モラルという意識がないので、外国人(特にキリスト教徒)に比べ同性愛文化を冷静に分析することができるのかもしれません。海外の人がこういうテーマにとりくんだら、絶対同性愛者だと思われる事でしょう。
「恋人が同性と浮気するのと、異性と浮気するの、どちらが許せない?」と聞いたら、日本人だったら異性と答える人が、外国人だったら圧倒的に同性という人が多いと思います。
日本人の場合「性癖だったら仕方がない」、と引き下がって身をひきますが、外国人の場合「相手の許されざる罪の片鱗を担ぐと事になる、私を裏切った」と相手をののしり、許さないでしょう。そういう点、日本では同性愛に対してかなり寛容だと感じます。
今はカミングアウトする同性愛者も多いですが、弾圧中から今世紀にいたるまで、隠れた文化として社会根付いてきたところを見ると、本人が自覚していなくても同性愛者またはバイセクシャルな人、深層心理の中で同性に惹かれている人は多いでしょうね。
できれば、この本のなかで、何故、同性愛というのがここまで裏文化として根付いていたのかをもっと分析してほしかったように思うのですが。(そうじゃなきゃ女性の立場がないので)
2005年8月19日に日本でレビュー済み
ホモセクシャル関連の著名人の人名事典といった方がいいかもしれません。「世界史」と範囲が広いので内容的には、それ程濃くはありません。
私は、画家カラヴァッジオが表紙に使われていたのも購入の理由の1つだった為、カラヴァッジオ自体の記述が少ないのと、「ホモセクシャルの世界史」という割には定義があいまいなのが残念です。
私は、画家カラヴァッジオが表紙に使われていたのも購入の理由の1つだった為、カラヴァッジオ自体の記述が少ないのと、「ホモセクシャルの世界史」という割には定義があいまいなのが残念です。