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盤上の向日葵 単行本 – 2017/8/18
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さいたま市天木山山中で発見された白骨死体。唯一残された手がかりは初代菊水月作の名駒のみ。それから4ヶ月、叩き上げ刑事・石破と、かつて将棋を志した若手刑事・佐野は真冬の天童市に降り立つ。向かう先は、世紀の一戦が行われようとしている竜昇戦会場。果たしてその先で二人が目撃したものとは! ?
日本推理作家協会賞作家が描く、渾身の将棋ミステリー!
- 本の長さ563ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2017/8/18
- ISBN-10412004999X
- ISBN-13978-4120049996
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
埼玉県で発見された白骨死体と、一緒に埋められていた伝説の将棋駒の謎
各章の終わりに必ず、「次はどうなるんだ」と思わせる“引き"がある。だから一度本を開いたら、もう止まらない。柚月裕子のミステリー長篇『盤上の向日葵』は、謎解きの醍醐味に加えて様々な人間ドラマを巧みな構成で盛り込み、読み手の心をがっちりつかんで離さない。
平成六年、山形県天童市。注目の若手棋士同士による対局の会場に二人の刑事がやってくる。理由は何か。
約四か月前、埼玉県の山中で身元不明の白骨死体が発見された。一緒に埋められていたのは名匠作の伝説の将棋駒。かつて棋士を目指していた佐野巡査は、県警捜査一課のベテラン刑事、石破と組んで駒の持ち主をつきとめるべく、地べたを這うような捜査を進める。
同時に進行するのは昭和四十六年から始まる一人の少年、桂介の物語だ。長野県諏訪市に暮らす彼は幼いうちに母を亡くし、父親からは虐待を受けて育った。彼を気にかけていた元教師がその人並みならぬ将棋の才能に気づき、東京へ出てプロを目指すよう助言するが、桂介は父親の支配から逃れられない――。
刑事たちと少年、それぞれの物語がやがて冒頭の天童市の場面に繋がることは読者だって分かっている。だが、なぜそこに繋がるのかがなかなか見えてこない。死体となって発見されたのは誰か。なぜ名駒も一緒に埋められていたのか。それらと天才棋士には、どういう関係があるのか。少しずつ事実が明らかになるが、その情報の小出し感が心憎いまでに巧く、緊張感を持続させる。といっても先を急がせるのではなく、各章何気ないエピソードでこちらを引きこむ。虐待親から飴玉をもらった時に少年が見せる明るい表情。大阪の不動産屋の女性事務員の、なんともリアルなお喋り。かつて駒を所有していた人々が吐露する奥深い人生模様。もちろん、将棋の世界が丁寧に描かれるのも大きな魅力。プロ棋士だけでなく、金を賭ける真剣師たちの勝負も迫力満点だ。
それにしてもこの著者、推理作家協会賞受賞作の『孤狼の血』もそうだったが、頭は切れるものの態度が下品、という年配男を書くのがどうしてこんなに上手いのか。部下に対してワガママ三昧の叩き上げ刑事の石破、桂介と親しくなる裏社会の真剣師・東明重慶(しげよし)、そして息子の人生を搾取しようとする桂介の父親。彼らの生臭さが実感として伝わってくるからこそ、終盤にようやく明かされる真実には打ちのめされてしまう。得意技を炸裂させつつ、ここまでの重厚なドラマを完走させるとは。柚月裕子の凄みを改めて知る力作だ。
評者:瀧井 朝世
(週刊文春 2017.10.26号掲載)著者について
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2017/8/18)
- 発売日 : 2017/8/18
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 563ページ
- ISBN-10 : 412004999X
- ISBN-13 : 978-4120049996
- Amazon 売れ筋ランキング: - 53,720位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 8,619位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について

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イメージ付きのレビュー
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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気に入らないことは特にありませんでした。
読み終わって、著者には悪いが松本清張の「砂の器」にストーリーが似ていると思わずにはいられなかった。
犯人の生い立ち場面や将棋の場面はそれなりに面白いが、登場人物に全く魅力がなく、捜査する中年刑事と真剣将棋の
棋士は、同一キャラクターであるし、元奨励会の棋士だった刑事も、結局はそれだけの意味でしかない。あとは犯人の悲惨な
少年時代と賭け将棋の棋士の話がほとんどだ。救われる場面は、犯人の将棋の師匠とのふれあいだけ。底が浅いし、ミステリー
としての展開も、「砂の器」にそっくりである。作者は、推理小説をかなり読んだということだが、抜け落ちもかなりあるのではないか。
将棋には知識が無く、物語によく出る「棋譜」が全く理解出来ませんでしたが、
その場の緊迫感は伝わってきました。
それぞれの登場人物が、それぞれに二転三転する人生物語。
良かったです。
「ウツボカズラの甘い息」では甘いワナに誘われ深く入り込んでいく姿を描写。
「慈雨」は元刑事の背負う悔恨の情を。
そして、本書は最近話題の将棋をテーマにしたサスペンス。
名駒をめぐり、地道に各地に足を運び、コツコツと事件のパズルを解いていく刑事。
幼少の頃から、ものがたりの経緯を辿っていく累積効率曲線。
その曲線は追い打ちをかけるがごとく苦悶の唸り声が聞こえてくる。
その接点が着地点となっていくタッチ。
駒はひとつひとつ熟慮され意味を持って進んでいく。
盤上に向け自らが指した駒はもう取り返すことはできない。
ゴッホの描いたひまわりが太陽のごとく力強く荒々しくも、寂しげな表情をみせている。
そこには確かに”盤上の向日葵”が見えてくる。
同時期にドラマも放送していたのですが、ドラマはオリジナルのエンディングだったみたいです。
話の筋は砂の器同様、ドロドロ怨念渦巻いているのですが、非常にさっぱりした読み応えです。
ここが私には新鮮に感じました。
ミステリーのように謎を解くというよりは、最後の着地点に飛び込んでいくような話の筋でした。
容疑者にあたる人物がとても頭が良いので、理路整然としていて迷いが全く無いから話がスッキリしています。
よく考えたらこの人何も悪くないんじゃ?と思うのですが、本人があの最後で良しとしたなら良しなんだろうと、納得がいってしまうんですよね。
私は終わり方は小説の方が好みです。NHKがこの終わり方にしなかった理由もわかりますが。
唯一不満を言うなら、刑事・過去・容疑者と視点をわけて描いていたわりには、特にこの仕組になんのカタルシスもなかったことでしょうか。割と意味深な佐野の設定も読み終わってみると「必要だったか?」と感じます。