サブタイトルで「実験室で宇宙を創造する」となっていますがこの言い回しがミソですね。
実験室でこんなレシピを用意して、お道具をこのな感じで使っちぇば、ほ〜ら宇宙が出来ちゃいますよ〜、簡単でしょう。と、レイチェルさん風ではありますがそんな内容ではありません。私的にはSF小説を読んで出てくる用語で宇宙物理学やインフレーション、さらには相対性理論、量子物理学など興味を持ち始めた人にオススメな内容だと思います。まず文章が柔らかくてとても読みやすいと思います。そして何と言っても各分野のオーソリティの貴重なインタビューが満載でこれだけでもこの本の価値は充分にあります、ノーベル賞級のビッグネームが次から次えと出てくるので、マジかよこの著者一体何者?と思っちゃいました。
サブタイトルで宇宙を創造となっているのでどちらかと言うと方法論の解説的な内容なので、第1章から7章目当たりまではインタビューも混じえて宇宙物理学やインフレーション等の解説になりますが、宇宙を作っちゃうのが前提にあるので普通の解説書と趣きが異なりそれはそれで面白いです。またお道具のLHCの危険性が騒がれた時の対応や、じゃ実際に宇宙が作れちゃったら今いる宇宙はどうなっちゃうのと言う事が書かれていて興味深かったです。
後半ではこの宇宙は量子コンピュータで我々は仮想現実に存在するキャラでなないか、それが証拠にシュミレーションゲームでは主流のプレイヤーが関与していないシーンではコンピュータの処理を軽減するため簡素化が行われているが、これが量子の観測するまでその存在が確定できない性質と同じなのでそう考えるのが自然だろうという興味深い説もちゃんと書かれています。
でも中心は宗教観や倫理観からのお話になります、私的にはそんなん気にしてたら前に進めねぇ〜よ的な考えですが、まあまあ色々関係方面からの軋轢があるのかな、ふう〜ん、て感じで一気に読んでいたら唐突に終わってしまった感じです。
まあ、この本のお話はYoutubeでもけっこう紹介動画が有りますが再確認に読まれればけっこうやっぱし〜とか、あのビックネームもこんな事、真剣に考えている事が判明して楽しかったですよ。
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ユニバース2.0 実験室で宇宙を創造する 単行本 – 2019/7/26
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購入オプションとあわせ買い
●宇宙の謎は、宇宙を作って解き明かす●
この宇宙はいかにして誕生したのか?
アインシュタイン以降、世界中の宇宙物理学者がその難問に挑んできた。
相対性理論、量子論、ビッグバン理論……。
それらすべてを駆使して、「宇宙論の三大問題」を軒並み解決する
「インフレーション理論」が誕生し、宇宙の起源を巡る旅は大きな進歩を遂げた。
だが、そのとき、思わぬ研究の扉が開いた。
「これまでの知識を組み合わせれば、人間自ら宇宙を作り出すことも可能では?」
その研究に先鋭的な科学者たちが引き寄せられ、
やがて一人の日本人研究者が、最後のピースを埋めた――。
【目次】
■第一章 ビッグバンの残像という手がかり
人間の手で宇宙を創造し、宇宙誕生の謎を解き明かす。そんな研究に取り組む科学者た
ちがいる。だがそれが本当に可能なら、この宇宙もまた、何者かによって作られた可能
性があるのでは? その答えは「宇宙マイクロ波背景放射」の中にあるかもしれない。
■第二章 空間と時間を取り去っても、そこには量子が残る
十九世紀に確立された古典物理学に対し、〝不確定性〟という反旗を翻した量子力学の
世界。一個の光子が二つのスリットを同時にすり抜け、「量子トンネル効果」で物体が
瞬間移動する。実験室で宇宙を作るには、量子の世界が持つそんな奇妙な力が必要だ。
■第三章 何が宇宙を膨張させたのか?
宇宙は誕生直後に激烈な膨張を始め、光速を超える速さで空間を広げたとする「インフ
レーション理論」は、宇宙論の三大問題を軒並み解決し、研究者に衝撃を与えた。その
提唱者グースが目をつけたのは、「過冷却」と「偽の真空」というアイディアだった。
■第四章 新インフレーション理論の幕開け
グースのインフレーション理論にはある欠陥があった。このモデルには初期宇宙を指数
関数的に膨張させたインフレーションを終わらせる方法がないという問題だ。いち早く
その欠陥に気づいたリンデは、宇宙を小さく分割するという発想でその難問に挑んだ。
■第五章 宇宙のはじまりは「無」だったのか?
ソ連で生まれ育ったビレンキンが発表した論文は、時空も物質もない「無の世界」から
でも宇宙が生まれうることを示す驚くべき内容だった。さらに彼は、この宇宙は無数の
泡のひとつにすぎず、唯一の存在ではないと論じた。それはいったいどういうことか?
■第六章 粒子加速器で生まれ、ワームホールでつながる
「無」から宇宙が作れるのであれば、「有」から作ることはいよいよ現実的になる。大型
ハドロン衝突型加速器の中でなら、それが可能かもしれない。だが、この宇宙の内部に、
急速に膨張する新たな宇宙を創造しても、わたしたちは無事でいられるのだろうか?
■第七章 ひも理
この宇宙はいかにして誕生したのか?
アインシュタイン以降、世界中の宇宙物理学者がその難問に挑んできた。
相対性理論、量子論、ビッグバン理論……。
それらすべてを駆使して、「宇宙論の三大問題」を軒並み解決する
「インフレーション理論」が誕生し、宇宙の起源を巡る旅は大きな進歩を遂げた。
だが、そのとき、思わぬ研究の扉が開いた。
「これまでの知識を組み合わせれば、人間自ら宇宙を作り出すことも可能では?」
その研究に先鋭的な科学者たちが引き寄せられ、
やがて一人の日本人研究者が、最後のピースを埋めた――。
【目次】
■第一章 ビッグバンの残像という手がかり
人間の手で宇宙を創造し、宇宙誕生の謎を解き明かす。そんな研究に取り組む科学者た
ちがいる。だがそれが本当に可能なら、この宇宙もまた、何者かによって作られた可能
性があるのでは? その答えは「宇宙マイクロ波背景放射」の中にあるかもしれない。
■第二章 空間と時間を取り去っても、そこには量子が残る
十九世紀に確立された古典物理学に対し、〝不確定性〟という反旗を翻した量子力学の
世界。一個の光子が二つのスリットを同時にすり抜け、「量子トンネル効果」で物体が
瞬間移動する。実験室で宇宙を作るには、量子の世界が持つそんな奇妙な力が必要だ。
■第三章 何が宇宙を膨張させたのか?
宇宙は誕生直後に激烈な膨張を始め、光速を超える速さで空間を広げたとする「インフ
レーション理論」は、宇宙論の三大問題を軒並み解決し、研究者に衝撃を与えた。その
提唱者グースが目をつけたのは、「過冷却」と「偽の真空」というアイディアだった。
■第四章 新インフレーション理論の幕開け
グースのインフレーション理論にはある欠陥があった。このモデルには初期宇宙を指数
関数的に膨張させたインフレーションを終わらせる方法がないという問題だ。いち早く
その欠陥に気づいたリンデは、宇宙を小さく分割するという発想でその難問に挑んだ。
■第五章 宇宙のはじまりは「無」だったのか?
ソ連で生まれ育ったビレンキンが発表した論文は、時空も物質もない「無の世界」から
でも宇宙が生まれうることを示す驚くべき内容だった。さらに彼は、この宇宙は無数の
泡のひとつにすぎず、唯一の存在ではないと論じた。それはいったいどういうことか?
■第六章 粒子加速器で生まれ、ワームホールでつながる
「無」から宇宙が作れるのであれば、「有」から作ることはいよいよ現実的になる。大型
ハドロン衝突型加速器の中でなら、それが可能かもしれない。だが、この宇宙の内部に、
急速に膨張する新たな宇宙を創造しても、わたしたちは無事でいられるのだろうか?
■第七章 ひも理
- 本の長さ400ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2019/7/26
- 寸法13.9 x 2.6 x 19.5 cm
- ISBN-104163910654
- ISBN-13978-4163910659
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2019/7/26)
- 発売日 : 2019/7/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 400ページ
- ISBN-10 : 4163910654
- ISBN-13 : 978-4163910659
- 寸法 : 13.9 x 2.6 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 133,644位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 55位量子物理学
- - 121位理論天文学
- - 221位宇宙学・天文学(一般)関連書籍
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2019年12月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2020年7月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
物理学の博士号を持つサイエンスライターの著者が、実験室で宇宙を創造するというアイデアが生まれて現状にいたるまでを、関連する10人程度の物理学者にインタビューして回るという構成である。
アイデアは突飛なようでいて、それほど突飛ではない。
というのも、本書でもその紹介に大部分が費やされているインフレーション理論は、次のようなものだからだ。
我々の住むこの宇宙の始まりには「場」があった。
この「場」には何もないのではなく、常に気まぐれに一対の粒子が現れては消える。
一対の粒子はプラスとマイナスで構成されており、ぶつかれば消滅する。
このうちの1つの粒子が量子のトンネル効果によって、「偽の真空」に送り込まれると、そこから突然インフレーションが始まり、やがてそれはエネルギーが安定した「真の真空」に至って、インフレーションは終了する。
インフレーションでの宇宙の膨張は、光速を超えるものとされているが、これは光速を何物も超えることができないとされるアインシュタインの相対性理論とは矛盾しない。
相対性理論は、この宇宙の中での物質の移動に関する法則であって、この時空そのものの拡張には適用されないからである。
ではなぜ、我々の宇宙は、このような物理法則に支配されているのか。
物理的なパラメーターがほんのわずかでも違えば、この宇宙は飛び散ってしまったり、すぐさま収縮に転じたりするし、物質も生じなかった可能性がある。
この宇宙に物質が生まれ、人類が誕生していることを、神の采配を抜きにして説明可能にするのが、マルチユニバース理論である。
マルチユニバース理論では、上述したような宇宙の始まり(粒子が無から誕生し、トンネル効果によってビッグバン→インフレーション)は無数に起こっているとされる。
つまり、宇宙は無数に誕生しているし、さまざまなパラメーター(物理法則)がそれらの宇宙を支配していると考えられる。
無数のありうべきパラメーターの内、このパラメーターの宇宙に物質が誕生し、生命が誕生し、人類が誕生したというに過ぎない。
これは、「弱い人間理論」として説明される。
世の中には「強い人間理論」を主張する物理学者も、少数ではあるが存在する。
それは、人がある選択をするごとに平行宇宙が分岐するという考え方である。
例えば、ぼくが今日ゴルフをしようか、雨でやめておこうかと悩んだとする。
その時点で、ゴルフをする世界と、ゴルフをしない世界が分岐して、どちらも存在するという理論である。
この理論はもちろん、マルチユニバースと同様に実験や観察によって確認することができないのだが、思考実験としてもバカバカしいのは、次のように考えてみればすぐにわかるとぼくなどでも気づく。
ゴルフに行くか行かないか、というような選択だけではなく、人は瞬間瞬間に選択をしている。
その都度、世界が分岐していたら、おそらく時間の最小単位(秒ではなくはるかに小さい不可分とされる時間単位)ごとに分岐することになるだろうし、それが70数億人分ということになる。
しかも、そのように分岐するのは人間の選択だけなのか?
類人猿の段階ではどうか?
犬ではどうか?
単細胞生物やウィルスが何らかの選択をする場合にも分岐するのか?
となると、もはや理論としても収拾がつかなくなるのではないか、とぼくなどは思うしかないのである。
実は、このあたりの人間理論とそれへの疑問は、20~30年ほど前からホーキングや佐藤文隆をはじめ素人向けの解説書などを読むことでイメージできていたと思う。
この本によって驚いたということはなく、再確認に近いものであった。
それはともかく、本書は宇宙が粒子がトンネル効果を経てインフレーションで誕生するとすれば、実験室でも宇宙を創造することは可能ではないかと考えている物理学者を紹介している。
そして、どうやらそれは実際にはまだ不可能だが、理論的には可能らしいのであるが、そうだとすると、ひょっとすると我々の宇宙もどこかの実験室で創造されたものであるかもしれない、と彼らは想像を膨らませる。
(この辺のアイデアは、すでに1960年代に光瀬 龍が『百億の昼と千億の夜』で先駆けてSFに書いている)
さらに、また別の物理学者は、我々の宇宙が(我々自身も)巨大コンピューターによるシミュレーションである可能性も否定できないと考えている(そんなアイデアが、『リング』だか『らせん』だかにも使われていたようなw)。
というわけで、この宇宙に関するイメージの再確認にはなったのであるが、実験室での宇宙の創造や、シミュレーションの世界に我々が生きている可能性という点については、大して面白くなかったというのが正直な感想である。
アイデアは突飛なようでいて、それほど突飛ではない。
というのも、本書でもその紹介に大部分が費やされているインフレーション理論は、次のようなものだからだ。
我々の住むこの宇宙の始まりには「場」があった。
この「場」には何もないのではなく、常に気まぐれに一対の粒子が現れては消える。
一対の粒子はプラスとマイナスで構成されており、ぶつかれば消滅する。
このうちの1つの粒子が量子のトンネル効果によって、「偽の真空」に送り込まれると、そこから突然インフレーションが始まり、やがてそれはエネルギーが安定した「真の真空」に至って、インフレーションは終了する。
インフレーションでの宇宙の膨張は、光速を超えるものとされているが、これは光速を何物も超えることができないとされるアインシュタインの相対性理論とは矛盾しない。
相対性理論は、この宇宙の中での物質の移動に関する法則であって、この時空そのものの拡張には適用されないからである。
ではなぜ、我々の宇宙は、このような物理法則に支配されているのか。
物理的なパラメーターがほんのわずかでも違えば、この宇宙は飛び散ってしまったり、すぐさま収縮に転じたりするし、物質も生じなかった可能性がある。
この宇宙に物質が生まれ、人類が誕生していることを、神の采配を抜きにして説明可能にするのが、マルチユニバース理論である。
マルチユニバース理論では、上述したような宇宙の始まり(粒子が無から誕生し、トンネル効果によってビッグバン→インフレーション)は無数に起こっているとされる。
つまり、宇宙は無数に誕生しているし、さまざまなパラメーター(物理法則)がそれらの宇宙を支配していると考えられる。
無数のありうべきパラメーターの内、このパラメーターの宇宙に物質が誕生し、生命が誕生し、人類が誕生したというに過ぎない。
これは、「弱い人間理論」として説明される。
世の中には「強い人間理論」を主張する物理学者も、少数ではあるが存在する。
それは、人がある選択をするごとに平行宇宙が分岐するという考え方である。
例えば、ぼくが今日ゴルフをしようか、雨でやめておこうかと悩んだとする。
その時点で、ゴルフをする世界と、ゴルフをしない世界が分岐して、どちらも存在するという理論である。
この理論はもちろん、マルチユニバースと同様に実験や観察によって確認することができないのだが、思考実験としてもバカバカしいのは、次のように考えてみればすぐにわかるとぼくなどでも気づく。
ゴルフに行くか行かないか、というような選択だけではなく、人は瞬間瞬間に選択をしている。
その都度、世界が分岐していたら、おそらく時間の最小単位(秒ではなくはるかに小さい不可分とされる時間単位)ごとに分岐することになるだろうし、それが70数億人分ということになる。
しかも、そのように分岐するのは人間の選択だけなのか?
類人猿の段階ではどうか?
犬ではどうか?
単細胞生物やウィルスが何らかの選択をする場合にも分岐するのか?
となると、もはや理論としても収拾がつかなくなるのではないか、とぼくなどは思うしかないのである。
実は、このあたりの人間理論とそれへの疑問は、20~30年ほど前からホーキングや佐藤文隆をはじめ素人向けの解説書などを読むことでイメージできていたと思う。
この本によって驚いたということはなく、再確認に近いものであった。
それはともかく、本書は宇宙が粒子がトンネル効果を経てインフレーションで誕生するとすれば、実験室でも宇宙を創造することは可能ではないかと考えている物理学者を紹介している。
そして、どうやらそれは実際にはまだ不可能だが、理論的には可能らしいのであるが、そうだとすると、ひょっとすると我々の宇宙もどこかの実験室で創造されたものであるかもしれない、と彼らは想像を膨らませる。
(この辺のアイデアは、すでに1960年代に光瀬 龍が『百億の昼と千億の夜』で先駆けてSFに書いている)
さらに、また別の物理学者は、我々の宇宙が(我々自身も)巨大コンピューターによるシミュレーションである可能性も否定できないと考えている(そんなアイデアが、『リング』だか『らせん』だかにも使われていたようなw)。
というわけで、この宇宙に関するイメージの再確認にはなったのであるが、実験室での宇宙の創造や、シミュレーションの世界に我々が生きている可能性という点については、大して面白くなかったというのが正直な感想である。
2019年10月30日に日本でレビュー済み
今年7月に発刊された「ユニバース2.0」を読みました。副題には「実験室で宇宙を創造する」とありトンデモ本かと思わせますがそうではありません。
原題は A BIG BANG IN A LITTLE ROOM: The Quest to Create New Universe です。
著者のメラリは宇宙論の博士号を持つジャーナリストです。ポスドクの不安定な地位を嫌って研究者にはならなかったのです。
世界で活躍する宇宙論の最先端研究者にインタビューし、宇宙を創造する研究がどのような状況にあるのかをまとめた本です。彼らが何を考えてどのようなことをしているのかが分かり易く書かれています。
インフレーション理論にもいくつかあり、インフレーション理論が作られた経緯、ブラックホール、ひも理論など最先端宇宙論での話題は多く、ダークマターとダークエネルギーーの謎はまだまだ解けないようです。
LHCでの大出力衝突実験がブラックホールを作るかも知れないとして実験阻止の訴訟まで起こされたことも納得できます。
第一章には相対論の説明もあり、「アインシュタインの生涯最高の発見」についても分かり易く説明し、「重力と加速度は等価なのである」と明確に述べています。
「重力は力でなく加速度である」ことはニュートン力学においても正しておくべき認識だと思います。
http://www7b.biglobe.ne.jp/~pasad…/blog1gravity/kieteiru.htm
原題は A BIG BANG IN A LITTLE ROOM: The Quest to Create New Universe です。
著者のメラリは宇宙論の博士号を持つジャーナリストです。ポスドクの不安定な地位を嫌って研究者にはならなかったのです。
世界で活躍する宇宙論の最先端研究者にインタビューし、宇宙を創造する研究がどのような状況にあるのかをまとめた本です。彼らが何を考えてどのようなことをしているのかが分かり易く書かれています。
インフレーション理論にもいくつかあり、インフレーション理論が作られた経緯、ブラックホール、ひも理論など最先端宇宙論での話題は多く、ダークマターとダークエネルギーーの謎はまだまだ解けないようです。
LHCでの大出力衝突実験がブラックホールを作るかも知れないとして実験阻止の訴訟まで起こされたことも納得できます。
第一章には相対論の説明もあり、「アインシュタインの生涯最高の発見」についても分かり易く説明し、「重力と加速度は等価なのである」と明確に述べています。
「重力は力でなく加速度である」ことはニュートン力学においても正しておくべき認識だと思います。
http://www7b.biglobe.ne.jp/~pasad…/blog1gravity/kieteiru.htm
2019年8月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
実験室で宇宙を創造する、という副題にひかれて購入しました。前半は丹念な取材による魅力的な話題が多く十分楽しめたのですが、後半の人間理論に関する考察が主題になってきたあたりからなんだか哲学的になってきて、そこはもう少しさらっと解説していただけたほうが私にとっては良かったかなと思います。