前著「コミュニティデザイン」も興味深い、為になる本だったが、
そのあと講演会などでの質問を受けて、補足的に書き始めたものとのこと。
確かに、より実践的な部分、すなわち、なぜこういう仕事に至ったのか、仕事や地域の舞台裏、
仕事をする上でのスタンス、ブライアン・オニールという人、ファシリテーションについて、
行政との関わり方と要望を少し、などなど、幅広い盛り沢山の内容で補足している。
地域への関わり方の注意点なども詳しく書かれている。
一方、コミュニティデザインでファシリテーションをする場合、
そのファシリテーターがどう見られるかはファシリテーターによって違い、
集まる人たちも課題ごとに違うので、定型的なパターンを教科書として書くのは難しい、と言う。
コミュニティデザイナーが必要とする資質も挙げてあり、トレーニングで身につけられると語る。
高い目標が掲げてあり、自分の事務所のスタッフにも求めるものは多い。
そういう言い回しで広く呈示して、他に向けてハッパをかけているようにも感じる。
折にふれ再読したい本。
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コミュニティデザインの時代 - 自分たちで「まち」をつくる (中公新書 2184) 新書 – 2012/9/24
山崎 亮
(著)
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購入オプションとあわせ買い
現在もっとも脚光を浴びる時代の旗手が、「自分たちの、自分たちによる、自分たちのための」まちづくりの方法と魅力を一挙公開!
- 本の長さ255ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2012/9/24
- ISBN-104121021843
- ISBN-13978-4121021847
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2012/9/24)
- 発売日 : 2012/9/24
- 言語 : 日本語
- 新書 : 255ページ
- ISBN-10 : 4121021843
- ISBN-13 : 978-4121021847
- Amazon 売れ筋ランキング: - 91,002位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 448位中公新書
- - 749位コミュニティ (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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studio-L代表。東北芸術工科大学教授(コミュニティデザイン学科長)。慶応義塾大学特別招聘教授。
1973年愛知県生まれ。大阪府立大学大学院および東京大学大学院修了。博士(工学)。建築・ランドスケープ設計事務所を経て、2005年にstudio-Lを設立。地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携わる。まちづくりのワークショップ、住民参加型の総合計画づくり、市民参加型のパークマネジメントなどに関するプロジェクトが多い。「海士町総合振興計画」「studio-L伊賀事務所」「しまのわ2014」でグッドデザイン賞、「親子健康手帳」でキッズデザイン賞などを受賞。
好きな食べ物は、三平汁、山菜、漬物、そば、ラーメン、飲むヨーグルトなど。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年2月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2015年11月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
折れが数箇所あるだけで良い状態でした。地域を現状を認識して新しいアイデアで実験している現状が目に見えて考えさせられます。
2019年11月17日に日本でレビュー済み
2012年に出版された本です。
第2章で書かれているJR延岡駅のリニューアルプロジェクト。出版当時にこの本を読んでいたら、なるほど住民参加型のデザインというのは良いな、と思っていたことでしょう。ただ、実際に駅前複合施設「エンクロス」が開業したのは2018年4月。年間委託料問題で、市議会が揉めに揉めた末の開業です。
そして開業から約1年半経った、このレビューを書いている今現在。インターネットでエンクロスの評価を見てみると、実際に駅を利用される方の声としては「きれいになって良かった」「スタバやTSUTAYAがあって便利」という声が大半です。建築物に対する専門家からの評価は高いようですが、住民参加型のデザインが、実際に利用する住民の評価に繋がっているのかはまだわかりません。本書には他の事例も色々書かれていますが、「コミュニティデザイン」自体の評価はこれから、といったところでしょう。
出版から7年が経った今でも、「ものをつくってもいいし、つくらなくてもいい」というスタンスの著者は、コミュニティづくりについての様々な視点や考え方を与えてくれます。
ただ、どうやって「ワークショップ参加者とそれ以外の人たちの気持ちを織り込みながらデザインを検討」し「大変なパズルを解い」たのか(p.92)、その経緯がほとんど書かれていなかったのは少し残念でした。本書を手に取るのは、そこが一番知りたいという人が多いはず。
また本書内で「デザイン」という言葉は様々な意味で使われており、文脈から著者の意図を推測しないといけないので、少し読みにくかったです。
ちなみに他のレビューの悪評価は的外れなものが多いです。
「結局コミュニティデザインとはなんぞや?」の答えが本書内になく、内容のまとまりもないことは、著者もちゃんとまえがきで書いています。
また「人間関係=コミュニティを他人にデザイン"されたい人"はいない」と言うレビューも誤りです。デザイナーを中心としたコミュニティづくりに積極的に参加する人は多いけれど、一方で積極的に参加せず、このレビューのように批判だけを繰り返す人も多い。この両者の接点や交流は「箱もの」では作るのが難しいんです。だからこそ「コミュニティデザイン」という考え方が生まれるのだと思いますよ。
第2章で書かれているJR延岡駅のリニューアルプロジェクト。出版当時にこの本を読んでいたら、なるほど住民参加型のデザインというのは良いな、と思っていたことでしょう。ただ、実際に駅前複合施設「エンクロス」が開業したのは2018年4月。年間委託料問題で、市議会が揉めに揉めた末の開業です。
そして開業から約1年半経った、このレビューを書いている今現在。インターネットでエンクロスの評価を見てみると、実際に駅を利用される方の声としては「きれいになって良かった」「スタバやTSUTAYAがあって便利」という声が大半です。建築物に対する専門家からの評価は高いようですが、住民参加型のデザインが、実際に利用する住民の評価に繋がっているのかはまだわかりません。本書には他の事例も色々書かれていますが、「コミュニティデザイン」自体の評価はこれから、といったところでしょう。
出版から7年が経った今でも、「ものをつくってもいいし、つくらなくてもいい」というスタンスの著者は、コミュニティづくりについての様々な視点や考え方を与えてくれます。
ただ、どうやって「ワークショップ参加者とそれ以外の人たちの気持ちを織り込みながらデザインを検討」し「大変なパズルを解い」たのか(p.92)、その経緯がほとんど書かれていなかったのは少し残念でした。本書を手に取るのは、そこが一番知りたいという人が多いはず。
また本書内で「デザイン」という言葉は様々な意味で使われており、文脈から著者の意図を推測しないといけないので、少し読みにくかったです。
ちなみに他のレビューの悪評価は的外れなものが多いです。
「結局コミュニティデザインとはなんぞや?」の答えが本書内になく、内容のまとまりもないことは、著者もちゃんとまえがきで書いています。
また「人間関係=コミュニティを他人にデザイン"されたい人"はいない」と言うレビューも誤りです。デザイナーを中心としたコミュニティづくりに積極的に参加する人は多いけれど、一方で積極的に参加せず、このレビューのように批判だけを繰り返す人も多い。この両者の接点や交流は「箱もの」では作るのが難しいんです。だからこそ「コミュニティデザイン」という考え方が生まれるのだと思いますよ。
2020年7月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ファシリテーターとしての心構え、雰囲気、コミュニティデザイナーとしての資質、行政との付き合い方などは、すぐ実践できる学びの本です。
コミュニティの定義、人口減少の対しての本質の課題とは?ファシリテーターとしての雰囲気づくりとは?など山崎さんと対話しながら講義を受けている感覚になれます。また、山崎さんの人柄も伝わる本です。
終盤の記述では、「休みはあるのか?と良く聞かれる」が、逆に「今は毎日が休みで、本当の仕事をしないといけないと思ってる」とユニークな表現も出てきて、読みながら笑ってしまいました。
コミュニティの定義、人口減少の対しての本質の課題とは?ファシリテーターとしての雰囲気づくりとは?など山崎さんと対話しながら講義を受けている感覚になれます。また、山崎さんの人柄も伝わる本です。
終盤の記述では、「休みはあるのか?と良く聞かれる」が、逆に「今は毎日が休みで、本当の仕事をしないといけないと思ってる」とユニークな表現も出てきて、読みながら笑ってしまいました。
2013年5月12日に日本でレビュー済み
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現在は自分の所在するコミュニティをデザインすることは到底難しいと思いますが、正常の人間関係を築くには必要な要素を意識することに参考になる。
2020年1月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『コミュニティデザイン』の先駆者である著者による本。最近コミュニティについて学ぶようになってからコミュニティデザイナーを名乗る人を耳にするようになりましたが、日本におけるいわゆるコミュニティデザインの概念はこの人が確立したという認識ですが、どうなんでしょう。いずれにせよ文章から本気さが伝わってきました。
著者の別作である『ふるさとを元気にする仕事』が導入向けということですので(読書対象は高校生とのこと)この次に読むと読みやすいと感じました。
コミュニティデザイナーの技法として事例をどれだけ知って、いかに組み合わせて、無意識のアイディアを引き出していくか、現場でいかに相手の話を聞くかといった姿勢にはプロとしての本気度を感じ、本当に感心しました。
私自身、地域にアプローチしたい・していく者として参考にできるところは失敗しつつもどんどん取り込んでいきたいです。
著者の別作である『ふるさとを元気にする仕事』が導入向けということですので(読書対象は高校生とのこと)この次に読むと読みやすいと感じました。
コミュニティデザイナーの技法として事例をどれだけ知って、いかに組み合わせて、無意識のアイディアを引き出していくか、現場でいかに相手の話を聞くかといった姿勢にはプロとしての本気度を感じ、本当に感心しました。
私自身、地域にアプローチしたい・していく者として参考にできるところは失敗しつつもどんどん取り込んでいきたいです。
2018年4月29日に日本でレビュー済み
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本書から、著者の仕事は、住民がその地域で充実した生活を送るために何が課題で、何が必要なのかを考え抜くことであり、住民が日常生活を楽しく過ごすための“きっかけ”をデザインすることなのだと読み取ることができた。
発行されて7年が経過し、技術が目まぐるしく変化する現代社会において、本書に書かれた「人がつながるしくみ」が、どれも新しく感じられることに正直驚いた。それは、テンプレート化された仕事ではなく、それぞれの地域の資源を存分に生かす方法を探求し、住民とともに試行錯誤を繰り返しながら時間をかけて進められるものであるからこそ、その地域にとって「画期的なアイデア」になるのだろう。
実際に、いえしまプロジェクトでは、島内と島外の人にとってどこを島の魅力と感じているかが全く違ったという。日常のあたりまえの風景を、島外に魅力として発信していくことは島内の人にとって「画期的なアイデア」であったにちがいない。
また、「1人でできること」「10人でできること」「100人でできること」「1000人でできること」を整理することで、自助、共助、公助の関係性を示している。これは、「自分にもできるかも!」と、コミュニティを身近に感じられる“きっかけ”になると感じる。
そのほかにも、コミュニティの中で日常の生活を楽しく充実したものにするための“手がかり”や、地域に新たなつながりを生み出す“きっかけ”をどのようにつくるかといった手法、その地域でしか生まれないおもしろいプロジェクトが紹介されている。
“非常時のためだけでなく、日常の生活を楽しく充実したものにするために。信頼できる仲間を手に入れるために。夢中になれるプロジェクトを見つけるために。そして、充実した生活を送るために。”
自分はコミュニティのなかで、どのように生きていきたいのかを問われていると感じた。
発行されて7年が経過し、技術が目まぐるしく変化する現代社会において、本書に書かれた「人がつながるしくみ」が、どれも新しく感じられることに正直驚いた。それは、テンプレート化された仕事ではなく、それぞれの地域の資源を存分に生かす方法を探求し、住民とともに試行錯誤を繰り返しながら時間をかけて進められるものであるからこそ、その地域にとって「画期的なアイデア」になるのだろう。
実際に、いえしまプロジェクトでは、島内と島外の人にとってどこを島の魅力と感じているかが全く違ったという。日常のあたりまえの風景を、島外に魅力として発信していくことは島内の人にとって「画期的なアイデア」であったにちがいない。
また、「1人でできること」「10人でできること」「100人でできること」「1000人でできること」を整理することで、自助、共助、公助の関係性を示している。これは、「自分にもできるかも!」と、コミュニティを身近に感じられる“きっかけ”になると感じる。
そのほかにも、コミュニティの中で日常の生活を楽しく充実したものにするための“手がかり”や、地域に新たなつながりを生み出す“きっかけ”をどのようにつくるかといった手法、その地域でしか生まれないおもしろいプロジェクトが紹介されている。
“非常時のためだけでなく、日常の生活を楽しく充実したものにするために。信頼できる仲間を手に入れるために。夢中になれるプロジェクトを見つけるために。そして、充実した生活を送るために。”
自分はコミュニティのなかで、どのように生きていきたいのかを問われていると感じた。
2014年5月22日に日本でレビュー済み
「コミュニティデザイン」とは何か…。坊主頭でひげ面のコミュニティデザイナー、山崎亮さん(京都造形芸術大学教授・株式会社studio-L代表)によれば、ざっくり言って「つながりをデザインする」(まえがき)仕事らしい。そして、その山崎さんが携わった又は携わっているプロジェクトが巻末に掲載されている。すなわち、兵庫県三田市の有馬富士公園、鹿児島市のマルヤガーデンズ、宮崎県延岡市の延岡駅周辺整備、大阪市の近鉄百貨店新本店及び北加賀屋クリエイティブファーム、兵庫県姫路市のいえしまプロジェクト、島根県海士町の海士町プロジェクト、佐賀市の佐賀まちなかプロジェクトなどである。こうやってプロジェクト名を書き連ねてもイメージが掴みづらいだろう。
似たような言葉に「ソーシャルデザイン」というものがある。山崎さんの解説によると、これは「社会的な課題を解決するために、もののカタチだけでなく社会の仕組みや組織のあり方などを含めてデザインする」(p.232)という考え方らしいのだが、山崎さんは「コミュニティデザインは、ソーシャルデザインのひとつの方法」(同前)と位置付けている。ここで「デザイン」というものの捉え方だが、山崎さんは「社会的な課題を解決するために振りかざす美的な力」と定義している。そして現在、山崎さんが取り組んでいるのは、商業ベースのコマーシャルなデザインではなく、ソーシャルなデザインというものであり、それは当然、様々な社会的課題に向き合っていくものになるだろう。
ところで、もうひとつの難問が「コミュニティ」とは何か、ということである。これも学者の数だけ解釈がある感じだけど、ここでは単純に「私」と「公」の中間に存在する「共(commonコモン)」の概念としておこう。この領域で蓄積されていくものが「 社会関係資本(ソーシャルキャピタル) 」であり、より経済的な面に絞り込めば「マネー資本主義」に対する「 里山資本主義 」といったものにも繋がっていくかもしれない。本来、資本主義市場経済というものは、「人のつながり」を絶たせ、人間をアトム化する。そもそも「私」の領野を無限拡大していかなければ、この経済は成り立たない。しかし、その結果は…。「コミュニティデザイン」の本質的な意義は、まさに「共」の創成・再生(=「共」創)にあると考える。
なお、当然の事であるけれど、行政サイドも自らが主体となって「まちづくり」や「村おこし」、「地域振興」や「地域活性化」といった名目で“コミュニティづくり”などを推進してはいる。しかし、その内実は…と言うと、ハード(ハコモノ)や経済(企業誘致等)への偏重とか、有名講師を招いた一方通行的な講演会で「事足れり」といったケースも見受けられる。そういった点で、ファシリテーションの大切さや、コミュニティデザインの具体的な進め方などを述べている本書は、行政の関係者も大いに参考にすべきと思われる。加えて、「「貝」のような存在」である行政との付き合い方に関しても、山崎さんは「手柄は彼らに与えなければならない」(p.242)とアドバイスしており、実に要を得ている。
最後に、やっぱり酒は呑めた方がいいと思いますよ、山崎さん…(笑)
Amazonで購入
「コミュニティデザイン」とは何か…。坊主頭でひげ面のコミュニティデザイナー、山崎亮さん(京都造形芸術大学教授・株式会社studio-L代表)によれば、ざっくり言って「つながりをデザインする」(まえがき)仕事らしい。そして、その山崎さんが携わった又は携わっているプロジェクトが巻末に掲載されている。すなわち、兵庫県三田市の有馬富士公園、鹿児島市のマルヤガーデンズ、宮崎県延岡市の延岡駅周辺整備、大阪市の近鉄百貨店新本店及び北加賀屋クリエイティブファーム、兵庫県姫路市のいえしまプロジェクト、島根県海士町の海士町プロジェクト、佐賀市の佐賀まちなかプロジェクトなどである。こうやってプロジェクト名を書き連ねてもイメージが掴みづらいだろう。
似たような言葉に「ソーシャルデザイン」というものがある。山崎さんの解説によると、これは「社会的な課題を解決するために、もののカタチだけでなく社会の仕組みや組織のあり方などを含めてデザインする」(p.232)という考え方らしいのだが、山崎さんは「コミュニティデザインは、ソーシャルデザインのひとつの方法」(同前)と位置付けている。ここで「デザイン」というものの捉え方だが、山崎さんは「社会的な課題を解決するために振りかざす美的な力」と定義している。そして現在、山崎さんが取り組んでいるのは、商業ベースのコマーシャルなデザインではなく、ソーシャルなデザインというものであり、それは当然、様々な社会的課題に向き合っていくものになるだろう。
ところで、もうひとつの難問が「コミュニティ」とは何か、ということである。これも学者の数だけ解釈がある感じだけど、ここでは単純に「私」と「公」の中間に存在する「共(commonコモン)」の概念としておこう。この領域で蓄積されていくものが「 社会関係資本(ソーシャルキャピタル) 」であり、より経済的な面に絞り込めば「マネー資本主義」に対する「 里山資本主義 」といったものにも繋がっていくかもしれない。本来、資本主義市場経済というものは、「人のつながり」を絶たせ、人間をアトム化する。そもそも「私」の領野を無限拡大していかなければ、この経済は成り立たない。しかし、その結果は…。「コミュニティデザイン」の本質的な意義は、まさに「共」の創成・再生(=「共」創)にあると考える。
なお、当然の事であるけれど、行政サイドも自らが主体となって「まちづくり」や「村おこし」、「地域振興」や「地域活性化」といった名目で“コミュニティづくり”などを推進してはいる。しかし、その内実は…と言うと、ハード(ハコモノ)や経済(企業誘致等)への偏重とか、有名講師を招いた一方通行的な講演会で「事足れり」といったケースも見受けられる。そういった点で、ファシリテーションの大切さや、コミュニティデザインの具体的な進め方などを述べている本書は、行政の関係者も大いに参考にすべきと思われる。加えて、「「貝」のような存在」である行政との付き合い方に関しても、山崎さんは「手柄は彼らに与えなければならない」(p.242)とアドバイスしており、実に要を得ている。
最後に、やっぱり酒は呑めた方がいいと思いますよ、山崎さん…(笑)