金子光晴という詩人が前作での日本から上海への逃避行を綴った「どくろ杯」に続いて、さらに底辺を歩むことになったパリでの生活を描いたエッセイである。
「男娼と殺人以外はなんでもやった」と噂された著者が齢70になってようやく若いころ(30代)のことを書いている。
底辺に陥っても自分を含む人間を見る目の透徹した感覚を持っていたことに驚かされる上、消えてゆく(=死んでゆく)人々の話が多く、本当の地獄を見てきたんだなって実感できる読み物である。これだけ人間の本質を書いた本も珍しいのではないだろうか。
また、本当に体験したものでないと言えない言葉が随所に散りばめられており、非常に面白い。
自分自身がまだぬるま湯の中にいるんだなと感じることができる。
こうなった経緯を理解するため、この本を読む人には、前作の「どくろ杯」を先に読むことをお勧めする。
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ねむれ巴里 (中公文庫 か 18-9) 文庫 – 2005/6/25
金子 光晴
(著)
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- 本の長さ354ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2005/6/25
- ISBN-10412204541X
- ISBN-13978-4122045415
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2005/6/25)
- 発売日 : 2005/6/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 354ページ
- ISBN-10 : 412204541X
- ISBN-13 : 978-4122045415
- Amazon 売れ筋ランキング: - 306,106位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 649位日本文学(日記・書簡)
- - 2,145位中公文庫
- - 2,722位紀行文・旅行記
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2011年6月17日に日本でレビュー済み
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2016年9月25日に日本でレビュー済み
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遅くなりました。
無事に届きました。
ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。
無事に届きました。
ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。
2020年4月20日に日本でレビュー済み
ずいぶん年を取ったせいか、こういった作品を読むと、大昔に親の顔色を伺いながらも、援助を断たれない程度の、しかしできたら気づかれないように時に反抗の仕草をちらつかせたり、行儀よく就職したものの日々を無責任と無気力をもって過ごしたりせず、いっそ背を灼かれるような困窮であったり、金銭や女性に対する懶惰であったりに沈潜して無為徒食に生きてきたのであったらと、手にした文庫から目を逸らし、しばし内省に耽ることが多いです。
大学生の頃、「どくろ杯」を読んだ時には、描かれた若き日の著者の行状よりも、言葉の使いさばきや、本書であれば、118ページの「人間の自由とか、平等とかも、神秘を頭ごなしにする実証主義や、合理精神も、やんちゃ坊主の詩人どもの神への不信や、あくたいも、つづまるところは、汚れた聖水盤のなかで遊んでいるぼうふらと同じことなのだ。」といったアフォリズム的な切り口に目を見張った記憶があるので、是非はともかくとして、時間は否応なしに人を変質させるものだと、しみじみとした一冊でした。
大学生の頃、「どくろ杯」を読んだ時には、描かれた若き日の著者の行状よりも、言葉の使いさばきや、本書であれば、118ページの「人間の自由とか、平等とかも、神秘を頭ごなしにする実証主義や、合理精神も、やんちゃ坊主の詩人どもの神への不信や、あくたいも、つづまるところは、汚れた聖水盤のなかで遊んでいるぼうふらと同じことなのだ。」といったアフォリズム的な切り口に目を見張った記憶があるので、是非はともかくとして、時間は否応なしに人を変質させるものだと、しみじみとした一冊でした。
2014年8月30日に日本でレビュー済み
わが尊敬する漂泊の詩人・金子光晴の若かりし頃(戦前)の私記。
非常に面白く、飽くことなく読了。
ちょうど時代は戦争へ、その頃のパリでの無銭・日本人達の姿も興味深いが、諧謔に富んだ話術で辛辣な金子の視線・独白が一流の読み物となって引き付けられる。
何年前だろうか、強盗にやられて金をなくし大使館の世話になりながら二週間ばかりを過ごした沈鬱なパリを思い出し、強盗にやられた目を庇う様に小さく点けた電気の下で、ひっそり夜中に読み続けた。
それでも冬の夜のパリは美しく輝き、アレクサンダー大橋の石飾りはオレンジ色に輝いていた。
非常に面白く、飽くことなく読了。
ちょうど時代は戦争へ、その頃のパリでの無銭・日本人達の姿も興味深いが、諧謔に富んだ話術で辛辣な金子の視線・独白が一流の読み物となって引き付けられる。
何年前だろうか、強盗にやられて金をなくし大使館の世話になりながら二週間ばかりを過ごした沈鬱なパリを思い出し、強盗にやられた目を庇う様に小さく点けた電気の下で、ひっそり夜中に読み続けた。
それでも冬の夜のパリは美しく輝き、アレクサンダー大橋の石飾りはオレンジ色に輝いていた。
2006年3月5日に日本でレビュー済み
不良詩人金子光晴が、35歳頃、パリで過ごした2年間の記録。
冒頭、船でパリに向かっている中に衝撃的なシーンがある。
<僕の寝ている下の藁布団のベッドで譚嬢は、しずかにねむっていた。船に馴れて、船酔いに苦しんでいるものはなかった。僕は、からだをかがみこむようにして、彼女の寝顔をしばらく眺めていたが、腹の割れ目から手を入れて、彼女のからだをさわった。じっとりからだが汗ばんでいた。腹のほうから、背のほうをさぐってゆくと、小高くふくれあがった肛門らしいものをさぐりあてた。その手を引きぬいて、指を鼻にかざすと、日本人とすこしも変わらない、強い糞臭がした。同糞同臭だとおもうと、「お手々つなげば、世界は一つ」というフランスの詩王ポール・フォールの小唄の一説がおもいだされて、可笑しかった。>
時代は、二大戦間期の、中国で反日運動が盛り上がっていた頃である。この時期に、中国人の女の肛門をまさぐって、こんなことをつぶやいている詩人の胆力にあきれ驚かされる。われわれは普段、「世界が一つ」でない理由を臆病に並べ立てがちであるが、糞臭なんていうしょうもないことからでも世界は一つであることは感じることができるのかもしれない。
冒頭、船でパリに向かっている中に衝撃的なシーンがある。
<僕の寝ている下の藁布団のベッドで譚嬢は、しずかにねむっていた。船に馴れて、船酔いに苦しんでいるものはなかった。僕は、からだをかがみこむようにして、彼女の寝顔をしばらく眺めていたが、腹の割れ目から手を入れて、彼女のからだをさわった。じっとりからだが汗ばんでいた。腹のほうから、背のほうをさぐってゆくと、小高くふくれあがった肛門らしいものをさぐりあてた。その手を引きぬいて、指を鼻にかざすと、日本人とすこしも変わらない、強い糞臭がした。同糞同臭だとおもうと、「お手々つなげば、世界は一つ」というフランスの詩王ポール・フォールの小唄の一説がおもいだされて、可笑しかった。>
時代は、二大戦間期の、中国で反日運動が盛り上がっていた頃である。この時期に、中国人の女の肛門をまさぐって、こんなことをつぶやいている詩人の胆力にあきれ驚かされる。われわれは普段、「世界が一つ」でない理由を臆病に並べ立てがちであるが、糞臭なんていうしょうもないことからでも世界は一つであることは感じることができるのかもしれない。