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昭和天皇 第一部 日露戦争と乃木希典の死 (文春文庫 ふ 12-8) 文庫 – 2011/2/10
福田 和也
(著)
さびしき「彼の人」の相貌を通して激動の歴史全体を描かんとする壮大な試み。近代日本の核心をえぐる著者のライフワークが文庫化
- 本の長さ326ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2011/2/10
- ISBN-104167593084
- ISBN-13978-4167593087
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2011/2/10)
- 発売日 : 2011/2/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 326ページ
- ISBN-10 : 4167593084
- ISBN-13 : 978-4167593087
- Amazon 売れ筋ランキング: - 321,949位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4,196位文春文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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1960(昭和35)年東京生まれ。文芸評論家。慶應義塾大学環境情報学部教授。慶應義塾大学文学部仏文科卒。同大学院修士課程修了。1993年『日本の家郷』で三島由紀夫賞、2002年『地ひらく』で山本七平賞受賞。著書に『日本の近代(上・下)』『昭和天皇』など多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年10月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
単純に一つの歴史のテーマを絞ると拡がりがないし、明治を描く場合に坂の上の雲があり、あれは、天気晴朗なれども、の伝聞を打つ場所に行ったとき本当に鳥肌が立ちました。小説として急がず着実に、(もしあるなら)簡単なダイジェストに頼らずに(しかしあまりに難解なら使えるとも思います作者の意図を置き去りにしているのも意味ないので)ともかく一行おろそかにせず生活に溶け込ませつつ読み継ぐと、鳥肌が起きます。(名作ならば)一種の精神の得る一瞬の天上音楽みたいな。福田先生は作家の値うち以来のファンで、今にしたら違うだろと思う評定も多いのですが、あれをやれるというのは、自分が変なもの書いたらどうなるか明らかで、だから根性あると本当に思います。栗本薫先生が大喜びしていて、あ、かなり影響を与えた評価本なんだなと思いました。地ひらくなどの本から思いましたが、歴史の書き手としては平均点。という感じです。いつも思うのですが適切な評価を下せる人は自分の作品内でも熱を忘れがち、正宗白鳥先生も、評論は良いけども小説はちょっと。という感じで、頭がちょっとおかしい人の作品の方が面白いのでは。と。読んでないですけども、作者が営業妨害だと怒った今は亡き船戸与一先生、あそこまで酷いなら何故あれほど人気があるのか。読んでる人が面白いと思うからだ、破綻してても面白いものは数知れず、そう言えば山本弘先生も全方位的な評論家の小説ですね。なんとなく読んでて後ろに控えて冷静で居られるという。ただこちらを気がおかしくさせるハラハラが質が高いかというと別にそうでもない。いろいろなのですが、半藤一利先生の同種のものを読んだことを思い出します。人の書いたのは色々苦労と理由がありただそれを忘れて部分部分に怒ってしまうのですが、そんなのは過去の人の苦労あっての思考の至りなのですが、思うのは、日本間違ってたで別に良いのですが(負けたし)ただ、向こうさんの戦略とか思惑とか陰謀とかも無論あり、ちょっと昔の昭和の歴史本は、日本だけが空回りで虚しい空転を続けていた式の書き方が気になる。恐らくこちらのやり方が全部間違えていても、勝つときは勝つ。山本元帥が飛行機の出発をずらしたり、アメリカさんにスパイされていてもたまたま元帥が病気になってたらあの段階では死ななかった訳だし。偶然でもある日本だけが腐った国だから負けた訳でも無い。保証が欲しいから核兵器などを作るわけだし。日本はバカでも勝てた。何かの符号では。その意味で比較的若いからか、内容は平均点だけど、福田先生はムカつかない。昭和天皇という括りで周辺事態を色々書き出すのはよくあり、安定のことだと思う。子供の頃の話とかとても面白いです。昭和史を描くのに一人の人間を使うとしたら、好適です。本人は気の毒だけど、もともとこの世界に長く生きようとしたら自由ある人間は居ないので、みな同じかと。天皇様は当時は今と比較にならないくらい敬われていたけど、恐らく天皇様の一言では戦争は絶対止まらない。恐ら変な病気にされてく弟が摂政で戦争してたと思います。本当に面白いですけど、福田先生はエッセイの方が腕あります。本当、平均点です。
2011年4月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昭和天皇は1901年4月29日に生まれた。
チャーチル、ルーズベルト、スターリンなどは二十年も年が違う。マッカーサーは21歳だった。将介石は13歳である。著者は、こうして昭和天皇が生まれた時期に、後に戦争を通じて合いまみえる列強の指導者となるべき人物がなにをしていたかを対比させて、昭和天皇誕生の時代を浮き彫りにしようと試みている。
1904年に日露戦争が始まったことを考えると、昭和天皇の少年時代が、いかに日本の勃興期と重なったかがよくわかるのである。したがって本書には西郷隆盛、大久保利通、大山巌などの幕末の英雄たちも登場するのである。
昭和天皇は、偉大なる大帝、明治天皇の孫ではあるが、口も利いてもらえる存在ではなかった。父親、大正天皇は病弱であり、その摂政を若くして勤めねばならなかった。
こうして、若き皇太子(昭和天皇)の意志とは関係なく、周囲の人物は動き、結婚問題、海外外遊問題と重大事は続々と流れていく。
本書は1921年、若き摂生の宮が外遊に出発するところで終わっている。
これから、波乱の生涯を送る昭和天皇の誕生から外遊までの、「かの人」(著者は昭和天皇をこう呼んでいる)を巡る人間の絡み合い、世界情勢をまず浮き彫りにして、今後の一大叙事詩の幕開けを大いに期待させる第一巻である。
気がついてみれば、今日は偶々昭和天皇の誕生日であった。
チャーチル、ルーズベルト、スターリンなどは二十年も年が違う。マッカーサーは21歳だった。将介石は13歳である。著者は、こうして昭和天皇が生まれた時期に、後に戦争を通じて合いまみえる列強の指導者となるべき人物がなにをしていたかを対比させて、昭和天皇誕生の時代を浮き彫りにしようと試みている。
1904年に日露戦争が始まったことを考えると、昭和天皇の少年時代が、いかに日本の勃興期と重なったかがよくわかるのである。したがって本書には西郷隆盛、大久保利通、大山巌などの幕末の英雄たちも登場するのである。
昭和天皇は、偉大なる大帝、明治天皇の孫ではあるが、口も利いてもらえる存在ではなかった。父親、大正天皇は病弱であり、その摂政を若くして勤めねばならなかった。
こうして、若き皇太子(昭和天皇)の意志とは関係なく、周囲の人物は動き、結婚問題、海外外遊問題と重大事は続々と流れていく。
本書は1921年、若き摂生の宮が外遊に出発するところで終わっている。
これから、波乱の生涯を送る昭和天皇の誕生から外遊までの、「かの人」(著者は昭和天皇をこう呼んでいる)を巡る人間の絡み合い、世界情勢をまず浮き彫りにして、今後の一大叙事詩の幕開けを大いに期待させる第一巻である。
気がついてみれば、今日は偶々昭和天皇の誕生日であった。
2012年12月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
品揃えも発送、品質も良かったので、とても気に入りました。また購入したいです。
2011年7月27日に日本でレビュー済み
日本近現代史とか昭和史は数多く読んできましたが、不思議と
昭和天皇そのひとの生涯を紹介した本は読んだことはありません
でした。私の学生時代の今上天皇だった訳で「歴史の人」と
いう認識ではなかったからかもしれません。
さて本編。イントロは殉死する直前の乃木将軍との対面。
そして時代はさかのぼり、明治34年(1901年)の生誕から、
幼少期を描いていきます。
同時代の世界情勢(うまれてすぐ日露戦争)、社会情勢(米騒動など)
を昭和天皇の年齢を通してみるという過程が私にとっては新鮮で
近現代史が一気に近く感じられました。
また、明治、大正両天皇、各皇后、皇太后をはじめ、幼少期の裕仁を
とりまく人物がとても個性的に描かれ、一気に引き込まれます。
そして何より印象的だったのが、子供のころからすでに「君子の
素養」を感じさせる言動が目立ったこと。
かなり好意的に書いているとはいえ、私のなかで新たな昭和天皇像が
現われてきたように思います。
豊富な史料に基づいて重層的に物語を重ねる筆者の力量も素晴らしい。
超長編のようですが、先が期待できる第1巻です。
昭和天皇そのひとの生涯を紹介した本は読んだことはありません
でした。私の学生時代の今上天皇だった訳で「歴史の人」と
いう認識ではなかったからかもしれません。
さて本編。イントロは殉死する直前の乃木将軍との対面。
そして時代はさかのぼり、明治34年(1901年)の生誕から、
幼少期を描いていきます。
同時代の世界情勢(うまれてすぐ日露戦争)、社会情勢(米騒動など)
を昭和天皇の年齢を通してみるという過程が私にとっては新鮮で
近現代史が一気に近く感じられました。
また、明治、大正両天皇、各皇后、皇太后をはじめ、幼少期の裕仁を
とりまく人物がとても個性的に描かれ、一気に引き込まれます。
そして何より印象的だったのが、子供のころからすでに「君子の
素養」を感じさせる言動が目立ったこと。
かなり好意的に書いているとはいえ、私のなかで新たな昭和天皇像が
現われてきたように思います。
豊富な史料に基づいて重層的に物語を重ねる筆者の力量も素晴らしい。
超長編のようですが、先が期待できる第1巻です。
2011年2月15日に日本でレビュー済み
司馬遼太郎の向こうを張って昭和史を再構築する著者の到達点。
なるほど昭和は息苦しい。
明治維新のような夢もなければ、龍馬や西郷のような絵になるカリスマもいない。
財政の逼迫、列強の極東戦略、軍部の台頭と専横、官僚政治の硬直化、普通選挙と政党政治が生んだ世論というモンスター。
司馬遼太郎もついに昭和を描かなかった。NHKのドラマにも登場しない。歴史ドラマをみれば、まるで明治維新から戦後日本が生まれたようである。もちろんそれは事実ではない。どれほど陰鬱な時代であろうと、私たちを生んだのは昭和のほかにない。
子供が厳しい親より優しい祖父母を慕うように、昭和を忌み明治へ過剰なロマンを抱くことで、私たちは昭和の重圧から逃げていないだろうか。
日本人が自らの来し方を見つめる時、逃げては通れない道を、著者は歩もうとしている。
そして、あの息苦しい時代から逃げることを許されず国の歴史の中心で耐え続けたのは、昭和天皇を置いて誰がいるだろう。著者はその人を、震えるような共感を持って描く。
なるほど昭和は息苦しい。
明治維新のような夢もなければ、龍馬や西郷のような絵になるカリスマもいない。
財政の逼迫、列強の極東戦略、軍部の台頭と専横、官僚政治の硬直化、普通選挙と政党政治が生んだ世論というモンスター。
司馬遼太郎もついに昭和を描かなかった。NHKのドラマにも登場しない。歴史ドラマをみれば、まるで明治維新から戦後日本が生まれたようである。もちろんそれは事実ではない。どれほど陰鬱な時代であろうと、私たちを生んだのは昭和のほかにない。
子供が厳しい親より優しい祖父母を慕うように、昭和を忌み明治へ過剰なロマンを抱くことで、私たちは昭和の重圧から逃げていないだろうか。
日本人が自らの来し方を見つめる時、逃げては通れない道を、著者は歩もうとしている。
そして、あの息苦しい時代から逃げることを許されず国の歴史の中心で耐え続けたのは、昭和天皇を置いて誰がいるだろう。著者はその人を、震えるような共感を持って描く。
2011年12月28日に日本でレビュー済み
昭和天皇を巡る時勢を、国内外の人間模様を縦横に配置しながら
印象深く語る作品は、類書もなく非常に感銘を受けた。
ただし、本作では昭和天皇を「彼の人」と表現するのだが、一方
で「裕仁天皇」と表現する場面もあり、一体「彼の人」と表現す
ることでどういう効果を期待しているのかが分からない。それが一
番違和感として残る。
昭和天皇への敬慕が一層深まる作品であるのは間違いない。
印象深く語る作品は、類書もなく非常に感銘を受けた。
ただし、本作では昭和天皇を「彼の人」と表現するのだが、一方
で「裕仁天皇」と表現する場面もあり、一体「彼の人」と表現す
ることでどういう効果を期待しているのかが分からない。それが一
番違和感として残る。
昭和天皇への敬慕が一層深まる作品であるのは間違いない。
2010年6月3日に日本でレビュー済み
昭和天皇の幼少期を、明治期の英雄の存在を中心に描いた作品。
日本の近代史を彩る、綺羅星のごとき英傑が次々と登場する。
この本に出てくる人材の活躍を知って学ぶだけでも
十分に知的好奇心が満たされるだろう。
もっと凄いのは、昭和天皇が「迪宮」と呼ばれ
皇太子ですらなかった時に
乃木希典を父親替わりに人選したことの素晴らしさだ。
「三つ子の魂百まで」とはよく言ったものだと思う。
重厚で読み応えがあるという意味で、
決して容易に読める内容ではないけれど
時間をかけてでも読み切る価値があると思う。
日本の近代史を彩る、綺羅星のごとき英傑が次々と登場する。
この本に出てくる人材の活躍を知って学ぶだけでも
十分に知的好奇心が満たされるだろう。
もっと凄いのは、昭和天皇が「迪宮」と呼ばれ
皇太子ですらなかった時に
乃木希典を父親替わりに人選したことの素晴らしさだ。
「三つ子の魂百まで」とはよく言ったものだと思う。
重厚で読み応えがあるという意味で、
決して容易に読める内容ではないけれど
時間をかけてでも読み切る価値があると思う。
2008年11月13日に日本でレビュー済み
ご誕生から欧州外遊決定までの昭和天皇を描いた第一巻。
しかし、明治帝をはじめ学習院院長としてご養育にあたった乃木将軍ほか、
山県、大久保、伊藤など周囲の人びとの人物像を描く方に紙数を多く費やしている。
国家の中枢にいた人びとを著者の鋭い視線で深く掘り下げた結果、明治大正
という時代が見事に浮き彫りにされ、面白く読める本となった。
著者のこれまでの仕事の集大成となるのだろうか。
いずれにせよ、広く読んでいただきたい、恰好の明治大正近代史だと思う。
しかし、明治帝をはじめ学習院院長としてご養育にあたった乃木将軍ほか、
山県、大久保、伊藤など周囲の人びとの人物像を描く方に紙数を多く費やしている。
国家の中枢にいた人びとを著者の鋭い視線で深く掘り下げた結果、明治大正
という時代が見事に浮き彫りにされ、面白く読める本となった。
著者のこれまでの仕事の集大成となるのだろうか。
いずれにせよ、広く読んでいただきたい、恰好の明治大正近代史だと思う。