この本を読むまで「東大で括れる思想ってあるの?」と思っていたが、読んだ感想としてはやはりなさそうだった。思想がないのが東大の思想ともいえる。2代前の総長が「タフでグローバル」を言い出した時に、「世界的視野をもった市民的エリート」という東大憲章が引用されてて、強いて言えばその辺りかもしれない。
東大はドイツ型のユニバーシティ(学部後期課程)とアメリカ型のリベラルアーツ(前期課程)とグラジュエイトスクール(大学院)の混合体という吉見先生の主張は面白いと思った。たしかに、学部後期課程に既に大学院的な専門教育の要素はあり、大学院重点化は後期課程の意義を薄めている気もする。実際、自分がいた研究室では、読むテクストや議論する相手が学部生か院生かの違いはあったけれど、2、3の必修を済ませたらひたすら少人数ゼミで文献を読み、研究を報告というスタイルは同じで、得られる知的資源は似ていたと思う。研究室の「卒論は最低8万字」というルールがあるのも、大学院が肥大化する以前からの伝統であり、学部後期課程の2年間で一定の専門性を身につけることの期待の表れなのかもしれない。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥2,000以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
東大という思想: 群像としての近代知 単行本 – 2020/8/24
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥3,850","priceAmount":3850.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"3,850","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"6DtXS0TCb0ot9PpQTd9Pqc8f%2F370l00z82mXIO3Vl9t7PEJAhfqaDIbVg2fQYXERwFInNpjHbpIdv9P%2BzrzKKMkDwCxLVj8gBNEm9zL6oLV7V56AHbF6ftiuwEyUvE7zrJkxLfL6EFY%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}]}
購入オプションとあわせ買い
「建学の理念」不在の東大。その姿は、国家の学を担わされながら、欧米の近代知と日本・アジアという足元の間で格闘してきた群像によって描かれざるを得ない。医学、工学、社会学、政治学、経済学ほか、一線の研究者が自らの始祖たちの像の素描に取り組んだ論文・エッセイ集。
【主要目次】
序章 東大という思想――21世紀の「学問のすゝめ」へ(吉見俊哉)
I 近代知を導入する
第1章 東京大学における近代ドイツ医学の受容と日本における展開(永井良三)
第2章 山川健次郎のアメリカ留学――日本の物理学の黎明(岡本拓司)
第3章 ヘンリー・ダイアーと日本の工学(加藤詔士・橋本毅彦・藤原毅夫)
第4章 白鳥庫吉と東洋史学の始源(吉澤誠一郎)
II 東京帝大の戦前と戦後
第5章 高野岩三郎と日本の経済学(武田晴人)
第6章 戸田貞三と日本の社会学――家族研究と社会調査(佐藤健二)
第7章 平賀譲における造船学と粛学のあいだ(大和裕幸・中村覚)
第8章 内田祥三という人――日本の近代と建築(藤森照信)
第9章 南原繁と戦後の東大(苅部直)
III 「紛争」の前と後で
第10章 鼎談・東大という思想――その不在と苦闘(吉見俊哉・苅部直・岡本拓司)
補章 アーカイブズ――自らの過去と未来を考えるよりどころ(森本祥子)
コラム 資料は語る(森本祥子)
【主要目次】
序章 東大という思想――21世紀の「学問のすゝめ」へ(吉見俊哉)
I 近代知を導入する
第1章 東京大学における近代ドイツ医学の受容と日本における展開(永井良三)
第2章 山川健次郎のアメリカ留学――日本の物理学の黎明(岡本拓司)
第3章 ヘンリー・ダイアーと日本の工学(加藤詔士・橋本毅彦・藤原毅夫)
第4章 白鳥庫吉と東洋史学の始源(吉澤誠一郎)
II 東京帝大の戦前と戦後
第5章 高野岩三郎と日本の経済学(武田晴人)
第6章 戸田貞三と日本の社会学――家族研究と社会調査(佐藤健二)
第7章 平賀譲における造船学と粛学のあいだ(大和裕幸・中村覚)
第8章 内田祥三という人――日本の近代と建築(藤森照信)
第9章 南原繁と戦後の東大(苅部直)
III 「紛争」の前と後で
第10章 鼎談・東大という思想――その不在と苦闘(吉見俊哉・苅部直・岡本拓司)
補章 アーカイブズ――自らの過去と未来を考えるよりどころ(森本祥子)
コラム 資料は語る(森本祥子)
- 本の長さ360ページ
- 言語日本語
- 出版社東京大学出版会
- 発売日2020/8/24
- ISBN-10413020159X
- ISBN-13978-4130201599
よく一緒に購入されている商品

対象商品: 東大という思想: 群像としての近代知
¥3,850¥3,850
最短で3月30日 土曜日のお届け予定です
残り1点(入荷予定あり)
¥3,190¥3,190
最短で3月30日 土曜日のお届け予定です
残り3点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品を買った人はこんな商品も買っています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
東大は思想たり得るのか?権威の中心、官僚養成、学歴のシンボル…、東大に貼られてきた数々のレッテルを超える知の営みは、どこに存在したのか?医学、工学、物理学、建築学、経済学、社会学、歴史学、政治学等、日本の学知の中心を担い続けた特異な場の、知られざる思想史的ルーツを探索する。
著者について
吉見俊哉: 東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授
森本祥子: 東京大学文書館准教授
森本祥子: 東京大学文書館准教授
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
吉見/俊哉
東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授
森本/祥子
東京大学文書館准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授
森本/祥子
東京大学文書館准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 東京大学出版会 (2020/8/24)
- 発売日 : 2020/8/24
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 360ページ
- ISBN-10 : 413020159X
- ISBN-13 : 978-4130201599
- Amazon 売れ筋ランキング: - 598,335位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
星5つ中4.4つ
5つのうち4.4つ
3グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。