
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
ブラックアウト (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 新書 – 2012/8/8
- 本の長さ768ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2012/8/8
- ISBN-104153350052
- ISBN-13978-4153350052
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2012/8/8)
- 発売日 : 2012/8/8
- 言語 : 日本語
- 新書 : 768ページ
- ISBN-10 : 4153350052
- ISBN-13 : 978-4153350052
- Amazon 売れ筋ランキング: - 928,821位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 61,266位新書
- カスタマーレビュー:
著者について
SF翻訳家、書評家、アンソロジスト。
1961年2月2日、高知県高知市生まれ。高知市立追手前小学校、土佐中・高等学校を経て、京都大学文学部文学研究科卒(英語アメリカ文学専攻)。
1986年、マリオン・ジマー・ブラッドリー『惑星救出計画』でSF翻訳者デビュー。訳書は、バリントン・J・ベイリー『時間衝突』『ロボットの魂』(以上、創元SF文庫)、P・K・ディック『ザップ・ガン』、コニー・ウィリス『ドゥームズデイ・ブック』『航路』など約100冊。共訳書に劉慈欣『三体』三部作、『円』『球状閃電』『超新星紀元』、『カート・ヴォネガット全短篇』全4巻(以上、早川書房)など。
編訳書に、シオドア・スタージョン『不思議のひと触れ』『輝く断片』(河出文庫)、コニー・ウィリス『最後のウィネベーゴ』(河出書房新社)、『マーブル・アーチの風』、(早川書房)など。
スタージョン「ニュースの時間です」、テッド・チャン「商人と錬金術師の門」、劉慈欣「流浪地球」(共訳)の翻訳により、第36回、第40回、第54回星雲賞海外短編部門を受賞。ベイリー『時間衝突』、劉慈欣『三体』『三体Ⅱ 黒暗森林』で星雲賞海外長編部門受賞。
〈小説奇想天外〉の翻訳SF時評「海外SF問題相談室」を皮切りに、各紙誌にコラム・書評を連載。〈本の雑誌〉新刊SF時評は1990年から(二度の中断をはさみ)継続中。
2004年3月に豊崎由美との共著『文学賞メッタ斬り!』を刊行。
2008年からアンソロジストとしても活動。創元SF文庫『年刊日本SF傑作選』(日下三蔵と共編)とその後継の『ベストSF』(竹書房文庫)、『不思議の扉』(角川文庫)の各シリーズや、『ゼロ年代日本SFベスト集成』全2巻、『時間SF傑作選 ここがウィネトカなら、きみはジュディ』などのSFアンソロジーを編纂。責任編集の河出文庫『NOVA 書き下ろし日本SFコレクション』全10巻で、第34回日本SF大賞特別賞、第45回星雲賞自由部門受賞。
著書に『20世紀SF1000』、『新編 SF翻訳講座』、『50代からのアイドル入門』、『現代SF観光局』など。
1995年4月に開設したウェブサイト(http://www.asahi-net.or.jp/~KX3M-AB/)の日記は、その一部が、『狂乱西葛西日記20世紀remix SF&ミステリ業界ワルモノ交遊録』にまとめられている。
ツイッターのアカウント(@nzm)は、http://twitter.com/nzm/
日本推理作家協会、本格ミステリ作家クラブ、日本SF作家クラブ会員。「ゲンロン 大森望 SF創作講座」主任講師。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2日間、何も手に着かなかった。8年がかりで執筆という大作の上巻。あまりに早く読んでしまっては作者に申し訳ないし、もったいないと思いつつ、なにしろ他のことが何もできないので、一気に読んだ。
前作・黒死病のさなかへ赴いてしまう「ドゥームズデイブック」もそうだか、この「ブラックアウト」でも第二次大戦下のイギリスに生きる庶民の姿が心を打つ。デパートの包装のしかたから下宿屋のまかない事情まで、ディテールに凝りまくった描写と、個性的な「時代人」たち。
あらためて、いくつもの大戦やテロで命を奪われた人々はこういう人々だったのだと思い、それは私だったと思う。
これほどにコニー・ウイリスに惹かれるのは、彼女の愛があるからこそ、と。
上と下を貫く大きな謎は、なぜネットが開かないのか?現代のオックスフォードに何か起こったのか?そして、マイクが一人の兵士を救ったことにより、歴史を変えてしまったのか?ーーという謎であろう。
しかし、この厚さのハヤカワ銀背表紙は辛い。ページを無理に開けようとしたら、数ページ落剥してしまった。たとえコストが上がっても、ハードカバーで出してもらいたかったーーが。そうしたら、「ブラックアウト」だけで上下2巻になっちゃうか。全部あわせて4冊・・は、無理ですね。
来年4月の「オールクリア」が待ち遠しいというよりも、ほとんど拷問だ。
それまで生きていたいなあと思わせる作品。
タイムトラベルに関してのなにか新説のよう
な思考実験を予測したのですが、そういう小
説ではありませんでした。ひたすらバトルオ
ブブリテンの時代、防戦を余儀なくされた第
二次大戦英独戦争の緒戦の英国内の描写が続
きます。歴史小説の一種という感じです。
SFを数多く読んでいる人にはタイムトラベル
という俗にある設定を使ったSF風味の冒険小
説という感を持たれるとしても致し方ないと
ころでしょう。
しかしよく描けていて楽しめます。
イギリス人風の愛国趣味にいささか辟易。
日本は戦争に負けたけれどもそれによって国
民の戦争を見る目が複雑になっている、正義
と悪の闘いというような単純な見方ができな
い、戦争や愛国心の清らかさを疑うようになっ
た、それはけっこう貴重なんではないかなと、
この本を読んでいて思いました。
(このあと続編に連合国側が行った無差別都
市爆撃・焼夷弾攻撃が出てくるのでしょうか?
たぶん出てこないのでは。)
恋愛は予想させるけれどもセックスは無い
など、昔の少女漫画的な雰囲気を持っていて、
早川のこの作者のシリーズの表紙の絵の感じ
は実に良くリサーチをしていると気付きました。
今回は第二次大戦下のイギリス。男子学生一人と女子学生二人が1940年に降下するが、いずれも降下地点が使えなくなり回収チームの到来を待たねばならない事になるが、何故か回収チームが来る気配が無くて・・・
冒頭で降下チームの一人ポリーに熱を上げている高校生のコリンが何か企んでいる様子だったのが、おそらく伏線。ラストに登場した第四の降下者がそうだろう。過去で何年か過ごしてポリーと釣り合う年齢になろうと画策したのだろうが、回収チームが来ていないのは彼が何かやらかして新しい降下地点が開かなくなったのではないだろうか。それにしてもポリーは何気に自己中心的。一方のメロピーとマイクルは他者に対して結構献身的。
子供たちも良い。特に悪ガキ連中は生き生きして魅力的。但し、こいつらの親や教師の立場にはなりたくない。
なお、1944年に男子二人、1945年に女子一人、何やら活動しているので、この連中が回収チームなのではないだろうか。すると、その辺りの年代まで新しい降下地点を開けなかったと云う事か。
続きの「オール・クリア」が気になる。
が、読み終わってみると「大長編」という感じはしない。物語の時間経過は5年程度だが、ほとんどは1940年から41年にかけての1年ほどが舞台となる。物語が凝縮しているのだ。なによりますます磨きがかかってきたコニー・ウィリスならではの怒濤の展開に時間を忘れて読みふけったせいでもある。
バトル・オブ・ブリテンは歴史の転換点のひとつだ。
アメリカが参戦しなければ、ダンケルク撤退が失敗すれば、ノルマンディー上陸が成功しなければ、空襲とV1、V2の飛来にロンドン市民が屈服したら・・・。ヨーロッパは、世界は今のようではなかったかもしれない。その名も「バトル・オブ・ブリテン」という防空線を描いたイギリス映画があって、こればなんとも勇ましく痛快な話だったが、実情はこの小説に近いものだったようだ。英国民は「ドイツ軍上陸」を本気で心配していた。
時間旅行が実現した未来から、3人の若者が歴史研究のためバトル・オブ・ブリテンにやってくる。危険はあるが、切り抜ける力を持った経験豊富な3人は、しかし原因不明の事態で時間に囚われてしまう。3人の主人公たちは力を合わせ、さまざまな困難と試練を乗り越えて死にものぐるいで自分の世界に帰ろうと苦闘する。彼らは無事帰還できるのか。あるいはこの時代に取り残されてしまうのか。彼らの行動が歴史を変容させ、第二次大戦の結果を変えることになるのか。
9.11に触発されて書き始めたという。物語は戦時下の人々と否応なく関わっていく3人を通して、戦争を生きる市民の姿を描き出していく。爆弾やV1、V2が降り注ぐ中を逃げ惑いながらもそれに耐え、立ち向かっていく人々。作者にはあの日のニューヨークと重ね会う風景に見えているのだろうか。
ブッラクアウト(空襲警報)で防空壕に逃げ込んだ人々はオールクリア(警報解除)によって、ある人はデパート売り場に戻り、ある人は芝居のリハーサルのために劇場に帰る。戦争の中にも日常はあり、爆撃機のエンジン音を聞き分けられるくらいには冷静になる。あるいはただ、慣れてしまうのだろうか。
リアルに過ぎて、抽象性はまるでなく、知の興奮はない。
「航路」を超える作品を期待したが、それは得られなかった。
とにかく長いのと、複数の時代/場所で行動する主人公たちの物語が入れ替わり立ち代わり描かれるので、時々、この人って前にも出てたっけ?とか、この場所って誰がいたんだっけ?というのがふとわからなくなったりするのですが、Kindle版では単語で検索できるので便利ですね。また、夜中にブラックアウトを読み終えても、オールクリアを買ってダウンロードしたら読み進むことができたのも便利でした。
とにかく、ブラックアウトの段階では謎の多い展開。オールクリアを読み進めるのが楽しみです。
なぜ評価が高いのかわからない。
中身は、いつもの作者らしく、こってり無理無理設定の連続で、おまけに情景描写が、長々と続く所を、一気に読ませてくれる。これだけだらだら書いておいて、緊張感を崩さず読ませる所が、やっぱり凄い。その中でも、空襲に対する、恐怖、緊張、悲しみ、ショック状態、子供たちの悲惨さなど、当時の心を、細やかに伝えてくれる。わが父も、こういう下に、居たんだと、感慨一入。
主人公は、3人と書いてあるけど、準主人公含むと、どうも、5〜6人が、2次大戦のブラックアウト下を、異なる時間軸を持ちながら駆け巡る様子。良く破綻しないものだと、感心。(尤も、破綻していても、当方は気が付かないと思うが・・・)
兎も角、早く続きを見たい。出版社様、翻訳者様、何卒、早めのご対応を・・・