新書好きの同僚が、分かりやすく面白いと勧めてくれたので、読んでみました。
単純に海の歴史を知ることができるものと思って読み始めたのですが、大航海時代から捕鯨、ブランド、各国の覇権争い、海洋ルールなど、海にまつまる本当に様々な分野について書かれていて、予備知識が一切なくても非常に楽しめました。
学生時代に苦手意識のあった世界史のイメージが覆され、世界史は面白い!と思えるきっかけになりました。
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海の地政学-覇権をめぐる400年史 (中公新書 2566) 新書 – 2019/11/19
竹田 いさみ
(著)
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海の覇権をめぐって各国は鎬を削ってきた。世界を股にかけた大英帝国、資源を制したアメリカ、国際ルールへの挑戦を試みる中国……。
本書は400年にも及ぶ歴史を地政学などの視点を駆使して描く試みだ。そこからは、日本がなすべき海洋秩序の模索や課題も見えてくる。
本書は400年にも及ぶ歴史を地政学などの視点を駆使して描く試みだ。そこからは、日本がなすべき海洋秩序の模索や課題も見えてくる。
- 本の長さ267ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2019/11/19
- 寸法11.1 x 1.2 x 17.4 cm
- ISBN-104121025660
- ISBN-13978-4121025661
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商品の説明
著者について
竹田いさみ
獨協大学外国語学部教授.1952年東京都生れ.上智大学大学院国際関係論専攻修了.シドニー大学・ロンドン大学留学.Ph.D.(国際政治史)取得.専攻は海洋安全保障,東南アジア・インド太平洋の国際関係,海洋と海賊の世界史.海上保安庁政策アドバイザー,防衛省新防衛政策懇談会メンバー. 著書『移民・難民・援助の政治学』(勁草書房,1991年,アジア・太平洋賞特別賞受賞),『物語 オーストラリアの歴史』(中公新書,2000年),『国際テロネットワーク』(講談社現代新書,2006年),『世界史をつくった海賊』(ちくま新書,2011年,国際理解促進図書優秀賞受賞),『世界を動かす海賊』(ちくま新書,2013年,山縣勝見賞特別賞受賞)ほか
獨協大学外国語学部教授.1952年東京都生れ.上智大学大学院国際関係論専攻修了.シドニー大学・ロンドン大学留学.Ph.D.(国際政治史)取得.専攻は海洋安全保障,東南アジア・インド太平洋の国際関係,海洋と海賊の世界史.海上保安庁政策アドバイザー,防衛省新防衛政策懇談会メンバー. 著書『移民・難民・援助の政治学』(勁草書房,1991年,アジア・太平洋賞特別賞受賞),『物語 オーストラリアの歴史』(中公新書,2000年),『国際テロネットワーク』(講談社現代新書,2006年),『世界史をつくった海賊』(ちくま新書,2011年,国際理解促進図書優秀賞受賞),『世界を動かす海賊』(ちくま新書,2013年,山縣勝見賞特別賞受賞)ほか
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2019/11/19)
- 発売日 : 2019/11/19
- 言語 : 日本語
- 新書 : 267ページ
- ISBN-10 : 4121025660
- ISBN-13 : 978-4121025661
- 寸法 : 11.1 x 1.2 x 17.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 123,235位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年6月13日に日本でレビュー済み
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大英帝国の海上覇権の歴史から、エレルギー開発に伴い整備されていく海洋法の歴史、そのルールに挑戦する中国と続き、ルールを守るモデル組織としての日本海上保安庁の活躍で締め括られる。
後半では国連海洋法条約を中心とした各国の法整備や解釈など専門用語が多く少し難解なところもあるが、総じて著者の文章は論理的で読みやすくストレスが少ない。
一番面白く読んでしまうのはやはり前半のイギリスによる海洋覇権の成立の過程。イギリスは明治維新の頃には既に海底ケーブルを敷設して世界中からの情報収集の高速化と諜報を実現していたのだから、幕末志士達の焦りようも解るというものだ。ファイブアイズやプリズムなどの現代諜報技術の歴史を垣間見た気がした。
後半では国連海洋法条約を中心とした各国の法整備や解釈など専門用語が多く少し難解なところもあるが、総じて著者の文章は論理的で読みやすくストレスが少ない。
一番面白く読んでしまうのはやはり前半のイギリスによる海洋覇権の成立の過程。イギリスは明治維新の頃には既に海底ケーブルを敷設して世界中からの情報収集の高速化と諜報を実現していたのだから、幕末志士達の焦りようも解るというものだ。ファイブアイズやプリズムなどの現代諜報技術の歴史を垣間見た気がした。
2019年11月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「海の地政学」というと分かりにくく、副題の「覇権をめぐる400年史」のほうが分かりやすい。ただ副題が似合うのは本書第3章までで(全体の約半分)、第4章の戦後以後は覇権というよりは、海洋管理のルール形成の話になるので、海の地政学のほうが包括的かもしれない。
第1章大英帝国の海洋覇権・・大航海時代からスエズ運河まで。
第2章アメリカの捕鯨・・捕鯨ブームからセオドア・ローズベルトまで。
第3章アメリカの海洋覇権・・セオドア・ローズベルトから第二次大戦終了まで
第4章戦後海洋ルールの形成・・トルーマン宣言から現在。
第5章現代中国の海洋ルール・・海洋秩序の不安定要因である中国の分析
第6章日本の海洋秩序維持・・法執行機関である海上保安庁。
私的感想
〇一般向け歴史本を書き慣れている人の本で、第1章から第3章までは分かりやすい。内容も海洋覇権の歴史の話ので、ダイナミックで、すらすらと入ってくる。
〇第3章最後の大戦中に日本の民間商船が受けた損害の話は、丁寧に調べられていて興味深く、ちょっと怖い。
〇第4章は領海、接続水域、その外の大陸棚の資源利用、航行等の権利、管理のルールの主張、調整の歴史で、各国の経済利害の対立はダイナミックだが、様々な定義の理解、条約条文、具体的数字の理解が必要となって、ちょっと難しくなってくる。
〇第5章は国際ルール、条約を無視した国内法を作り、南シナ海等で領有権を主張して、既成事実を積み重ねる一方、他国の実効支配を無視した行動を繰り返す現代中国の分析。4章までに頁数を使ってしまったので、30頁ほどで終わってしまう。
〇第6章は海上保安庁を執行機関とする日本の海洋秩序維持の問題で、こちらももう頁数がなく、さわりだけで終わる。
私的結論
〇第4章がよく知らなかったことで、参考になった。
第1章大英帝国の海洋覇権・・大航海時代からスエズ運河まで。
第2章アメリカの捕鯨・・捕鯨ブームからセオドア・ローズベルトまで。
第3章アメリカの海洋覇権・・セオドア・ローズベルトから第二次大戦終了まで
第4章戦後海洋ルールの形成・・トルーマン宣言から現在。
第5章現代中国の海洋ルール・・海洋秩序の不安定要因である中国の分析
第6章日本の海洋秩序維持・・法執行機関である海上保安庁。
私的感想
〇一般向け歴史本を書き慣れている人の本で、第1章から第3章までは分かりやすい。内容も海洋覇権の歴史の話ので、ダイナミックで、すらすらと入ってくる。
〇第3章最後の大戦中に日本の民間商船が受けた損害の話は、丁寧に調べられていて興味深く、ちょっと怖い。
〇第4章は領海、接続水域、その外の大陸棚の資源利用、航行等の権利、管理のルールの主張、調整の歴史で、各国の経済利害の対立はダイナミックだが、様々な定義の理解、条約条文、具体的数字の理解が必要となって、ちょっと難しくなってくる。
〇第5章は国際ルール、条約を無視した国内法を作り、南シナ海等で領有権を主張して、既成事実を積み重ねる一方、他国の実効支配を無視した行動を繰り返す現代中国の分析。4章までに頁数を使ってしまったので、30頁ほどで終わってしまう。
〇第6章は海上保安庁を執行機関とする日本の海洋秩序維持の問題で、こちらももう頁数がなく、さわりだけで終わる。
私的結論
〇第4章がよく知らなかったことで、参考になった。
2020年2月4日に日本でレビュー済み
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私は読売新聞の書評を読んで、「セオドア・ルーズベルト大統領の服装を調べてみると、歴代大統領のほとんどがブルックス・ブラザーズだと分かり、本書にも盛り込んだ。」というところに興味を持ち、この本を購入しました。
ブランドへの興味はあったものの、国際関係や海洋法については高校で学んだ世界史程度の知識しかなく、最初は内容が理解できるか少し不安でした。しかし一つ一つが分かりやすく解説されていて、ところどころにブルックス・ブラザーズや海洋ケーブルの話など興味を引く話も多く載っていたので、楽しく読み進めることができました。
また、中国が海の覇権を狙っていることや海上保安庁が最高レベルだということなど、歴史だけではなく現在の国際情勢についても知ることができ、この本を読んだ後は新聞やニュースを見るときの視点も変わったような気がします。
思っていたよりも分かりやすくて面白かったので、この著者の他の本も読んでみたいと思いました。
ブランドへの興味はあったものの、国際関係や海洋法については高校で学んだ世界史程度の知識しかなく、最初は内容が理解できるか少し不安でした。しかし一つ一つが分かりやすく解説されていて、ところどころにブルックス・ブラザーズや海洋ケーブルの話など興味を引く話も多く載っていたので、楽しく読み進めることができました。
また、中国が海の覇権を狙っていることや海上保安庁が最高レベルだということなど、歴史だけではなく現在の国際情勢についても知ることができ、この本を読んだ後は新聞やニュースを見るときの視点も変わったような気がします。
思っていたよりも分かりやすくて面白かったので、この著者の他の本も読んでみたいと思いました。
2020年2月15日に日本でレビュー済み
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四面環海の我が国ではあっても、なぜか海洋に対する国民の理解は進んでいない。
極めてざっくりと海洋の覇権というか海上戦闘というのか、いずれにしても洋上における戦争の歴史を概観して、いかに「覇権国」が海洋を利用したかを明らかにしている。
後半は、現在の海洋の利用、国連海洋法条約、我が国が果たしている役割について、やはり分かりやすく解説している。
目にする機会が少ない事もあり、解りにくい海洋の歴史や政策について、新書なので「極めてざっくり」でも入門書としては最適だと思う。
全くの上から目線だが、ご容赦願いたい。
極めてざっくりと海洋の覇権というか海上戦闘というのか、いずれにしても洋上における戦争の歴史を概観して、いかに「覇権国」が海洋を利用したかを明らかにしている。
後半は、現在の海洋の利用、国連海洋法条約、我が国が果たしている役割について、やはり分かりやすく解説している。
目にする機会が少ない事もあり、解りにくい海洋の歴史や政策について、新書なので「極めてざっくり」でも入門書としては最適だと思う。
全くの上から目線だが、ご容赦願いたい。
2020年1月22日に日本でレビュー済み
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日本経済新聞で当書が掲載されており、興味をひかれたため購入しました。
「覇権をめぐる400年史」とあったので、海の歴史を扱った一冊だと思っていましたが、様々な知られざるエピソードや著者の実体験が折り込まれており、非常に面白かったです。
難しい印象を受けがちなテーマですが、多方面からの視点で現状が分析され、今後の日本の役割についても明らかにされていたので、とても読みやすかったです。
興味のある方だけでなく、あまり海洋について知らない方にも是非読んでほしい一冊です!
「覇権をめぐる400年史」とあったので、海の歴史を扱った一冊だと思っていましたが、様々な知られざるエピソードや著者の実体験が折り込まれており、非常に面白かったです。
難しい印象を受けがちなテーマですが、多方面からの視点で現状が分析され、今後の日本の役割についても明らかにされていたので、とても読みやすかったです。
興味のある方だけでなく、あまり海洋について知らない方にも是非読んでほしい一冊です!
2019年11月28日に日本でレビュー済み
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本書の「商品の説明」には、「地球の面積の7割以上を占める海。大航海時代以来、その覇権をめぐって、多くの国々が鎬を削ってきた。スペイン、オランダ、イギリス、二度の大戦を経て頂点に君臨するアメリカ。そして国際ルールへ挑戦する中国…本書は、航路や資源、国際的な法制度など多様な論点から、400年に及ぶ海をめぐる激動の歴史を描き出す」と概ね右趣旨の通りである。他方「各国の思惑が交錯し、形作られてきた海洋秩序を前にして、海に囲まれた日本はどう向き合うべきか」とあるが、『海の地政』-別言すると“海洋覇権”を巡る歴史的検証からの、日本の採るべき政策については現状分析に留まり政治的・軍事的志向性は薄い印象がある(後述)。内容・構成は「まえがき」及び「あとがき」を除き、①「海を制した大英帝国」、②「クジラが変えた海の覇権」、③「海洋覇権の掌握へ向かうアメリカ」、④「海洋ルールの形成」、⑤「国際ルールに挑戦する中国」、⑥「海洋秩序を守る日本」、以上の6章からなる。
以下、本書読後の私見となるが…前述の日本への政策的提言について、特に第5章~6章に観える中国(共産党独裁体制)の強まる“海洋覇権主義”に対しては、これに対する対抗姿勢(本書では特に第6章においては“防衛活動”とは峻別している)を諸法令上の関係-取り分け憲法的理念上は、海洋警察権として強く打ち出すべき提言に留まり、日本の安全保障のアキレス腱となっている現状への建設的外交政策提言としては薄弱である(230~248頁ほか)。また「商品の説明」で「大航海時代以来… 400年に及ぶ海をめぐる激動の歴史」とはあるが、スペイン・ポルトガル・オランダ等に始まり大英帝国の海洋覇権確立まで(スエズ運河権益取得の概ね19世紀末:第1章)は些か概略的であり、幕末日本の開国からアメリカ国土・海洋覇権の拡大期、WWⅠ~Ⅱ、戦後のアメリカ台頭(大英帝国主義・フランス・スペイン・ドイツ等の覇権の後退)、中国(共産党独裁体制)に依る東・南シナ海等での独善的支配侵出の検証が(量的にも)主体となっている。
従って近世・近代における大英帝国海洋覇権の嚆矢濫觴とも言うべきエリザベス1世によるスペインとの海洋覇権争奪、端的には“アルマダ海戦”や16~7世紀の大英帝国海軍の実態(=私掠船主体:国家公認の海賊?とも言われる)などはあまり触れられておらず(4~5・18~9頁など)、タイトル趣旨との不均衡を感じるところである。更に中近東を巡る大英帝国の独善的外交政策(三枚舌外交)のほか、WWⅠ~Ⅱで疲弊した大英帝国もアメリカからの莫大な借財(レンド・リース及びその後の協定に基づく債務:完済は2006年末とされる)等により、皮肉にも(その債権国たる)アメリカに取って代わられる経緯(歴史的ターニングポイント)の論考もないのは些か物足りない。
他方で興味を惹いたのは、「海底ケーブル」の敷設が海洋覇権又は戦略的覇権確立の側面として、19世紀後半には早くも大英帝国がその「約70パーセント」を制していたことである(26~31頁)。この事は後の「極秘電報事件」が国家的(戦略的)諜報活動(インテリジェンス)の重要性を象徴している(106~7頁) 。またスエズ運河を巡る大英帝国の一連の外交的変節・買収劇等の論旨(40~52頁)からは、現代のEU離脱騒動に象徴される彼の国家独善的外交の歴史民族的本質は観て取れる。注目はやはり大英帝国とは対照的に、WWⅠ~Ⅱ及びパナマ運河の権益取得等で海洋覇権を拡大したアメリカの戦略(マーシャル・プランの戦略性)と歴史的経緯だろう(第3~4章)。他方著者は日露戦争後の軍縮交渉(担当)に関して肯定的に観ているが(112~120頁ほか)、その後の日本の状況を観れば現実的な交渉場面で外堀を埋められ劣勢に立たされるなど、その交渉主導権争いに遅れを取った日本の戦略的外交の失敗は明らかである。このほかオイル・海底資源の開発制限に関する「海洋法条約」、米英の動向など詳細な考察が展開されているが、大英帝国主義についてはもう少し視点を広げた検証も欲しい。
以下、本書読後の私見となるが…前述の日本への政策的提言について、特に第5章~6章に観える中国(共産党独裁体制)の強まる“海洋覇権主義”に対しては、これに対する対抗姿勢(本書では特に第6章においては“防衛活動”とは峻別している)を諸法令上の関係-取り分け憲法的理念上は、海洋警察権として強く打ち出すべき提言に留まり、日本の安全保障のアキレス腱となっている現状への建設的外交政策提言としては薄弱である(230~248頁ほか)。また「商品の説明」で「大航海時代以来… 400年に及ぶ海をめぐる激動の歴史」とはあるが、スペイン・ポルトガル・オランダ等に始まり大英帝国の海洋覇権確立まで(スエズ運河権益取得の概ね19世紀末:第1章)は些か概略的であり、幕末日本の開国からアメリカ国土・海洋覇権の拡大期、WWⅠ~Ⅱ、戦後のアメリカ台頭(大英帝国主義・フランス・スペイン・ドイツ等の覇権の後退)、中国(共産党独裁体制)に依る東・南シナ海等での独善的支配侵出の検証が(量的にも)主体となっている。
従って近世・近代における大英帝国海洋覇権の嚆矢濫觴とも言うべきエリザベス1世によるスペインとの海洋覇権争奪、端的には“アルマダ海戦”や16~7世紀の大英帝国海軍の実態(=私掠船主体:国家公認の海賊?とも言われる)などはあまり触れられておらず(4~5・18~9頁など)、タイトル趣旨との不均衡を感じるところである。更に中近東を巡る大英帝国の独善的外交政策(三枚舌外交)のほか、WWⅠ~Ⅱで疲弊した大英帝国もアメリカからの莫大な借財(レンド・リース及びその後の協定に基づく債務:完済は2006年末とされる)等により、皮肉にも(その債権国たる)アメリカに取って代わられる経緯(歴史的ターニングポイント)の論考もないのは些か物足りない。
他方で興味を惹いたのは、「海底ケーブル」の敷設が海洋覇権又は戦略的覇権確立の側面として、19世紀後半には早くも大英帝国がその「約70パーセント」を制していたことである(26~31頁)。この事は後の「極秘電報事件」が国家的(戦略的)諜報活動(インテリジェンス)の重要性を象徴している(106~7頁) 。またスエズ運河を巡る大英帝国の一連の外交的変節・買収劇等の論旨(40~52頁)からは、現代のEU離脱騒動に象徴される彼の国家独善的外交の歴史民族的本質は観て取れる。注目はやはり大英帝国とは対照的に、WWⅠ~Ⅱ及びパナマ運河の権益取得等で海洋覇権を拡大したアメリカの戦略(マーシャル・プランの戦略性)と歴史的経緯だろう(第3~4章)。他方著者は日露戦争後の軍縮交渉(担当)に関して肯定的に観ているが(112~120頁ほか)、その後の日本の状況を観れば現実的な交渉場面で外堀を埋められ劣勢に立たされるなど、その交渉主導権争いに遅れを取った日本の戦略的外交の失敗は明らかである。このほかオイル・海底資源の開発制限に関する「海洋法条約」、米英の動向など詳細な考察が展開されているが、大英帝国主義についてはもう少し視点を広げた検証も欲しい。