元SASのベアグリルスの書籍を買った関係で、お勧めとして出てきたこの本を購入。
凡百のフィクション小説がカスに思えるほどの凄まじい迫真力、作者アンディマクナブ氏の文章力に脱帽です(多分に翻訳者の功績もあると思いますが)
真実だけの持つ重みに圧倒され、読後暫くは呆然としていました。
イラク戦争は、日本では遥か上空からの空爆が中継され、まるでテレビゲームのようだとマスコミが報じていたのを記憶しています。
しかし、日本のカスゴミでは知りえなかった事実がここに認められています。
冒頭の仲間達との写真、戦後の墓地とそして墓標に、「ああ、間違いなくこのドキュメンタリーの中の仲間が何人も亡くなるんだな」と思い、覚悟しながら読み始めました。
寒気の中の行軍で、低体温症を防ぐための方策が、元SAS隊員としてディスカバリーチャンネルで活躍中のベアグリルス氏の言う内容と同じです。
アンディ氏はベアさんのかなりな先輩になるわけですが、サバイバルマニュアルがこうやって脈々と受け継がれているんだなと納得しました。
そしていかなる過酷な環境でも紅茶を欲しがったり、ジョークを飛ばすことを忘れない、ちょっと野蛮なイギリス紳士たちにクスリと笑わされました。
彼らが自分を鼓舞するために、MetallicaやMegadeth等のスラッシュメタルを聴いていたエピソードが出てきますが、私も前述の二つのバンドが大好きなので物凄く共感し親近感を持ちました。さすが本場ロックのお国柄といったところでしょうか。
捕えられた後の凄絶な拷問の描写が連続しますが、正直目を覆うほどのものがありましたが、それが戦争の事実。
幸いにして作者は死を免れて仲間と帰還することができましたが、それは本当に運命の織り成す僥倖というものであって、一歩間違えば彼の命も無かったことでしょう。
全身の骨が折れるほどの目に遭いながら生還を果たした先人は「なるべく苦痛から意識を逸らすようにした」とさらりと書いてありますが、それが凡人には不可能な業です。
強靭な意志の持ち主だからこそ生還を成し得たのですが、国や部隊の掲げる大義、各個人の中の正義、そして力強い意志。
読後感は重くはありますが、それでも逆にアンディ氏に励まされたような気持ちになります。
現代、世界のどこかで必ず起きている戦争の一面を鋭く活写した良書です。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
ブラヴォー・ツー・ゼロ: SAS兵士が語る湾岸戦争の壮絶な記録 (ハヤカワ文庫 NF 242) 文庫 – 2000/10/1
- 本の長さ478ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2000/10/1
- ISBN-104150502420
- ISBN-13978-4150502423
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2013年11月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2012年8月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まず、映画みたいにヒーローが活躍する痛快アクションを求めている人は手にしない方がいい。
戦争とは、兵士とはどういう戦いをしているのか、その一面を楽しめる本です。
実録とはなにか勘違いしちゃっているレビュアーも居るわけですが。。。
この本は、他の書いている通り著者が捕虜となる話です。
任務の話も、捕虜になってからの話もどれもこれもリアルに書かれていて、更に読みやすい。
詳しい内容は他の人も書かれているので省きますが
どれだけボロボロになっても、
意志を持ち続けられる彼らの強さ。
そして、運もあれど、ひどい状況から生還できたことは、
ある意味彼らは任務の1つに成功したことになると思います。
この本を読んで思ったことは、特殊部隊の兵士は、尋常ではない訓練を行い
しかし、実践の場はそれらをはるかに凌ぐということを、よく理解できました。
いまも、何処かでこういうことが繰り広げられているのだと思うと、
自分の立ち位置を、ほんの少し違った方面から見る目られる気もします。
戦争とは、兵士とはどういう戦いをしているのか、その一面を楽しめる本です。
実録とはなにか勘違いしちゃっているレビュアーも居るわけですが。。。
この本は、他の書いている通り著者が捕虜となる話です。
任務の話も、捕虜になってからの話もどれもこれもリアルに書かれていて、更に読みやすい。
詳しい内容は他の人も書かれているので省きますが
どれだけボロボロになっても、
意志を持ち続けられる彼らの強さ。
そして、運もあれど、ひどい状況から生還できたことは、
ある意味彼らは任務の1つに成功したことになると思います。
この本を読んで思ったことは、特殊部隊の兵士は、尋常ではない訓練を行い
しかし、実践の場はそれらをはるかに凌ぐということを、よく理解できました。
いまも、何処かでこういうことが繰り広げられているのだと思うと、
自分の立ち位置を、ほんの少し違った方面から見る目られる気もします。
2006年11月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現存する?史上最高レベルの戦記だと思う。
もっとすごい記録は世に出てない。戦争における任務の遂行は秘密裏に行われるものだから。または成功が目立たないことほど成功だから。
という意味では本書は失敗の記録だ。
戦記というとかなり長いスパンで大規模な戦争と取られそうだが、湾岸戦争におけるSASの8人による作戦の記録。
そしてこの記録は個人の主観で描かれている。とはいっても著者は客観的になるよう注意深く気をつけているのだが。
後半は主観なはずだが、客観的に書こうとしている文体が恐怖感を煽る。何故かと言うと…。
つまり自白を強要される拷問、暴行の連続の記録なので…。もちろんそういう状況の訓練も受けているのがSAS隊員なわけで。ところがそう簡単にいかないのが人間で、戦争で、さらに極限状態なので。相手が相手だし。
作戦前の作戦立案の打合せ、何かとアクション前に行うチェックのやり方、常軌を逸した重量・装備(補給が受けられないので一人100キロ近く!)。尿を入れるタンクまで持ち歩くのです。尿で作戦がばれるのを防ぐため。尿は動物その他に影響を残し、敵に見つかるリスクが上がるらしい(地形によるのかも)。
リアル過ぎるリアルさが突き抜けたレベルなので、気持ち悪いのを通り越してあっけに取られるしかない。またはある意味、馬鹿馬鹿しい気もする。
でもそれが戦争…。
解放後、飛行機で護送時に米英の僚機が見せたサービスには感動。
もっとすごい記録は世に出てない。戦争における任務の遂行は秘密裏に行われるものだから。または成功が目立たないことほど成功だから。
という意味では本書は失敗の記録だ。
戦記というとかなり長いスパンで大規模な戦争と取られそうだが、湾岸戦争におけるSASの8人による作戦の記録。
そしてこの記録は個人の主観で描かれている。とはいっても著者は客観的になるよう注意深く気をつけているのだが。
後半は主観なはずだが、客観的に書こうとしている文体が恐怖感を煽る。何故かと言うと…。
つまり自白を強要される拷問、暴行の連続の記録なので…。もちろんそういう状況の訓練も受けているのがSAS隊員なわけで。ところがそう簡単にいかないのが人間で、戦争で、さらに極限状態なので。相手が相手だし。
作戦前の作戦立案の打合せ、何かとアクション前に行うチェックのやり方、常軌を逸した重量・装備(補給が受けられないので一人100キロ近く!)。尿を入れるタンクまで持ち歩くのです。尿で作戦がばれるのを防ぐため。尿は動物その他に影響を残し、敵に見つかるリスクが上がるらしい(地形によるのかも)。
リアル過ぎるリアルさが突き抜けたレベルなので、気持ち悪いのを通り越してあっけに取られるしかない。またはある意味、馬鹿馬鹿しい気もする。
でもそれが戦争…。
解放後、飛行機で護送時に米英の僚機が見せたサービスには感動。
2015年8月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
第二次世界大戦の戦記はいろいろ読んでいたが、どうしても実感としては遠い。
ところがそれ以上の激しい戦いが湾岸戦争以降も中東で続いていることに驚いた。
戦闘の実際や拷問の数々、虐待の状況を読むにつけ、一たび戦争に加担すれば
決して勝者も敗者もない悲惨な結末が待っていることがよく分かった。
ところがそれ以上の激しい戦いが湾岸戦争以降も中東で続いていることに驚いた。
戦闘の実際や拷問の数々、虐待の状況を読むにつけ、一たび戦争に加担すれば
決して勝者も敗者もない悲惨な結末が待っていることがよく分かった。
2015年1月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
文章は読みやすい。一般人が知らない特殊部隊について詳しくかかわれている本。
ミリタリー好きにはおもしろいはずだ。
あらすじは
ミサイルを運搬し発射する車両を見つけ破壊する任務を帯びた主人公たち8人が
ヘリコプターで敵地に潜入するも、発見されてしまい
追跡してくる多数の兵士を殺害、無関係な一般市民を強盗しながら逃走したあげく
捕まって激しい拷問を受けるも、身分を明かしませんでした。・・・という話
並外れた体力と精神力に感嘆するが、
毒ガスを隠しているという言いがかりで石油利権を強奪した侵略戦争の話ですので、
命令とはいえただ単に他人の国に土足で踏み込んで人を殺して回っただけの話とも言える。
読書によって知識は増えたけど、主人公の俺強い自慢に「だから何」っといた冷めた印象しか持てない。
ミリタリー好きにはおもしろいはずだ。
あらすじは
ミサイルを運搬し発射する車両を見つけ破壊する任務を帯びた主人公たち8人が
ヘリコプターで敵地に潜入するも、発見されてしまい
追跡してくる多数の兵士を殺害、無関係な一般市民を強盗しながら逃走したあげく
捕まって激しい拷問を受けるも、身分を明かしませんでした。・・・という話
並外れた体力と精神力に感嘆するが、
毒ガスを隠しているという言いがかりで石油利権を強奪した侵略戦争の話ですので、
命令とはいえただ単に他人の国に土足で踏み込んで人を殺して回っただけの話とも言える。
読書によって知識は増えたけど、主人公の俺強い自慢に「だから何」っといた冷めた印象しか持てない。
2014年7月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
描写も細部まで書けており、リアル。特殊部隊物としては秀逸。一気によめました。
2013年1月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
皆さん拷問の描写を嫌っているようですが、私個人としては特に不快感はありませんでした。
でも確かに、戦闘と逃亡劇が終わってしまったらもう拘束された描写しかありませんけどね。
戦闘シーン、逃亡劇は白熱でしたね。
米軍とやっと交信が出来たものの、結局役に立たず・・・・
読んで損は全くないと思います。
でも確かに、戦闘と逃亡劇が終わってしまったらもう拘束された描写しかありませんけどね。
戦闘シーン、逃亡劇は白熱でしたね。
米軍とやっと交信が出来たものの、結局役に立たず・・・・
読んで損は全くないと思います。
2013年3月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
イラクでの捕虜は、こんなこともされたのかと初めて知った、特殊部隊とは思っている以上に過酷なんだ。