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新自由主義の復権 - 日本経済はなぜ停滞しているのか (中公新書 2123) 新書 – 2011/8/25
八代 尚宏
(著)
格差問題や金融危機を生んだ思想とされ、評判の悪い「新自由主義」。その誤解をとき、市場の活用による日本経済再生への道筋を描く。
- ISBN-104121021231
- ISBN-13978-4121021236
- 出版社中央公論新社
- 発売日2011/8/25
- 言語日本語
- 本の長さ254ページ
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2011/8/25)
- 発売日 : 2011/8/25
- 言語 : 日本語
- 新書 : 254ページ
- ISBN-10 : 4121021231
- ISBN-13 : 978-4121021236
- Amazon 売れ筋ランキング: - 480,478位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,950位中公新書
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年2月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
労働や医療をはじめとする規制緩和を強く主張し、既得権益を守る側から目の敵にされている著者の本。「市場の失敗」を是正する政府の役割をあっさり認めるなどやや物足りない部分はあるが、世間で喧伝される「規制緩和は悪夢」という主張が誤りであることを、批判を恐れず明確に説く。
2014年4月15日に日本でレビュー済み
新自由主義(=市場での自由競争を尊重する思想)の利点、及び批判される原因と反論を、経済・社会政策の観点から網羅的に論じた本。最近の日本経済の主要なトピック(年金、医療費、TPP、地方分権化etc)を幅広く取り上げているので、自分みたいな経済音痴にも丁度良いお勉強になった。
一通り読んだ感想は、以下の通り。
・『「右肩上がり経済」と「人口増加」と「男子が働いて女子は子育て」を前提とした、税・社会保険制度は高齢化社会では破綻しているので改訂すべし』という部分はまあ賛成。
・『自分たちは高度成長期に海外に車とかの販路を広げたおかげで経済が潤ったのに、外国企業が国内市場に参入するのを防止するのは、市場の効率性を無視した傲慢な既得権益の行使』というのも、「なるほど」とは思う。
・『シャッター商店街や耕作放棄地は土地の無駄なので、効率良く利用されるようそれらの温床となっている制度を改革すべし』というところも、「まあそうかな」と思う。
・しかしながら、筆者がいう、『最低限のセーフティーネット(所得保障や雇用保障)をルールとして整備すれば、後は全て市場競争に任せるべき』という考えには疑問を覚える。自分としては、セーフティーネット以外にも、自由な競争の結果で生じうる「環境問題」や「文化の多様性の消失」も防止する事もルールとして考えておくべきだと思うので、それらの事が触れられていないのは、違和感があった。
一通り読んだ感想は、以下の通り。
・『「右肩上がり経済」と「人口増加」と「男子が働いて女子は子育て」を前提とした、税・社会保険制度は高齢化社会では破綻しているので改訂すべし』という部分はまあ賛成。
・『自分たちは高度成長期に海外に車とかの販路を広げたおかげで経済が潤ったのに、外国企業が国内市場に参入するのを防止するのは、市場の効率性を無視した傲慢な既得権益の行使』というのも、「なるほど」とは思う。
・『シャッター商店街や耕作放棄地は土地の無駄なので、効率良く利用されるようそれらの温床となっている制度を改革すべし』というところも、「まあそうかな」と思う。
・しかしながら、筆者がいう、『最低限のセーフティーネット(所得保障や雇用保障)をルールとして整備すれば、後は全て市場競争に任せるべき』という考えには疑問を覚える。自分としては、セーフティーネット以外にも、自由な競争の結果で生じうる「環境問題」や「文化の多様性の消失」も防止する事もルールとして考えておくべきだと思うので、それらの事が触れられていないのは、違和感があった。
2013年9月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本は、歴史的な経済の流れと、多角的な視野から経済をみた良書だと思う。特に田中角栄氏の1970年体制のところは、読んでいて現在の問題と何ら変わらないものがあると指摘できる。新自由主義は言葉だけで悪く言われることがあるが、正確に評価してほしいと思います。
2013年8月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人類のすべての価値が金銭による交換が可能でない限り、市場原理は一定の制限を受けなければならないと思う。その点を新自由主義者は理解していないと思われる。著者は、この著書で、新自由主義の美談としてYou Got a mailの映画を引き合いに出していたが、要は店をつぶされて作家にならざるを得なくなった話である。明らかに何らかの犠牲が生じており、これも市場の失敗に含まれると思われるが、著者は美談にしてしまっている。途中まで読んだが最後まで読む気がしない本である。
2013年1月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現代日本の問題点を「新自由主義」により読み解いていこうという趣旨の本。
平易な説明で、規制緩和や構造改革の必要性が説かれています。
ただ、著者が経済財政諮問会議の民間有識者であるからか、
小泉構造改革に対する肯定面があまりに強調されている気がした。
一つのissueとしてそれらをとらえるとっかかりの一助にはなり得ますが、
一つ一つの問題を精説していないことが残念でした。
平易な説明で、規制緩和や構造改革の必要性が説かれています。
ただ、著者が経済財政諮問会議の民間有識者であるからか、
小泉構造改革に対する肯定面があまりに強調されている気がした。
一つのissueとしてそれらをとらえるとっかかりの一助にはなり得ますが、
一つ一つの問題を精説していないことが残念でした。
2011年11月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これは時期を得た良書であると思う。
サブプライムローンショックに続くリーマンショックの生起と、そしてわが国では小泉政権の退場のあと「新自由主義」という言葉自体がマイナスのイメージ一色を塗られて語られるようになってしまった。
さらにそれに追い打ちを掛けたのが政権交代による民主党政権の誕生だったが、今やその民主党政権に対する失望感が深まるにつれ、そもそもあれほどの国民的熱狂に包まれていた小泉改革と、そしてそれを支えた政治思想、経済思想としての「新自由主義」とは、そもそもどんなものであったのかを静かに考えてみるべき段階に至っていると思う。今問題になっているTPP問題や税と社会福祉の一体改革の問題も、そのような思索の上に立ってこそ適切な結論が得られるものであろう。
本書はそのような観点に立っての思索に格好の手掛かりを与えてくれる良書である。
書かれていることの理論面については、すでにどこかで論じ尽くされてきたことばかりだが、理論を支えるために挙げられている実社会の例には興味あるものがいくつかある。例えば;
社会福祉のコスト負担に関する議論では、よく「高福祉高負担の国」の例としてスエーデンが挙げられるが、スエーデンでは個人の福祉は手厚く守られているが、企業に関しては大小を問わず徹底した市場原理に晒す自由主義政策が貫かれていること。
小泉改革の行き過ぎの弊害の例として挙げられるタクシー業界の規制緩和後の混乱の原因は、タクシー操業の自由化だけが行われ、料金の自由化がなされなかったという「改革の不十分さ」こそが元凶であること。
社会保障は本来所得格差を是正することを目的とするべきものであるにもかかわらず、日本の社会保障は年金や医療などの社会保険への比重が高く最低生活保障への比重が低いために、財政的に重い負担になっているにも拘わらず、OECD諸国の中では韓国・米国に次いで最も所得格差是正効果が低い制度の国にとどまっていること、等などが次々と例証されている。
他のレビュアーの方が資本主義論を論じるのに信長の「楽市・楽座」や平清盛の宋交易を持ち出すのはおかしいと言っておられるが、本書は歴史書ではなく、話を分かりやすく噛み砕くための参考例として持ち出しただけだから、それの正否をとがめても仕方がないだろう。
ただし新自由主義経済からは、心情的には社会的公正さを欠くと感じられる富の過剰な偏在現象に対する是正のメニューは、やはり生まれてこない。ウオール街のデモに端を発してあっという間に全世界に広がってしまった、社会の1%の者だけが裕福になり99%が取り残されることへの不満はどうしたら緩和できるかについても考察しなくてはならないことを、新自由主義者たちも認識すべきだが、そのことに対する記述がないのは残念である。
サブプライムローンショックに続くリーマンショックの生起と、そしてわが国では小泉政権の退場のあと「新自由主義」という言葉自体がマイナスのイメージ一色を塗られて語られるようになってしまった。
さらにそれに追い打ちを掛けたのが政権交代による民主党政権の誕生だったが、今やその民主党政権に対する失望感が深まるにつれ、そもそもあれほどの国民的熱狂に包まれていた小泉改革と、そしてそれを支えた政治思想、経済思想としての「新自由主義」とは、そもそもどんなものであったのかを静かに考えてみるべき段階に至っていると思う。今問題になっているTPP問題や税と社会福祉の一体改革の問題も、そのような思索の上に立ってこそ適切な結論が得られるものであろう。
本書はそのような観点に立っての思索に格好の手掛かりを与えてくれる良書である。
書かれていることの理論面については、すでにどこかで論じ尽くされてきたことばかりだが、理論を支えるために挙げられている実社会の例には興味あるものがいくつかある。例えば;
社会福祉のコスト負担に関する議論では、よく「高福祉高負担の国」の例としてスエーデンが挙げられるが、スエーデンでは個人の福祉は手厚く守られているが、企業に関しては大小を問わず徹底した市場原理に晒す自由主義政策が貫かれていること。
小泉改革の行き過ぎの弊害の例として挙げられるタクシー業界の規制緩和後の混乱の原因は、タクシー操業の自由化だけが行われ、料金の自由化がなされなかったという「改革の不十分さ」こそが元凶であること。
社会保障は本来所得格差を是正することを目的とするべきものであるにもかかわらず、日本の社会保障は年金や医療などの社会保険への比重が高く最低生活保障への比重が低いために、財政的に重い負担になっているにも拘わらず、OECD諸国の中では韓国・米国に次いで最も所得格差是正効果が低い制度の国にとどまっていること、等などが次々と例証されている。
他のレビュアーの方が資本主義論を論じるのに信長の「楽市・楽座」や平清盛の宋交易を持ち出すのはおかしいと言っておられるが、本書は歴史書ではなく、話を分かりやすく噛み砕くための参考例として持ち出しただけだから、それの正否をとがめても仕方がないだろう。
ただし新自由主義経済からは、心情的には社会的公正さを欠くと感じられる富の過剰な偏在現象に対する是正のメニューは、やはり生まれてこない。ウオール街のデモに端を発してあっという間に全世界に広がってしまった、社会の1%の者だけが裕福になり99%が取り残されることへの不満はどうしたら緩和できるかについても考察しなくてはならないことを、新自由主義者たちも認識すべきだが、そのことに対する記述がないのは残念である。
2019年9月18日に日本でレビュー済み
結構大事な事や私には目新しい事実や考えをさらっと書いていて驚く。最近読んだ中では一番面白い本。レビューを見ると、この手の本を買うときにレビューは当てにならないと確信。新自由主義は日本ではあまり支持されない気がするがそれはそもそもこの本のような話に触れる機会がないからだろう。
2018年2月11日に日本でレビュー済み
この本で説明されているのは重商主義であって、新自由主義ではない。
これだから新自由主義は誤解されるのだ。読書はこれを読んで新自由主義を理解した気になってはならない。ちゃんとハイエクやフリードマンの原書を読むべきだろう。
まず歴史認識が間違っている。
戦前の日本が古典的自由主義の国であったと説明されているが全く違う。
権藤成卿が日本は国家資本主義であると批判している通り、戦前の日本では官僚主導の資本主義がごく普通に行われており、財閥と政府の癒着も当たり前であった。高校の教科書にもそれくらいのことは書いてあるはずだ。それらの歴史を完全に無視しているのには何か理由でもあるのだろうか?
また新自由主義とは、本来小さな政府を志向し経済のことは自由市場に任せる、という考え方を意味するはずなのに
なぜか日本では政府が大企業を優遇すれば経済が成長することとして捉えられており、著者の八代尚宏氏や竹中平蔵氏らが掲げる新自由主義と本来の意味における新自由主義とは乖離しているといえる。
さらに、この本の中では一貫して賢人主義と共同体主義が批判されているが本来、新自由主義とこの二つは対立するものではない。新自由主義と最も対立するのは社会民主主義と国家資本主義であり、ハイエクが主張したようにそれらから市場の自生的秩序を保護せねばならないが、共同体と知性を否定してしまっては守るべきものも守れなくなる。
著者の八代氏はハイエクやフリードマンをちゃんと読んだことがあるのだろうか?
政府主導の資本主義は新自由主義ではなく国家資本主義、重商主義と呼ぶべきものであり、それは自由主義の父アダム スミスが最も批判したものである。
ケインズ主義を批判するのはいいが、だからといって重商主義を持ち出されても困る。
この本のタイトルは
新自由主義の復権、ではなく
重商主義の復権、の方が正しいと思う。
これだから新自由主義は誤解されるのだ。読書はこれを読んで新自由主義を理解した気になってはならない。ちゃんとハイエクやフリードマンの原書を読むべきだろう。
まず歴史認識が間違っている。
戦前の日本が古典的自由主義の国であったと説明されているが全く違う。
権藤成卿が日本は国家資本主義であると批判している通り、戦前の日本では官僚主導の資本主義がごく普通に行われており、財閥と政府の癒着も当たり前であった。高校の教科書にもそれくらいのことは書いてあるはずだ。それらの歴史を完全に無視しているのには何か理由でもあるのだろうか?
また新自由主義とは、本来小さな政府を志向し経済のことは自由市場に任せる、という考え方を意味するはずなのに
なぜか日本では政府が大企業を優遇すれば経済が成長することとして捉えられており、著者の八代尚宏氏や竹中平蔵氏らが掲げる新自由主義と本来の意味における新自由主義とは乖離しているといえる。
さらに、この本の中では一貫して賢人主義と共同体主義が批判されているが本来、新自由主義とこの二つは対立するものではない。新自由主義と最も対立するのは社会民主主義と国家資本主義であり、ハイエクが主張したようにそれらから市場の自生的秩序を保護せねばならないが、共同体と知性を否定してしまっては守るべきものも守れなくなる。
著者の八代氏はハイエクやフリードマンをちゃんと読んだことがあるのだろうか?
政府主導の資本主義は新自由主義ではなく国家資本主義、重商主義と呼ぶべきものであり、それは自由主義の父アダム スミスが最も批判したものである。
ケインズ主義を批判するのはいいが、だからといって重商主義を持ち出されても困る。
この本のタイトルは
新自由主義の復権、ではなく
重商主義の復権、の方が正しいと思う。