新品:
¥2,015¥2,015 税込
無料お届け日:
4月7日 - 9日
発送元: ※お届け予定日をご確認ください※有明Village 販売者: ※お届け予定日をご確認ください※有明Village
新品:
¥2,015¥2,015 税込
無料お届け日:
4月7日 - 9日
発送元: ※お届け予定日をご確認ください※有明Village
販売者: ※お届け予定日をご確認ください※有明Village
中古品: ¥8
中古品:
¥8

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
レジーム・チェンジ 恐慌を突破する逆転の発想 (NHK出版新書) 新書 – 2012/3/8
中野 剛志
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥2,015","priceAmount":2015.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"2,015","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"KbJMN7vyaYZa7la7rB%2BHz%2BkCwNahxby1QhBkVIPsuAkIOiPMPJrCXBRrQPaznnHOiAmfjyS8qWEzdyPiuRyP8M2jFlZCSmAEx%2B0FnUovJYiY2oWa1hSorVIjy%2BeeziZ793vdxRmZxncnvsbOCtTG0bW8NKuQPODq6Dfck56jBnbLX7t8xBhvkA%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥8","priceAmount":8.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"8","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"KbJMN7vyaYZa7la7rB%2BHz%2BkCwNahxby1QwlmvuejFtkPhrVsynUqgISSf1Hszonas2nWfrfpd7v6dgC%2B63ol7JmpBXN3OZs%2Ba9pA6M46IX%2BFSxrKe7p8DdM7YScD4fx1%2BC0pHhDaC9sanOtIrBCWo20BnL3palOS9h2MJ3IBVlwodtHxSnKnci86xoHYGtIG","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
財政破綻説に惑わされるな!
今こそ経済政策の大転換を!
デフレ不況、グローバル恐慌、超円高……異常な状況では、もはや「経済の常識」は通用しない。いたずらに不安を煽る財政破綻説のウソを暴き、構造改革から消費税増税までの諸政策を徹底批判。小手先の「改革」を超えた、脱デフレに向けた政策大逆転を提唱。『TPP亡国論』で論壇を席巻した革命児が、変革のビジョンを力強く説く!
今こそ経済政策の大転換を!
デフレ不況、グローバル恐慌、超円高……異常な状況では、もはや「経済の常識」は通用しない。いたずらに不安を煽る財政破綻説のウソを暴き、構造改革から消費税増税までの諸政策を徹底批判。小手先の「改革」を超えた、脱デフレに向けた政策大逆転を提唱。『TPP亡国論』で論壇を席巻した革命児が、変革のビジョンを力強く説く!
- ISBN-104140883731
- ISBN-13978-4140883730
- 出版社NHK出版
- 発売日2012/3/8
- 言語日本語
- 寸法11.4 x 1.2 x 17.2 cm
- 本の長さ232ページ
よく一緒に購入されている商品

対象商品: レジーム・チェンジ 恐慌を突破する逆転の発想 (NHK出版新書)
¥2,015¥2,015
4月 7 - 9 日にお届け
通常5~6日以内に発送します。
¥2,760¥2,760
最短で3月30日 土曜日のお届け予定です
残り1点 ご注文はお早めに
一緒に購入する商品を選択してください。
この著者の人気タイトル
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : NHK出版 (2012/3/8)
- 発売日 : 2012/3/8
- 言語 : 日本語
- 新書 : 232ページ
- ISBN-10 : 4140883731
- ISBN-13 : 978-4140883730
- 寸法 : 11.4 x 1.2 x 17.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 589,238位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 305位NHK出版新書
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2017年3月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読まずに言えば、デフレ期にデフレを促進する「構造改革」とか、
インフレ期に「日本列島改造論」をぶちあげ「狂乱物価」や「スタグフレーション」を引き起こした田中角栄と同じ轍を踏む愚かさ❗(単純な裏返しなんだけどねw)
それを「天才」と評する三文小説が売れる倒錯性w
一般国民にはマネタリストかケイジアンかなんてどうでも良く、実務的には金融緩和と財政出動で全速力でデフレという大気圏を突破すれば良いですがなw
実際には消費増税の「逆噴射」でデフレ圏の周回軌道┐('∀`)┌
ここで財務省及び彼らの影響下の経済評論屋の異常性は問題にされるべき。例えば、消費増税の影響は軽微などと宣ったトンキン大学の伊藤某や消費増税しないと国債暴落で財政が破綻するなどとほざいた証券系シンクタンクの馬⭕など、コイツら単なるバカなのか、外国勢力の影響下にある工作員スパイスなのか知りたいものだ。
では、買って読むとしますだ。
インフレ期に「日本列島改造論」をぶちあげ「狂乱物価」や「スタグフレーション」を引き起こした田中角栄と同じ轍を踏む愚かさ❗(単純な裏返しなんだけどねw)
それを「天才」と評する三文小説が売れる倒錯性w
一般国民にはマネタリストかケイジアンかなんてどうでも良く、実務的には金融緩和と財政出動で全速力でデフレという大気圏を突破すれば良いですがなw
実際には消費増税の「逆噴射」でデフレ圏の周回軌道┐('∀`)┌
ここで財務省及び彼らの影響下の経済評論屋の異常性は問題にされるべき。例えば、消費増税の影響は軽微などと宣ったトンキン大学の伊藤某や消費増税しないと国債暴落で財政が破綻するなどとほざいた証券系シンクタンクの馬⭕など、コイツら単なるバカなのか、外国勢力の影響下にある工作員スパイスなのか知りたいものだ。
では、買って読むとしますだ。
2012年3月20日に日本でレビュー済み
既存の政策課題への批判の延長戦上に今回提示されたのがこの作品ですが、しっかりまとまった全体像の提示になっています。それは、新しい戦争を古い武器と思考で戦うことの不毛さです。本書では、デフレ・レジームの象徴ともいうべき、新自由主義の持つ時代性の拘束が指摘され、その延長線上の徹底や洗練には、現代の解はあり得ないことが見事に解き明かされています。非政治化という「政治」のグロテスクさと不適合を指摘するのは、本書でも取り上げられた
Capitalizing on Crisis: The Political Origins of the Rise of Finance
とも共通する視点です。
でもどうしてこんなバカげたレジームがいつまでも継続し、陳腐な「処方箋」が20年も手を替え品を替え仰々しく提示され続けるのか。これには制度化のもたらす利害の構造に由来するところ大でしょう。みんな現実の問題の解決など放棄しているのです。その程度の知性の構造なのです。どこかで発明もしくは発見された(invented elsewhere)ガラクタの「経済」理論なるものをどのように翻案し、知の装飾をほどこし日本という風土に売り込むか。それ以上のものはありません。そこで意図されているのは現状での自らの利害の確保以外の何物でもないのです。だれもが自分の頭でものなど考えていないのです。そしてそこにはいつも幼稚な日本の知性を操る、表には出てこない黒幕がいます。戦前ではそれがソヴィエトであり現在はアメリカというわけです。
このような思考構造の帰結はいつも同じです。それはいつの時代も変わらない「誤解に基づく実験」です。その結果が20年以上続く経済の停滞という現状なのです。これは日本という存在に本質的に内在する病理の構造なのです。
でもどうしてこんなバカげたレジームがいつまでも継続し、陳腐な「処方箋」が20年も手を替え品を替え仰々しく提示され続けるのか。これには制度化のもたらす利害の構造に由来するところ大でしょう。みんな現実の問題の解決など放棄しているのです。その程度の知性の構造なのです。どこかで発明もしくは発見された(invented elsewhere)ガラクタの「経済」理論なるものをどのように翻案し、知の装飾をほどこし日本という風土に売り込むか。それ以上のものはありません。そこで意図されているのは現状での自らの利害の確保以外の何物でもないのです。だれもが自分の頭でものなど考えていないのです。そしてそこにはいつも幼稚な日本の知性を操る、表には出てこない黒幕がいます。戦前ではそれがソヴィエトであり現在はアメリカというわけです。
このような思考構造の帰結はいつも同じです。それはいつの時代も変わらない「誤解に基づく実験」です。その結果が20年以上続く経済の停滞という現状なのです。これは日本という存在に本質的に内在する病理の構造なのです。
2020年12月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書の言葉の引用でしか語る力がないのです。
“デフレとは、単に物価が下がるという経済現象にとどまらず、産業に悪影響を及ぼし、資本主義をおかしくし、社会を崩壊させ、政治を劣化させるという複合的な危機”
この部分が太もも・・・じゃなくて、太文字で印刷されてない事に憤りをチョコっと感じた。
ふろく
《延々と続ける粕内角の致命的な大間違い…じゃ済まん馬鹿さ加減》
「非効率部門の淘汰を唱える人々(Chinese跡金存でしたっけ?)が、非効率部門が温存されているからデフレ不況なのだ!と考えていること。」
“デフレとは、単に物価が下がるという経済現象にとどまらず、産業に悪影響を及ぼし、資本主義をおかしくし、社会を崩壊させ、政治を劣化させるという複合的な危機”
この部分が太もも・・・じゃなくて、太文字で印刷されてない事に憤りをチョコっと感じた。
ふろく
《延々と続ける粕内角の致命的な大間違い…じゃ済まん馬鹿さ加減》
「非効率部門の淘汰を唱える人々(Chinese跡金存でしたっけ?)が、非効率部門が温存されているからデフレ不況なのだ!と考えていること。」
2012年3月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前作「日本思想史新論」は、少し期待の内側な感があったが、本書「レジーム・チェンジ」はその分を上回り非常に良い仕上がりとなっている。今まで、デフレという現象に警鐘を鳴らしてきた著者・中野剛志ではあるが、実はデフレそのものについての解説、その処方箋をメインに論じた著作は無かった。今回のレジーム・チェンジは、そのデフレの危険性を十分に分かりやすく説き、その上で歴史的事実に基づきデフレ脱却への政策を打ち出すというものであり、中野の考え方が良くわかる。
まず、内容に深く触れる前に構成面の素晴らしさを論じておきたい。本書は非常にスムーズに次の議論への移行がなされている。これは目立たないが技ありの手法である。まず、読者がデフレ・レジームに囚われている可能性を示唆しておき後に覚える違和感への牽制をしておく。次にデフレの恐ろしさを説き、その過程で様々なデフレ・レジームを解明し、現在の政策がいかにデフレ・レジームに基づいているものかを解き明かしていく。この段階で読者をデフレ恐怖のどん底に叩き落しておいて、じゃあどうするのか?という処方箋に着手する。最後に自説を強化する為に、過去に自分と似たような政策でデフレを脱した歴史を裏付けに提示する。非常に滑らかで無駄の無い構成である。最近本を狂ったように(by中野)出版している中野であるが、論理だけではなくこのような構成面も上達していると感じた。
さて内容であるが、まずは現在の日本を支配しているものは「デフレ・レジーム」という「インフレ対策」である事を明快に論じる。サッチャーやレーガンの構造改革が功を奏し景気の安定に向かったのは事実であるが、実はその時のイギリスやアメリカはインフレに悩んでいた。その解決策としての構造改革であったのに、デフレで悩んでいた日本がそれを取り入れた事に批判を加えていく。さらに、これは三橋貴明との共著「売国奴に告ぐ!」の書評でも語ったが、それを前提とした主流派経済学に対して、またしてもここで批判的に検証する。インフレ前提の主流派経済学が、デフレで過剰貯蓄状態の現在の日本に通用するはずが無いだろう、今まで評価されてきたのはデフレ・レジームの中で認められたデフレ・エリートでしかない、等等その論理は至極明快、かつ痛快である。前作とは違い、丁寧口調ではあるが中野独特の歯切れの良さ(包み隠さず言えば攻撃性)が垣間見られ、とても面白い。
中野は前々から数値・理としての経済学を批判しており、”実体”の中ではどうなるのであろうか、というところに主眼を置く。今回は「コストプッシュ・インフレ」という現象を通じ供給過剰/需要不足という”実体面でのデフレ”に重点を置くべきだと主張している。この見解はまことに正しく、冒頭で「経済学の知識だけでなく社会学・政治学・歴史の知見を総動員しないとデフレはわからない」と述べた意味がよくわかる。さらに資本主義が実は非常に不安定であるという議論もされている。
日本経済界の重要人物でありリフレ派の重鎮とも言うべき人物・岩田規久男氏の議論を批判的に検証しているところも面白い。簡単に要約すると、金融緩和だけでは足らず、緩和した金が外資に流れてしまえば意味が無いので確実に国民の所得にまわすべく、公共投資をするべきだという事であり、中野の主張(三橋の受け売りか?)には一定の説得力を感じる。が、岩田規久男氏ひいては所謂リフレ派(高橋洋一氏、上念司氏など)の主張をこれだけでひっくり返せるとはさすがに思わないので、更なる議論の進展を願う(例えば、ここの反論として用いられる可能性が高いMF理論に関しては、京都大学大学院教授である藤井聡の主張を参考にすると良い。前提に関する解釈などが分かれている為、どちらが正しいか私には判断しかねるが一瞥する価値はあるだろう)。
ニューディール政策を打ち出したマリナー・エクルズの議論については、是非とも本書の中で味わっていただきたい。私などがまとめるのは何だかおこがましい気がする。素晴らしい人物である。
なお、後半の議論の中心である「財政破綻論の嘘」「公共事業の必要性」については、十分に論じられていない感がある。恐らくページの都合によるものであろう。本書の議論でこれらの主張を初めて知り、かつ十分に納得出来ない方は、前者は三橋貴明著「世界でいちばん!日本経済の実力」、後者は藤井聡著「公共事業が日本を救う」を参考にされたし。
そして、本書で着目すべきは、現実に起こってしまった以下の議論である。
93Pで「デフレは将来の供給を奪う」という議論がある。この事は、今回の東日本大震災が如実に証明してしまっている。現在、被災地では圧倒的に供給が不足している。その最たる例はコンクリートである。
生コン会社が内需不振により設備投資をしておらず、今回の震災に全く対応出来ていない。いざ、モノが欲しい時に供給する術が無いのである。これは、やはりデフレによる設備投資を怠ったという事に起因するのではないか。
この生コン会社に罪があるとは言うつもりはない。本書で中野が散々説いているように、デフレ期には設備投資を控える事が経済合理的な判断である。デフレを放置したツケが今回の震災復興を遅らせている。将来の供給能力を削いでしまえば、有事の際に全く対応する事が出来ない事を我々は痛感しなければならない。この事だけでもデフレの恐ろしさが手に取るようにわかる(実際、15年以上前から手に取ってしまっているのだが)。
さて、本書の議論は、デフレ・レジームにどっぷりな人間ほど理解し難いものである事は、冒頭で述べられているが、確かに、その通りである。前述のMF理論が典型であるが、恐らく、経済学に精通した人物ほど、本書に違和感を覚えてしまう事だろう。しかし是非とも、トンデモ本だなどと途中で投げ出してしまうのではなく、じっくりと最後まで、欲を言うなら経済学の知見をフラット化させて読んでいただきたい。デフレを起こしてきた政策で、デフレを克服できるはずが無い。紐では、押せないのだ。その事を十分に理解した上で本書をお読みいただける事を切に願う。一読者にすぎない私がこのような物言いをしているのは、本書が日本のデフレ脱却の希望の光である事を、確信しているからである。
まず、内容に深く触れる前に構成面の素晴らしさを論じておきたい。本書は非常にスムーズに次の議論への移行がなされている。これは目立たないが技ありの手法である。まず、読者がデフレ・レジームに囚われている可能性を示唆しておき後に覚える違和感への牽制をしておく。次にデフレの恐ろしさを説き、その過程で様々なデフレ・レジームを解明し、現在の政策がいかにデフレ・レジームに基づいているものかを解き明かしていく。この段階で読者をデフレ恐怖のどん底に叩き落しておいて、じゃあどうするのか?という処方箋に着手する。最後に自説を強化する為に、過去に自分と似たような政策でデフレを脱した歴史を裏付けに提示する。非常に滑らかで無駄の無い構成である。最近本を狂ったように(by中野)出版している中野であるが、論理だけではなくこのような構成面も上達していると感じた。
さて内容であるが、まずは現在の日本を支配しているものは「デフレ・レジーム」という「インフレ対策」である事を明快に論じる。サッチャーやレーガンの構造改革が功を奏し景気の安定に向かったのは事実であるが、実はその時のイギリスやアメリカはインフレに悩んでいた。その解決策としての構造改革であったのに、デフレで悩んでいた日本がそれを取り入れた事に批判を加えていく。さらに、これは三橋貴明との共著「売国奴に告ぐ!」の書評でも語ったが、それを前提とした主流派経済学に対して、またしてもここで批判的に検証する。インフレ前提の主流派経済学が、デフレで過剰貯蓄状態の現在の日本に通用するはずが無いだろう、今まで評価されてきたのはデフレ・レジームの中で認められたデフレ・エリートでしかない、等等その論理は至極明快、かつ痛快である。前作とは違い、丁寧口調ではあるが中野独特の歯切れの良さ(包み隠さず言えば攻撃性)が垣間見られ、とても面白い。
中野は前々から数値・理としての経済学を批判しており、”実体”の中ではどうなるのであろうか、というところに主眼を置く。今回は「コストプッシュ・インフレ」という現象を通じ供給過剰/需要不足という”実体面でのデフレ”に重点を置くべきだと主張している。この見解はまことに正しく、冒頭で「経済学の知識だけでなく社会学・政治学・歴史の知見を総動員しないとデフレはわからない」と述べた意味がよくわかる。さらに資本主義が実は非常に不安定であるという議論もされている。
日本経済界の重要人物でありリフレ派の重鎮とも言うべき人物・岩田規久男氏の議論を批判的に検証しているところも面白い。簡単に要約すると、金融緩和だけでは足らず、緩和した金が外資に流れてしまえば意味が無いので確実に国民の所得にまわすべく、公共投資をするべきだという事であり、中野の主張(三橋の受け売りか?)には一定の説得力を感じる。が、岩田規久男氏ひいては所謂リフレ派(高橋洋一氏、上念司氏など)の主張をこれだけでひっくり返せるとはさすがに思わないので、更なる議論の進展を願う(例えば、ここの反論として用いられる可能性が高いMF理論に関しては、京都大学大学院教授である藤井聡の主張を参考にすると良い。前提に関する解釈などが分かれている為、どちらが正しいか私には判断しかねるが一瞥する価値はあるだろう)。
ニューディール政策を打ち出したマリナー・エクルズの議論については、是非とも本書の中で味わっていただきたい。私などがまとめるのは何だかおこがましい気がする。素晴らしい人物である。
なお、後半の議論の中心である「財政破綻論の嘘」「公共事業の必要性」については、十分に論じられていない感がある。恐らくページの都合によるものであろう。本書の議論でこれらの主張を初めて知り、かつ十分に納得出来ない方は、前者は三橋貴明著「世界でいちばん!日本経済の実力」、後者は藤井聡著「公共事業が日本を救う」を参考にされたし。
そして、本書で着目すべきは、現実に起こってしまった以下の議論である。
93Pで「デフレは将来の供給を奪う」という議論がある。この事は、今回の東日本大震災が如実に証明してしまっている。現在、被災地では圧倒的に供給が不足している。その最たる例はコンクリートである。
生コン会社が内需不振により設備投資をしておらず、今回の震災に全く対応出来ていない。いざ、モノが欲しい時に供給する術が無いのである。これは、やはりデフレによる設備投資を怠ったという事に起因するのではないか。
この生コン会社に罪があるとは言うつもりはない。本書で中野が散々説いているように、デフレ期には設備投資を控える事が経済合理的な判断である。デフレを放置したツケが今回の震災復興を遅らせている。将来の供給能力を削いでしまえば、有事の際に全く対応する事が出来ない事を我々は痛感しなければならない。この事だけでもデフレの恐ろしさが手に取るようにわかる(実際、15年以上前から手に取ってしまっているのだが)。
さて、本書の議論は、デフレ・レジームにどっぷりな人間ほど理解し難いものである事は、冒頭で述べられているが、確かに、その通りである。前述のMF理論が典型であるが、恐らく、経済学に精通した人物ほど、本書に違和感を覚えてしまう事だろう。しかし是非とも、トンデモ本だなどと途中で投げ出してしまうのではなく、じっくりと最後まで、欲を言うなら経済学の知見をフラット化させて読んでいただきたい。デフレを起こしてきた政策で、デフレを克服できるはずが無い。紐では、押せないのだ。その事を十分に理解した上で本書をお読みいただける事を切に願う。一読者にすぎない私がこのような物言いをしているのは、本書が日本のデフレ脱却の希望の光である事を、確信しているからである。
2013年4月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中野は「デフレによる不況は、通常の景気循環による不況と違って『底を打つ』ことがありません」(36頁)という。そんなことはない。不況がなかなか終わらないのは、物価が下がるからではなく、むしろ政府の規制や金融緩和によって物価が十分に下がらないためだ。
本書のタイトルの由来にもなった「政策レジーム(枠組み)」という概念を提示した経済学者ピーター・テミン自身が、米国1839年恐慌(1839-43年)と大恐慌(1929-33年)を比較し次のような事実を明らかにしている。1839年恐慌は卸売物価の下落率が42パーセントにも達し、大恐慌(31パーセント)を上回る厳しいデフレだった。ところが実質国内総生産は16パーセント増加(大恐慌は30パーセント減少)、実質消費は21パーセント増加(同19パーセント減少)で、実物経済は短期間で回復し成長に復帰した。政府によって物の価格や賃金が人為的につり上げられた大恐慌時と異なり、物価が柔軟に下落したため、生産活動や生活水準への悪影響がなかったのだろうとテミンは示唆している。
世間に流布する神話と異なり、大恐慌時の大統領フーヴァーは自由放任主義者などではなく、企業に賃金引き下げの「自粛」を要請するなど経済への介入を積極的におこなった。その結果、本来ならもっと軽くて済むはずだった不況を深刻にしてしまったのである。またカリフォルニア大学ロサンゼルス校教授のリー・オハニアンらが明らかにしたように、後任のフランクリン・ローズヴェルトはニューディールという同様の介入政策で不況をさらに長引かせた。中野は神話を鵜呑みにし、「インフレ・レジーム」への転換を訴えるが、そもそも「インフレ・レジーム」が大恐慌を終わらせたという認識そのものが誤っているのである。
本書のタイトルの由来にもなった「政策レジーム(枠組み)」という概念を提示した経済学者ピーター・テミン自身が、米国1839年恐慌(1839-43年)と大恐慌(1929-33年)を比較し次のような事実を明らかにしている。1839年恐慌は卸売物価の下落率が42パーセントにも達し、大恐慌(31パーセント)を上回る厳しいデフレだった。ところが実質国内総生産は16パーセント増加(大恐慌は30パーセント減少)、実質消費は21パーセント増加(同19パーセント減少)で、実物経済は短期間で回復し成長に復帰した。政府によって物の価格や賃金が人為的につり上げられた大恐慌時と異なり、物価が柔軟に下落したため、生産活動や生活水準への悪影響がなかったのだろうとテミンは示唆している。
世間に流布する神話と異なり、大恐慌時の大統領フーヴァーは自由放任主義者などではなく、企業に賃金引き下げの「自粛」を要請するなど経済への介入を積極的におこなった。その結果、本来ならもっと軽くて済むはずだった不況を深刻にしてしまったのである。またカリフォルニア大学ロサンゼルス校教授のリー・オハニアンらが明らかにしたように、後任のフランクリン・ローズヴェルトはニューディールという同様の介入政策で不況をさらに長引かせた。中野は神話を鵜呑みにし、「インフレ・レジーム」への転換を訴えるが、そもそも「インフレ・レジーム」が大恐慌を終わらせたという認識そのものが誤っているのである。
2013年2月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
デフレは単なる貨幣現象ではなく、資本主義、社会、政治にも深刻な悪影響を及ぼす。
デフレというものの本質をここまで多角的に捉えた本はこれまでなかったのではないだろうか。
−デフレは将来に対する投資が行われなくなる、いわば資本主義の心肺停止である。
−デフレによる失業者の増加は人間の自立心と尊厳を損なう、人間の否定である。
−デフレレジームの政策は経済を市場に委ねることであり、それは民主主義を排除し、全体主義を招く。
言われると当たり前のように感じるが、これまでこういった主張を明確にしてきた人がいなかったように思う。
他の著作でも言えることだが、筆者はその当たり前のことに、様々な学者の論文を引き、学術的な裏付けを行っているので、
学術的知識のない人でも、自身の経験則や常識に照らし合わせてすんなりと納得することができる。
また余計な言葉を削ぎ落とし、本当に伝えたいことのみを書いているので、言葉の持つ力の強さを感じる。
おそらく筆者は文章を書く作業よりも、本質を伝えるために言葉を厳選する作業の方に時間をかけているのではないだろうか?
限られた文字数で明確に伝わる文章を書く場合の参考ともなる本である。
デフレというものの本質をここまで多角的に捉えた本はこれまでなかったのではないだろうか。
−デフレは将来に対する投資が行われなくなる、いわば資本主義の心肺停止である。
−デフレによる失業者の増加は人間の自立心と尊厳を損なう、人間の否定である。
−デフレレジームの政策は経済を市場に委ねることであり、それは民主主義を排除し、全体主義を招く。
言われると当たり前のように感じるが、これまでこういった主張を明確にしてきた人がいなかったように思う。
他の著作でも言えることだが、筆者はその当たり前のことに、様々な学者の論文を引き、学術的な裏付けを行っているので、
学術的知識のない人でも、自身の経験則や常識に照らし合わせてすんなりと納得することができる。
また余計な言葉を削ぎ落とし、本当に伝えたいことのみを書いているので、言葉の持つ力の強さを感じる。
おそらく筆者は文章を書く作業よりも、本質を伝えるために言葉を厳選する作業の方に時間をかけているのではないだろうか?
限られた文字数で明確に伝わる文章を書く場合の参考ともなる本である。
2013年11月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本は大概図書館で読んで、手元に残さないのですが、ときどき所持したくなるものはAmazonで買います。
街の本屋さんごめんなさい。
こういう、時事ネタの本は出来るだけ早く読んで理解しないと意味が無く、愛蔵している価値もないのですが、それでも持っていたい。
それは、ただの個人ではなく国民としての視点をもつことを、思い出させてくれるから。
養老孟司やジョブズは、その生き方や著作で哲学者となりうるであろう。
中野剛志も、経済学者のみならず哲学者だと思う。
街の本屋さんごめんなさい。
こういう、時事ネタの本は出来るだけ早く読んで理解しないと意味が無く、愛蔵している価値もないのですが、それでも持っていたい。
それは、ただの個人ではなく国民としての視点をもつことを、思い出させてくれるから。
養老孟司やジョブズは、その生き方や著作で哲学者となりうるであろう。
中野剛志も、経済学者のみならず哲学者だと思う。