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日本軍兵士―アジア・太平洋戦争の現実 (中公新書) 新書 – 2017/12/20
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「アジア・太平洋賞特別賞受賞」
「新書大賞受賞」
- 本の長さ228ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2017/12/20
- 寸法11.1 x 1.2 x 17.3 cm
- ISBN-104121024656
- ISBN-13978-4121024657
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
日本軍兵士の過酷すぎる実態 語り継がれていないアジア・太平洋戦争
アジア・太平洋戦争による日本人死者は、民間人が80万人、軍人・軍属が230万人の計310万人。日露戦争の戦没者が9万人であることを踏まえると、とてつもない数字だ。さらに驚くべきことに、その9割が戦争末期、1944年以降のわずか1年ほどのあいだに亡くなったと推算されるという。短期間に甚大な死を引き起こす要因となった、日本軍兵士たちのおかれた苛酷な肉体的・精神的状況の実態を、豊富な資料に基づき緻密に描き出した新書が売れている。
「被爆や空襲、沖縄戦のような体験は、いまなおよく語り継がれています。しかし戦場の話は、多くの人が従軍したにもかかわらず、あまり語り継がれていない。関連した本も最近の作品は漠然とした内容が多い。そこを具体的に、詳細に書いたことが、驚きをもって多くの読者に受け止められたのではないでしょうか」(担当編集者)
昨今、日本軍の勇猛さをとかく賞賛するような本も多いが、本書は異を唱える。立論に説得力があるのは、情緒に流れていないからだ。
「著者は兵士の目線、地を這うような目線での具体的な体験談を紡ぎ出すと同時に、鳥瞰的に戦争を捉えることも忘れません。他国と比べて異常に高い餓死率など客観的な数字を記することで、極端な例だけを取り上げた恣意的な内容ではないとわかり、兵士たちの『声』がより真に迫るものに感じられるんです」(担当編集者)
評者:前田 久
(週刊文春 2018年05月24日号掲載)登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2017/12/20)
- 発売日 : 2017/12/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 228ページ
- ISBN-10 : 4121024656
- ISBN-13 : 978-4121024657
- 寸法 : 11.1 x 1.2 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 49,252位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について

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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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近代的な「革命」を経ることなしに形成された近代国家がない中で、当時の日本は、宗教改革も、啓蒙の時代も、ブルジョア革命も、民主主義の実施・訓練なども全く経験していない国であった。ある段階までは、軍事独裁体制は日本資本主義に対外政策の統一性を保証し、国内における安定的秩序を保証したが、これらの封建的な遺物は、日本の発展にとって大きなブレーキとなっていた。小作農のストライキ、農民と労働者との共闘の試みがある一方では、ほぼ単一民族で民族的同質性は日本にとって大きな利点であった。
「満蒙は日本の生命線」と言い、日本の経済と軍隊が台湾、朝鮮、満州に依存する社会にシフトしたとき、ロシアが大ロシア主義で、全人口の約53%を被抑圧民族が反ツアーリズムの原動力になったと同様のことが、日本でも起きるのではないかとトロッキーは予測していた。何故なら、日本人の6500万人に対し、満州を含めると5000万人の抑圧された朝鮮人と中国人が革命予備軍に転嫁すれば、戦時には体制にとって特別に危険になるだろうとトロッキーは思ったからだ。
この視点で観ると、日本兵が小銃を保持しなかったのは、反乱防止策としては効果があったということになる。43年以降に台湾・朝鮮人を兵士として徴用した際に、小銃を日本軍兵士が保持しているときに、彼らが保持できないというのは合理性に欠けるからである。
もう少し掘り下げて分析して欲しい点は、兵力動員率の低さ(175P)である。戦争が始まると、「重工業化」が加速され、その分野の専門家の確保が重要となり、適格者のすそ野の拡大や少年隊の派遣など行われるが、当時の男子の平均寿命は63.6歳であり、整合性が余りないように見える。但し、女性が戦争に行かなかったことに加え、日本の工業力の後進性と労働生産性が低かったことが原因になるかもしれないが、これを裏付ける数字による説明がないのは残念だ。
参考に、当時の日本の国民所得は175円/人で、欧州諸国の数分の一、ソ連と比較しても約2/3。日本の工業は軽工業中心の後進的で、繊維労働者が全労働者の51%以上を占めていた。それに対して金属・機械労働者は19%でしかなかった。当時の戦争が「金属の戦争」であったことを考慮して鉄鋼消費量を比較すると、米国が260Kg/人、西欧111Kg/人、ソ連35Kg/人に対し、日本は29Kg/人以下であった。「重工業化」には長い期間と資本が必要であり、それが整備される前に戦争が先に先に進んでいったこと自体が、日本の敗北を決定したと言えるだろう。
太平洋戦争を4つの期にに分類し、その中でも絶望的抗戦期に焦点をあてます。各種資料から戦地での兵士の状況をあぶりだします。具体的な切り口は、衛生状況、医療、食事配給、ロジスティック、通信、人員管理、軍需品製造、組織管理、グループシンク、などでしょうか。
なお、ご参考までに4期を挙げますと以下の通りです。もう勝ち目がないことが薄々認識されているなかで、だらだらと戦いが続いている期間、でしょうか。
戦略的攻勢期(1941.12 – 1942.5)
戦略的対峙期(1942.6 – 1943.2)
戦略的守勢期(1943.3 – 1944.7)
絶望的抗戦期(1944.8 – 1945 .8)
・・・
私が持った印象を端的に述べれば、最悪、悲惨、地獄、といったところ。
人の命よりも国家の存亡が優先された時代。もう読んでいて唯々悲しい気持ちしか抱けません。信じられない。
恵まれた時代の豊かな国にいるともう別世界の話ですが、ほんの一世紀前の現実であることを考えると空恐ろしい気がします。
中でも印象的なのは、非戦死の多さ、不透明な組織構造、立ち遅れ、でしょうか。
・・・
戦争の本ですので、死の記述は前編にわたって記載されています。それにしても非戦死に関する記載は頻度が高いです。そして実は戦闘以外で相当度の方が亡くなっているという事実に愕然とします。
具体的に言うとその死因は、病死、餓死、自殺、いじめです。
筆者のひく書籍によると、病死の率は、1941年の日中戦争時点でおおよそ50%超、そして徹底的抗戦期ではこれが75%にも上るという(P29, 30)。しかも当時は戦(闘による)死に重きが置かれたため、傷病兵をその場で殺し戦死扱いとする、あるいは兵站上の問題からそのまま放置することも多かったとか。つまり戦死の率は更に低い、と。
餓死については、制海権・制空権を相手に握られ、兵站が途絶された状況では、容易に想像がつく死因であります。作中では、意識がもうろうとなった餓死寸前の兵士のスケッチなどもありリアルです。
自殺というのは、想像には難くないものの、今まで私があまり見聞きしない戦中の死因でした。作品では宜昌作成という日中戦争時の戦闘で既に、一連隊(およそ1,500名)でその戦闘作戦中38名の自殺者を出したとか。戦地でのプレッシャーに対するメンタルケアなぞおおよそ当時の上官の意識にはなかったでしょうが、何とかできなかったのか。いわんや終戦間際はいかばかりだったことか。
いじめについても幾らか記載があります。古参兵とが新参兵を撲死させるのは良くあることだそう。また終戦末期では精神障碍者なども戦地に送られたそうで、こうした古参兵の格好の餌食にされたことかと思います。
国を守るための戦地に赴いたのに、この大切な生命は戦闘以外のところで、無駄にされてしまったのです。
・・・
もうこれ、なんでだろう、という話になるじゃないですか。
本書には個別の原因追及は余りありません。むしろ大局的に明治憲法の制度的・構造的要因を指摘していました。曰く、実は一元的責任集中していないとのこと。逆だと思っていましたが。
個人的には、より現場に近い組織で、改善がなされなかった原因・理由の方が気になります。例えば古参兵によるいじめを年若い上官が見て見ぬふりをしたこと。今でいえば、海外拠点での古参のやり手ベテランの些細な不正を、年若い駐在(彼も収益プレッシャーが厳しい)が見て見ぬふりをする、みたいに読み替えできるかもしれません。
そのほかにも、なんで? 意味あるの? 何のために? みたいな、読んでいて?が消えない悲しい状況描写がたくさん。意味不明の戦争だ、という印象が読み進むにつれて強くなります。
・・・
また、軍備の立ち遅れについての記録もあります。よくもまあ戦争を開始・継続したなあというため息でいっぱいになります。
二つほど申し上げます。
先ずは馬の使用。日本軍は東南アジアへ進攻していたものの、馬は暑さに弱いらしいです。当然の事ながらヘタって馬が死んでしまう。爾後はとうぜん、人力で運ばなくてはならない。体重対比の最大荷重量(35-40%)があるそうですが、日本軍は体重と同じ量を運ばないといけない兵卒も居たそう。ちなみに当時のトヨタは粗悪であったそう。米軍はフォードの運搬車と戦車で戦っているときに馬のち竹やりですよ。戦いになりません。戦争以前の力量差。
もう一つは通信技術の軽視です。米軍が無線通信に力を入れ、ハンディートーキーを開発しているさなか、日本軍の現場では無線はおろかあっても有線。そして有線は爆弾一つで一瞬で途絶。さらに戦争末期には伝書鳩を使っていたそうです。鳩ですよ鳩。
現代の感覚だと、なぜ早急に戦争をやめなかったのか、という話です。
・・・
ということで吉田先生の書籍でありました。
戦争の本としては、末期に焦点を当てた、そして現場の声を集めたという点が良かった気がします。
私も現実に不満不平はありますが、読後はまったく自分の状況はマシだと思いました。作中の状況は、一言でいえば、不条理の極北、であると思います。
戦争の記録の集成としても貴重ですが、なぜ状況が放置されたのかと疑念が止まらない読後感でした。『失敗の本質』を再読したくなりました。