自民党政権が、自衛隊や国防を積極的に肯定し始めたのは中曽根内閣からということは勉強してほしい。
それ以前、戦後すぐは勿論、田中角栄だって、国防はアメリカ頼みでいかに安く効率的にするかが主眼だったのに・・・。
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中曽根康弘 - 「大統領的首相」の軌跡 (中公新書 2351) 新書 – 2015/12/18
服部 龍二
(著)
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「風見鶏」と批判されながら、首相就任後は米中韓と蜜月関係を築き国鉄等の民営化を推進。日本の地位を大きく上昇させた政治家の軌跡
- 本の長さ348ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2015/12/18
- ISBN-10412102351X
- ISBN-13978-4121023513
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2015/12/18)
- 発売日 : 2015/12/18
- 言語 : 日本語
- 新書 : 348ページ
- ISBN-10 : 412102351X
- ISBN-13 : 978-4121023513
- Amazon 売れ筋ランキング: - 168,787位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 790位中公新書
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2021年3月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最初の30-50ページくらいはかなり単調で読むのをやめようかと思った。
しかしそこを超えるとどんどん内容が濃くなり、結局一気に読み終えてしまった。まさにこの人物の101年に及ぶ人生そのものが「尻上がり」だったのではないか、そんな風に思えた。
入念なマスコミチェックを行ったというエピソードや、複数の自伝を書いてることから、生前に書かれたこの評伝も中曽根さん自身の意向が少なからず反映されたものであろうことは考慮しなくてはいけないが、それでも公正な視点と論理的な文章が感じられる素晴らしい一冊だった。
内務省入省と同時に第二次世界大戦を経験し、多くの部下や弟を失った末に生き残り、野党から政治家としてキャリアをスタートした。その最初の時点から明確に総理を目指して政治をしてきたことが窺い知れる。
野党、そして派閥政治の真っ只中の自民党第4派閥の領袖から念願の首相に至るまでは、「風見鶏」と揶揄されながらも自身の核たる部分を見失わないよう、内外に確認するかのように多数の本を出版している。
そして首相以後は、積極的外遊をはじめとする巧みな外交力を発揮して、日中提携と対米協調を両立させた稀有な指導者となり得た。
内政においてはブレーン政治を積極的に取り入れて大統領式官邸主導政策に取り組み、憲法改正や靖国公式参拝など大胆で意外性を伴う不敵なことをやりつつ5年の長期政権を築いた。最終的にはかつてのライバルたちよりも首相としてずっと多くのことを成し遂げて、85歳で小泉純一郎の議員として引退勧告を受けるまで、いやそれ以後も「暮れてなお 命ある限り 蝉しぐれ」として政治の第一線に立ち続けた。
多くの人より長く生きたが故に、自身が主導した原子力発電の事故も全て見納めることとなった。
老いてなお明晰な政治家、哲学者の頭脳は、本心の部分でどんなことを考えていたのだろうか?
コロナの最中に国葬を行う必要があったのどうかは個人的には疑問を感じる。
しかし、中曽根康弘という政治家の生涯を読み解くなかで、この人物が近代日本を代表する深い認識力と明晰な洞察力をもつ稀有な人物であったのは間違いないと認識することができた。
しかしそこを超えるとどんどん内容が濃くなり、結局一気に読み終えてしまった。まさにこの人物の101年に及ぶ人生そのものが「尻上がり」だったのではないか、そんな風に思えた。
入念なマスコミチェックを行ったというエピソードや、複数の自伝を書いてることから、生前に書かれたこの評伝も中曽根さん自身の意向が少なからず反映されたものであろうことは考慮しなくてはいけないが、それでも公正な視点と論理的な文章が感じられる素晴らしい一冊だった。
内務省入省と同時に第二次世界大戦を経験し、多くの部下や弟を失った末に生き残り、野党から政治家としてキャリアをスタートした。その最初の時点から明確に総理を目指して政治をしてきたことが窺い知れる。
野党、そして派閥政治の真っ只中の自民党第4派閥の領袖から念願の首相に至るまでは、「風見鶏」と揶揄されながらも自身の核たる部分を見失わないよう、内外に確認するかのように多数の本を出版している。
そして首相以後は、積極的外遊をはじめとする巧みな外交力を発揮して、日中提携と対米協調を両立させた稀有な指導者となり得た。
内政においてはブレーン政治を積極的に取り入れて大統領式官邸主導政策に取り組み、憲法改正や靖国公式参拝など大胆で意外性を伴う不敵なことをやりつつ5年の長期政権を築いた。最終的にはかつてのライバルたちよりも首相としてずっと多くのことを成し遂げて、85歳で小泉純一郎の議員として引退勧告を受けるまで、いやそれ以後も「暮れてなお 命ある限り 蝉しぐれ」として政治の第一線に立ち続けた。
多くの人より長く生きたが故に、自身が主導した原子力発電の事故も全て見納めることとなった。
老いてなお明晰な政治家、哲学者の頭脳は、本心の部分でどんなことを考えていたのだろうか?
コロナの最中に国葬を行う必要があったのどうかは個人的には疑問を感じる。
しかし、中曽根康弘という政治家の生涯を読み解くなかで、この人物が近代日本を代表する深い認識力と明晰な洞察力をもつ稀有な人物であったのは間違いないと認識することができた。
2016年3月3日に日本でレビュー済み
28歳で初当選してから、連続20回の当選を果たした。
長身で、2枚目であり、演説の旨さが、彼の人気を支えた。
同じく28歳で一緒に当選した、生年も生まれた月まで同じ田中角栄がいた。
しかし彼らは、生い立ちから考え方まで、全く異なっていた。
・造船疑獄では追及により、吉田茂、池田勇人、佐藤栄作、大野伴睦の心証を害して、後の入閣を遅らせた。
・群馬3区では福田赳夫という強力なライバルがいた。
・群馬3区では、小渕恵三が後に出るが、自らを「ビルの谷間のラーメン屋」と自嘲した。
・三角大福中とは、「丸いはずの大福が三角になり、どこに餡(核)があるのかわからない」と風刺している。
・田中角栄は、自民党史上最年少で総裁となった。
・三木は、クリーンイメージが味方して、金権で倒れた田中の後になれた。
・中曽根は八ッ場ダムに反対して、金丸と敵対した。
・中曽根は政界の風見鶏と揶揄されたが、当人は、軸足を固定して柔軟に振舞う事が大事と考えていた。
・中曽根は、40日抗争では福田に投票しながら、7ヵ月後のハプニング解散では、田中、大平側についた。
・中曽根は、田中の支持を得た大平派の鈴木にも先を越されてしまう。
・中曽根は、鈴木内閣で行政管理庁長官という軽いポストに甘んじた。
・しかし、頭を切替、土光敏夫を用いて、第2臨調を成功させた。
・中曽根は、田中派から後藤田官房長官を当てた。
・中曽根は、読売新聞の渡邉恒夫や日本テレビの氏家等の人脈を活用して、マスコミ戦略をして支持率維持に成功した。
・中曽根内閣は、田中派を重用したので、田中曽根内閣と揶揄された。
・中曽根は、不沈空母と言っておらず、訳者の意訳だが、アメリカで評判がよかったので、訂正させなかった。
・大韓航空機撃墜事件では、交信記録の国連への提供では、(自衛隊の傍受能力を露呈させてしまうが、)提供するという英断を下した。
・靖国参拝を自粛する選択をしたのは、アジア諸国との関係が悪化すれば、英霊も喜ばないと考えたから。
・電電公社、専売公社、国鉄の民営化の内、特に国鉄民営化では、抵抗する者を次々に罷免する実行力で成功した。
・304議席獲得の勝因は、国鉄分割民営化、東京サミットの成功につきる。
・防衛費枠1%突破は、合理性がないとの判断から決断した。
・中曽根は、アメリカ、中国、韓国と良好な関係を築いた稀有な政治家だ。
・宇野宗助が総理になったのは、有力議員の中で珍しくリクルート株をもらっていなかったからだ。
・大勲位菊花大綬章を生前にもらったのは、吉田茂、佐藤栄作の他、中曽根だけだ。
・福田康夫、麻生太郎などの2世、3世議員は、図太さがなく、根性が弱いと苦言を呈す。
・普天間問題をこじらせた、鳩山由紀夫をリーダーとして稚拙だと批判した。
中曽根の一番の功績とは、やはり国鉄民営化であろう。
また、外交上手で、また、各政治家に対する分析も、的確だと言えよう。
長身で、2枚目であり、演説の旨さが、彼の人気を支えた。
同じく28歳で一緒に当選した、生年も生まれた月まで同じ田中角栄がいた。
しかし彼らは、生い立ちから考え方まで、全く異なっていた。
・造船疑獄では追及により、吉田茂、池田勇人、佐藤栄作、大野伴睦の心証を害して、後の入閣を遅らせた。
・群馬3区では福田赳夫という強力なライバルがいた。
・群馬3区では、小渕恵三が後に出るが、自らを「ビルの谷間のラーメン屋」と自嘲した。
・三角大福中とは、「丸いはずの大福が三角になり、どこに餡(核)があるのかわからない」と風刺している。
・田中角栄は、自民党史上最年少で総裁となった。
・三木は、クリーンイメージが味方して、金権で倒れた田中の後になれた。
・中曽根は八ッ場ダムに反対して、金丸と敵対した。
・中曽根は政界の風見鶏と揶揄されたが、当人は、軸足を固定して柔軟に振舞う事が大事と考えていた。
・中曽根は、40日抗争では福田に投票しながら、7ヵ月後のハプニング解散では、田中、大平側についた。
・中曽根は、田中の支持を得た大平派の鈴木にも先を越されてしまう。
・中曽根は、鈴木内閣で行政管理庁長官という軽いポストに甘んじた。
・しかし、頭を切替、土光敏夫を用いて、第2臨調を成功させた。
・中曽根は、田中派から後藤田官房長官を当てた。
・中曽根は、読売新聞の渡邉恒夫や日本テレビの氏家等の人脈を活用して、マスコミ戦略をして支持率維持に成功した。
・中曽根内閣は、田中派を重用したので、田中曽根内閣と揶揄された。
・中曽根は、不沈空母と言っておらず、訳者の意訳だが、アメリカで評判がよかったので、訂正させなかった。
・大韓航空機撃墜事件では、交信記録の国連への提供では、(自衛隊の傍受能力を露呈させてしまうが、)提供するという英断を下した。
・靖国参拝を自粛する選択をしたのは、アジア諸国との関係が悪化すれば、英霊も喜ばないと考えたから。
・電電公社、専売公社、国鉄の民営化の内、特に国鉄民営化では、抵抗する者を次々に罷免する実行力で成功した。
・304議席獲得の勝因は、国鉄分割民営化、東京サミットの成功につきる。
・防衛費枠1%突破は、合理性がないとの判断から決断した。
・中曽根は、アメリカ、中国、韓国と良好な関係を築いた稀有な政治家だ。
・宇野宗助が総理になったのは、有力議員の中で珍しくリクルート株をもらっていなかったからだ。
・大勲位菊花大綬章を生前にもらったのは、吉田茂、佐藤栄作の他、中曽根だけだ。
・福田康夫、麻生太郎などの2世、3世議員は、図太さがなく、根性が弱いと苦言を呈す。
・普天間問題をこじらせた、鳩山由紀夫をリーダーとして稚拙だと批判した。
中曽根の一番の功績とは、やはり国鉄民営化であろう。
また、外交上手で、また、各政治家に対する分析も、的確だと言えよう。
2022年4月19日に日本でレビュー済み
発行当時、存命中であった中曽根康弘の半生と「大統領的首相」としての中曽根を見事に描いている。大統領的首相を指令政治と説く中曽根が「多用したのは私的諮問委員会であった。諮問委員会によって、官邸主導による立案を推進しようとした」(p.197)。レーガン米大統領とのロンヤス関係を代表するように「アメリカだけでなく、中国や韓国の指導者とも良好な関係を築いた稀有な政治家である。軍事、経済の両面でアメリカの圧力に適応しながら日米同盟を強化し、中韓とも連携を深めることで、中曽根は新冷戦下での対ソ戦略を有利に進めた」(p.277)。筆者は中曽根外交を、「体系的に世界政策を構築した日本の政治家は中曽根以外におらず、戦後外交の頂点といっても過言ではない」(同)と高く評価する。また、中曽根最大の業績である3公社民営化に関して、「国家的見地から日本の将来像を描き、しかも長期政権となった中曽根ならではの一大改革」(p.260) と評す。戦後政治を理解するためにも読んでおきたい一冊である。
2016年1月29日に日本でレビュー済み
これは書店で平積みになっていたので入手した。
既に多くの方のレビューでも書かれているが、いまだ健在の昭和の元総理・中曽根康弘の「評伝」である。「評伝」と各個付けしたのは、様々な史料を並列していろんな人物から見た中曽根康弘をあぶり出す、と言う手法を採っているからで、その点では正確に言うと評伝ではない。
中曽根康弘はこの本の副題にもあるように、在任中は「大統領的総理」とマスコミに言われ(揶揄され?)ていた。確かにパフォーマンスを好む一面があることは否めないと私は思う。実際amazonや図書館の検索機能で“中曽根康弘”と検索したら、自伝の類が山のようにヒットする(苦笑)。四捨五入すると100歳になる人物だが、今でもTV出演で度々お姿も拝見したりする。
しかし、この本はそんな目立ちたがりからは一見想像しづらい一面も紹介している。例えば対アジア(特に韓国、中国)に対する外交スタンスは私が従来持っていた「タカ派/中曽根」のイメージからはかけはなれていた。戦前/戦中の青年時代の中曽根康弘の姿もかなり意外だった。また「改憲派」であることから画一的なタカ派イメージで捉えられがちな中曽根だが、岸信介(安倍総理の祖父であることは有名かと)とは政治スタンスが異なりグループが違っていたという話も意外だった。
先述したように存命人物であり、その評伝を書くのには大変な苦労があったことが伺える。著者の服部氏も当初は気が進まなかったことを前書きで述べている。しかしその問題を各種史料を併記することで中曽根康弘の実像を読者に考えさせる手法で解決しようとしていると感じられた。
100歳近くになる中曽根の人生は前半分は現代日本人の記憶から遠くなりつつある近代史の世界だし、残りの半生はそのまま現代日本の政治経済を反映している。私にとっても中曽根康弘ネタ以外でも今まで思い違いしていた部分を見直される箇所がいくつもあり、勉強になった。
日本の近現代史、日本の政治史に関心のある人には必読の一冊だろう。
既に多くの方のレビューでも書かれているが、いまだ健在の昭和の元総理・中曽根康弘の「評伝」である。「評伝」と各個付けしたのは、様々な史料を並列していろんな人物から見た中曽根康弘をあぶり出す、と言う手法を採っているからで、その点では正確に言うと評伝ではない。
中曽根康弘はこの本の副題にもあるように、在任中は「大統領的総理」とマスコミに言われ(揶揄され?)ていた。確かにパフォーマンスを好む一面があることは否めないと私は思う。実際amazonや図書館の検索機能で“中曽根康弘”と検索したら、自伝の類が山のようにヒットする(苦笑)。四捨五入すると100歳になる人物だが、今でもTV出演で度々お姿も拝見したりする。
しかし、この本はそんな目立ちたがりからは一見想像しづらい一面も紹介している。例えば対アジア(特に韓国、中国)に対する外交スタンスは私が従来持っていた「タカ派/中曽根」のイメージからはかけはなれていた。戦前/戦中の青年時代の中曽根康弘の姿もかなり意外だった。また「改憲派」であることから画一的なタカ派イメージで捉えられがちな中曽根だが、岸信介(安倍総理の祖父であることは有名かと)とは政治スタンスが異なりグループが違っていたという話も意外だった。
先述したように存命人物であり、その評伝を書くのには大変な苦労があったことが伺える。著者の服部氏も当初は気が進まなかったことを前書きで述べている。しかしその問題を各種史料を併記することで中曽根康弘の実像を読者に考えさせる手法で解決しようとしていると感じられた。
100歳近くになる中曽根の人生は前半分は現代日本人の記憶から遠くなりつつある近代史の世界だし、残りの半生はそのまま現代日本の政治経済を反映している。私にとっても中曽根康弘ネタ以外でも今まで思い違いしていた部分を見直される箇所がいくつもあり、勉強になった。
日本の近現代史、日本の政治史に関心のある人には必読の一冊だろう。
2016年2月2日に日本でレビュー済み
中曽根康弘は、99歳になった。少なくとも数カ月前まではアタマもしっかりし、
そこらへんのぽっと出の政治家より、ずっとしっかりしたことを言っていた。
おそらくいまもそうだろう。
あの力は、どこから出ているのだろうともう。
本書はその中曽根康弘の「評伝」なのだが、
著者は中曽根康弘に30回近くインタビューし、さらに多くの関係者にも
話を聞いている。
だからさっと撫でただけのような薄い本ではなく、
微妙に政治信条を変えて来たようであり、実は非核三原則と自主防衛、
原子力の平和利用といったことは、ずっとぶれてないことがわかる。
それにしても中曽根康弘が首相だったころは「タカ派」のイメージが強かったが、
いまの政権はもっとタカ派だ。
中曽根康弘の「通史」を知るだけでなく、
いまの日本は本当にこれでいいのかを考えさせてくれる一冊になっていると思う。
そこらへんのぽっと出の政治家より、ずっとしっかりしたことを言っていた。
おそらくいまもそうだろう。
あの力は、どこから出ているのだろうともう。
本書はその中曽根康弘の「評伝」なのだが、
著者は中曽根康弘に30回近くインタビューし、さらに多くの関係者にも
話を聞いている。
だからさっと撫でただけのような薄い本ではなく、
微妙に政治信条を変えて来たようであり、実は非核三原則と自主防衛、
原子力の平和利用といったことは、ずっとぶれてないことがわかる。
それにしても中曽根康弘が首相だったころは「タカ派」のイメージが強かったが、
いまの政権はもっとタカ派だ。
中曽根康弘の「通史」を知るだけでなく、
いまの日本は本当にこれでいいのかを考えさせてくれる一冊になっていると思う。