普段はライトノベルを手当たり次第に読み耽っているので、たまにはキチンとしたSFを、と手を出したのがこの作品
正直、ラノベのレーベルの中でも中高生向けというイメージが強い富士見ファンタジアや、お色気でごり押しをする一迅社で
書いている作家の瀬尾つかさ氏がハヤカワという名門で出した本と聞いて手を出した不純な部分もあるのですが…
舞台が恒星間移民船、それも近く目的地に到着しつつある船と聞いてスクウェアの「α」を思い出したりしたのですが
その宇宙船の中で起きているのが深刻な世代間対立という点が興味を引きます。15年前に突如船内に現れ、人間と殺し合いをした
謎のスライム状生命体「ベガ―」。戦争の結果技術の失伝や人口の激減という深刻な問題を抱えた人類はベガ―と共生を果たす事で
生き残りの道を見出すが、そこには共生に抵抗を感じない若い世代とベガ―の存在を受け入れられない旧世代の対立が厳然と存在し…
読む前の予想を完全に覆されました。これはまぎれも無い本格的なSFです。特に異なる存在との共生を恒星間移民船という
閉じられた空間で繰り広げる事で回避できない世代間対立が浮き彫りにされていく過程の描き方が実に素晴らしい。共生を綺麗事だけで
済ませられない様、肉体的に「一体化」を果たさなければならないという条件を設けた点も上手い。若いというよりもアイデンティティが
未成熟な幼い世代がベガ―を受け入れる事で大人と同等の立場に立ち得るアドバンテージを手に入れた事で深まっていく世代間対立の描き方も良い
登場人物の描き方もベガ―との共生を受け入れた若い世代の一人一人が、ベガ―との距離を軸に上手く書き分けられていると感じました
ベガ―と一心同体であり共生を推し進めたいテルと、彼女に求婚されたシンゴ、彼らと同世代ながらベガ―におびえて立てこもっていた為
大人以上に反ベガ―の立場を取る子供たちとテンプレートなキャラ付けでは無く、ベガ―という存在との距離でキャラを描き分けている点が
物語にしっかりとした軸を築く上で上手く機能している
船の出発時から働き続けてきたアンドロイドたちの存在や大人たちの思惑、ベガ―という存在が何故突然現れたかという点は伏せられている為
下巻でこれらの伏線をどのように回収するのか、シンゴたちの世代がどのように成長していくのか、下巻に手を出すのに十分な期待を抱かせる一冊でした
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
¥792¥792 税込
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
¥792¥792 税込
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
¥350¥350 税込
無料配送 5月17日-19日にお届け
発送元: シミズ 販売者: シミズ
¥350¥350 税込
無料配送 5月17日-19日にお届け
発送元: シミズ
販売者: シミズ
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
約束の方舟 (上) (ハヤカワ文庫JA) 文庫 – 2011/7/22
瀬尾 つかさ
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥792","priceAmount":792.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"792","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"OIbuCeIC7cgH%2B46XptEMae%2F2JzzL8Jd8pebL6OEOZyMdrKAGIUTrhS2CN%2BwHQ8SgCR88VU75yb4XRBXtrSccJRxk6UvRGr52uuZ6vx%2BeEp0j5B%2FiL6Evpac2rGyHev%2BfMvdNRvy%2FbnQ%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥350","priceAmount":350.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"350","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"OIbuCeIC7cgH%2B46XptEMae%2F2JzzL8Jd86Lp7Ka9O9AVyLgfZhexxhkiwpqwA%2Fcybm%2BZ%2F8KyTVNdWCOVoNdqlraOTIwJ%2FlCbvucx4ZLhSsAjAScmOyv481MvsCbS%2FLOl6rHUM6UquMSeRpmamrNqdQf%2BAIO3%2B7J9jQ0pqwTep8PVoFLqAVoQpbA%2F8uWlc1JZ9","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
- 本の長さ396ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2011/7/22
- ISBN-104150310408
- ISBN-13978-4150310400
よく一緒に購入されている商品
対象商品: 約束の方舟 (上) (ハヤカワ文庫JA)
¥792¥792
最短で5月26日 日曜日のお届け予定です
残り1点(入荷予定あり)
¥792¥792
最短で5月15日 水曜日のお届け予定です
残り1点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この著者の人気タイトル
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2011/7/22)
- 発売日 : 2011/7/22
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 396ページ
- ISBN-10 : 4150310408
- ISBN-13 : 978-4150310400
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,067,492位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,330位ハヤカワ文庫 JA
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2011年8月21日に日本でレビュー済み
上下巻合わせての論評とさせていただきます。
SF物は普段の読まない私でもすんなり読むことができました。
SF的な設定やアイテムの説明はややこしくなく表面的で「後は想像にお任せ」みたいに感じました。
ストーリーも単純でサスペンス性が強いと思いました。
ミステリー要素もあることにはあるのですが、設定を後出しにしてくるので推理することはできません。
私がこの作品に一番魅力を感じた部分はキャラクター達の成長です。
恋愛や愛に関する成長がとても切なく描かれています。
あまりの切なさに思わず涙してしまいました。(正直、上巻の表紙を見てるだけで泣けてきます…。)
とても過酷な状態に置かれているヒーローやヒロインがその状況を受け入れながらも「好きだ」と、叫べる強さに感動しました。
星の評価ですが本当は限りなく5に近い4です。
4にした理由は単純にストーリーがもっとハッピーエンドよりになって欲しかっという願望です。主要キャラクターにはもっと幸せになって欲しかったです。なので-1。
ヒロインの『テル』がとても可愛いです。
店頭で博打表紙買いしましたが、大正解でした。
上巻を二日で読んで三日目には書店に走って下巻を買い一日で読みました。
とても良い買い物ができました。満足です。
SF物は普段の読まない私でもすんなり読むことができました。
SF的な設定やアイテムの説明はややこしくなく表面的で「後は想像にお任せ」みたいに感じました。
ストーリーも単純でサスペンス性が強いと思いました。
ミステリー要素もあることにはあるのですが、設定を後出しにしてくるので推理することはできません。
私がこの作品に一番魅力を感じた部分はキャラクター達の成長です。
恋愛や愛に関する成長がとても切なく描かれています。
あまりの切なさに思わず涙してしまいました。(正直、上巻の表紙を見てるだけで泣けてきます…。)
とても過酷な状態に置かれているヒーローやヒロインがその状況を受け入れながらも「好きだ」と、叫べる強さに感動しました。
星の評価ですが本当は限りなく5に近い4です。
4にした理由は単純にストーリーがもっとハッピーエンドよりになって欲しかっという願望です。主要キャラクターにはもっと幸せになって欲しかったです。なので-1。
ヒロインの『テル』がとても可愛いです。
店頭で博打表紙買いしましたが、大正解でした。
上巻を二日で読んで三日目には書店に走って下巻を買い一日で読みました。
とても良い買い物ができました。満足です。
2021年8月5日に日本でレビュー済み
同じくハヤカワ文庫JAの『ウェイプスウィード ヨルの惑星』が
良く出来た作品でしたのでこちらも読んでみました。
読み出しは『宇宙船ビーグル号の冒険』と『宇宙の孤児』を合わせた感じで
中々期待させるものではあるのですが、読み進めるうちに色々と疑問が生じてきます。
作品の舞台は世代交代型恒星間宇宙船で、
その中で起こったベガーという未知の生命体との戦争の後を描いているのですが、
1万2千人いた乗員が2千数百人にまで減じた大規模戦争(多くはベガーに捕食されたらしい)が
どういう経過で終結し、人類とベガーとの共生が始まるに至ったのか・・
その辺の経緯が全く描かれていません。
1万人近くが殺されて何故共生が可能なのでしょうか?
大人と子供でベガーに対する感情の色分けはされていますが、
それにしたって15年前の悲惨な戦争の記憶がそう易々と塗り替えられるものでしょうか?
あと農業区画に肥溜があるという話(p.46)も んー??って感じです。
宇宙船に肥溜ってリサイクル的にはOKかもしれないけど、環境衛生的にどうなのでしょう?
そもそも宇宙船の航法、エネルギー、循環、リサイクル等どうなっているのでしょうか?
アンドロイドとかも登場しますけど、高齢のお婆ちゃんだったりして、
これどんな仕組みで動いてるんですかね?
畳とか障子とか座布団とか、生活は和風?
宇宙船内に木造家屋を建てて畳を敷くって凄く無駄な気がします。
あと主人公のシンゴ君が12才なのに優秀過ぎる。
急激な人的資源の減少で幼少時から様々な労働に参加するとしても、
小学6年生らしからぬ精神と頭脳の持ち主に感じました。
【追記】下巻読みました。
最後の最後の〆はSF小説でした。
途中まではこれSFじゃなくても良いよね、
異世界ダンジョン攻略ストーリーとかでも十分書き換え可能だよね、
なんて思いながら読んでいたのでこのラストは嬉しいような、裏切られたような・・
「ほら、ちゃんとSFだったでしょ」そんな作者の声が聞こえてきそうです。
上巻を完読できた方は下巻も是非どうぞ
なんか悔しいので評価は変えないよ
良く出来た作品でしたのでこちらも読んでみました。
読み出しは『宇宙船ビーグル号の冒険』と『宇宙の孤児』を合わせた感じで
中々期待させるものではあるのですが、読み進めるうちに色々と疑問が生じてきます。
作品の舞台は世代交代型恒星間宇宙船で、
その中で起こったベガーという未知の生命体との戦争の後を描いているのですが、
1万2千人いた乗員が2千数百人にまで減じた大規模戦争(多くはベガーに捕食されたらしい)が
どういう経過で終結し、人類とベガーとの共生が始まるに至ったのか・・
その辺の経緯が全く描かれていません。
1万人近くが殺されて何故共生が可能なのでしょうか?
大人と子供でベガーに対する感情の色分けはされていますが、
それにしたって15年前の悲惨な戦争の記憶がそう易々と塗り替えられるものでしょうか?
あと農業区画に肥溜があるという話(p.46)も んー??って感じです。
宇宙船に肥溜ってリサイクル的にはOKかもしれないけど、環境衛生的にどうなのでしょう?
そもそも宇宙船の航法、エネルギー、循環、リサイクル等どうなっているのでしょうか?
アンドロイドとかも登場しますけど、高齢のお婆ちゃんだったりして、
これどんな仕組みで動いてるんですかね?
畳とか障子とか座布団とか、生活は和風?
宇宙船内に木造家屋を建てて畳を敷くって凄く無駄な気がします。
あと主人公のシンゴ君が12才なのに優秀過ぎる。
急激な人的資源の減少で幼少時から様々な労働に参加するとしても、
小学6年生らしからぬ精神と頭脳の持ち主に感じました。
【追記】下巻読みました。
最後の最後の〆はSF小説でした。
途中まではこれSFじゃなくても良いよね、
異世界ダンジョン攻略ストーリーとかでも十分書き換え可能だよね、
なんて思いながら読んでいたのでこのラストは嬉しいような、裏切られたような・・
「ほら、ちゃんとSFだったでしょ」そんな作者の声が聞こえてきそうです。
上巻を完読できた方は下巻も是非どうぞ
なんか悔しいので評価は変えないよ
2012年11月30日に日本でレビュー済み
なかなかに面白い。
人類とは異なる知的生命体ベガーが登場するが、
その設定はとても独特。
そのゼリー状のベガーは心からの友情を育める
隣人となり得る存在として描かれている。
しかし、移民船の運営が困難になるほどの人的被害を蒙った
ベガー・人類間の戦争が15年前にあったにも拘らず、
ベガーをここまで社会的に親和させる下地をどう作ったのかの描写は少ないことは事実。
その他の描写についてはリアルで面白い。
閉鎖社会での異種族と否が応無く始まった共生。
これが人の心に何を落とすのか、また世代間の思考格差も見所。
ベガーの正体も気になる
人類とは異なる知的生命体ベガーが登場するが、
その設定はとても独特。
そのゼリー状のベガーは心からの友情を育める
隣人となり得る存在として描かれている。
しかし、移民船の運営が困難になるほどの人的被害を蒙った
ベガー・人類間の戦争が15年前にあったにも拘らず、
ベガーをここまで社会的に親和させる下地をどう作ったのかの描写は少ないことは事実。
その他の描写についてはリアルで面白い。
閉鎖社会での異種族と否が応無く始まった共生。
これが人の心に何を落とすのか、また世代間の思考格差も見所。
ベガーの正体も気になる