物語の舞台は、1960年代初頭のミネソタ州の田舎町です。常に穏やかで敬虔な
牧師の父ネイサン・フランクと美しく芸術家肌の母ルース、家族思いで音楽の
才能豊かな姉アリエル、吃音症はあるものの聡明な弟ジェイクと共に暮らす
13歳の少年ドラム。
しかし、平穏だった日々の暮らしは、近所に住む幼馴染のボビーが列車に轢かれて
死亡したのをきっかけに、徐々に打ち砕かれていきます。
本書は、「アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)」の「最優秀長篇賞」をはじめ、
4大ミステリ賞の最優秀長篇賞を独占し、「ミステリが読みたい! 」では第一位に輝いています。
ミネソタ州の豊かな自然と、思春期の少年ならではの豊かな感性に満ちた細やかな視点で
語られる、ある夏の物語。まるで、一遍の長編映画を目にしているかのような臨場感と
満足感を得られました。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
¥1,980¥1,980 税込
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
¥1,980¥1,980 税込
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
¥400¥400 税込
無料配送 6月2日-3日にお届け
発送元: コメンテ【1注文送料込¥1100以上で1日早く届きます・検品時消毒済・日本郵便より発送】 販売者: コメンテ【1注文送料込¥1100以上で1日早く届きます・検品時消毒済・日本郵便より発送】
¥400¥400 税込
無料配送 6月2日-3日にお届け
発送元: コメンテ【1注文送料込¥1100以上で1日早く届きます・検品時消毒済・日本郵便より発送】
販売者: コメンテ【1注文送料込¥1100以上で1日早く届きます・検品時消毒済・日本郵便より発送】
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
ありふれた祈り (ハヤカワ・ミステリ 1890) 新書 – 2014/12/10
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥1,980","priceAmount":1980.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"1,980","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"6uewcWgGkwHuVijGdZrWph%2FUHwW54tekm0PK4X2b4%2FhUMgjU844f%2FhYoWuBchOpdlQrGMSVb3PZfIwH3Sp7VzddVNWNQD9ugjkcVJV4yIwuWqkGJRZrNrUdoNdY4TOKZyRkJqKsGpJs%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥400","priceAmount":400.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"400","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"6uewcWgGkwHuVijGdZrWph%2FUHwW54tekuuG05z%2B7HxnY4VSo78fxa3WkXDQnDLzebI2Pmlwp%2BX4NgfR1eSmUhToawZyADX7VeMgR3DrHPucgQFHRT1F3MZSmyda%2FRwb0PGVOJNTQE2QXLM25pBrwvBxHAO43SZkf%2BkD0nTo3tyhOsuxGpuYy%2Fw%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
全米4大ミステリ賞で最優秀長篇賞を独占! アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)、バリー賞、マカヴィティ賞、アンソニー賞受賞!
あの夏のすべての死は、ひとりの子供の死ではじまった――。1961年、ミネソタ州の田舎町で穏やかな牧師の父と芸術家肌の母、音楽の才能がある姉、聡明な弟とともに暮らす13歳の少年フランク。だが、ごく平凡だった日々は、思いがけない悲劇によって一転する。家族それぞれが打ちのめされもがくうちに、フランクはそれまで知らずにいた秘密や後悔に満ちた大人の世界を垣間見るが……。少年の人生を変えた忘れがたいひと夏を描く、切なさと苦さに満ちた傑作ミステリ。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作!
あの夏のすべての死は、ひとりの子供の死ではじまった――。1961年、ミネソタ州の田舎町で穏やかな牧師の父と芸術家肌の母、音楽の才能がある姉、聡明な弟とともに暮らす13歳の少年フランク。だが、ごく平凡だった日々は、思いがけない悲劇によって一転する。家族それぞれが打ちのめされもがくうちに、フランクはそれまで知らずにいた秘密や後悔に満ちた大人の世界を垣間見るが……。少年の人生を変えた忘れがたいひと夏を描く、切なさと苦さに満ちた傑作ミステリ。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作!
- 本の長さ400ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2014/12/10
- ISBN-104150018901
- ISBN-13978-4150018900
よく一緒に購入されている商品
対象商品: ありふれた祈り (ハヤカワ・ミステリ 1890)
¥1,980¥1,980
最短で6月1日 土曜日のお届け予定です
残り1点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2014/12/10)
- 発売日 : 2014/12/10
- 言語 : 日本語
- 新書 : 400ページ
- ISBN-10 : 4150018901
- ISBN-13 : 978-4150018900
- Amazon 売れ筋ランキング: - 771,364位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,272位ハヤカワ・ミステリ
- - 4,476位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
- - 53,587位新書
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2018年12月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
淡々と進む前半。焦らずにのんびりと余裕のある時に、どうぞ。後半から、軽くぐいぐい進みます。ミステリーと子どもたちの成長の物語。
2017年8月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ずいぶん以前からなんとなく気になっていたウィリアム・K・クルーガー著『ありふれた祈り』を入手して読むことにした。
著者の履歴を調べたら、好きな作家は、アーネスト・ヘミングウェイ、ジョン・スタインベック、F・スコット・フィッツジェラルドなどと語っていた。
先日評者が何年ぶりかで再読したジョン・グリャムの『ペインテッド・ハウス』も、この『ありふれた祈り』も同じジャンルの小説のように感じてしまったのである。
グリシャムもハイスクールのころ愛読したのがジョン・スタインベックだと語っているから、この二人だけでなくアメリカの作家の普遍的な思想性を表しているのかもしれない。
スティーブン・キング原作『恐怖の四季』という中編集のかなの一作で映画化された「スタンド・バイ・ミー」もアメリカの地方の小さな町で少年が体験することを一人語りで構成されているところなど共通しているのではないだろうか。
アメリカでは、とくに50年代半ばから60年代半ばまでの少年を主人公にして回想するミステリや小説が多いように思う。
その時代の少年が体験した事件などをモチーフにした小説は、多くのアメリカ人の琴線に触れる何かがあるようである。
本書のなかでラジオから流れるデル・シャノンの「悲しき街角」などを描写するところなどは、日本でも流行っていたから評者も郷愁を感じてしまったのである。
この『ありふれた祈り』の舞台は、アメリカ中北部のミネソタ州(北にカナダと国境を接し、東は五大湖のひとつスペリオル湖に面していて、西北にノースダコタ州、西南にサウスダコタ州、南にアイオワ州)のミネソタ・リバーに面したニュー・ブレーメンという町(著者の創造した架空の町)の牧師一家に突然襲う家族の死をテーマにしている。
語り手である主人公のフランク・ドラムは、牧師であるネイサンの三人の子供である姉弟の長男であり、この事件当時十三歳の少年である。
父親のネイサンは、第二次大戦での過酷な経験から弁護士への道を捨てて牧師となった人である。
母親のルースは、弁護士の道を捨てた夫に不満を持ちながらも、娘のアリエルがジュリアード音楽院へ入学することも決まっていることから、娘の将来を期待しながら教会の聖歌グループの指導者としての日々を過ごしている。
弟のジェイクは、生来の吃音を苦にしているが、兄のフランクに庇護されながら、この事件の起きる1961年の夏を迎えていた。
この物語の事件は、町に面して流れるミネソタ・リバーに沿って走るユニオンパシフィック鉄道にある長い”構脚橋”で、すべて始まる。
ネタバレになるからこれ以上書くことを止めるが、プロット構成といい、流れるようなストーリー展開といい、読みやすく、(宇佐川晶子氏の翻訳の巧さにより)とにかくよく出来た作品である。
神、信仰、死、人種差別、富裕層との格差、など考えさせられる重いテーマを物語の随所に組み込みながら読者に投げかける書き手としての上手さも感じてしまった。(著者の思想や哲学もうかがえる)
本書に登場するネイティブ・アメリカンであるウォレン・レッドストーンが主人公のフランクに、「死者はわたしたちからそんなに遠くないところにいるのだ。彼らは私たちの心の中に、意識の上にいつもいる。とどのつまり、彼らとわたしたちをへだてているのは、ほんのひと息、最後の一呼吸にすぎない。」と、語った下りを読みながら、信仰など無縁の評者ではあるが、心に深く沈殿するような警句だと感じながら読んでしまった。
就寝前だけでなく、時間があるとつい本書を手にしてしまって読み進んでしまったので早く読み終えてしまった。
さすが、エドガー賞長編賞受賞、アンソニー賞長編賞受賞、マカヴィティ賞長編賞受賞、バリー賞長編賞受賞という栄誉を受けた作品だと思うし、評者は、本書を読み進みながらミステリというジャンルとしての作品以上のものを感じながら読み進んでしまった。
ただ、ひとつだけ難をいわせてもらえば、姉のアリエルを殺した犯人が誰なのかをミステリファンならかなり早い時期に探偵できてしまうだろうことであった。
ミステリ小説というより伝統を継承するアメリカ文学として捉えるなら些末なことかもしれないが・・・。
著者の履歴を調べたら、好きな作家は、アーネスト・ヘミングウェイ、ジョン・スタインベック、F・スコット・フィッツジェラルドなどと語っていた。
先日評者が何年ぶりかで再読したジョン・グリャムの『ペインテッド・ハウス』も、この『ありふれた祈り』も同じジャンルの小説のように感じてしまったのである。
グリシャムもハイスクールのころ愛読したのがジョン・スタインベックだと語っているから、この二人だけでなくアメリカの作家の普遍的な思想性を表しているのかもしれない。
スティーブン・キング原作『恐怖の四季』という中編集のかなの一作で映画化された「スタンド・バイ・ミー」もアメリカの地方の小さな町で少年が体験することを一人語りで構成されているところなど共通しているのではないだろうか。
アメリカでは、とくに50年代半ばから60年代半ばまでの少年を主人公にして回想するミステリや小説が多いように思う。
その時代の少年が体験した事件などをモチーフにした小説は、多くのアメリカ人の琴線に触れる何かがあるようである。
本書のなかでラジオから流れるデル・シャノンの「悲しき街角」などを描写するところなどは、日本でも流行っていたから評者も郷愁を感じてしまったのである。
この『ありふれた祈り』の舞台は、アメリカ中北部のミネソタ州(北にカナダと国境を接し、東は五大湖のひとつスペリオル湖に面していて、西北にノースダコタ州、西南にサウスダコタ州、南にアイオワ州)のミネソタ・リバーに面したニュー・ブレーメンという町(著者の創造した架空の町)の牧師一家に突然襲う家族の死をテーマにしている。
語り手である主人公のフランク・ドラムは、牧師であるネイサンの三人の子供である姉弟の長男であり、この事件当時十三歳の少年である。
父親のネイサンは、第二次大戦での過酷な経験から弁護士への道を捨てて牧師となった人である。
母親のルースは、弁護士の道を捨てた夫に不満を持ちながらも、娘のアリエルがジュリアード音楽院へ入学することも決まっていることから、娘の将来を期待しながら教会の聖歌グループの指導者としての日々を過ごしている。
弟のジェイクは、生来の吃音を苦にしているが、兄のフランクに庇護されながら、この事件の起きる1961年の夏を迎えていた。
この物語の事件は、町に面して流れるミネソタ・リバーに沿って走るユニオンパシフィック鉄道にある長い”構脚橋”で、すべて始まる。
ネタバレになるからこれ以上書くことを止めるが、プロット構成といい、流れるようなストーリー展開といい、読みやすく、(宇佐川晶子氏の翻訳の巧さにより)とにかくよく出来た作品である。
神、信仰、死、人種差別、富裕層との格差、など考えさせられる重いテーマを物語の随所に組み込みながら読者に投げかける書き手としての上手さも感じてしまった。(著者の思想や哲学もうかがえる)
本書に登場するネイティブ・アメリカンであるウォレン・レッドストーンが主人公のフランクに、「死者はわたしたちからそんなに遠くないところにいるのだ。彼らは私たちの心の中に、意識の上にいつもいる。とどのつまり、彼らとわたしたちをへだてているのは、ほんのひと息、最後の一呼吸にすぎない。」と、語った下りを読みながら、信仰など無縁の評者ではあるが、心に深く沈殿するような警句だと感じながら読んでしまった。
就寝前だけでなく、時間があるとつい本書を手にしてしまって読み進んでしまったので早く読み終えてしまった。
さすが、エドガー賞長編賞受賞、アンソニー賞長編賞受賞、マカヴィティ賞長編賞受賞、バリー賞長編賞受賞という栄誉を受けた作品だと思うし、評者は、本書を読み進みながらミステリというジャンルとしての作品以上のものを感じながら読み進んでしまった。
ただ、ひとつだけ難をいわせてもらえば、姉のアリエルを殺した犯人が誰なのかをミステリファンならかなり早い時期に探偵できてしまうだろうことであった。
ミステリ小説というより伝統を継承するアメリカ文学として捉えるなら些末なことかもしれないが・・・。
2014年12月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
約50年前のミネソタ州の田舎町で起こったいくつかの悲劇について、主人公の少年時代の思い出の「語り」として物語が進んでいきます。
主人公は、その田舎町の教会を司る牧師の息子であり、主人公の家族も悲劇に見舞われます。
主人公の「語り」は淡々としつつも、少年ならではの多感さ、そして苦悩が良く現れており、非常に味わいがあります。
ストーリーに派手さはありませんが、家族、友人、近親、そして小さい同じコミュニティで生活する人々の微妙な心の揺れ動き、その積み重なりが、作中の悲劇の背景や、主人公の家族の絆、人間関係の源として巧みに描かれています。
そして、人間の心理の揺れ動きにあわせるかのような、なかなか読みきれないストーリーの展開に、「主人公の家族や、町の人々にどのような運命が待ち受けているのか」と、どんどんと引き込まれていきました。
それぞれの登場人物の描かれ方も、丁寧で、特徴が豊かで良かったと思います。主人公に対して発する言葉、そして、主人公による、登場人物それぞれに対する心情の洞察から、登場人物の言動や機微が非常に良く伝わってきました。
また、終盤に描かれる主人公や登場人物たちの近況も、悲劇を乗り越えた後の後日談として、ほんのわずかな「救い」が味わいを添えていて良かったと思います。
主人公は、その田舎町の教会を司る牧師の息子であり、主人公の家族も悲劇に見舞われます。
主人公の「語り」は淡々としつつも、少年ならではの多感さ、そして苦悩が良く現れており、非常に味わいがあります。
ストーリーに派手さはありませんが、家族、友人、近親、そして小さい同じコミュニティで生活する人々の微妙な心の揺れ動き、その積み重なりが、作中の悲劇の背景や、主人公の家族の絆、人間関係の源として巧みに描かれています。
そして、人間の心理の揺れ動きにあわせるかのような、なかなか読みきれないストーリーの展開に、「主人公の家族や、町の人々にどのような運命が待ち受けているのか」と、どんどんと引き込まれていきました。
それぞれの登場人物の描かれ方も、丁寧で、特徴が豊かで良かったと思います。主人公に対して発する言葉、そして、主人公による、登場人物それぞれに対する心情の洞察から、登場人物の言動や機微が非常に良く伝わってきました。
また、終盤に描かれる主人公や登場人物たちの近況も、悲劇を乗り越えた後の後日談として、ほんのわずかな「救い」が味わいを添えていて良かったと思います。
2017年7月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
久しぶりに読み応えのある感慨深い作品に出会えた気がする。
ミステリであり、純文学であり、人生の指南書とも言える物語だ。
強く心を揺さぶられる、というよりは、しんしんと心に響くような、
読んだ後も余韻が残るようなストーリー、そして登場人物たち。
主人公が少年期から青年期へと移り変わる繊細な時期に遭遇する痛ましい事件。
彼らのまわりの大人たち、そして家族、
それぞれの思い、生き方が交差し、あるときは寄り添い、
そしてあるときはぶつかり合い、
こうやって人は人生を歩んでいくのだ、と教えられる。
人生はきれいごとではない、と作者は訴えながらも
それでも、神を信じること、人を信じること、愛することが
希望へとつながるのだと説いている。
絶望の果てにも希望はあるのだと。
身のまわりの小さなことに目を向け、
ささやかな一日を大切に過ごしていきたい、と
改めて感じた。
ミステリであり、純文学であり、人生の指南書とも言える物語だ。
強く心を揺さぶられる、というよりは、しんしんと心に響くような、
読んだ後も余韻が残るようなストーリー、そして登場人物たち。
主人公が少年期から青年期へと移り変わる繊細な時期に遭遇する痛ましい事件。
彼らのまわりの大人たち、そして家族、
それぞれの思い、生き方が交差し、あるときは寄り添い、
そしてあるときはぶつかり合い、
こうやって人は人生を歩んでいくのだ、と教えられる。
人生はきれいごとではない、と作者は訴えながらも
それでも、神を信じること、人を信じること、愛することが
希望へとつながるのだと説いている。
絶望の果てにも希望はあるのだと。
身のまわりの小さなことに目を向け、
ささやかな一日を大切に過ごしていきたい、と
改めて感じた。
2017年2月11日に日本でレビュー済み
ミステリー好きには物足らないのかもしれない。
なんとなく、結末がわかってしまうのと、割り切れなさとで、すっきりしない。
少年の語りで進む物語。
ミステリーだから、殺人がある。
その悲しさが、ミステリーなのに重い。苦しい。
少年の少年らしい言動や、その弟の何やら存在感のある物言い、牧師である父の過去や
母の父への反発からのいろいろ。
謎解きではないところが、この物語を深いものにしている。
作者の表現力なのか翻訳のうまさなのか、情景や人物がありありとうかびあがってくるような気がする。
ミステリーとしても小説としても読みごたえはあった。
なんとなく、結末がわかってしまうのと、割り切れなさとで、すっきりしない。
少年の語りで進む物語。
ミステリーだから、殺人がある。
その悲しさが、ミステリーなのに重い。苦しい。
少年の少年らしい言動や、その弟の何やら存在感のある物言い、牧師である父の過去や
母の父への反発からのいろいろ。
謎解きではないところが、この物語を深いものにしている。
作者の表現力なのか翻訳のうまさなのか、情景や人物がありありとうかびあがってくるような気がする。
ミステリーとしても小説としても読みごたえはあった。
2017年8月8日に日本でレビュー済み
過去のアメリカで主人公の少年が家族を殺され・・・というお話。
トマス・H・クック、トム・フランクリン、、ローリー・ロイ各氏の小説を読むと、最近の英語圏のミステリ作家の趨勢が判ります。昔の本格推理小説の様に技巧を凝らして読ませる作品より、小説として成熟しているかが問われるというか。このクルーガー氏の作品でも過去のアメリカで起きた、ドメスティックな殺人を扱って、そこから起こる人間関係の波紋や葛藤を描いて読ませる小説になっております。なので、謎解きミステリとしての衝撃やどんでん返しはあまりありませんが、上質の小説を読んだ、というカタルシスを感じました。
ロイ氏の作品のレビューでも書きましたが、最近の日本の技巧的な推理小説が英語圏や他の言語の翻訳されて、評価は高いですが名のある賞はなかなか受賞できない理由もこの辺にあるのかとか、思いました。個人的にはかつてのロス・マクドナルドが創作していた様にノヴェルとしても上質で技巧的にも優れた小説を読みたいと思っておりますが、最近はそういう小説のフロンティア・ラインは消滅したとの諦念が欧米の読書界に広まっている様で、何となく複雑な気分になります。まぁかつてのシムノンの推理小説などもあまり技巧的ではありませんでしたが・・・。
アメリカで名のある賞の4冠に輝いただけはある小説というのはよく理解できますが、最近こういう小説を読む機会が増えたので些か食い足りない気分になったのも真実で、決してこの小説やクルーガー氏の才能に問題がある訳ではないですが、こういう点数にしておきました。すいません。
欧米の推理小説の動向が伺える上質なサスペンス。機会があったら是非。
トマス・H・クック、トム・フランクリン、、ローリー・ロイ各氏の小説を読むと、最近の英語圏のミステリ作家の趨勢が判ります。昔の本格推理小説の様に技巧を凝らして読ませる作品より、小説として成熟しているかが問われるというか。このクルーガー氏の作品でも過去のアメリカで起きた、ドメスティックな殺人を扱って、そこから起こる人間関係の波紋や葛藤を描いて読ませる小説になっております。なので、謎解きミステリとしての衝撃やどんでん返しはあまりありませんが、上質の小説を読んだ、というカタルシスを感じました。
ロイ氏の作品のレビューでも書きましたが、最近の日本の技巧的な推理小説が英語圏や他の言語の翻訳されて、評価は高いですが名のある賞はなかなか受賞できない理由もこの辺にあるのかとか、思いました。個人的にはかつてのロス・マクドナルドが創作していた様にノヴェルとしても上質で技巧的にも優れた小説を読みたいと思っておりますが、最近はそういう小説のフロンティア・ラインは消滅したとの諦念が欧米の読書界に広まっている様で、何となく複雑な気分になります。まぁかつてのシムノンの推理小説などもあまり技巧的ではありませんでしたが・・・。
アメリカで名のある賞の4冠に輝いただけはある小説というのはよく理解できますが、最近こういう小説を読む機会が増えたので些か食い足りない気分になったのも真実で、決してこの小説やクルーガー氏の才能に問題がある訳ではないですが、こういう点数にしておきました。すいません。
欧米の推理小説の動向が伺える上質なサスペンス。機会があったら是非。
2020年6月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
久々に出会った良い作品でした。主人公フランクと弟ジェイク、特にジェイクの成長過程の描写が良かったです。「ありふれた祈り」という言葉が出てくる場面が、非常に良かったです。英文でも読んでみたいです。