プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
観光亡国論 (中公新書ラクレ) 新書 – 2019/3/7
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥902","priceAmount":902.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"902","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"s14fW2MiAiKw1vCCIRi1F9mNjvomZ3cf%2BYL1Ei2%2B%2FTXZbqWuuRVUI3LcJsygW4%2FIWBlem29VjkwxvRQC0eSNo1G1WYr90EOhEKUhsAdGsBsEz03uFvkHyiIdi0XgYdwgx2NF5ZxhleI%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}]}
購入オプションとあわせ買い
全国で拡大する「観光公害」を日本は克服できるのか?
右肩上がりで増加する訪日外国人観光客。京都、富士山をはじめとする観光地へキャパシティを越えた観光客が殺到し、交通や景観、住環境などでトラブルが続発する状況を前に、東洋文化研究家アレックス・カー氏は「かつての工業公害と同じだ」と警鐘を鳴らす。本書はその危機感を起点に世界の事例を盛り込み、ジャーナリスト・清野由美氏とともに建設的な解決策を検討する一冊。真の観光立国を果たすべく、目の前の「観光公害」を克服せよ!
【目次】
はじめに
日本で広がる「観光公害」/世界を覆う「オーバーツーリズム」と「ツーリズモフォビア」/必要なのは「マネージメント」と「コントロール」
第1章 ティッピング・ポイント―「立国」が「亡国」になるとき
トヨタと匹敵する「観光産業」の可能性/なぜ日本に観光産業が必要なのか/「バルセロナモデル」の崩壊/中国人観光客の増加と観光公害の広がり/観光業は今「ティッピング・ポイント」を迎えている
第2章 宿泊
インバウンドと京都/進む「町の買い占め」/「観光投機」がもたらすもの/「民泊新法」の効果/アルベルゴ・ディフーゾ/「全国一律」のリスク/「規制強化」と「規制緩和」のバランス
第3章 オーバーキャパシティ
京都を脅かすオーバーキャパシティ/「総量規制」と「誘導対策」/富士山と入山料/竹田城跡と入場料/日本の美術館と博物館に必要なもの/ローマ・ボルゲーゼ美術館の例
第4章 交通・公共工事
「交通」という観光公害/小田原城/大山祗神社/竹田城跡/パーク&ライド/イギリス・ストーンヘンジ/イタリア・オルヴィエート/観光名所から車やバスを遠ざける「メリット」とは/ニューヨーク・ブロードウェイの歩行者天国/「歩かされる」石見銀山の魅力/京都で大幅な車規制をかけられるか/小田原「かまぼこ通り」の答え合わせ/「公共工事」という観光公害/公共工事の「中身」を入れ替えよう
第5章 マナー
「観光公害」以前に「看板公害」/看板だけでマナーは向上しない/「撮影禁止」が招く弊害/ドミンゴが語りかけるニューヨークのタクシー/そろそろ「大人の対応」へ切り替えよう
第6章 文化
ゾンビ化とフランケンシュタイン化/文化の「稚拙化」/町の「稚拙化」/来場者が激減した富岡製糸場/観光は文化を強くする/国際化の風を取り入れて
第7章 理念
「量」から「質」への転換/「ゼロドルツアー」がもたらすもの/「分別」のあるゾーニング/奄美大島を日本の「サクリファイスゾーン」にしていいのか/「小型観光」の大きなメリット/〝汚い景観=日本〟のイメージにしてはいけない/「景観をマネージメントする」という意識を/旅行会社依存からの脱却/イノベーションとマナー/地域のプライドを取り戻す
など
右肩上がりで増加する訪日外国人観光客。京都、富士山をはじめとする観光地へキャパシティを越えた観光客が殺到し、交通や景観、住環境などでトラブルが続発する状況を前に、東洋文化研究家アレックス・カー氏は「かつての工業公害と同じだ」と警鐘を鳴らす。本書はその危機感を起点に世界の事例を盛り込み、ジャーナリスト・清野由美氏とともに建設的な解決策を検討する一冊。真の観光立国を果たすべく、目の前の「観光公害」を克服せよ!
【目次】
はじめに
日本で広がる「観光公害」/世界を覆う「オーバーツーリズム」と「ツーリズモフォビア」/必要なのは「マネージメント」と「コントロール」
第1章 ティッピング・ポイント―「立国」が「亡国」になるとき
トヨタと匹敵する「観光産業」の可能性/なぜ日本に観光産業が必要なのか/「バルセロナモデル」の崩壊/中国人観光客の増加と観光公害の広がり/観光業は今「ティッピング・ポイント」を迎えている
第2章 宿泊
インバウンドと京都/進む「町の買い占め」/「観光投機」がもたらすもの/「民泊新法」の効果/アルベルゴ・ディフーゾ/「全国一律」のリスク/「規制強化」と「規制緩和」のバランス
第3章 オーバーキャパシティ
京都を脅かすオーバーキャパシティ/「総量規制」と「誘導対策」/富士山と入山料/竹田城跡と入場料/日本の美術館と博物館に必要なもの/ローマ・ボルゲーゼ美術館の例
第4章 交通・公共工事
「交通」という観光公害/小田原城/大山祗神社/竹田城跡/パーク&ライド/イギリス・ストーンヘンジ/イタリア・オルヴィエート/観光名所から車やバスを遠ざける「メリット」とは/ニューヨーク・ブロードウェイの歩行者天国/「歩かされる」石見銀山の魅力/京都で大幅な車規制をかけられるか/小田原「かまぼこ通り」の答え合わせ/「公共工事」という観光公害/公共工事の「中身」を入れ替えよう
第5章 マナー
「観光公害」以前に「看板公害」/看板だけでマナーは向上しない/「撮影禁止」が招く弊害/ドミンゴが語りかけるニューヨークのタクシー/そろそろ「大人の対応」へ切り替えよう
第6章 文化
ゾンビ化とフランケンシュタイン化/文化の「稚拙化」/町の「稚拙化」/来場者が激減した富岡製糸場/観光は文化を強くする/国際化の風を取り入れて
第7章 理念
「量」から「質」への転換/「ゼロドルツアー」がもたらすもの/「分別」のあるゾーニング/奄美大島を日本の「サクリファイスゾーン」にしていいのか/「小型観光」の大きなメリット/〝汚い景観=日本〟のイメージにしてはいけない/「景観をマネージメントする」という意識を/旅行会社依存からの脱却/イノベーションとマナー/地域のプライドを取り戻す
など
- 本の長さ220ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2019/3/7
- ISBN-104121506502
- ISBN-13978-4121506504
よく一緒に購入されている商品
対象商品: 観光亡国論 (中公新書ラクレ)
¥902¥902
最短で6月2日 日曜日のお届け予定です
残り13点(入荷予定あり)
¥1,320¥1,320
最短で6月2日 日曜日のお届け予定です
残り6点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
アレックス・カー
1952年、米国生まれ。東洋文化研究者。64年から66年まで父の赴任に伴い、横浜に住む。74年、イェール大学日本学部卒業。72年から慶應義塾大学国際センターで日本語研修、74年から英国オックスフォード大学で中国学専攻、学士号と修士号取得。73年に徳島県祖谷で300年前の茅葺き屋根の農家を購入し、「篪庵(ちいおり)」と名付ける。77年から京都府亀岡市に居を構え、86年から93年まで米トラメル・クロー社の日本代表。90年代半ばからバンコクと京都を拠点に、東洋文化に関する講演、通訳、執筆活動を行う。近年、京都、祖谷、長崎県小値賀(おぢか)町、奈良県十津川村などで古民家を改修し、滞在型観光事業を営む。著書『美しき日本の残像』(93年、新潮社/2000年朝日文庫)は新潮学芸賞受賞。
清野由美
ジャーナリスト。東京女子大学卒、慶應義塾大学SDM(システムデザイン・マネジメント)研究科修士課程修了。草思社編集部勤務。英国留学を経て、91年よりフリーランスに。国内外の都市開発、デザイン、トレンド、ライフスタイルを取材する一方で、時代の先端を行く各界の人物記事に力を注ぐ。慶應義塾大学在学中、青井グローバルアワードを受賞。英ケンブリッジ大学客員研究員。著書に 『新・都市論TOKYO』『新・ムラ論TOKYO 』(*いずれも隈研吾氏との共著、集英社新書)、『セーラが町にやってきた』(プレジデント社/日本経済新聞出版社より文庫化)、『住む場所を選べば、生き方が変わる』(講談社) など。
1952年、米国生まれ。東洋文化研究者。64年から66年まで父の赴任に伴い、横浜に住む。74年、イェール大学日本学部卒業。72年から慶應義塾大学国際センターで日本語研修、74年から英国オックスフォード大学で中国学専攻、学士号と修士号取得。73年に徳島県祖谷で300年前の茅葺き屋根の農家を購入し、「篪庵(ちいおり)」と名付ける。77年から京都府亀岡市に居を構え、86年から93年まで米トラメル・クロー社の日本代表。90年代半ばからバンコクと京都を拠点に、東洋文化に関する講演、通訳、執筆活動を行う。近年、京都、祖谷、長崎県小値賀(おぢか)町、奈良県十津川村などで古民家を改修し、滞在型観光事業を営む。著書『美しき日本の残像』(93年、新潮社/2000年朝日文庫)は新潮学芸賞受賞。
清野由美
ジャーナリスト。東京女子大学卒、慶應義塾大学SDM(システムデザイン・マネジメント)研究科修士課程修了。草思社編集部勤務。英国留学を経て、91年よりフリーランスに。国内外の都市開発、デザイン、トレンド、ライフスタイルを取材する一方で、時代の先端を行く各界の人物記事に力を注ぐ。慶應義塾大学在学中、青井グローバルアワードを受賞。英ケンブリッジ大学客員研究員。著書に 『新・都市論TOKYO』『新・ムラ論TOKYO 』(*いずれも隈研吾氏との共著、集英社新書)、『セーラが町にやってきた』(プレジデント社/日本経済新聞出版社より文庫化)、『住む場所を選べば、生き方が変わる』(講談社) など。
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2019/3/7)
- 発売日 : 2019/3/7
- 言語 : 日本語
- 新書 : 220ページ
- ISBN-10 : 4121506502
- ISBN-13 : 978-4121506504
- Amazon 売れ筋ランキング: - 173,691位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
イメージ付きのレビュー
5 星
「限りなく多くの観光客を招く」こと
ここ奈良公園は朝から>ザクザクと海外から押し寄せる観光客>日本人は1割程度鹿センベイは売れすぎ・・・以前の鹿はむさぼり食べていたが 今ではソッポを向く数年前までは古都奈良のイメージをさせる静かな環境だったが>今では「イベント会場」のごとし>限りなく数を追い求めることはその本質の意味を失うの格言を思い出します
フィードバックをお寄せいただきありがとうございます
申し訳ありませんが、エラーが発生しました
申し訳ありませんが、レビューを読み込めませんでした
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年6月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
近くの古本屋にもナイ4年前発行の本を読む事が出来ました。大雨の日がありましたが、無事手元に届き感謝、状態もよくありがとうございました。
2019年3月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者のアレックス・カー氏は来日して55年、自ら築300年の古民家を購入し、地域再生コンサル等を手掛ける「観光」の専門家である。
本書では、政府主導で「観光立国」を目指す日本が観光客の急増に対応できず、「観光公害」が引き起こされ、その結果「観光亡国」に局面に入った、との危機感から、日本を含む世界の観光地で何が起きていて、どこに問題があって、どのように対応すべきかを解説している。
その切り口は、「宿泊」「オーバーキャパシティ」「交通」「マナー」など多岐にわたるが、共通する問題として著者が指摘するのは、観光政策には「適切なマネージメントとコントロールが必要」ということだ。
マネージメント(管理)、コントロール(制限)というと、役所や業者は「〇〇禁止」の看板を乱発したり、景観を無視したコンクリート建造物を設置という方向に向かいがちだが、著者が説くのは従来の法律や慣習を乗り越えた「創造的」な解決案だ。
失策の原因として挙げられるのが、日本の観光業が高度成長時代の「量を重視する観光」が根を張っていて、「質を重視する観光」に対応できていないこと。観光産業の目標や成果をいまだに何万人という「人数」で測るのがその見本だ。
また、典型的な事例として、奄美大島の大型クルーズ船の寄港地建設計画がある。奄美市の人口が4万人強のところに、7000人規模の中国からの観光客を誘致する案だが、「現地には観光客を受け入れる施設はなにもない状態」(p169)で、税金を投入するお決まりのハコモノ公共工事は必至。
しかもクルーズ船の観光客は、宿泊、食事などを船内で済ませる傾向が強く、「クルーズ船の観光客の使うお金の56%はクルーズ船に還流する」(p173)という調査結果も紹介している。多額の税金を使って、潤うのは「建設・土木業者」と「クルーズ船の運営会社」なのだ。
こうした既存の観光業の在り方に対して、著者が提案するのは「ゾーニング」と「小型観光」。
ゾーニングとは「分別」という意味で、観光という見地から文化の価値を見据えて、「どこに何を作るのか、作らせないかを決めていくこと」(p176)。これには関係者の「知性」と「意識」が不可欠だとしている。
小型観光の方は、文字通りの意味だが、おカネをより使ってくれそうに思える大型バス等の観光客は、名所を次々と回る(これは土産物屋からのキックバック狙いが主因と思われる)ため滞在時間が少なく、観光地でもトイレを使って、缶飲料を自販機で買って、ゴミを捨てて、インスタグラムの写真を撮っておしまい、というせいぜい数百円程度の消費しかしないことが多いそうだ。
小型観光をターゲットにすれば、大型の駐車場や道路の拡幅も不要、本当に来たい旅行者だけがきてくれるという本来あるべき効果も見込めるらしい。
日本には全国に、まだまだ未開発の魅力的な観光地は多く残されていると思う。観光で地域を振興させるのは構わないが、関係者には「量の観光」から「質の観光」へと意識改革を進めて、より多くの旅行客に日本の本来の魅力を知ってほしいと思う。
補足になるが、日本人得意の「おもてなし」も少人数の観光客を相手にしてこそ、その本領が発揮できるのではないだろうか。
本書では、政府主導で「観光立国」を目指す日本が観光客の急増に対応できず、「観光公害」が引き起こされ、その結果「観光亡国」に局面に入った、との危機感から、日本を含む世界の観光地で何が起きていて、どこに問題があって、どのように対応すべきかを解説している。
その切り口は、「宿泊」「オーバーキャパシティ」「交通」「マナー」など多岐にわたるが、共通する問題として著者が指摘するのは、観光政策には「適切なマネージメントとコントロールが必要」ということだ。
マネージメント(管理)、コントロール(制限)というと、役所や業者は「〇〇禁止」の看板を乱発したり、景観を無視したコンクリート建造物を設置という方向に向かいがちだが、著者が説くのは従来の法律や慣習を乗り越えた「創造的」な解決案だ。
失策の原因として挙げられるのが、日本の観光業が高度成長時代の「量を重視する観光」が根を張っていて、「質を重視する観光」に対応できていないこと。観光産業の目標や成果をいまだに何万人という「人数」で測るのがその見本だ。
また、典型的な事例として、奄美大島の大型クルーズ船の寄港地建設計画がある。奄美市の人口が4万人強のところに、7000人規模の中国からの観光客を誘致する案だが、「現地には観光客を受け入れる施設はなにもない状態」(p169)で、税金を投入するお決まりのハコモノ公共工事は必至。
しかもクルーズ船の観光客は、宿泊、食事などを船内で済ませる傾向が強く、「クルーズ船の観光客の使うお金の56%はクルーズ船に還流する」(p173)という調査結果も紹介している。多額の税金を使って、潤うのは「建設・土木業者」と「クルーズ船の運営会社」なのだ。
こうした既存の観光業の在り方に対して、著者が提案するのは「ゾーニング」と「小型観光」。
ゾーニングとは「分別」という意味で、観光という見地から文化の価値を見据えて、「どこに何を作るのか、作らせないかを決めていくこと」(p176)。これには関係者の「知性」と「意識」が不可欠だとしている。
小型観光の方は、文字通りの意味だが、おカネをより使ってくれそうに思える大型バス等の観光客は、名所を次々と回る(これは土産物屋からのキックバック狙いが主因と思われる)ため滞在時間が少なく、観光地でもトイレを使って、缶飲料を自販機で買って、ゴミを捨てて、インスタグラムの写真を撮っておしまい、というせいぜい数百円程度の消費しかしないことが多いそうだ。
小型観光をターゲットにすれば、大型の駐車場や道路の拡幅も不要、本当に来たい旅行者だけがきてくれるという本来あるべき効果も見込めるらしい。
日本には全国に、まだまだ未開発の魅力的な観光地は多く残されていると思う。観光で地域を振興させるのは構わないが、関係者には「量の観光」から「質の観光」へと意識改革を進めて、より多くの旅行客に日本の本来の魅力を知ってほしいと思う。
補足になるが、日本人得意の「おもてなし」も少人数の観光客を相手にしてこそ、その本領が発揮できるのではないだろうか。
2019年6月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
旅行といえば、移動手段を中心に考えてしまう。できるだけ歩く時間を省いて、短時間で目的地に着き、遊びをはたしたら、無駄なく帰省する。しかし、著者はそれでは、観光地が潤うことはないとし、観光で町が潤うためには、客は観光地に長期滞在し、スローライフな休日送る……そんな休暇を提唱した。それなら、観光地も潤うという。
例えば下記のように。
◎分散型ホテル(Albergo Diffuso)……小村を舞台に、複数の空き家を宿泊施設にし、村全体でひとつのホテルとして機能させる形態。ホテル以外にも、レセプション、朝食用カフェ、レストラン、お土産売り場など点在させ、宿泊客は村人にまじってそれらを回る。
◎大型観光バスをやめて、徒歩で散策しながら目的地へ……DMOなどがツアーを組む大型観光バスで目的地の側に横付けして駐車し、観光が終われば、バスで大型ショッピングモールへ行って、大型ホテルで泊まる。これでは町に、市民にお金がおりない。町を歩くことで、ふれあいがあり、発見があり、売買が成り立つ。それが観光になる。
などである。
海外の観光の中心地ではその流れが主流だという。美術館にしろ、国立公園にしろ、観光客の車は乗り入れできず、遠隔地にとめて、徒歩で観光地までくるようになっている。そうして町全体を潤わせるという。
しかし私個人が思うには日本は過度の高齢化が進み、バリアフリーが叫ばれ、観光地でもカートがなければ見て回れない後期高齢者の観光が増えてきている。さらに労働生産人口の減少、残業禁止の風潮などで労働時間が節約され、連日休暇・長期休暇はますます取りづらくなってきている。
著者の提言は確かに理想だが、日本社会の実状を考えると、今できる観光を模索するしかないと考える。
例えば下記のように。
◎分散型ホテル(Albergo Diffuso)……小村を舞台に、複数の空き家を宿泊施設にし、村全体でひとつのホテルとして機能させる形態。ホテル以外にも、レセプション、朝食用カフェ、レストラン、お土産売り場など点在させ、宿泊客は村人にまじってそれらを回る。
◎大型観光バスをやめて、徒歩で散策しながら目的地へ……DMOなどがツアーを組む大型観光バスで目的地の側に横付けして駐車し、観光が終われば、バスで大型ショッピングモールへ行って、大型ホテルで泊まる。これでは町に、市民にお金がおりない。町を歩くことで、ふれあいがあり、発見があり、売買が成り立つ。それが観光になる。
などである。
海外の観光の中心地ではその流れが主流だという。美術館にしろ、国立公園にしろ、観光客の車は乗り入れできず、遠隔地にとめて、徒歩で観光地までくるようになっている。そうして町全体を潤わせるという。
しかし私個人が思うには日本は過度の高齢化が進み、バリアフリーが叫ばれ、観光地でもカートがなければ見て回れない後期高齢者の観光が増えてきている。さらに労働生産人口の減少、残業禁止の風潮などで労働時間が節約され、連日休暇・長期休暇はますます取りづらくなってきている。
著者の提言は確かに理想だが、日本社会の実状を考えると、今できる観光を模索するしかないと考える。
2019年5月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
成長率の低下した先進国において、観光産業は数少ない成長産業であり、その育成には国家的な観点からの戦略が不可欠である。しかし、一方ではその副作用としてのオーバーツーリズム(観光過剰)の弊害があり、これも世界的に共通の流れであって日本国内だけの問題ではない。今後の新興国家の増大(アジア、中近東、南米、アフリカ)とともにオーバーツーリズムは一層加速されるだろう。従ってこれを世界が発展していく途上での必然的で不可逆な現象と捉えることが大切である。本書ではそのためには適切なマネジメント(管理)とコントロール(制限)が必要であること、そして実際にこれを行なって成功している事例を具体的に判りやすく紹介しながら、今後に向けた色々な提案を行なっている。(例、長期滞在化、分散化、小規模化、等々)
いずれにせよ、ノーコントロールであれば本来『違い』において価値がある地域毎の文化的な財産が、悪い意味でのグローバル化の流れに染まってフラット化してしまい、例えて言えば外来帰化植物と動物に地域固有の生態系が侵食されてしまうようにいずれは消滅してしまう。(例、老舗の廃業、地価上昇による地域住民の離脱・移転、空き家の増加、地域人口の減少、観光収益の地域外流出、等々)
本書ではその現象をエントロピーの増大則を持ち出したり、ゾンビ化(化石化)やフランケンシュタイン化(化け物化)という言葉で表現しているが、まさにそのとおりだろう。本物のテイストを如何に伝えて行くかはそれを支える顧客の存在に依存する訳であり、あらゆるハイカルチャーの保存における鉄則は有力なパトロンの存在である。違いのわかる観光客を如何に増やしていくかは国内外共通の課題だろう。
日本において今後、観光政策に関与する中央官庁や地方の行政機関、それに観光業者や地域住民は、本書で指摘された様々な視点からこれまでの観光に対する取り組み方を見直して、21世紀を通して通用するシナリオに方向転換して欲しいと強く願うとともに、私も一市民としてそれを積極的に支援していきたい。結局はそのような活動こそが日本が先進国のなかで伍して生き残っていけるかどうかを占うだろう。それは国家間の観光戦略における知恵比べであり、最終的には国家と国民の見識の差となって現れるのだ。
いずれにせよ、ノーコントロールであれば本来『違い』において価値がある地域毎の文化的な財産が、悪い意味でのグローバル化の流れに染まってフラット化してしまい、例えて言えば外来帰化植物と動物に地域固有の生態系が侵食されてしまうようにいずれは消滅してしまう。(例、老舗の廃業、地価上昇による地域住民の離脱・移転、空き家の増加、地域人口の減少、観光収益の地域外流出、等々)
本書ではその現象をエントロピーの増大則を持ち出したり、ゾンビ化(化石化)やフランケンシュタイン化(化け物化)という言葉で表現しているが、まさにそのとおりだろう。本物のテイストを如何に伝えて行くかはそれを支える顧客の存在に依存する訳であり、あらゆるハイカルチャーの保存における鉄則は有力なパトロンの存在である。違いのわかる観光客を如何に増やしていくかは国内外共通の課題だろう。
日本において今後、観光政策に関与する中央官庁や地方の行政機関、それに観光業者や地域住民は、本書で指摘された様々な視点からこれまでの観光に対する取り組み方を見直して、21世紀を通して通用するシナリオに方向転換して欲しいと強く願うとともに、私も一市民としてそれを積極的に支援していきたい。結局はそのような活動こそが日本が先進国のなかで伍して生き残っていけるかどうかを占うだろう。それは国家間の観光戦略における知恵比べであり、最終的には国家と国民の見識の差となって現れるのだ。
2019年6月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルが刺激的なので、現在の「観光立国」路線の批判かと思いきや、観光産業を柱にしていくことは重要であるという筆者のスタンスは明確。
ただ、オーバーツーリズムになりつつある現状において、適切なマネジメントとコントロールをせずに、いつまでも量的拡大を追い求めることは、「日本らしさ」や「地域の独自性・多様性」を失うことにつながるという警鐘を鳴らしています。量的拡大を求めるティピング・ポイント(臨界点)は既に超えていて、これからは質的深化に対応できた地域が、真の意味での「国際観光都市」になっていくという予感を感じることができた1冊です。
ただ、オーバーツーリズムになりつつある現状において、適切なマネジメントとコントロールをせずに、いつまでも量的拡大を追い求めることは、「日本らしさ」や「地域の独自性・多様性」を失うことにつながるという警鐘を鳴らしています。量的拡大を求めるティピング・ポイント(臨界点)は既に超えていて、これからは質的深化に対応できた地域が、真の意味での「国際観光都市」になっていくという予感を感じることができた1冊です。
2020年7月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アレックス・カー著『観光亡国論』
日本の観光事業の現状、問題、課題の整理に役立つ一冊。
数しか見てない観光分析、地価高騰により地域住民が離れコミュニティが空洞化、いつの間にか公共工事の話に帰着する土建国家体質、現地にお金が流れないゼロドルツアー、等いかにダメダメかがよく分かる。
これからの観光は「長期滞在」「分散型」「小規模」がキーワード。地方をのんびりと旅したい。
日本の観光事業の現状、問題、課題の整理に役立つ一冊。
数しか見てない観光分析、地価高騰により地域住民が離れコミュニティが空洞化、いつの間にか公共工事の話に帰着する土建国家体質、現地にお金が流れないゼロドルツアー、等いかにダメダメかがよく分かる。
これからの観光は「長期滞在」「分散型」「小規模」がキーワード。地方をのんびりと旅したい。
2019年9月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
観光そのものが亡国につながるという論ではなく、
観光客をどのように制限するかという論。
何か観光客を締め出すような行為は日本文化の根幹にある思想と
相容れるものなのかという疑問がある。初詣でどれだけ人が来ても
参拝をさせないようにはしない。誰もが参拝できるからこそ神社、寺院
は廃れず残っているのではないか。
筆者の提案は、遺跡や美術館、博物館といった文教施設にはマッチした施策だと思うが
宗教施設を兼ねる観光名所には必ずしもマッチしているとは思わなかった。どこかでこのような
政策を敷こうとした場合に反対論が出そうな感じがする。寺院が観光施設になっている
外国の例、特に仏教国であるタイの例をもう少し紹介してほしいと感じた。
観光客をどのように制限するかという論。
何か観光客を締め出すような行為は日本文化の根幹にある思想と
相容れるものなのかという疑問がある。初詣でどれだけ人が来ても
参拝をさせないようにはしない。誰もが参拝できるからこそ神社、寺院
は廃れず残っているのではないか。
筆者の提案は、遺跡や美術館、博物館といった文教施設にはマッチした施策だと思うが
宗教施設を兼ねる観光名所には必ずしもマッチしているとは思わなかった。どこかでこのような
政策を敷こうとした場合に反対論が出そうな感じがする。寺院が観光施設になっている
外国の例、特に仏教国であるタイの例をもう少し紹介してほしいと感じた。