ネットの巷では「テレビを観ると馬鹿になる」「テレビは情報を隠す、報道しない権利」「テレビはネット環境がない貧乏人のためのツール」など、まあテレビの評価を下げる記事ばかりが目立ちますが、それに激しく同意される方ほど、この本を読むべきです。
300ページ以上あるのでちょっと読むのが大変かもしれませんが、そういう方は後ろの「訳者あとがき」「解説」を読むだけでも大体概要がつかめます。
もしかして皆さん、Googleの検索はネットの隅々まで、全てのユーザーに対して平等に行われていると思い込んでいませんか。
それこそ、大変危険なのです。
Googleの検索は、ワードや、検索結果のクリック状況など、あらゆるデータをユーザーから回収し、そのユーザー「だけ」に、好まれるであろうページを毎回抽出して検索結果を提供しているのです。
そのユーザーにとって都合の良いページだけ提供して、都合の悪いページは提供しないわけです。
そうなんです、Googleは万人に平等に同じ検索結果を提供しているのでは決してないのです。
噓だと思ったら、自分と友達のスマホで、Googleで全く同じワードで検索してみてください。
全く同じワードなのに、検索結果が異なるでしょう。
このGoogleのカラクリを理解せず、「Googleはネットの隅々まで満遍なく情報を集めてくれる」と大きな勘違いをし、自分に都合の良い情報ばかり目にするのを中立と感じる。ちょっと違った意見から新しいモノを発見できないし、そもそもそういう意見を受け付けない悲惨さに陥る。もう、脳がモロに悪影響を受けてしまっている。
憶測ですけど、Googleのそういう悪影響を受けた人が、テレビ、特にテレビ朝日やTBSに対して、「偏向報道」「反日報道」などとグダグダ文句をつけるのでしょう。

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フィルターバブル──インターネットが隠していること (ハヤカワ文庫NF) 文庫 – 2016/3/9
インターネットの検索や購買記録の傾向から、
その人にぴったりの検索結果やお薦めを表示するパーソナライズ技術。
パーソナライズドフィルターによって、
人は自分が興味を持っている情報や企業の薦める情報ばかりを見るようになり、
「フィルターバブル」に閉じこもることになる――。
「フィルタリング」問題に警鐘を鳴らすニューヨーク・タイムズ・ベストセラー。
『閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義』改題文庫化。
その人にぴったりの検索結果やお薦めを表示するパーソナライズ技術。
パーソナライズドフィルターによって、
人は自分が興味を持っている情報や企業の薦める情報ばかりを見るようになり、
「フィルターバブル」に閉じこもることになる――。
「フィルタリング」問題に警鐘を鳴らすニューヨーク・タイムズ・ベストセラー。
『閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義』改題文庫化。
- 本の長さ374ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2016/3/9
- 寸法10.8 x 1.6 x 15.8 cm
- ISBN-104150504598
- ISBN-13978-4150504595
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2016/3/9)
- 発売日 : 2016/3/9
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 374ページ
- ISBN-10 : 4150504598
- ISBN-13 : 978-4150504595
- 寸法 : 10.8 x 1.6 x 15.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 292,953位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 238位ハヤカワ文庫 NF
- - 2,363位インターネット・Web開発 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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翻訳者(出版・実務)。1959年生まれ、東京大学工学部卒業。大手石油会社から会社派遣で米国オハイオ州立大学大学院修士課程に留学するも、1998年、子育てに必要な時間的やりくりを家庭内でつけられるようにと退職し、技術・実務翻訳者として独立。エネルギー・環境、エンジニアリング、IT、ビジネスを得意とする。翻訳フォーラム共同主宰。
訳書:『スティーブ・ジョブズ I・II』(講談社)、『イーロン・マスク 上・下』(文藝春秋)、『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』『リーン・スタートアップ』(日経BP)、『リーダーを目指す人の心得』(飛鳥新社)、『PIXAR 〈ピクサー〉 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話』(文響社)など多数。
著書:『実務翻訳を仕事にする』(宝島社新書)
共著書:『できる翻訳者になるために プロフェッショナル4人が本気で教える 翻訳のレッスン』(講談社)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年10月15日に日本でレビュー済み
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2016年6月14日に日本でレビュー済み
本書は主としてフェイスブックとグーグルニュース、グーグルの検索結果を例として、多くのサイトから集められた個人の活動記録を利用した”レコメンド機能”の行き過ぎに伴う危険性を指摘している。冒頭で最適化された情報が個人にもたらすメリットについて述べたあと、残りは思想を伴わない商業主義の暴走という面を中心として危険性を示し、改善策の提案をしています。誰にどの情報を見せたいかの精度向上には多くの労力が費やされているが、誰がどの種の情報から遮断されているかはフィルタリングを行っている事業者自体も把握していない(コンピューターのアルゴリズムに依っているため)という点が恐ろしかったです。
2016年3月27日に日本でレビュー済み
商業的な理由(要するに単行本が売れなかった)で文庫化に際し改題されることはままあることらしい。サイモン・シン『代替医療のトリック』も、文庫では『代替医療解剖』に改題されていた。巻末には、帯文を寄せている佐々木俊尚の解説『コンピューター環境がつくりだす「楽園」のような世界の危険性』を収録。
2011年には9.5%にすぎなかった国内スマホ普及率が、2015年には49.7%、若年層は80%超えになった。市井の人々がネットを当たり前のものとして受け入れ、フィルターバブルの真っ只中にいる状況から、それを意識する(もしくは脱する)機会を与えてくれる。
2011年には9.5%にすぎなかった国内スマホ普及率が、2015年には49.7%、若年層は80%超えになった。市井の人々がネットを当たり前のものとして受け入れ、フィルターバブルの真っ只中にいる状況から、それを意識する(もしくは脱する)機会を与えてくれる。
2016年3月31日に日本でレビュー済み
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この本に出てくるカタカナ語を(カタカナ語辞典などの)辞書で調べても載っていない場合が多い。英単語をカタカナ音表記に直したものを和訳と称するのは自画自賛すぎると思う。
2016年11月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ブログ記事にまとめれば済む程度の内容に装飾を加えてむりやり一冊にまとめたような本。
インターネットに触れている人ならわかっていることをくどくどと書いている。
ではインターネットにあまり触れていない人には有益かというと、そうでもない。
インターネットについての基礎知識がなければ理解しにくい書き方になっているからだ。
唯一、インターネットに触れてはいるが、グーグル、アマゾン等のリコマンドによって見えなくなっているものがあることにまったく気づいていないような人にとっては、啓発的かもしれない。
しかしそれは日々ネットに触れるユーザーが身を以て理解していることではないか。
著者の想定する読者はそこまでぼんくらなのだろうか。
ちなみに、背表紙にはこうある。
「あなたが見ているネットの世界は他の人と同じだと思ったら大間違い。パーソナライズドフィルターにより、検索や購買履歴の傾向から一人一人に合わせた検索結果やお薦めが表示されているのだ」
みな、知っていることだ。
そこからどう掘り下げてくれるのかと期待したが、最後まで一向に掘り下がることはなかった。
フィルターの影響を免れ、偏りのない情報を得るにはどうしたらいいか、という処方箋もない。
あるのは自分が行っているという政策提言の宣伝だけだ。
著者は本来リベラル派の市民団体の創設者であり、IT技術者ではないという点も、著者の専門性に疑問を抱かせる。
原著が2011年刊行と、5年前である点にも留意する必要があるだろう。
インターネットに触れている人ならわかっていることをくどくどと書いている。
ではインターネットにあまり触れていない人には有益かというと、そうでもない。
インターネットについての基礎知識がなければ理解しにくい書き方になっているからだ。
唯一、インターネットに触れてはいるが、グーグル、アマゾン等のリコマンドによって見えなくなっているものがあることにまったく気づいていないような人にとっては、啓発的かもしれない。
しかしそれは日々ネットに触れるユーザーが身を以て理解していることではないか。
著者の想定する読者はそこまでぼんくらなのだろうか。
ちなみに、背表紙にはこうある。
「あなたが見ているネットの世界は他の人と同じだと思ったら大間違い。パーソナライズドフィルターにより、検索や購買履歴の傾向から一人一人に合わせた検索結果やお薦めが表示されているのだ」
みな、知っていることだ。
そこからどう掘り下げてくれるのかと期待したが、最後まで一向に掘り下がることはなかった。
フィルターの影響を免れ、偏りのない情報を得るにはどうしたらいいか、という処方箋もない。
あるのは自分が行っているという政策提言の宣伝だけだ。
著者は本来リベラル派の市民団体の創設者であり、IT技術者ではないという点も、著者の専門性に疑問を抱かせる。
原著が2011年刊行と、5年前である点にも留意する必要があるだろう。
2016年6月4日に日本でレビュー済み
書名にもなっている「フィルターバブル」という言葉は著者の造語のようであるが、グーグルやフェイスブックといった巨大IT企業が提供するサービスにはフィルターが仕掛けられており、ネットサービスを利用する我々は知らず知らずのうちに一人ずつ、自分だけの情報宇宙に包まれてしまっている、そういう状況を指す言葉として使われている。各社がいろいろな手段でユーザーの属性を把握し、それに応じた広告やおすすめ商品を提示しているということは広く知られているが、今や検索結果の表示も個人ごとに異なり、またサイトによっては提示されるニュースも個人の好みや思想などによって変わっている、など状況は想像以上に進んでいるようだ。本書の原書の発行が2011年なので、それからさらに5年以上経っている現在では、IT世界の凄まじい技術進歩を考えると、本当に想像もつかないことになっているのかもしれない。
この状況に対し、本書では最終の第八章「孤立集団の街からの逃亡」において、その解決策も提示している。企業や政府にできること、なども書かれてはいるが、特に本来が営利を目的にした企業に自主的な対応を求めるのはなかなか難しいであろう。そうすると、まずは我々ユーザーが現在のネットの状況を「知る」ことから始め、少しでも行動を変えていくしかないようにも思われる。フィルターバブルという語に含まれる「バブル」という単語には、その気になればはじけさせることができるという著者の思いも込められているようであるし、まずは実態を広く知らしめたい、というのが本書執筆の大きな動機の一つのようにも思われる。便利だから、無料だからということだけでサービスを選ばない、同じ企業の複数のサービスを利用して個人情報を多量に流すようなことを控えるなど、個人としての防衛策もいろいろとありそうだ。少なくとも、各人のネット利用のありようを少し立ち止まって考えてみる一つのきっかけになる本ではあるだろう。
この状況に対し、本書では最終の第八章「孤立集団の街からの逃亡」において、その解決策も提示している。企業や政府にできること、なども書かれてはいるが、特に本来が営利を目的にした企業に自主的な対応を求めるのはなかなか難しいであろう。そうすると、まずは我々ユーザーが現在のネットの状況を「知る」ことから始め、少しでも行動を変えていくしかないようにも思われる。フィルターバブルという語に含まれる「バブル」という単語には、その気になればはじけさせることができるという著者の思いも込められているようであるし、まずは実態を広く知らしめたい、というのが本書執筆の大きな動機の一つのようにも思われる。便利だから、無料だからということだけでサービスを選ばない、同じ企業の複数のサービスを利用して個人情報を多量に流すようなことを控えるなど、個人としての防衛策もいろいろとありそうだ。少なくとも、各人のネット利用のありようを少し立ち止まって考えてみる一つのきっかけになる本ではあるだろう。