「村上春樹を読む午後」というタイトルが、いかにも村上春樹的で、興味を持って読みました。
湯川豊と小山鉄郎の対談形式で作られていて、そこにコラムをはさむという構成も悪くないと思いました。
読んでみての第一印象は、とにかくまじめーだ、ということ。
春樹さんらしい余裕や遊びやユーモア感覚が全くないですね。
ひたすら真面目に二人で語る。
いや、確かに村上春樹の作品は、基本的にはシリアスで奥が深いということは分かります。
だからと言って、そんなに眉根に皺を寄せたような対談を延々としなくてもいいじゃないかと。
対談中二人は1回も笑わなかったのじゃないかと言う感じなのです。
いかにシリアスな世界や感覚を語るにしろ、対談なら猶更、もう少し楽しくやればいいのに、と思う。
この本の最大の欠点は、これを読んで、語られる春樹作品を再読してみよう、という気がおこらないことです。
辛気くさすぎます。
これでは村上春樹氏もいくら熱心に読んでもらっても、本意ではないのではないでしょうか。
とは言うものの中には、確かに、私などが気に留めずに読んでいた事柄に対して、そういうこともあったのか、と気付かされる思いがした箇所もありました。 そういういわば深読み部分で感心することもあったのですが、いかにせん、繰り返しますが、面白くない。
「まえがき(湯川)」も「あとがき(小山)」も、一体どこまで真面目なんだとあきれるほど。
すこしはまえがき、あとがき、の名手村上春樹に学んだらと思いましたねぇ。
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村上春樹を読む午後 単行本 – 2014/11/21
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村上文学の真髄を徹底して掘り下げる
村上春樹文学について日本で最も造詣が深い二人が作品を精密に読み直す。目からうろこが落ちること必至。楽しいコラム、書誌的年譜もついています。
村上春樹文学について日本で最も造詣が深い二人が作品を精密に読み直す。目からうろこが落ちること必至。楽しいコラム、書誌的年譜もついています。
- 本の長さ277ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2014/11/21
- ISBN-104163900802
- ISBN-13978-4163900803
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2014/11/21)
- 発売日 : 2014/11/21
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 277ページ
- ISBN-10 : 4163900802
- ISBN-13 : 978-4163900803
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,169,027位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 133,268位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2014年11月22日に日本でレビュー済み
村上春樹の本を読むことと、村上春樹についての本を読むことは、当たり前ながら全く違う
体験である。当たり前の話であるが、ではなぜ当たり前なのかと考え始めるとこれは案外頭の体操になる。
本書で村上春樹を読んでいるのは著者達のお二人である。このお二人は村上春樹自身にもインタビュー
した経験や、以前に村上春樹特集を作ったことがあるという。
一方、僕は、村上春樹の本を30年前から読んできた古いファンであるものの、村上ご本人と
会ったことはない。敢えていうなら、少年カフカの投稿で村上春樹から返事を貰えた幸せな体験がある
程度だ。従い、僕と著者お二人の間にはそもそもの知識・知見の差がある。どうしょうもないほど。
そんなお二人が読みこむ内容はどうか。正直に言うと、読みこみすぎであるという印象を強く受けた。
深読みを試みた結果、いささかトリビアに走っている部分もあるのではないだろうか。例えば白川静の
影響が村上にあるのではないかというような指摘は、面白いのだが、説得的ではない。こじつけではないか
と思わざるをえない。もちろん、こじつけをさせる村上春樹のオーラがそこにあるのかもしれないが、
村上を素直に読もうとしている読者をミスリードする危険性も感じる。
ということで、最後に思ったのは、やはり村上の作品自体に帰るしかないということだ。
本を読む読み方は一人一人違うわけだし、自分にとっての村上は自分の読み方を通じてでしか
理解出来ない。人に読んでもらうわけにもいかない。そう強く認識できたのは、これは本書のおかげ
である。
体験である。当たり前の話であるが、ではなぜ当たり前なのかと考え始めるとこれは案外頭の体操になる。
本書で村上春樹を読んでいるのは著者達のお二人である。このお二人は村上春樹自身にもインタビュー
した経験や、以前に村上春樹特集を作ったことがあるという。
一方、僕は、村上春樹の本を30年前から読んできた古いファンであるものの、村上ご本人と
会ったことはない。敢えていうなら、少年カフカの投稿で村上春樹から返事を貰えた幸せな体験がある
程度だ。従い、僕と著者お二人の間にはそもそもの知識・知見の差がある。どうしょうもないほど。
そんなお二人が読みこむ内容はどうか。正直に言うと、読みこみすぎであるという印象を強く受けた。
深読みを試みた結果、いささかトリビアに走っている部分もあるのではないだろうか。例えば白川静の
影響が村上にあるのではないかというような指摘は、面白いのだが、説得的ではない。こじつけではないか
と思わざるをえない。もちろん、こじつけをさせる村上春樹のオーラがそこにあるのかもしれないが、
村上を素直に読もうとしている読者をミスリードする危険性も感じる。
ということで、最後に思ったのは、やはり村上の作品自体に帰るしかないということだ。
本を読む読み方は一人一人違うわけだし、自分にとっての村上は自分の読み方を通じてでしか
理解出来ない。人に読んでもらうわけにもいかない。そう強く認識できたのは、これは本書のおかげ
である。
2015年6月30日に日本でレビュー済み
「村上春樹を読む」案内本は数ある中で、この本は湯川豊と小山鉄郎の両氏の対談形式で村上春樹のこれまでの小説を語るというもの。読後感は感性の違いなのか、薄っぺらな春樹論対談本という感じである。
・ノルウェイの森の解釈では「レイコさんは直子さんのお化けなんですよ。直子の霊魂なんですよ。(中略)レイコさん、つまりお化けとなった直子と四回、すごい気持ちのいいセックスをするわけです。やっぱり生きるには霊が必要であり、ときにはそれと交わることがある。僕はレイコさんは「霊魂」の「霊」、レイコンのレイコだと思う。(後略)」P29、→こんな調子である。交わるのは肉体であり、「霊」にもすごい気持ちのいいセックスが必要なのか? (笑)
・「(前略)村上春樹はツインターボで書くのが得意な作家ですよね。一つの世界と、その反対の世界を書く。一人の女性を書くと、またタイプの違う別の女性が登場して展開していく。(後略)」P34、→これをツインターボというらしい。(笑)
・「1Q84」の「BOOK3は1、2の刊行より前から書き始められていたのではないかと考えられます。(後略)」P98、→そうなのか、私はそんなふうには思わなかったが。(笑)
・「1Q84」では「僕はこれを読みながら、奇妙なことに日中戦争から太平洋戦争に至る戦争の歴史をずっと考えていました。(後略)」P98、→私はそんなことは考えなかったが。(笑)
・「(前略)僕は天吾とふかえりは、実は兄妹だと考えているのですが、そうすると天吾とふかえりが性的に交わる場面も近親相姦です。(後略)」P124、→すごいこと考えて読んでますね。(笑)
対談では、「1Q84」のBOOK4があるのではないか、とあるが私もBOOK4がないと中途半端の未完のようには感じている。コラムには、「1Q84」全体が「大菩薩峠」に深く関係しているのではないかと書いているが、それよりも深く関係があると思える「失われた時を求めて」については語られていない。私は「1Q84」とは、青豆と天吾のまさに「失われた時を求めて」という物語ではないかと考えているのだが……、後半は短編について。しかし、この感性の違いはなんなのか……、(笑)
・ノルウェイの森の解釈では「レイコさんは直子さんのお化けなんですよ。直子の霊魂なんですよ。(中略)レイコさん、つまりお化けとなった直子と四回、すごい気持ちのいいセックスをするわけです。やっぱり生きるには霊が必要であり、ときにはそれと交わることがある。僕はレイコさんは「霊魂」の「霊」、レイコンのレイコだと思う。(後略)」P29、→こんな調子である。交わるのは肉体であり、「霊」にもすごい気持ちのいいセックスが必要なのか? (笑)
・「(前略)村上春樹はツインターボで書くのが得意な作家ですよね。一つの世界と、その反対の世界を書く。一人の女性を書くと、またタイプの違う別の女性が登場して展開していく。(後略)」P34、→これをツインターボというらしい。(笑)
・「1Q84」の「BOOK3は1、2の刊行より前から書き始められていたのではないかと考えられます。(後略)」P98、→そうなのか、私はそんなふうには思わなかったが。(笑)
・「1Q84」では「僕はこれを読みながら、奇妙なことに日中戦争から太平洋戦争に至る戦争の歴史をずっと考えていました。(後略)」P98、→私はそんなことは考えなかったが。(笑)
・「(前略)僕は天吾とふかえりは、実は兄妹だと考えているのですが、そうすると天吾とふかえりが性的に交わる場面も近親相姦です。(後略)」P124、→すごいこと考えて読んでますね。(笑)
対談では、「1Q84」のBOOK4があるのではないか、とあるが私もBOOK4がないと中途半端の未完のようには感じている。コラムには、「1Q84」全体が「大菩薩峠」に深く関係しているのではないかと書いているが、それよりも深く関係があると思える「失われた時を求めて」については語られていない。私は「1Q84」とは、青豆と天吾のまさに「失われた時を求めて」という物語ではないかと考えているのだが……、後半は短編について。しかし、この感性の違いはなんなのか……、(笑)