『エラントリス 鎖された都の物語』先ず題名が魅力的でしょう。
突然"変容"に見舞われた人々を異端として隔離し閉じ込める先が、
かつての魔法と栄光とパワーの源と目されていた、都エラントリス。
"変容"の意味は、ある朝"変容"した王子ラオデンが徐々に解き明かしていく。
外見が醜くく変わろうと、吸血鬼にならずに、いわば永遠の命を授かったことになる
"変容"が何故呪いなのか。呪いはとく事ができるのか。彼と彼の推理を軸に展開される
エラントリスの謎は、上下厚めでも、最後まで読者を引き付けて離さない。
ただ、頁を割いている割にヒロインに魅力というか共感を感じられず、ご都合主義的な
こま回しになってしまっていて、いま一つ深みが感じられないのが残念。

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エラントリス鎖された都の物語 上 (ハヤカワ文庫 FT サ 1-1) 文庫 – 2006/8/1
- 本の長さ511ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2006/8/1
- ISBN-104150204225
- ISBN-13978-4150204228
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年8月29日に日本でレビュー済み
光り輝く都市、エラントリスにまつわる物語なので都市名がそのままタイトル。
そこに住む人々も輝いていて、不思議な文字の力を駆使して神々のような生活をしている。
周りの都市に住む一般人にもある日突然その「変容」の奇跡は起こって、神々の仲間入りが出来るはずだったんだけど。
ある出来事をキッカケにその力は失われて、都市は廃墟になっちゃうわ住人はゾンビもどきになっちゃうわ、
「変容」が起こった人は「死んだ」ことにされ、廃墟に放り込まれてゾンビの仲間入り。
主人公の王子様にその不幸が降りかかったところから物語が始まる。
政治的にも宗教的にも数々の問題を抱えて崩壊寸前だった国をなんとか支えて変革しようとしていた彼が「死んだ」ことで
ますます危うくなっていく国を、生者サイドからなんとかしようと奮闘するのがヒロインで、王子様と結婚するはずだった
隣国の王女様。これがまた一筋縄では行かない性格で魅力的。
主人公、ヒロイン、彼らを「妨げる」敵である役回りとなる大主教のいずれもしっかりとした信念を持っており、思惑が
ぶつかり合い絡み合う。
エラントリスの力の背景、アオン文字などの設定や謎が深く作り込まれていて、ミステリーに満ちた都市がものすごく
魅力的に描かれている。そこで苦境に陥った主人公が、地獄のような場所を少しずつ変革していく過程もドラマティックで
単純な冒険譚としても楽しめるし、宗教同士の対立や身分制度を巡る問題も実際の現代世界の問題をもカリカチュア化しているようで考えさせられる。
2人を巡るロマンスもハラハラドキドキする展開で、こういった要素全てが美味しく相乗効果をもたらしている作品だと思う。
そこに住む人々も輝いていて、不思議な文字の力を駆使して神々のような生活をしている。
周りの都市に住む一般人にもある日突然その「変容」の奇跡は起こって、神々の仲間入りが出来るはずだったんだけど。
ある出来事をキッカケにその力は失われて、都市は廃墟になっちゃうわ住人はゾンビもどきになっちゃうわ、
「変容」が起こった人は「死んだ」ことにされ、廃墟に放り込まれてゾンビの仲間入り。
主人公の王子様にその不幸が降りかかったところから物語が始まる。
政治的にも宗教的にも数々の問題を抱えて崩壊寸前だった国をなんとか支えて変革しようとしていた彼が「死んだ」ことで
ますます危うくなっていく国を、生者サイドからなんとかしようと奮闘するのがヒロインで、王子様と結婚するはずだった
隣国の王女様。これがまた一筋縄では行かない性格で魅力的。
主人公、ヒロイン、彼らを「妨げる」敵である役回りとなる大主教のいずれもしっかりとした信念を持っており、思惑が
ぶつかり合い絡み合う。
エラントリスの力の背景、アオン文字などの設定や謎が深く作り込まれていて、ミステリーに満ちた都市がものすごく
魅力的に描かれている。そこで苦境に陥った主人公が、地獄のような場所を少しずつ変革していく過程もドラマティックで
単純な冒険譚としても楽しめるし、宗教同士の対立や身分制度を巡る問題も実際の現代世界の問題をもカリカチュア化しているようで考えさせられる。
2人を巡るロマンスもハラハラドキドキする展開で、こういった要素全てが美味しく相乗効果をもたらしている作品だと思う。
2006年10月8日に日本でレビュー済み
デビュー作とは思えない完成度を誇るファンタジー長編。とても丁寧に書かれている上に話の展開はとても早い。上下2冊あってもあっという間に読み終えてしまう面白さだ。
長編ファンタジーと聞くと、その世界の設定に関する説明や描写がおっくうに感じられて手に取ることをためらう読者は多いと予想されるが、この作品についてはその心配はない。なぜなら、この物語は「失われた都市 エラントリス」の謎を主人公が解きほぐしていくものだから。
個性的で複雑な登場人物たちの駆け引きもスリリングで実に楽しめる。そして何より、作品から伝わってくる力強い希望が心地よい。近年の翻訳小説中でも特におすすめの一作だ。
長編ファンタジーと聞くと、その世界の設定に関する説明や描写がおっくうに感じられて手に取ることをためらう読者は多いと予想されるが、この作品についてはその心配はない。なぜなら、この物語は「失われた都市 エラントリス」の謎を主人公が解きほぐしていくものだから。
個性的で複雑な登場人物たちの駆け引きもスリリングで実に楽しめる。そして何より、作品から伝わってくる力強い希望が心地よい。近年の翻訳小説中でも特におすすめの一作だ。
2007年1月22日に日本でレビュー済み
ラスト近くまで非常に面白いと思っていたのですが...
魔法が使えなくなった理由がアホらしいのにやや落胆しました。
他に、変容した後の主人公の超人ぶりが、やり過ぎに思えるところが
気に入りませんでした。まるで、映画版「薔薇の名前」の
ショーン・コネリーがシルベスタ・スタローンになったような感じです。
そうして覚めた目で見ると、なんだか世界が狭いのが気になってきます。
地中海沿岸ぐらいの感じでしょうか。
私的には非常に惜しい作品でした。
魔法が使えなくなった理由がアホらしいのにやや落胆しました。
他に、変容した後の主人公の超人ぶりが、やり過ぎに思えるところが
気に入りませんでした。まるで、映画版「薔薇の名前」の
ショーン・コネリーがシルベスタ・スタローンになったような感じです。
そうして覚めた目で見ると、なんだか世界が狭いのが気になってきます。
地中海沿岸ぐらいの感じでしょうか。
私的には非常に惜しい作品でした。