1)教育改革という問題意識の端緒とは!?
「過去数年、私の関心が、内政や外交から教育にシフトしている。その理由は、日本が危機的状況から脱出するた
めに、偏差値競争から抜け出して、真に知識を得て、活用するような教育を定着させることが、着実かつ効果的な
方法と考えるから」(220頁)と佐藤氏は言う。また、「教育勅語があったから道徳が行き届いていた」(4頁)
とその“重み付け”も知らず“的外れ”な政策に走る政治家に対し、池上氏も辛口に批評する。2021年の新テストを控
える受験生だけでない、幅広い世代の人が楽しめる、対話形式の両者の対談は面白い!!
2)マイケル・サンデル氏の「ハーバード白熱教室」を真似できるか!?
著者自身も氏の自宅まで取材に行っている。そこに集められた学生には「反転授業」を実践している。従来、授業
を受けてから復習をみっちりやるという勉強方法を、文字どおり「反転」させるということだ。
反転授業を行えば、もう充分な準備ができているから、質問に対して手を挙げることが出来る。だからこそ、質の
高い議論ができる。この臨場感を知るには、ネットで「ハーバード白熱教室」と検索すれば簡単に動画で見れます。
佐藤氏も大学の授業でアクティブ・ラーニングを実施しており(96頁以下)、佐藤氏の「白熱授業」も著作にしっ
かりと書かれており興味深い。「試行錯誤を重ね、一つの型ができたかな」と感じているぐらいだから是非、一読
を勧める。
なんといっても、アメリカでは教育要員の数が多い。教育に特化した先生が多く、任期制であり学生側の評価もあ
るから、下手だとすぐにクビになる。学生は学生で年何百万も払って自分に投資するのだから必死さが窺われる。
養成すべきは「真のエリート」であって”思考停止”した「エリート意識」に”凝り固まった人間”を”量産”すること
ではない。だから、アメリカの企業は本気で「真のエリート」を見極め、採用しそれに見合う報酬を支払うのであ
る。
ところが、日本は「エリート意識」に凝り固まった人間を採用する企業が多い。というよりそういう「パイ」しか
与えられていないから採用が貧弱になるのもやむを得ない社会となっている。
さらに「官」について言えば、実用性のない「教養のための教養」「知識のための知識」を身につけたあげく、翻
って、条文はもとより、その紙背にある歴史的経緯とか現在の地政学とかを含めた読解力=読み解く力が決定的に
欠落している。だから、「サリンを弾頭につけて着弾させる能力を、すでに北朝鮮は保有している可能性がある」
(30頁)と内だけでなく国際社会に向かって堂々といえる。仮にも、“恐怖”を煽り、世論を“集団ヒステリー”に導
くプロパガンダの発言の一貫であるなら”たいした”ものだが、国民の多くは冷徹に”情報を正確に読み解いている”
ので国民のレベルを”引き下げている”としか思えないのだが。
3)教育の実践に何が必要か!?それは、人間固有”の力を鍛錬することにある!!
2021年の新テストが始まることを想定し、プレテストが公表されている。
「ある架空の城下町の街並み保存地区に指定されている地域に住む”お父さん”が、景観保護ラインの住民説明会に
でかけた。そこから帰ってきた”お父さん”と”お姉さん”の会話を聞きながら、妹である”かおるさん”がガイドライ
ンの導入について考える」というもの。資料を”読み解く力”と対話の意図を”読み解く力”が試されています。
では、どのようにして、最重要である読解力=”読み解く力”を鍛錬するか?
要は、“情報を見極める力”をつけるための普段からの教養力を下地にして“トライアンドエラー”を繰り返しながら、
批判的思考が養われているか、その上で発想力が生まれてきているのか、”書く”を実践して、まずは”自分”で検証
することだ。佐藤氏の「白熱授業」が5時間とするなら35時間の下準備が必要だ。教養力を下地にするのは生優し
いことではない。“トライアンドエラー”を繰り返すことで自ずと「分析力」も養われる。
それは、「自」があって、その延長には必ず「他」がある以上は、コミュニケーション力とも不可分に結びつく。
すなわち、他人の意見も謙虚に受け止め、その上で”自分”の検証の成果物と”他”とをつきあわせ、より”読み解く力”
が真に教養力の下地となっていくのである。そうすれば、AIが人間のコミュニケーション力に及ぶことはない「分
析力」に勝る「総合力」へと昇華する。アクティブ・ラーニングとは、まさに「人間固有”の力を鍛錬する」なので
ある。この域を目標に、なんとか、2021年以降の新テストにむかって頑張れ!!
高い倫理観と高い道徳感のない「エリート意識」に”凝り固まった人間”の世代にはもう終止符をうってほしいもの
だ。あらたな世代の「真のエリート」を日本社会は必要としている。
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教育激変-2020年、大学入試と学習指導要領大改革のゆくえ (中公新書ラクレ 653) 新書 – 2019/4/6
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2020年度、教育現場には「新学習指導要領」が導入され、新たな「大学入学共通テスト」の実施が始まる。なぜいま教育は大改革を迫られるのか。文科省が目指す「主体的・対話的で深い学び」とはなにか。
自ら教壇に立ち、教育問題を取材し続ける池上氏と、「主体的な学び」を体現する佐藤氏が、日本の教育の問題点と新たな教育改革の意味を解き明かす。巻末には大学入試センターの山本廣基理事長も登場。入試改革の真の狙いを語りつくした。
自ら教壇に立ち、教育問題を取材し続ける池上氏と、「主体的な学び」を体現する佐藤氏が、日本の教育の問題点と新たな教育改革の意味を解き明かす。巻末には大学入試センターの山本廣基理事長も登場。入試改革の真の狙いを語りつくした。
- 本の長さ220ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2019/4/6
- 寸法11.1 x 1 x 17.5 cm
- ISBN-104121506537
- ISBN-13978-4121506535
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商品の説明
著者について
池上彰
ジャーナリスト。1950年長野県生まれ。慶應義塾大学卒業後、NHK入局。報道記者として事件、災害、教育問題を担当し、94年から「週刊こどもニュース」で活躍。2005年からフリーになり、テレビ出演や書籍執筆など幅広く活躍。現在、名城大学教授・東京工業大学特命教授など8大学で教える。『池上彰のやさしい経済学』『池上彰の18歳からの教養講座』など著書多数。
佐藤優
作家・元外務省主任分析官。1960年東京都生まれ。英国の陸軍語学学校でロシア語を学び、在ロシア日本大使館に勤務。2002年、背任と偽計業務妨害容疑で逮捕、起訴され、09年6月、執行猶予付き有罪確定。13年6月、執行猶予期間満了。『国家の罠』『自壊する帝国』『修羅場の極意』『ケンカの流儀』『嫉妬と自己愛』『独裁の宴』など。
ジャーナリスト。1950年長野県生まれ。慶應義塾大学卒業後、NHK入局。報道記者として事件、災害、教育問題を担当し、94年から「週刊こどもニュース」で活躍。2005年からフリーになり、テレビ出演や書籍執筆など幅広く活躍。現在、名城大学教授・東京工業大学特命教授など8大学で教える。『池上彰のやさしい経済学』『池上彰の18歳からの教養講座』など著書多数。
佐藤優
作家・元外務省主任分析官。1960年東京都生まれ。英国の陸軍語学学校でロシア語を学び、在ロシア日本大使館に勤務。2002年、背任と偽計業務妨害容疑で逮捕、起訴され、09年6月、執行猶予付き有罪確定。13年6月、執行猶予期間満了。『国家の罠』『自壊する帝国』『修羅場の極意』『ケンカの流儀』『嫉妬と自己愛』『独裁の宴』など。
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社; ラクレ版 (2019/4/6)
- 発売日 : 2019/4/6
- 言語 : 日本語
- 新書 : 220ページ
- ISBN-10 : 4121506537
- ISBN-13 : 978-4121506535
- 寸法 : 11.1 x 1 x 17.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 49,144位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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ジャーナリスト。1950年、長野県松本市生まれ。慶應義塾大学卒業後、1973年にNHK入局。1994年から11年にわたり「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍。2005年よりフリーに。今さら聞けないニュースの本質をズバリ解説。テレビでも大活躍中(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 池上彰の知らないと恥をかく世界の大問題37 イラスト図解版 (ISBN-13: 978-4047318229 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年4月14日に日本でレビュー済み
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2019年6月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今まで文春新書で対談シリーズを出版してきた、良心の人、池上彰さんと、怪物、佐藤優氏が、中公新書ラクレにシマを変えました。文春もとうとう企画が尽きた模様。本書の話題は「大学入試共通テスト」はじめ教育であり、大いに多くの人の関心を惹くもの。中央公論2018/7,9月号、2019/2月号に掲載された対談記事に加筆修正したもの。
対談形式であるせいか、論理的な構成にはなっておらず、また、文春新書と同様に二人が商売に走り、「受験刑務所」(佐藤)という注目を惹くためにわざと粗い言葉遣いをしたり、共通一次の国立大学序列化に賛否正反対の例(横国大と東京外語大)を述べたり、言い古されたステレオタイプの入試批判をしたり、佐藤氏が自慢話を始めたり、極端な例を一般化しようとしたりして、佐藤氏みずから「下世話な話」というレベルの内容が多く、今回も面白おかしく対談ショウを記録した、エンターテインメントにとどまっています。読書人は、二人のショウをショウとして楽しむにとどめ、彼らの主張のすべてを鵜呑みにはしないのが良いでしょう。
しかし、山本廣基大学入試センター長をまじえた鼎談の部分は、地味だが、入試制度は利害関係者が多く、立場によって見方ないし損得が大きく変わること、「新テスト」はもちろん大学入試全般に限界があり、万人の教育への期待のすべてに応えることはできないこと(だから、期待しすぎたり責任を問うたりしてはいけないこと)、選抜試験と資格試験は目的が根本的に異なること、などを伝えており、読者に、国造りの礎である教育を冷静に広く深く考える必要性を伝えていると思います。
池上さんと佐藤氏ともども、新テストを支持するとのこと。本書を読むと、国語で良問の出題を目指していることがよくわかります。喜ばしいです。英語の民間テスト採用是非には、深く切り込んでいません。佐藤氏が大学入試で話す能力を問うことの意義を認めていない、というだけ。数学は話題になっていませんでした。
知識が広く洞察が鋭いお二人には、エンタメを超えて、教育をもっと正面から議論してほしかったです。
すべての子供に十分な初等ならびに中等教育を与え、社会を築き、各個人が精神的に豊かな人生を送ってもらうには、どういう教育制度、入学試験制度があればいいのか、インターネットで知識が低コストで多数の人に伝播できる現代において、大学は、職業訓練とリベラルアーツを提供する場として、あるいは研究機関としてどうあるべきか、所得格差が広がり、日本企業の創造性の欠如が問われる中、日本の社会制度はどうあるべきか、基礎研究への投資はどうあるべきか、人文科学は如何に意味があるのか、ないのか、広く深く議論してほしかったです。後述の、教育や政治社会、テクノロジーの進歩と進化に関わる Harari の著作を解説することも期待します。文春よ、まだ企画のネタはあるのではないですか?
この対談の一部は、ダイヤモンドオンラインで公開されています。「池上彰×佐藤優「2020年教育改革で起きること」アクティブ・ラーニングはエリート教育か?」というシリーズです。ご関心のある向きには、本書で対談のすべてを読むことを勧めます。
また、未来に求められるスキルはなにか、について、Yuval Noha Harariは、21 Lessons for the 21st Century において、Bernie Trilling, Charles Fadel, 21 Century Skills; Cathy N. Davidson, The New Education などの書物を紹介し、Cではじまる4つのスキル、すなわち批判的思考、コミュニケーション、協力、創造力 (The Four Cs : critical thinking, communicatioin, collaboration, and creativity) が大事であり、変化に対応し、新しいことを覚え、未知の環境でも心の平安を保てること (ability to deal with change, learn new things, and preserve your mental balance in unfamiliar situation) が必要であり、 新しいアイディアや商品を創造するのみならず自分自身こそを再創造していく必要がある現実を受け入れなければならない (not merely to invent new ideas and products but above all to reinvent yourself again and again) と書いてあったことを報告します。
対談形式であるせいか、論理的な構成にはなっておらず、また、文春新書と同様に二人が商売に走り、「受験刑務所」(佐藤)という注目を惹くためにわざと粗い言葉遣いをしたり、共通一次の国立大学序列化に賛否正反対の例(横国大と東京外語大)を述べたり、言い古されたステレオタイプの入試批判をしたり、佐藤氏が自慢話を始めたり、極端な例を一般化しようとしたりして、佐藤氏みずから「下世話な話」というレベルの内容が多く、今回も面白おかしく対談ショウを記録した、エンターテインメントにとどまっています。読書人は、二人のショウをショウとして楽しむにとどめ、彼らの主張のすべてを鵜呑みにはしないのが良いでしょう。
しかし、山本廣基大学入試センター長をまじえた鼎談の部分は、地味だが、入試制度は利害関係者が多く、立場によって見方ないし損得が大きく変わること、「新テスト」はもちろん大学入試全般に限界があり、万人の教育への期待のすべてに応えることはできないこと(だから、期待しすぎたり責任を問うたりしてはいけないこと)、選抜試験と資格試験は目的が根本的に異なること、などを伝えており、読者に、国造りの礎である教育を冷静に広く深く考える必要性を伝えていると思います。
池上さんと佐藤氏ともども、新テストを支持するとのこと。本書を読むと、国語で良問の出題を目指していることがよくわかります。喜ばしいです。英語の民間テスト採用是非には、深く切り込んでいません。佐藤氏が大学入試で話す能力を問うことの意義を認めていない、というだけ。数学は話題になっていませんでした。
知識が広く洞察が鋭いお二人には、エンタメを超えて、教育をもっと正面から議論してほしかったです。
すべての子供に十分な初等ならびに中等教育を与え、社会を築き、各個人が精神的に豊かな人生を送ってもらうには、どういう教育制度、入学試験制度があればいいのか、インターネットで知識が低コストで多数の人に伝播できる現代において、大学は、職業訓練とリベラルアーツを提供する場として、あるいは研究機関としてどうあるべきか、所得格差が広がり、日本企業の創造性の欠如が問われる中、日本の社会制度はどうあるべきか、基礎研究への投資はどうあるべきか、人文科学は如何に意味があるのか、ないのか、広く深く議論してほしかったです。後述の、教育や政治社会、テクノロジーの進歩と進化に関わる Harari の著作を解説することも期待します。文春よ、まだ企画のネタはあるのではないですか?
この対談の一部は、ダイヤモンドオンラインで公開されています。「池上彰×佐藤優「2020年教育改革で起きること」アクティブ・ラーニングはエリート教育か?」というシリーズです。ご関心のある向きには、本書で対談のすべてを読むことを勧めます。
また、未来に求められるスキルはなにか、について、Yuval Noha Harariは、21 Lessons for the 21st Century において、Bernie Trilling, Charles Fadel, 21 Century Skills; Cathy N. Davidson, The New Education などの書物を紹介し、Cではじまる4つのスキル、すなわち批判的思考、コミュニケーション、協力、創造力 (The Four Cs : critical thinking, communicatioin, collaboration, and creativity) が大事であり、変化に対応し、新しいことを覚え、未知の環境でも心の平安を保てること (ability to deal with change, learn new things, and preserve your mental balance in unfamiliar situation) が必要であり、 新しいアイディアや商品を創造するのみならず自分自身こそを再創造していく必要がある現実を受け入れなければならない (not merely to invent new ideas and products but above all to reinvent yourself again and again) と書いてあったことを報告します。
2019年8月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
池上、佐藤という知の巨人2人の対談形式です。
面白いですよね。
2020年から施行される学習指導要領、大学入試の大変革に関して、お二人が思うところを語っています。
大学入試に関しては、試行テストの内容吟味が主だった印象。
まだやっていないものなので、しょうがないですよね。
2人とも、現在のセンター試験の問題や今回の試行テストの問題については、高評価。
高校までに必要な知識の獲得を確認できる、良問揃いという評価ですね。これは同感です。
選抜試験なので、どうしてもネガティブに受け取られがちですけど、作問レベルは高いですよね。
巻末に大学入試センター理事長の山本廣基氏との対談があります。
共通一次、センター試験、そして新試験に対しての理念、姿勢が語られていますが、これを読むと非常に真摯に作問されている様子がわかり、非常に好感が持てます。
今後も頑張っていってほしいですね。
全体としては、教育改革的に始まる新制度についても言及がありつつですが、大きくは今までの日本が抱えてきている教育問題が語られている印象です。
とても共感できますし、根本的な解決がないまま改革をしても実のある改革にはならないというのは、その通りですね。
一方で、教育改革がもたらす影響に関しては、しょうがないですが試験内容にフォーカスされている印象でした。
なので、今度の改革がもたらす影響については、正直なところ判らなかっったってですね。
ただ、小手先の改革よりも本質的な改革を考えるのであれば、根本的な問題をあぶり出すという意味では分かりやすい解説書だと思います。
知識として得られることが多いのは、この2人の著書ならでは。
面白い一冊であることは間違い無いです。
教育改革のいく末は、気になるところですね。
面白いですよね。
2020年から施行される学習指導要領、大学入試の大変革に関して、お二人が思うところを語っています。
大学入試に関しては、試行テストの内容吟味が主だった印象。
まだやっていないものなので、しょうがないですよね。
2人とも、現在のセンター試験の問題や今回の試行テストの問題については、高評価。
高校までに必要な知識の獲得を確認できる、良問揃いという評価ですね。これは同感です。
選抜試験なので、どうしてもネガティブに受け取られがちですけど、作問レベルは高いですよね。
巻末に大学入試センター理事長の山本廣基氏との対談があります。
共通一次、センター試験、そして新試験に対しての理念、姿勢が語られていますが、これを読むと非常に真摯に作問されている様子がわかり、非常に好感が持てます。
今後も頑張っていってほしいですね。
全体としては、教育改革的に始まる新制度についても言及がありつつですが、大きくは今までの日本が抱えてきている教育問題が語られている印象です。
とても共感できますし、根本的な解決がないまま改革をしても実のある改革にはならないというのは、その通りですね。
一方で、教育改革がもたらす影響に関しては、しょうがないですが試験内容にフォーカスされている印象でした。
なので、今度の改革がもたらす影響については、正直なところ判らなかっったってですね。
ただ、小手先の改革よりも本質的な改革を考えるのであれば、根本的な問題をあぶり出すという意味では分かりやすい解説書だと思います。
知識として得られることが多いのは、この2人の著書ならでは。
面白い一冊であることは間違い無いです。
教育改革のいく末は、気になるところですね。
2019年7月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「偏差値至上主義の蔓延が、中高生から学ぶ喜びを奪い、学年が上がるにつれて勉強嫌いが増えるような状況を生んでいるのです。P19」
確かに、
「早慶上理、MARCHレベルを目指せ」
「日東駒専なら・・・」
などと偏差値により学力レベルが輪切りにされ偏差値の高い大学へ行くことがよしとされる傾向があります。塾や学校は、
「こんな生徒が巣立ちました」
ではなく、
「早慶上理○名、MARCH○名」
などと受験結果を競っている感があります。
これではそういった偏差値が高い学校に行けなかった学生はレベルが低いと自ら感じ学ぶ意欲を失ってしまっても仕方がありません。
もちろん、
「偏差値が全てじゃない」
といえば綺麗事のように聞こえますし、偏差値の高い大学には友人や教授など環境がよいことは事実です。ただこれら名声のある大学に入れるのは上位何%でしょうか。10%ととも2%ととも聞いたことがあります。
偏差値という一つのベクトルで生徒が判断されることがなく、全ての生徒が胸を張っていけるような社会を希望します。
確かに、
「早慶上理、MARCHレベルを目指せ」
「日東駒専なら・・・」
などと偏差値により学力レベルが輪切りにされ偏差値の高い大学へ行くことがよしとされる傾向があります。塾や学校は、
「こんな生徒が巣立ちました」
ではなく、
「早慶上理○名、MARCH○名」
などと受験結果を競っている感があります。
これではそういった偏差値が高い学校に行けなかった学生はレベルが低いと自ら感じ学ぶ意欲を失ってしまっても仕方がありません。
もちろん、
「偏差値が全てじゃない」
といえば綺麗事のように聞こえますし、偏差値の高い大学には友人や教授など環境がよいことは事実です。ただこれら名声のある大学に入れるのは上位何%でしょうか。10%ととも2%ととも聞いたことがあります。
偏差値という一つのベクトルで生徒が判断されることがなく、全ての生徒が胸を張っていけるような社会を希望します。