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刺青,秘密 (新潮カセットブック T- 4-2) 文庫 – 1992/8/1
谷崎 潤一郎
(著)
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1992/8/1
- ISBN-104108202066
- ISBN-13978-4108202061
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年11月18日に日本でレビュー済み
谷崎潤一郎の文章って、字面だけ見たら古めかしい言葉や難しい漢字のオンパレードでまったく読む気が起こらないんだけど、騙されたと思って一文読んでみると、これが驚くほどにスラスラ読めて、頭の中には目も綾な情景が流れ込んでくるんだから凄い。とても明治の文とは思えない。
しかもいわゆる息の長い文で、こういうプルーストや泉鏡花的なスタイルは、美しくてもわかりにくいのが常。にも関わらず、難しい言葉や漢字だらけでも理解しやすいのは、主語述語の関係や文法、語順、いわゆる文の構成が上手い「明晰な文」なのだからだろう。
美文の中では最上のものだと思う。
ただ、とにかく内容がキモすぎる。
『刺青』とかは美文に酔いしれられるけど、『春琴抄』や『卍』やれ男だ女だいうタイプのはもちろん、『少年』でさえ気持ち悪くて悪心が起こるレベルだから読めない。
同じ変態性癖でも三島のは笑って読めるんだけど……多分、谷崎のがマジなんだと思う(三島はエセホモの気がある)
そういう意味で、内容の凄まじいことは間違いないが、それを好めるかどうかというと賛否両論だと思う。
しかもいわゆる息の長い文で、こういうプルーストや泉鏡花的なスタイルは、美しくてもわかりにくいのが常。にも関わらず、難しい言葉や漢字だらけでも理解しやすいのは、主語述語の関係や文法、語順、いわゆる文の構成が上手い「明晰な文」なのだからだろう。
美文の中では最上のものだと思う。
ただ、とにかく内容がキモすぎる。
『刺青』とかは美文に酔いしれられるけど、『春琴抄』や『卍』やれ男だ女だいうタイプのはもちろん、『少年』でさえ気持ち悪くて悪心が起こるレベルだから読めない。
同じ変態性癖でも三島のは笑って読めるんだけど……多分、谷崎のがマジなんだと思う(三島はエセホモの気がある)
そういう意味で、内容の凄まじいことは間違いないが、それを好めるかどうかというと賛否両論だと思う。
2022年6月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
将来の夢に女郎蜘蛛の刺青を入れるが追加された
2019年7月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私は、耽美派で著名な谷崎潤一郎の代表的作品である『刺青』を読みたくて、本書を購入して読んだ。本書において、彫物師が女性の背中に彫った蜘蛛の刺青が、まるで本物の蜘蛛の様に、妖艶に動く姿に、日本古来の美学を感じ取った。さすが、耽美派の文豪の作品である。現代日本では、彫物(入れ墨)が、司法当局等によって、「反社会的組織の象徴」と断定されて、身体に入れ墨のある者は、公衆浴場や海水浴場等において、「追放の対象」とされているが、別に、谷崎潤一郎が、「ヤクザのイデオローグ」である訳では無い。人を肌だけで短絡的に価値判断する立場に、私は、断固反対する。人を判断する時には、外見では無く、中味で総合的に判断すべきである。
2021年1月12日に日本でレビュー済み
短篇集『刺青・秘密』(谷崎潤一郎著、新潮文庫)に収められている、谷崎潤一郎の処女作『刺青(しせい)』を読んでみました。
感じたことが、3つあります。第1は、処女作なのに、谷崎文学のエッセンスともいうべき妖しい香りが濃厚に薫き染められていること。第2は、ストーリー展開に無駄がないこと。第3は、文章が明晰なこと。
「清吉と云う若い刺青(ほりもの)師の腕ききがあった」。
「この若い刺青師の心には、人知らぬ快楽と宿願とが潜んで居た。彼が人々の肌を針で突き刺す時、真紅に血を含んで脹れ上る肉の疼きに堪えかねて、大抵の男は苦しき呻き声を発したが、その呻きごえが激しければ激しい程、彼は不思議に云い難き愉快を感じるのであった」。
「彼の年来の宿願は、光輝ある美女の肌を得て、それへ己れの魂を刺り込む事であった」。
「清吉は、しげしげと娘の姿を見守った。年頃は漸う十六か七かと思われたが、その娘の顔は、不思議にも長い月日を色里に暮らして、幾十人の男の魂を弄んだ年増のように物凄く整って居た」。
「彼の懐には嘗て和蘭医から貰った麻睡剤の壜が忍ばせてあった」。
「古のメムフィスの民が、荘厳なる埃及(エジプト)の天地を、ピラミッドとスフィンクスとで飾ったように、清吉は清浄な人間の皮膚を、自分の恋で彩ろうとするのであった」。
「針の痕は次第々々に巨大な女郎蜘蛛の形象を具え始めて、再び夜がしらしらと白み初めた時分には、この不思議な魔性の動物は、八本の肢を伸ばしつつ、背一面に蟠った」。
「『己はお前をほんとうの美しい女にする為めに、刺青の中へ己の魂をうち込んだのだ、もう今からは日本国中に、お前に優る女は居ない。お前はもう今迄のような臆病な心は持って居ないのだ。男と云う男は、皆なお雨の肥料(こやし)になるのだ。・・・』。この言葉が通じたか、かすかに、糸のような呻き声が女の唇にのぼった。娘は次第々々に知覚を恢復して来た。重く引き入れては、重く引き出す肩息に、蜘蛛の肢は生けるが如く蠕動じた」。
「『親方、私はもう今迄のような臆病な心を、さらりと捨ててしまいました。――お前さんは真先に私の肥料になったんだねえ』と、女は剣のような瞳を輝かした。その耳には凱歌の声がひびいて居た。『帰る前にもう一遍、その刺青を見せてくれ』。清吉はこう云った。女は黙って頷いて肌を脱いた。折から朝日が刺青の面にさして、女の背は燦爛とした」と結ばれています。
感じたことが、3つあります。第1は、処女作なのに、谷崎文学のエッセンスともいうべき妖しい香りが濃厚に薫き染められていること。第2は、ストーリー展開に無駄がないこと。第3は、文章が明晰なこと。
「清吉と云う若い刺青(ほりもの)師の腕ききがあった」。
「この若い刺青師の心には、人知らぬ快楽と宿願とが潜んで居た。彼が人々の肌を針で突き刺す時、真紅に血を含んで脹れ上る肉の疼きに堪えかねて、大抵の男は苦しき呻き声を発したが、その呻きごえが激しければ激しい程、彼は不思議に云い難き愉快を感じるのであった」。
「彼の年来の宿願は、光輝ある美女の肌を得て、それへ己れの魂を刺り込む事であった」。
「清吉は、しげしげと娘の姿を見守った。年頃は漸う十六か七かと思われたが、その娘の顔は、不思議にも長い月日を色里に暮らして、幾十人の男の魂を弄んだ年増のように物凄く整って居た」。
「彼の懐には嘗て和蘭医から貰った麻睡剤の壜が忍ばせてあった」。
「古のメムフィスの民が、荘厳なる埃及(エジプト)の天地を、ピラミッドとスフィンクスとで飾ったように、清吉は清浄な人間の皮膚を、自分の恋で彩ろうとするのであった」。
「針の痕は次第々々に巨大な女郎蜘蛛の形象を具え始めて、再び夜がしらしらと白み初めた時分には、この不思議な魔性の動物は、八本の肢を伸ばしつつ、背一面に蟠った」。
「『己はお前をほんとうの美しい女にする為めに、刺青の中へ己の魂をうち込んだのだ、もう今からは日本国中に、お前に優る女は居ない。お前はもう今迄のような臆病な心は持って居ないのだ。男と云う男は、皆なお雨の肥料(こやし)になるのだ。・・・』。この言葉が通じたか、かすかに、糸のような呻き声が女の唇にのぼった。娘は次第々々に知覚を恢復して来た。重く引き入れては、重く引き出す肩息に、蜘蛛の肢は生けるが如く蠕動じた」。
「『親方、私はもう今迄のような臆病な心を、さらりと捨ててしまいました。――お前さんは真先に私の肥料になったんだねえ』と、女は剣のような瞳を輝かした。その耳には凱歌の声がひびいて居た。『帰る前にもう一遍、その刺青を見せてくれ』。清吉はこう云った。女は黙って頷いて肌を脱いた。折から朝日が刺青の面にさして、女の背は燦爛とした」と結ばれています。
2019年4月23日に日本でレビュー済み
2019年32冊目/4月5冊目/『刺青・秘密』(新潮文庫)/谷崎 潤一郎/P.336/1969年/★3.2
谷崎潤一郎の初期短編集。読み終わるのにかなり時間がかかった。『刺青』…一番谷崎っぽい作品だった。どことなく『痴人の愛』を連想させる。『少年』…若干ホラーっぽくて、谷崎のサディズム的な性格がよく出ている。『秘密』…女装趣味の主人公。マツコデラックスが語っていた女装初期の感情と同じ気がする。もっと女装を引っ張って欲しかったが、最後は普通の恋愛話に。『異端者の悲しみ』…本書の中で一番長い。谷崎が自叙伝っぽく書いたらしいが、主人公がかなりクズ。しかし、最終的に文壇に名を成すことになる。ラストが急すぎる。
谷崎潤一郎の初期短編集。読み終わるのにかなり時間がかかった。『刺青』…一番谷崎っぽい作品だった。どことなく『痴人の愛』を連想させる。『少年』…若干ホラーっぽくて、谷崎のサディズム的な性格がよく出ている。『秘密』…女装趣味の主人公。マツコデラックスが語っていた女装初期の感情と同じ気がする。もっと女装を引っ張って欲しかったが、最後は普通の恋愛話に。『異端者の悲しみ』…本書の中で一番長い。谷崎が自叙伝っぽく書いたらしいが、主人公がかなりクズ。しかし、最終的に文壇に名を成すことになる。ラストが急すぎる。
2005年10月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
冒頭に収録されている「刺青」の注釈の多さ、漢字の難解さ、古めかしい文体に辟易し、時期尚早なのか己の知力の限界なのか放擲も考えた。だがもう一山越えてみようと思い直し、頁を繰っていくとようよう谷崎の世界に搦め取られていた。「刺青」におけるサドマゾの構図、「少年」たちの遊びがエスカレートしていく裏には肉体的被虐の快楽があり、「幇間」ではマゾヒズムの愉悦が赤裸々に披露され、「秘密」では性的倒錯の妙といった具合である。自伝的中篇「異端者の悲しみ」では心の中に潜む悪の正直な吐露にドキリとする。そうかと思うと「母を恋うる記」で描写される夜の世界の神秘的な美しさに耽溺してしまう。闇と光をこれだけ細密に妖艶に表現された文章を未だかつて読んだことがなかった。
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Cliente Amazon
5つ星のうち5.0
molto buono
2016年10月6日にイタリアでレビュー済みAmazonで購入
un "must"della letteratura giapponese acquistabile ad un prezzo molto conveniente che rispecchia fedelmente quanto proposto nella descrizione dell'articolo.Senza dubbio tra i migliori!