電子版を購入していましたので、幾度も読み返しています。一般的な生活を送っていると、全く感じることのない感覚……
空気や文化や気候が数時間毎に変化する生活、地図以外には国境がなく、人の生活と水の深い関わりや、遥か下に見える地上のグラデーションの変化……
何をとっても想像が膨らみます。
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グッド・フライト、グッド・ナイト パイロットが誘う最高の空旅 (ハヤカワ文庫NF) 文庫 – 2018/12/20
マーク・ヴァンホーナッカー
(著),
岡本由香子
(翻訳)
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購入オプションとあわせ買い
《ニューヨーク・タイムズ》ベストセラー、《エコノミスト》年間ベスト・ブック
現役パイロットが誘う、空の秘密を明かす旅
空の向こうは、信じられないほど感動に満ちている──
高度3万フィートから見下ろす地球の絶景、精緻さとダイナミックさを併せ持つジェット機の神秘、地上とは全く異なるルールで動いている上空の世界、同じように空で働き、空を愛する同僚たちとの邂逅…… ボーイング747を操縦して世界中を飛び回る現役パイロットが空と飛行機について語り尽くす、極上のエッセイ。解説/眞鍋かをり
「サン=テグジュペリ『夜間飛行』以来の名作」 ──コンデナスト・トラベラー誌
「空旅がいかに神秘と魅力に満ちているかをあらためて教えてくれる」 ──ニューヨーク・タイムズ誌
「科学者の脳と詩人の心で書かれた本」 ──ニューヨーカー誌
「読んだらきっと、窓側の席をリクエストせずにいられない」──ブックセラー誌
現役パイロットが誘う、空の秘密を明かす旅
空の向こうは、信じられないほど感動に満ちている──
高度3万フィートから見下ろす地球の絶景、精緻さとダイナミックさを併せ持つジェット機の神秘、地上とは全く異なるルールで動いている上空の世界、同じように空で働き、空を愛する同僚たちとの邂逅…… ボーイング747を操縦して世界中を飛び回る現役パイロットが空と飛行機について語り尽くす、極上のエッセイ。解説/眞鍋かをり
「サン=テグジュペリ『夜間飛行』以来の名作」 ──コンデナスト・トラベラー誌
「空旅がいかに神秘と魅力に満ちているかをあらためて教えてくれる」 ──ニューヨーク・タイムズ誌
「科学者の脳と詩人の心で書かれた本」 ──ニューヨーカー誌
「読んだらきっと、窓側の席をリクエストせずにいられない」──ブックセラー誌
- 本の長さ400ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2018/12/20
- 寸法10.7 x 1.6 x 15.8 cm
- ISBN-104150505349
- ISBN-13978-4150505349
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2018/12/20)
- 発売日 : 2018/12/20
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 400ページ
- ISBN-10 : 4150505349
- ISBN-13 : 978-4150505349
- 寸法 : 10.7 x 1.6 x 15.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 343,900位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 267位ハヤカワ文庫 NF
- - 53,595位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年10月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2016年3月13日に日本でレビュー済み
米マサチューセッツ州生まれの、ブリティッシュ・エアウェイズでボーイング747を操縦する現役のパイロットが、空を飛ぶことの魅力を語り尽した作品。
原書『Skyfaring:A Journey with a Pilot』は2015年6月に出版され、A New York Times Notable Book of 2015、An Economist Bestseller and Best Book of 2015、A Wall Street Journal Best Book of 2015、BBC Radio Book of the Week、A Bloomberg Best Book of 2015などの高評価を受け、サン=テグジュペリの『夜間飛行』以来の名作と記す書評もある。
著者は、当初エアバスで短中距離フライトに携わった後、2007年からボーイング747で中長距離フライトを担当し、ロンドンを拠点に、欧州・中東・北アフリカの各都市、東京、ニューヨーク、シンガポール、ハワイ、ケープタウン、シドニー、デリー、リオデジャネイロ、香港、サンフランシスコ、バンコクなど世界各地に飛んでおり、本書でもそうした地名が随所に登場して旅情をそそられるが、本書の魅力はむしろ別のところにある。
それは、本書の、1.Lift(持ちあげる、あがる、高まる)、2.Place(場所、空間、住所)、3.Wayfinding(進む方向を決めること)、4.Machine(機械、装置、仕組み)、5.Air(空気、大気、無)、6.Water(水、海、川)、7.Encounters(出会い、遭遇)、8.Night(夜、闇)、9.Return(帰る、戻る、復帰する)という章立てに示されるように、パイロットとして航空機を操る楽しさ、地球上を短時間で移動することの驚き、航空機のメカニックの神秘、地上と異なったルールの支配する空の王国の面白さなどが、縦横無尽に語られているところである。そして、それが、ときに詩的なロマンティックな表現で、また、ときに科学的なロジカルな説明で描かれているところに、更に引き込まれるのである。
著者が航空機に魅せられたのは、13歳のときに自宅近くの国際空港で、中東から来た旅客機を見たときで、そのときの気持ちを、「昨日、私が寝ているとき、あのアラビアの旅客機はヨーロッパのどこかの空港で給油をしていたかもしれない。さらにその前はアラビア半島にいたのだ。・・・あの扉の向こうに、旅客機が見てきた一日が詰まっているのだろうか。地球儀に記された遠い場所の名残が、たとえばジッダとか、ダーラン、それにリヤドの景色が、閉じ込められているのかもしれない」と書いているが、このぞくぞくする感覚こそ、世界を股に掛ける仕事、それを自らの手で行い得るパイロットの魅力の原点であるように思う。
次に海外へ行く機会には、間違いなく本書を思い出して、前回のフライトとは違った思いを抱いて飛行機に乗り込むことだろう。
(2016年3月了)
原書『Skyfaring:A Journey with a Pilot』は2015年6月に出版され、A New York Times Notable Book of 2015、An Economist Bestseller and Best Book of 2015、A Wall Street Journal Best Book of 2015、BBC Radio Book of the Week、A Bloomberg Best Book of 2015などの高評価を受け、サン=テグジュペリの『夜間飛行』以来の名作と記す書評もある。
著者は、当初エアバスで短中距離フライトに携わった後、2007年からボーイング747で中長距離フライトを担当し、ロンドンを拠点に、欧州・中東・北アフリカの各都市、東京、ニューヨーク、シンガポール、ハワイ、ケープタウン、シドニー、デリー、リオデジャネイロ、香港、サンフランシスコ、バンコクなど世界各地に飛んでおり、本書でもそうした地名が随所に登場して旅情をそそられるが、本書の魅力はむしろ別のところにある。
それは、本書の、1.Lift(持ちあげる、あがる、高まる)、2.Place(場所、空間、住所)、3.Wayfinding(進む方向を決めること)、4.Machine(機械、装置、仕組み)、5.Air(空気、大気、無)、6.Water(水、海、川)、7.Encounters(出会い、遭遇)、8.Night(夜、闇)、9.Return(帰る、戻る、復帰する)という章立てに示されるように、パイロットとして航空機を操る楽しさ、地球上を短時間で移動することの驚き、航空機のメカニックの神秘、地上と異なったルールの支配する空の王国の面白さなどが、縦横無尽に語られているところである。そして、それが、ときに詩的なロマンティックな表現で、また、ときに科学的なロジカルな説明で描かれているところに、更に引き込まれるのである。
著者が航空機に魅せられたのは、13歳のときに自宅近くの国際空港で、中東から来た旅客機を見たときで、そのときの気持ちを、「昨日、私が寝ているとき、あのアラビアの旅客機はヨーロッパのどこかの空港で給油をしていたかもしれない。さらにその前はアラビア半島にいたのだ。・・・あの扉の向こうに、旅客機が見てきた一日が詰まっているのだろうか。地球儀に記された遠い場所の名残が、たとえばジッダとか、ダーラン、それにリヤドの景色が、閉じ込められているのかもしれない」と書いているが、このぞくぞくする感覚こそ、世界を股に掛ける仕事、それを自らの手で行い得るパイロットの魅力の原点であるように思う。
次に海外へ行く機会には、間違いなく本書を思い出して、前回のフライトとは違った思いを抱いて飛行機に乗り込むことだろう。
(2016年3月了)
2016年6月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
当方リタイヤし、昨年子供のころからの念願だったパイロットの免許(PPL)を取得。
著者の少年時代の心象は自分と全く同じで、違いは私はエアラインのパイロットになる道を知らず普通の大学に入り普通のサラリーマンになりそれなりの人生を送りリタイアしたが、著者はある時点で決然とパイロットを目指しついにB747(ジャンボ)のコーパイ(副操縦士)になる。
B747は日本ではもう乗れないが、自分は幸いにも仕事でSQ(シンガポール航空)のビジネスクラス利用した際なんと1階席ビジネスの前から2列目に座れて、ほとんどコックピットと同じ光景を経験した。
とても新鮮で魅入られて強烈だった。これがリタイア後のPPL取得の強力な動機となった。
自分にはもうジェットのパイロットになるチャンスは無いので、自宅のフライトシミュレーターで単発の飛行機の操縦をして世界中の各国の空港を飛びながら渡り歩いている。著者はB747で実際の空を飛んでおり、自分が操縦する単発エンジンの実機から見る光景とはあまりに違うが心理面では共通するものも多く、飛行を楽しめる。
本書は、一般の飛行機好き・旅行好きの方にはもちろん好適だが、とりわけ中学高校の図書館には絶対に備えるべきと確信する。一般の想像からはかなり遠いパイロットの生活とそれにチャレンジする過程がリアルに描かれている。こんな世界があったのかと感慨ひとしおで、もしも自分が中学生時代に読んでいたら、絶対にチャレンジしたかったと思った。もちろんパイロットにチャレンジだけではないが、若い人にとって未知の世界にチャレンジする勇気の大切さを教えられる。
著者の少年時代の心象は自分と全く同じで、違いは私はエアラインのパイロットになる道を知らず普通の大学に入り普通のサラリーマンになりそれなりの人生を送りリタイアしたが、著者はある時点で決然とパイロットを目指しついにB747(ジャンボ)のコーパイ(副操縦士)になる。
B747は日本ではもう乗れないが、自分は幸いにも仕事でSQ(シンガポール航空)のビジネスクラス利用した際なんと1階席ビジネスの前から2列目に座れて、ほとんどコックピットと同じ光景を経験した。
とても新鮮で魅入られて強烈だった。これがリタイア後のPPL取得の強力な動機となった。
自分にはもうジェットのパイロットになるチャンスは無いので、自宅のフライトシミュレーターで単発の飛行機の操縦をして世界中の各国の空港を飛びながら渡り歩いている。著者はB747で実際の空を飛んでおり、自分が操縦する単発エンジンの実機から見る光景とはあまりに違うが心理面では共通するものも多く、飛行を楽しめる。
本書は、一般の飛行機好き・旅行好きの方にはもちろん好適だが、とりわけ中学高校の図書館には絶対に備えるべきと確信する。一般の想像からはかなり遠いパイロットの生活とそれにチャレンジする過程がリアルに描かれている。こんな世界があったのかと感慨ひとしおで、もしも自分が中学生時代に読んでいたら、絶対にチャレンジしたかったと思った。もちろんパイロットにチャレンジだけではないが、若い人にとって未知の世界にチャレンジする勇気の大切さを教えられる。
2016年9月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読んでいてこんなに気分のいい本は初めてです。パイロットになりたい。
2022年5月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても詩的な書きぶりです。
こういった本が好きな方なら必ず知っている「JALジェットストリーム」の城達也氏のナレーションが本一冊分続いている感じです。
しかし、かなり文量もあるので飽きてしまうのも否めません。
こういった本が好きな方なら必ず知っている「JALジェットストリーム」の城達也氏のナレーションが本一冊分続いている感じです。
しかし、かなり文量もあるので飽きてしまうのも否めません。
2019年3月21日に日本でレビュー済み
現役のパイロットが書いた珠玉のエッセイ。海外出張のタイミングを待って、満を持して機内で読了。
「私にとってパイロットに勝る職業などない。地上に、空の時間と交換してもいいような時間があるとは思えない」と語る著者のみずみずしく、詩的な文章から、空と飛行機と自身の職業に対する愛情がほとばしる。
飛行機の仕組みや航路の確認など専門的な内容から、コックピットから見る絶景、そして一期一会にも関わらず育まれるパイロット同士の友情の話まで。いくらかでも空や飛行機に興味がある人なら、パイロットにならなかった自分をきっと後悔するに違いない。
その中の一人になったワタシにできることは、次回のフライトで窓際席を取って、空の風景と主翼の観察をすること。著者がここで語ってくれたことを少しでも体感できるように。
「私にとってパイロットに勝る職業などない。地上に、空の時間と交換してもいいような時間があるとは思えない」と語る著者のみずみずしく、詩的な文章から、空と飛行機と自身の職業に対する愛情がほとばしる。
飛行機の仕組みや航路の確認など専門的な内容から、コックピットから見る絶景、そして一期一会にも関わらず育まれるパイロット同士の友情の話まで。いくらかでも空や飛行機に興味がある人なら、パイロットにならなかった自分をきっと後悔するに違いない。
その中の一人になったワタシにできることは、次回のフライトで窓際席を取って、空の風景と主翼の観察をすること。著者がここで語ってくれたことを少しでも体感できるように。
2017年5月16日に日本でレビュー済み
知人のパイロットも大好きな仕事だと言っていました。
この著者と同じ気持ちなのかなぁと思いながら、楽しく読めました。
いいなと思った一部引用です。
p21
私にとってパイロットに勝る職業などない。
地上に、空の時間と交換してもいいような時間があるとは思えない。
P33
プレイス・ラグはすべての旅に共通する現象だ。
出発地と目的地の環境が違えば違うほど、旅立ったのが過去のことに思えてくる。
空の旅はその最たるものである。
P54
例えば私は、国の大きさをジェット機が通過するのに要する時間で考えるようになった。アフリカ上空を初めて飛んだときに、まず驚いたのはアルジェリアの広さだ。
アフリカ大陸最大の国だけあって北から南まで飛行するのに、2時間ちかくかかる。
ノルウェーにも驚かされた。ロンドンから日本へ至るルートはノルウェーを縦断するのだが、小さな国がひしめくヨーロッパ大陸の北部で、ノルウェーにはたっぷり2時間分の国土があるのだ。
フランスはよく横断する角度で概ね1時間の広さで、テキサス州やモンタナ州を飛行するんとだいたい同じである。
ベルギーは、ちょうどいい追い風があれば15分で通過できる。
ロシア上空を通るルートはだいたい7時間かかるが、やはりここは数字ではなく昼の長さ、夜の長さに等しいと考えたい。
P245
ロンドンからニューヨークの中間あたりを飛行していたときのこと。
共通周波数で、アメリカ人パイロットが別の航空会社のある便を呼び出した。
アメリカ人パイロットは、自分の妻と娘がそちらの便に搭乗しているのだと説明した。
「客室乗務員に頼んで、さほ遠くない空から私がよろしく言っていたと妻に伝えてくれませんか」と。
フランス人パイロットは了解した。
そして数分後に聞こえてきたのは、フランス人パイロットの声でも、アメリカ人パイロットの声でもなく、あんとアメリカ人パイロットの妻の声だった。
フランス人パイロットが、彼女をコクピットに招き、ヘッドセットを与え、旦那さんに話しかけるように促したのだった。
響いてきた妻の声に、すぐさまアメリカ人パイロットが応じた。
照れ笑いのまじった声が、大西洋上の巨大な円の中にいるすべてのパイロットの耳に響いた。
アメリカ人パイロットの人生において、家庭と仕事がこんなふうに重なることは二度とないだろう。
青い海の上にいっとだけ、夫婦を結ぶ雑音まじりの電波の橋がかかった。
P271
旅客機に乗っているとき、太陽が自分の座っている側と反対に沈むことがあったら、落胆せずに窓の外に目を凝らしてほしい。上方の空はほぼ白く、視線をおろすにつれてピンク色になり、さらに下へ目をやるとえもいわれぬ青になる。青を表す語彙を全部合わせても足りないほどの、見事なグラデーションが広がっているはずだ。
パイロットになったばかりの頃は私も気づかなかったのだが、その青には夜の始まりが混じっている。
そのなものを見られると知っていたら、高校を卒業してすぐにパイロットの目指したかもしれない。
夜の始まりはとても暗い青で、日の入りの方角と反対側の水平線付近に広がっている。
ある天文学者の母親は、それを「夜の毛布」と呼んだ。
私たちの目の前で、夜の毛布が世界を覆っていく。
崇高なダークブルーの帯は、沈みゆく太陽から離れれば離れるほど幅が太くなる。
地球の影そのものが、空気のスクリーンに投影されているのだ。
この現象は”ダーク・セグメント”と呼ばれることもあり、条件が合えば地上でも観察できる。
この著者と同じ気持ちなのかなぁと思いながら、楽しく読めました。
いいなと思った一部引用です。
p21
私にとってパイロットに勝る職業などない。
地上に、空の時間と交換してもいいような時間があるとは思えない。
P33
プレイス・ラグはすべての旅に共通する現象だ。
出発地と目的地の環境が違えば違うほど、旅立ったのが過去のことに思えてくる。
空の旅はその最たるものである。
P54
例えば私は、国の大きさをジェット機が通過するのに要する時間で考えるようになった。アフリカ上空を初めて飛んだときに、まず驚いたのはアルジェリアの広さだ。
アフリカ大陸最大の国だけあって北から南まで飛行するのに、2時間ちかくかかる。
ノルウェーにも驚かされた。ロンドンから日本へ至るルートはノルウェーを縦断するのだが、小さな国がひしめくヨーロッパ大陸の北部で、ノルウェーにはたっぷり2時間分の国土があるのだ。
フランスはよく横断する角度で概ね1時間の広さで、テキサス州やモンタナ州を飛行するんとだいたい同じである。
ベルギーは、ちょうどいい追い風があれば15分で通過できる。
ロシア上空を通るルートはだいたい7時間かかるが、やはりここは数字ではなく昼の長さ、夜の長さに等しいと考えたい。
P245
ロンドンからニューヨークの中間あたりを飛行していたときのこと。
共通周波数で、アメリカ人パイロットが別の航空会社のある便を呼び出した。
アメリカ人パイロットは、自分の妻と娘がそちらの便に搭乗しているのだと説明した。
「客室乗務員に頼んで、さほ遠くない空から私がよろしく言っていたと妻に伝えてくれませんか」と。
フランス人パイロットは了解した。
そして数分後に聞こえてきたのは、フランス人パイロットの声でも、アメリカ人パイロットの声でもなく、あんとアメリカ人パイロットの妻の声だった。
フランス人パイロットが、彼女をコクピットに招き、ヘッドセットを与え、旦那さんに話しかけるように促したのだった。
響いてきた妻の声に、すぐさまアメリカ人パイロットが応じた。
照れ笑いのまじった声が、大西洋上の巨大な円の中にいるすべてのパイロットの耳に響いた。
アメリカ人パイロットの人生において、家庭と仕事がこんなふうに重なることは二度とないだろう。
青い海の上にいっとだけ、夫婦を結ぶ雑音まじりの電波の橋がかかった。
P271
旅客機に乗っているとき、太陽が自分の座っている側と反対に沈むことがあったら、落胆せずに窓の外に目を凝らしてほしい。上方の空はほぼ白く、視線をおろすにつれてピンク色になり、さらに下へ目をやるとえもいわれぬ青になる。青を表す語彙を全部合わせても足りないほどの、見事なグラデーションが広がっているはずだ。
パイロットになったばかりの頃は私も気づかなかったのだが、その青には夜の始まりが混じっている。
そのなものを見られると知っていたら、高校を卒業してすぐにパイロットの目指したかもしれない。
夜の始まりはとても暗い青で、日の入りの方角と反対側の水平線付近に広がっている。
ある天文学者の母親は、それを「夜の毛布」と呼んだ。
私たちの目の前で、夜の毛布が世界を覆っていく。
崇高なダークブルーの帯は、沈みゆく太陽から離れれば離れるほど幅が太くなる。
地球の影そのものが、空気のスクリーンに投影されているのだ。
この現象は”ダーク・セグメント”と呼ばれることもあり、条件が合えば地上でも観察できる。
2016年7月27日に日本でレビュー済み
子供の頃「パイロットになりたい」と答えた少年はたくさんいると思うが、
本作の著者マーク・ヴァンホーナッカー氏はおそらく、その夢をかなえた数少ない人物である。
エッセイのテーマは自身の仕事内容や、飛行中に空から見える景色の事などなど、
現役パイロットならではの目線でありながら、とても詩的に描かれている。
数あるエピソードの中でも興味深かったのが、
フライトの際ほとんどのクルーが初対面同士、という事が珍しくないという話だ。
約20名の見知らぬ同僚が一丸となって、旅客機に乗る大勢の乗客の大切な命を預かり、
快適な空の旅のために働いているという事実には、チョット驚いてしまった。
ヴァンホーナッカー氏が出会った機長の中で、規定の乗務記録以外に個人的な日誌を書いている方がいる。
二度と同乗できないかもしれない、同僚たちとの思い出を書き留めておくためだ。
空旅での一期一会は、ロビーを行き交う旅人だけのものではないらしい。
本作の著者マーク・ヴァンホーナッカー氏はおそらく、その夢をかなえた数少ない人物である。
エッセイのテーマは自身の仕事内容や、飛行中に空から見える景色の事などなど、
現役パイロットならではの目線でありながら、とても詩的に描かれている。
数あるエピソードの中でも興味深かったのが、
フライトの際ほとんどのクルーが初対面同士、という事が珍しくないという話だ。
約20名の見知らぬ同僚が一丸となって、旅客機に乗る大勢の乗客の大切な命を預かり、
快適な空の旅のために働いているという事実には、チョット驚いてしまった。
ヴァンホーナッカー氏が出会った機長の中で、規定の乗務記録以外に個人的な日誌を書いている方がいる。
二度と同乗できないかもしれない、同僚たちとの思い出を書き留めておくためだ。
空旅での一期一会は、ロビーを行き交う旅人だけのものではないらしい。