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月の光 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) ハードカバー – 2020/3/18
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【収録作品】
おやすみなさい、メランコリー/夏笳
晋陽の雪/張冉
壊れた星/糖匪
潜水艇/韓松
サリンジャーと朝鮮人/韓松
さかさまの空/程婧波
金色昔日/宝樹
正月列車/郝景芳
ほら吹きロボット/飛氘
月の光/劉慈欣
宇宙の果てのレストラン――臘八粥/吴霜
始皇帝の休日/馬伯庸
鏡/顧適
ブレインボックス/王侃瑜
開光/陳楸帆
未来病史/陳楸帆
エッセイ/王侃瑜、宋明煒、飛氘
- 本の長さ512ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2020/3/18
- 寸法10.67 x 2.54 x 18.29 cm
- ISBN-104153350478
- ISBN-13978-4153350472
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商品の説明
著者について
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2020/3/18)
- 発売日 : 2020/3/18
- 言語 : 日本語
- ハードカバー : 512ページ
- ISBN-10 : 4153350478
- ISBN-13 : 978-4153350472
- 寸法 : 10.67 x 2.54 x 18.29 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 411,165位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,143位SF・ホラー・ファンタジー (本)
- カスタマーレビュー:
著者について

SF翻訳家、書評家、アンソロジスト。
1961年2月2日、高知県高知市生まれ。高知市立追手前小学校、土佐中・高等学校を経て、京都大学文学部文学研究科卒(英語アメリカ文学専攻)。
1986年、マリオン・ジマー・ブラッドリー『惑星救出計画』でSF翻訳者デビュー。訳書は、バリントン・J・ベイリー『時間衝突』『ロボットの魂』(以上、創元SF文庫)、P・K・ディック『ザップ・ガン』、コニー・ウィリス『ドゥームズデイ・ブック』『航路』など約100冊。共訳書に劉慈欣『三体』三部作、『円』『球状閃電』『超新星紀元』、『カート・ヴォネガット全短篇』全4巻(以上、早川書房)など。
編訳書に、シオドア・スタージョン『不思議のひと触れ』『輝く断片』(河出文庫)、コニー・ウィリス『最後のウィネベーゴ』(河出書房新社)、『マーブル・アーチの風』、(早川書房)など。
スタージョン「ニュースの時間です」、テッド・チャン「商人と錬金術師の門」、劉慈欣「流浪地球」(共訳)の翻訳により、第36回、第40回、第54回星雲賞海外短編部門を受賞。ベイリー『時間衝突』、劉慈欣『三体』『三体Ⅱ 黒暗森林』で星雲賞海外長編部門受賞。
〈小説奇想天外〉の翻訳SF時評「海外SF問題相談室」を皮切りに、各紙誌にコラム・書評を連載。〈本の雑誌〉新刊SF時評は1990年から(二度の中断をはさみ)継続中。
2004年3月に豊崎由美との共著『文学賞メッタ斬り!』を刊行。
2008年からアンソロジストとしても活動。創元SF文庫『年刊日本SF傑作選』(日下三蔵と共編)とその後継の『ベストSF』(竹書房文庫)、『不思議の扉』(角川文庫)の各シリーズや、『ゼロ年代日本SFベスト集成』全2巻、『時間SF傑作選 ここがウィネトカなら、きみはジュディ』などのSFアンソロジーを編纂。責任編集の河出文庫『NOVA 書き下ろし日本SFコレクション』全10巻で、第34回日本SF大賞特別賞、第45回星雲賞自由部門受賞。
著書に『20世紀SF1000』、『新編 SF翻訳講座』、『50代からのアイドル入門』、『現代SF観光局』など。
1995年4月に開設したウェブサイト(http://www.asahi-net.or.jp/~KX3M-AB/)の日記は、その一部が、『狂乱西葛西日記20世紀remix SF&ミステリ業界ワルモノ交遊録』にまとめられている。
ツイッターのアカウント(@nzm)は、http://twitter.com/nzm/
日本推理作家協会、本格ミステリ作家クラブ、日本SF作家クラブ会員。「ゲンロン 大森望 SF創作講座」主任講師。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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そんな中、新たな中国SFアンソロジー『月の光』が刊行された。これは2018年に刊行された中国SFアンソロジー『折りたたみ北京』の第2弾となるアンソロジーであり、『折りたたみ北京』と同様、ケン・リュウが編訳している。『折りたたみ北京』では中国SFのお披露目的ショウケイス作品が編集されていたが、この『月の光』では劉慈欣、陳楸帆、日本でも短編集が刊行された郝景芳らの作品が並び、前回よりもグレードの高さを感じさせる。
ところで「序文」でケン・リュウが書いているのだが、このアンソロジーは「中国SFの代表的な作品を集めるという意図はないこと、つまり、いわゆるベスト選集を編もうとしたのではない」といったことがあらかじめ告げられている。網羅的なものではなく私的に楽しめたものを優先した、ということなのらしい。これはケン・リュウのアンソロジストとしての矜持ということなのだろうが、それにより個性的な作品が並ぶことになったように思う(とはいえ、中国SFに飢えている者としては、網羅的なアンソロジーも同時に期待したい)。全体的に、様々な才能を一冊に凝縮させた『折りたたみ北京』と比べると、バラエティの幅広さを感じさせるアンソロジーになっているように感じた。
作品を紹介しよう。
まず冒頭、AI人格とアラン・チューリングの半生とを並列しながら描いた夏笳『おやすみなさい、メランコリー」でガツンとやられた。「穿越小説」、いわゆるタイムトラベルを導入した歴史のifを描く張冉『晋陽の雪』はいつまでも読んでいたいと思わせる楽しさに満ち溢れていた。
糖匪『壊れた星』はサイコ・フィクションとでもいうべき作品か。韓松『潜水艇』『サリンジャーと朝鮮人』は皮肉な文明批判が冴える。程婧波『さかさまの空』はポエティックなファンタジー作品だった。
宝樹『金色昔日』は文革や天安門事件も含む中国近代史を根底とした重量級のSF作品だ。物語の骨子は時代に翻弄される男女のラブストーリーだが、挿入されるSFアイデアがそれを単なるメロドラマにしていない。しかしこれ、初出は英訳だというが、中国でも出版できたのだろうか。今回のアンソロジーの中でも最も読み応えのあった作品の一つだ。
郝景芳『正月列車』は可笑し味に溢れたショート・ショート、飛氘『ほら吹きロボット』はレムやカルヴィーノの思わせる諧謔的な寓話だ。
そして劉慈欣『月の光』。幾つものSFアイディアを惜しげも無くつぎ込み、ただしドラマとしては単に携帯電話を掛けているだけ、というこの構成は良くも悪くも劉慈欣らしい。しかし十分脂の乗った作家が描いた勢いのある作品だと言える。
吴霜『宇宙の果てのレストラン――臘八粥』もファンタジックな味わいのある寓話。馬伯庸『始皇帝の休日』は始皇帝とビデオゲームを合体させたスラップスティック作。PCゲームファンならラストで爆笑だろう。顧適『鏡』は叙述的実験性を伺わせる作品。王侃瑜『ブレインボックス』はテクノロジーによりあからさまになる感情の残酷さが描かれる。
さて陳楸帆だ。『開光』はSNSを題材としてテクノロジーの生む皮肉な顛末を描くが、陳楸帆らしい高密度な情報量がSF的な醍醐味を大いに感じさせる。一方『未来病史』は架空の病症を羅列しながら異様な未来像を提示する。陳楸帆は現在中国SFでも最も先端を突っ走っている作家だと思うけどな。
最後は王侃瑜、宋明煒、飛氘らによる中国SF史の片鱗を伝えるエッセイ。
SF作家の懐の深さを覚える。どれもじっくりと味わいたいものばかりだった。
前作よりも良い意味で妙な振れ幅があり、転生無双やら偉大な北の国による治世やらが描かれる。
秀逸で抒情あふれる物語が多い中、個人的にPCゲームオタクの始皇帝を描いた「始皇帝の休日」に完全にやられてしまった。始皇帝がシヴィライゼーションにはまったりシムズにブチ切れたりする。たったの9ページ内にこれでもかとネタを詰めまくり、オチも最高というとんでもない小品。
なおこの作品、折りたたみ北京でディストピアものの「沈黙都市」が掲載されていた馬伯庸の短編。作品の幅広いっすね…。
わざわざ「中国」のSFを読むとして思うのは、政治体制に対する恐怖であろう。説明されていない理由はともかく、近代の政治体制は破壊的に予見できない形で変わったことがストーリの中心であるものが多い。現実社会では、ある破壊的な体制が異なる破壊的な体制に変わる。その破壊的な体制に対する恐怖が底にある。外資系に会社の中でも、特に中国人に中国の政治に関して質問してはならない と言われていあたがその理由がわかる。もしかしたら日本人だけが、偶然その流れに無いのかもしれない。
SFが1990年代から全盛と聞いて思うのは、SF全盛 => 10年 => テクノロジビジネス満開という流れだ。日本は、1970年代前半全盛 => 1980年代テクノロジ全開の流れだった。今、どこか新しい地域で開花していないだろうか。
アメリカは、サイバーパンク=>ネットワークバブル、パルプマガジン=> 1960-70年代のアポロの時代??
第2弾の本書では、上に書いたような共通要素はかなり失せ、それぞれの作家の個性の違いが明確にわかります。そして、そのどれもが面白い!
例えば、SF的背景がなければちょっと古風な恋愛ものでしかない、と思われた作品が、それだけではなくもう一捻りあった、というように、「折りたたみ北京」よりもSFらしい捻りがより増した作品ばかりに思えます。
ケン・リュウは前書きで、ベストな作品でなく好きな作品を集めたと書いていますが、ベストにこだわらなくてもこんなに面白いのは、中国SFの豊穣を称えるべきなのか、アンソロジスト、ケン・リュウのセンスを称えるべきなのか...何れにしても「折りたたみ北京」よりもさらに面白く完成度も高いアンソロジーとなっているのです。
翻訳と編纂作業で作家ケン・リュウが多忙になりすぎて作品が読めなくなってしまわない程度に、このアンソロジーシリーズを続けて行ってほしいものです。