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荒野のホームズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1814) 新書 – 2008/7/11

4.9 5つ星のうち4.9 10個の評価

洪水で家も家族も失ったおれと兄貴のオールド・レッドは、いまでは西部の牧場を渡り歩く、雇われカウボーイの生活を送っている。
だが、ある時めぐりあった一篇の物語『赤毛連盟』が兄貴を変えた。その日から兄貴は論理的推理を武器とする探偵を自認するようになったのだ。
そして今、おれたちが雇われた牧場は、どこか怪しげだった。兄貴の探偵の血が騒ぐ。やがて牛の暴走に踏みにじられた死体が見つかると、兄貴の目がキラリと光った……
かの名探偵の魂を宿した快男児が、西部の荒野を舞台にくりひろげる名推理。
痛快ウェスタン・ミステリ登場
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商品の説明

著者について

1968年ケンタッキー州ルイヴィル生まれ。
《ハリウッド・レポート》誌などでジャーナリストとして活躍し、その後ミステリ作家に転身。
短篇で評価されたのち、本書で長篇デビューをはたした。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 早川書房 (2008/7/11)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/7/11
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 新書 ‏ : ‎ 310ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4150018146
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4150018146
  • カスタマーレビュー:
    4.9 5つ星のうち4.9 10個の評価

著者について

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スティーヴ・ホッケンスミス
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カスタマーレビュー

星5つ中4.9つ
5つのうち4.9つ
10グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2020年11月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
西部開拓時代の雇われカウボーイ兄弟、シャーロック・ホームズに憧れ探偵になりたい兄グスタフと、兄を尊敬してついていくワトソンポジションの弟オットーが挑む殺人事件。この設定を見るとコメディっぽく感じますが、真面目に本格的にミステリ小説です。ユーモアはたっぷりあります。語り部である弟オットーの軽妙な語り口にニヤっとさせられます。ウェスタンな推理小説はないかと探して、この小説に行き当たりましたが大当たりでした。もっと早くに気づけばよかった…。友人にも勧めているのですが、いかんせん絶版で買って配るということができないのが痛いところ。できたら文庫化、または再版をしてくれるといいのですが。続編の「荒野のホームズ西へ行く」大変良いできでした。支えあって生きていく兄弟の未来に幸あれ。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年2月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
70年代末くらいからホームズ関連のものはパスティーシュ含めて
見つけては喜んで読んで参りましたが、これはとんでもなく素晴らしい。
紹介とかいって 中をつまんでしまってよいのか、大変悩ましいところです。

 読み書きを学ぶ機会のなかった無学なカウボーイ グスタフ。知識では
なく、観察し考える事で事実にたどりつくホームズは彼のヒーローです。
 カウボーイである自分が、なぜ危険を犯し目の前の殺人事件を解決
しようとしているのか、 荒野で枯れ枝を火にくべながら、彼は弟に語ります。

    俺が伯父に「なぜ俺達はカルビン派じゃないのか」と聞いた時の
    ことを憶えているか。伯父はいった「おめえが地獄に堕ちたら、
    それは神様のせいじゃなくて自分のせいだからさ」。
    ……運命ってものがこの世にあるんだとしたら、貧しくてバカな男の
    行く先がどうなるかなんて分かりきっている。 
         だがな、オレはそれが我慢できない。

ビルドゥングスロマンとしての探偵、人が簡単に死ぬ西部の荒野で
ホームズになろうとする男。

非正規雇用の率が増え、正規雇用であれば過酷な働かされ方をし、しかし
明日の保障はないかもしれない。アメリカが先にその状態に突入していま
したが、彼我の時間差を超えて日本にもその波は到達しました。

色々な方が、身にせまってこの過酷な西部のホームズ崇拝譚を
興味深く読めるのではないかと思います。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年12月3日に日本でレビュー済み
探偵を始めたきっかけという点以外、ホームズっぽさはあまり感じられません。
しかし、西部劇を背景に展開される物語は謎解きという点では解決が唐突に思えることなど弱い気がしますが、西部の荒くれ男たちのなかで垣間見せる兄弟の思い会う姿など丹念に描かれており、十分に楽しめました。
2008年9月21日に日本でレビュー済み
19世紀後半のアメリカの荒野で朗読される「赤毛連盟」。聞くは文字の読めない赤毛のカウボーイ、オールド・レッド。ホームズを神とあがめ、探偵に目覚めた彼は、弟ビッグ・レッドをワトソン役に、雇われ先の牧場の難事件を解決します。ホームズ本人は登場しませんが、正典「独身貴族」の登場人物たちが、重要な役回りで登場します。
15人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年6月19日に日本でレビュー済み
なんか、高校時代の自分を思い出してしまいました。当時、活字だけの小説を読んだことはほとんどなく、新潮文庫のホームズシリーズで探偵小説に一気にのめりこんだことを。

だから主人公のグスタフ・アムリングマイヤーには時代と国が違っても共感を覚えてしまいました。

西部を舞台に荒くれ者の中で、ホームズに心酔し、憧れを持つグスタフは雇われた牧場で、支配人の死と接する。制止する弟に耳を貸さずに操作を開始する兄、それを疎ましく思う牧場関係者。そして、牧場のオーナーが現れた後に、今度は屋外トイレで死体が現れる。

グスタフはかっこいい!! お勧めです。
2009年3月10日に日本でレビュー済み
’08年、「このミステリーがすごい!」海外編第9位にランクインした、スティーヴ・ホッケンスミスの長編デビュー作。

時は19世紀末。ところはアメリカ北西部モンタナ州の荒野の牧場。洪水で家族と財産をすっかり失った‘おれ’ことビッグ・レッドと‘兄貴’のオールド・レッドの兄弟は、西部の牧場を渡り歩いた末に、ここで雇われカウボーイの一員となった。このバー・VR牧場はイギリスからやってきた貴族がオーナーをつとめており、どこか怪しげでキナくさい。
彼らは監禁同然の扱いを受けるが、やがて牛の暴走に踏みにじられた死体が発見される。さらには、密室状況下で黒人カウボーイが額に銃痕のある状態で死んでいるという事件も発生する。

‘おれ’が語って聞かせるシャーロック・ホームズの物語にすっかり心酔した‘兄貴’はこの名探偵よろしく、どちらも殺人事件として調査を進めてゆく。

ホームズが実在の人物として扱われていたり、読み書きのできない‘兄貴’が、ワトスン役の‘おれ’を従えて大西部のホームズとして、その魂を宿して活躍したりという設定はユニークである。

本書は、ウェスタンとホームズの謎解きという一見、ミスマッチな取り合わせながら、それを感じさせない、古今東西のホームズもののパロディやパスティーシュを超えた存在感と読みごたえが‘兄貴’にも‘おれ’にもあり、カウボーイ小説の醍醐味をたっぷり盛り込みながら、かつホームズばりの謎解きの興味を加えた、痛快なミステリーである。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年9月2日に日本でレビュー済み
タイトルに「荒野」と「ホームズ」が二つ並んでいるのが面白く、読み始めた。
ホームズ好きの兄と共にカウボーイの仕事をしている弟が、ワトソンよろしく、語り手となっている。
この弟の語り口が面白かった。
兄が事件を探る様子を、ハラハラしながら、全幅の信頼を寄せることはなく、語っている。
そこには、控えめながらも愛情が感じられて、時にはしんみりとさせられた。
ホームズが小説中の探偵というだけでなく、実在しているという設定というのが楽しい。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年8月9日に日本でレビュー済み
シャーロックホームズを信奉し、心の師とするカウボーイ兄と補佐役弟の2人が主人公で
なかなか展開も地味だがリアルで当時の西部を理解しやすくどんどん引き込まれる。
しかし、翻訳も難しかったのでは。と、推測する。
まあ、続けては読めないけど、時間が開けば続編も読みたくなるかも。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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